インドネシア財閥、林野火災の消火試験 2015/11/5 23:50 [有料会員限定] 小サイズに変更 中サイズに変更 大サイズに変更 保存 印刷 リプリント 共有 ■シナルマス・グループ(インドネシアの有力華人財閥) 5日、政府とスマトラ島パレンバン郊外で日本の中小企 業の技術を活用し、林野火災の消火試験を実施した。深刻化する林野火災や煙害の対策として実用化を支援す る。 水分を含んだゲル状パックを上空から投下し、散水よりも標的を外しにくいという。 試験はシナルマス傘下の製紙大手アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)の鎮火していない植林地で実施した。 食品由来のゲル化材と不織布のパックは手のひらサイズで、5000 個が1トンの水量に相当する。ヘリコプターから 投下し、着地精度や泥炭火災の鎮火効果をさらに検証する。 日本での試験では、高さ 30 メートルから落とした際の標的との誤差は約5メートル。散水だと 20 メートルに及ん だ。 日本側は商品企画会社のイルカカレッジ(鳥取県米子市)が、寒天製造の伊那食品工業(長野県伊那市)や特 殊工業用紙の広瀬製紙(高知県土佐市)の技術を組み合わせた。商用化に向けて実証データの収集を急ぐ。 APPはアジア最大級の製紙会社。乾期の林野火災が自社保有林に広がることで、煙害や温暖化ガスを拡散し ていると批判されており、消火策の拡充を模索している。(パレンバン=渡辺禎央)
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