ダウンロード - 第37回 京都学校教育相談研究大会

第37回
京都学校教育相談研究大会記録
平成27年8月6日(木)
京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)
主 催
京 都 府 公 立 幼 稚 園 教 育 研 究 会
京
都
府
小
学
校
教
育
研
究
会
京
都
府
中
学
校
教
育
研
究
会
京 都 市 立 幼 稚 園 教 育 研 究 会
京都市立小学校カウンセリング研究会
京都市立中学校カウンセリング研究会
京 都 府 立 学 校 教 育 相 談 研 究 会
京 都 府 私 立 中 高 連 合会 カウ ンセ リン グ研 究会
後 援
京
都
府
教
育
委
員
会
京
都
市
教
育
委
員
会
京都府私立中学校・高 等学 校連 合会
0
目
次
目
次
1
実施要項
2
大会委員長挨拶
3
祝
4
辞
京都府教育委員会
全体会講演
京都市教育委員会
京都府私立中学・高等学校連合会
ふたたび、少年期の心~子どもたちは変わったか?~
子どもたちの生きる力をどう支えるのか
7
京都ヘルメス研究所・京都大学名誉教授
山中
康裕
分科会一覧
8
分科会記録
10
大会役員
26
1
実 施 要 項
1. 大会テーマ 子どもの心、親の心、先生の心
2.日 時 平成27年8月6日(木) 9:30~16:30
3.会 場 京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)
4.大会日程
受 付 (9:00~) 4Fロビー
開会式 (9:30~10:00) 4Fホール
大会委員長挨拶・祝辞・日程説明
講 演 (10:00~12:00) 4Fホール
ふたたび、少年期の心
~子どもたちは変わったか?~
山中康裕(京都ヘルメス研究所所長・京都大学名誉教授)
分科会 (13:30~16:30) 3F5F各会場
第2研修室
②発達障がい
第3研修室
①不登校
第4研修室
③社会福祉
3
F
会議室
<本部>
5
F
トイレ
階段
エレベーター
トイレ
階段
エレベーター
第1実習室
⑤カウンセリング
第6研修室
⑥アクティブラーニング
2
第7研修室
④ネット社会
第2実習室
⑦ピアサポート
あいさつ
第37回 京都学校教育相談研究大会
大会委員長
山岡弘高
本日は、第 37 回京都学校教育相談研究大会にご参加いただきありがとうございます。
本研究大会は昭和 53 年の第1回大会から、早 37 回目を迎えることとなりました。この
間、社会は大きく変化してきました。高度情報化、都市化、少子高齢化、核家族化、夫婦
共働きなど、現代社会の大きな変容の中で、家庭の教育力や地域社会の機能が著しく低下
するなど、子どもを取り巻く環境はますます厳しくなっています。
このような中、児童生徒の抱える問題が多様化し、深刻化する傾向が見られます。若年
者のひきこもりや自殺が大きな社会問題となったり、凶悪な少年事件が報道されたり、バ
ーチャルな世界に心の安らぎを覚え人と人との関わりが希薄化したり、貧困が子どもの心
身の発達に影響を及ぼすことが指摘されるなど、子どもの状況は複雑化の一途をたどって
います。
こうした様々な問題に対して、学校教育における生徒指導上の諸問題は、極めて多岐に
わたるものとなっています。基本的な生活習慣の定着や規範意識の醸成など、これまでの
日常の生徒指導上の諸課題に加えて、いじめの深刻化、暴力行為等の問題行動、不登校、
薬物乱用など、心や命にかかわる問題に対して適切な対応が求められています。教員のス
トレスも増大しています。
このような状況の中で、「今を生きる子どもたちは何を求めているのか」「親は何に悩
み苦しんでいるのか」「先生は子どもや親の心にどう寄り添うのか」を改めて見つめ直す
ことが必要ではないかとの思いから、大会テーマを『子どもの心、親の心、先生の心』と
させていただきました。
午前の全体会では、昭和 59 年の第7回大会、平成4年の第 15 回大会に続いて、山中康
裕先生に登壇していただきます。今なお子どもたちの臨床に携わっていらっしゃる山中先
生から、「ふたたび、少年期の心~子どもたちは変わったのか?~」という演題でご講演
いただきます。
「社会の中で子どもたちが呈する事象は、痛み傷つきながらも周りに向かって大人たち
に訴えかけている異議申し立てであり、一つの時代の『鏡』である」。37 年前に山中康裕
先生は『少年期の心』の中で指摘されています。山中先生が時代の「生き証人」として取
り上げられた子どもたちが、親となり教師となり、今、子どもたちと接しているのです。
温故知新という言葉がありますが、現在の子どもたちが、昔の子どもたちとどのように変
化したのか、あるいは変わっていないのか、今一度考えてみる必要があると思います。
午後の部では、7つの分科会を用意しました。各分科会とも、今を生きる子どもを支え
るために私たちに何ができるかを参加された皆様とともに考えていく実践的なものです。
私たちの今後の学校教育相談の一助となれば幸甚です。
最後に、本研究大会が、参加された皆様にとって明日からの力になりますことを心より
祈念いたしまして挨拶とさせていただきます。
3
祝辞
京都府教育委員会
教育長 小田垣勉
第 37 回京都学校教育相談研究大会の開催に当たり、京都府教育委員会を代表し、一言
御祝いを申し上げます。
本研究大会は、京都府における学校教育相談に関する研究交流及び研修の場として、長
きにわたって大きな役割を果たしてこられました。子どもたちの豊かな成長のため、きめ
細やかな教育相談の取組を進めていただいております関係各位の御尽力に対し、深く敬意
を表します。
さて、近年、少子・高齢化が進展する一方で、情報化やグローバル化が急速に進み、さ
らに、スマートフォンやソーシャルネットワーキングサービスの普及も相まって、人と人
との関係や、地域社会のつながりが大きく変化しています。このような中、家庭の教育力
や地域のコミュニティ機能が低下し、子どもの貧困や児童虐待、ドメスティックバイオレ
ンス(DV)など、子どもたちを取り巻く問題は多様化し、深刻化する傾向が見られます。
特に、全国的に増加傾向にある児童虐待や不登校への対応としては、教師がアンテナを高
く張り、子どもたちが相談しやすい環境を整えておくことが重要です。
また、京都府では暴力行為等の問題行動は減少傾向にありますが、全国的に少年非行の
低年齢化が課題となっており、川崎市の男子中学生殺害事件や愛知県刈谷市の集団暴行事
件など痛ましい事件が発生しています。学校では児童生徒の安全の確保に向けた取組につ
いて緊急点検を実施していただきましたが、日常の子どもたちの状況をきめ細かく把握
し、組織として情報共有し、抱える悩みや問題を積極的に受け止める体制を構築しておく
ことが求められています。
このことは、いじめ問題や性同一性障害に係る児童生徒への対応にもつながることであ
り、様々な校務分掌に教育相談の機能を生かしていくことや、学校が一体となって対応す
る組織的な教育相談体制を整備すること、子どもたちの発達段階に応じて相談のアプロー
チを変えることなど学校組織の在り方や指導方法の工夫改善が必要です。
本大会は「子どもの心、親の心、先生の心」をテーマにされています。思春期や反抗期
を迎えた子どもたちと向き合うことは難しいことですが、日常の何気ない会話によって心
を通わせ、お互いの理解を深め通じ合うことができます。この三つの心がうまく絡み合う
ために、学校教育相談を通して子どもたちに何ができるのか、保護者にどのような支援が
できるのか、是非御協議いただきたいと感じております。
京都府教育委員会といたしましても、「京都府教育振興プラン―つながり、創る、京の
知恵―」に掲げているように、周囲からの愛情や信頼、期待などに「包み込まれていると
いう感覚」をすべての子どもが実感できる教育を大切に考え、そのような教育を実現する
ための柱のひとつである教育相談の更なる充実に向け、今後も支援体制づくりに努めてま
いりたいと考えております。
結びに当たり、本研究大会開催の準備・運営に御尽力いただいた関係の皆様方に感謝申
し上げますとともに、本研究大会がますます発展し、多くの成果をあげられますことを祈
念いたしまして、お祝いの言葉といたします。
4
祝辞
京都市教育長
在田正秀
第37回京都学校教育相談研究大会が,盛大に開催されますことを心からお祝い申し上
げます。また,多くの課題が山積する教育現場において,子どもたちの健やかな成長に向
け日々奮闘しておられます教職員の皆様に心から敬意を表します。
さて昨年7月,長崎県佐世保市で16歳の女子高校生が同級生の命を自宅マンションで
奪うという事件が発生いたしました。本年2月には神奈川県川崎市で中学1年生の男子生
徒が少年3人により理不尽に命を奪われる事件が起こりました。また,本年1月に知人女
性を殺害した女子大学生は,高校在学中に同級生に劇物を飲ませて,重い障害を引き起こ
していたことが分かりました。こうした子どもを取り巻く事件を防ぐためには,我々大人
が社会一丸となって取り組まねばならないことは言うまでもありません。
そのときに大切なことは,「子どもの心に何が起こっているか」という観点ではないで
しょうか。現代社会において,子どもの心の奥底で何が生起しており,子どもが何を希求
しているのかという問題の本質に改めてまなざしを向け,理解を深めなければなりませ
ん。しかし,私たちが教育現場で一人一人の子どもに向き合うとき,往々にして「子ども
の心が理解できない」「なぜこの子はこんなことをしてしまうのか分からない」といった
無力感を抱くことは少なくありません。子どもの心を理解するためには,知識や技術だけ
ではなく,大人が自らの心を子どもの心と通い合わせることが必要です。その上で子ども
とどう向き合っていくのか,また,どう子どもたちの育ちを守っていくのかを考えなけれ
ば,表面的な関わりになってしまいます。
こうした中,本大会が「子どもの心,親の心,先生の心」をテーマとして開催され,多
面的な視点から講演・分科会が行われますことは誠に時宜を得たものであり,本大会に参
加される教職員の皆様が自己研鑽に努められるとともに,公立,私立の枠組みを越えた交
流を深められますことは,大変意義深いことであると存じます。参加者お一人お一人が子
どもたちを深く理解する力を培われ,全ての子どもたちが生き生きと成長し続ける学校教
育の実現につながる実り多き大会となることを御期待申し上げます。
京都市といたしましても,こども相談センターパトナでの相談事業を始め,子どもや子
育てに関する総合的な電話相談窓口「こども相談 24 時間ホットライン」の開設,スクー
ルカウンセラーの全市立学校への配置,スクールソーシャルワーカーの配置拡充など,子
どもたちの健全育成に向けた取組に引き続き全力を傾注してまいります。今後とも皆様方
の温かい御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに,京都学校教育相談研究大会 山岡(やまおか) 弘(ひろ)高(たか) 委員長をは
じめ,本大会開催に御尽力いただきました関係者の皆様に心から感謝申し上げますととも
に,皆様の今後ますますの御健勝と御活躍をお祈り申し上げます。
5
祝辞
京都府私立中学・高等学校連合会
会長
山本綱義
第37回京都学校教育相談研究会大会が今年も盛大に開催されますことを心よりお祝い
申し上げます。
この研究大会は、京都府の公私立の幼・小・中・高・支援学校の教育相談に携わってお
られる教職員の皆様の崇高で熱い思いと強い絆のもとに、長年にわたり開催されてきまし
た歴史ある大会であります。今、あらためて関係各位のご努力に対しまして、深く敬意を
表しますとともに感謝申し上げます。また、京都府は教育相談の先進地としての高い評価
を受けており、混迷を深める社会情勢と複雑多様化する社会現状を鑑みるとき、わが国の
教育において、益々この研究大会への期待は大きいと言わざるを得ません。このことは、
長年にわたる関係各位のご熱意とご努力の結果であるとともに、各大学や研究機関の皆様
方のあたたかいご指導の賜として心から感謝し厚く御礼申し上げます。
さて、近年、子どもたちを取り巻く環境は、益々複雑で深刻化し、新たな問題が次から
次へと発生する状況にあります。インターネットやスマートフォンから派生する問題や犯
罪、不登校、虐待、発達上の課題は、後を絶たず頻発しております。また非常に残念なこ
とではありますが、「いじめ」が原因で、再び尊い「いのち」が失われたことは、私たち
に深い悲しみを与えることになりました。この事件につきましては、教育現場にある我々
にとり、再び重要な課題を突きつけることになりました。そのような中にあって、私たち
教師には、「心」に対するまなざしが一層強く求められています。今年の大会テーマに
『子どもの心、親の心、教師の心』とありますが、子どもを取り巻く大人が、それぞれの
心を深く見つめながら、協力をし合って子どもの心を育てて行かなければなりません。
この研究大会におきましては、山積みする今日的な課題に対し、真正面から取り組まれ
ており、特に分科会では、経験豊かな先生方による理論研修、体験研修、実践報告が数多
く準備されております。それらの成果を各学校・園に持ち帰り、明日からの教育実践に生
かされますよう心から願っております。
結びにあたり、関係各位のご尽力に敬意を表し、充実した研究大会のご盛会を心よりご
祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。
6
7
分科会一覧
1
分科会
不登校問題への理解と支援~自己形成から主体形成へ~
講 師
立命館大学文学部・大学院応用人間科学研究科教授 春日井敏之
世話人
大石敏朗(京都府立丹波支援学校) 吉川雅彦(京都府立福知山高等学校三和分校)
不登校への取り組みは、学校教育における重点課題とされてきましたが、そのゴールの設定について
は、必ずしも共有されているとは言えません。たとえば、思春期における自己の解体・再編は、自己決
定できる主体形成をどう支援するのかという課題ではないでしょうか。人間関係、コミュニケーション
能力、社会的自立など、子どもたちに求めていることも、私たち大人の課題と重なっているのではない
でしょうか。事例も含めて検討しましょう。
2
分科会
発達障がいのある子どもの生きにくさ
講 師
花園大学社会福祉学部臨床心理学科教授 橋本和明
世話人
岡田良子(京都産業大学附属中学校高等学校) 大西朱美(京都西山高等学校)
発達障がいのある子どもに対する理解や支援は広がりつつあります。しかし、思春期にさしかかってく
ると、その支援が及ばなかったり、本人のアイデンティティの問題とも相俟って、別の意味で大きな壁
に直面します。その一つが逸脱行動です。彼らの生きにくさをどのように理解し、具体的にどのような
支援をしていけばいいのかを考えてみたいと思います。
3
分科会
貧困や虐待など福祉課題を抱える子どもへの支援 ~スクールソーシャルワークの視点と支援~
講 師
幸重社会福祉士事務所代表 幸重忠孝
世話人
伊藤幸範(京都市立松尾小学校) 松田榮津子(京都市立大塚小学校)
貧困を抱えている子どもや虐待を受けいている子どもは、どの学校のどのクラスにも必ず存在して、こ
れらの多くの子どもたちが何らかの形(不登校、いじめ、非行など)で教育相談に関わってきます。こ
のようなケースは家庭課題に目を向け、学校内での支援はもちろんのこと関係機関とつながる「スクー
ルソーシャルワークの視点と支援」が必要です。講義と演習で学ぶ分科会です。
4
分科会
ネット社会と学校~ネット上の『いじり』や『さらし』の問題を通して~
講 師
佛教大学教育学部教授 原 清治
世話人
岩本弘美(京都市立北総合支援学校) 三溝佐和子(京都市立洛風中学校)
ネット社会の進展は、利便なものである一方で子どもたちの生活世界を変えつつあります。人間関係の
作り方のなかにも、「いじめ」とまではいかないものの、なんとなく友達をネタ的に笑いの対象とする
「いじり」や「さらし」などがあり、それがネットの中で新たなトラブルを発生させる原因ともなって
います。本分科会では、こうした問題を新しいデータに沿って提示し、参加者のディスカッションなど
を通して、情報共有してみたいと思っています。
8
5
分科会
カウンセリング実習~ロールプレイをしてみよう~
講 師
十三カウンセリングルーム所長 酒林康雄
世話人
岩瀬 薫(花園中学高等学校) 鶴田佳代(花園中学高等学校)
カウンセリングの基本に沿った話の聴き方を練習します。いわゆる傾聴の練習です。全員で基本を押さ
えた後、ロールプレイをしてみたいと考えています。ロールプレイは、ビデオ撮りをして、振り返りを
したいと思います。
6
分科会
アクティブ・ラーニング入門
講 師
京都精華大学人文学部教授 筒井洋一
世話人
山口美香(京都市立鏡山小学校) 竹内多恵子(京都市立日野小学校)
次期指導要領から、アクティブラーニングが盛り込まれるということが発表され、学校現場ではにわか
に注目を浴びています。ここでは、文科省の意向という上からの視点からではなく、どうすれば生徒自
身が学び始めるのかを考え直す絶好の機会ととらえてみませんか。生徒がどこまで学んだかを仲間を通
じて生徒自身がわかること。このことを実際に体験してみましょう。
7
分科会
ピア・サポートプログラムを学びましょう!
講 師
立命館大学応用人間科学研究科教授 増田梨花
世話人
本多淳一(京都府立清明高等学校) 山下大輔(京都府立清明高等学校)
小学校・中学校をはじめ現在大学や医療機関・地域コミュニティーなど、様々な領域でピア・サポート
が急速に広がっています。本分科会ではピア・サポートの概念・ピア・サポートプログラムの構造を学
び、ピア・サポートトレーニングの基本的なワーク体験していただきます。そしてピア・サポート活動
の実践に向けたプラニングの方法についての学び、さらにPDCAサイクルにのっとったピア・サポー
トプログラムの応用に関しての知識を広げます。
9
第1分科会
不登校問題への理解と支援~自己形成から主体形成へ~
立命館大学文学部・大学院応用人間科学研究科教授 春日井敏之
講師の春日井先生からの参加者への問いかけ、参加者の応答、それを受けとめていただ
いたうえで、これまでの教育実践に裏付けられた現場感覚に溢れた先生のお話を盛りだく
さんお聞きしました。分科会会場が春日井先生の「学級」になっているような感覚を覚え
ました。そのような場や時間のなかで、「人間」を育てる対人援助職としての教師にとっ
て大切なことを、参加者それぞれが振り返り、見つめ直し、確認整理し、あるいは学び直
す機会を持つことができたと思います。
1
対人援助職としての教師
(1)子どもの心が見えなくなるとき
対人援助職として大切な「察する」「翻訳する」力は発揮できていますか。
そのためにも、
「心と身体と意識の統合体としての人間」としての「自分」のメンテナンスが欠
かせない。⇒「生活体感速度」が時速100キロ近いような生活では、自分の心も子
どもの心も見えなくなる。今日のように、時々立ち止まって振り返ってみることが
大切。
(2)時代のなかの子どもたち
ア
幼児期・学童期の「群れ」から学童期・思春期の「集団」へのプロセスを、子ど
もたちにたっぷりくぐらせてきただろうか。
イ
人間との関係、自然と関係、文化との関係のなかで、子どもは自分と向き合い、
ことばを熟成させ、ヒトから人間に育つ。
ウ 日常生活における子どもの小さな自己決定の積み重ねを尊重してきただろうか。
そのうえで、問題が起きたときに、そこに込められた子どものSOSを読み解き、
失敗つきの練習として受け止めながら、子どもたちの成長につながる取り組みを
進めること。⇒管理の行き届いた学校と子どもが安心して通える学校とは違う。
エ とりあえずゴールは「有名大学」というレール⇒「比較と競争」を煽られる。
オ
教師や親が設定する「守りの枠」の正当性は、「子どものいのち、権利、利益を
守る」ことにある。⇒これを踏まえないと、学校では管理主義教育・体罰問題、
家庭では虐待問題が発生する。
カ
いじめ問題も不登校問題も、その根っこは同じ。⇒「良い子を演じ続けることの
つらさ」(息切れ)、「家庭で大切にされていないつらさ」(虐待)、「居場所
のないつらさ」(荒れ)など。
(3)対人援助職としての教師-「連携と融合」を目指す
対人援助という仕事は、援助することによって援助されている仕事。
⇒これが実感できるのはどんなときか。子どもにそのことを語っているだろうか。
ア
「援助者が考える援助の枠」と「相手が求める援助の枠」は、もともと異なるも
のであることへの自覚を。⇒このズレのなかから重なりを見つけていくことが、
10
子どもに「寄り添う」ことではないか。
イ
子どもや親から見れば、評価権などを持ち、権力の一端を担う存在であることも
自覚し、真摯な姿勢を持ち続けること。⇒比較と競争の泥や垢をかぶっている存在
でもあることの自覚も大切。
ウ
「ほめる」「しかる」も教師による「評価」であり、過剰適応したり傷ついたり
する子どもがいる。⇒その前に大切なことは、すべての子どもが「かけがえのな
いいのちと幸せになる権利」を持って誕生した存在であることに愛と敬意を払う
こと。
エ
同僚性とは、「チームの一員としての当事者性と主体性を、お互いに維持し発揮
していくこと」。⇒誰かに丸投げ、指示待ちでは、チームは機能しない。職場に
評論家はいらない。自分は担任としてどうしたいのか、どう考えているのかを語
らないと有効なチーム支援はできない。
オ
保護者支援にとって大切なことは、「親のいいところがちゃんと似ている子ども
に育っている」ことを親に伝えること。⇒そこを土台にして、子どものための作戦
会議が一緒に始まる。
カ いじめ、不登校問題への取り組み、キャリア教育などにおいて、当事者性を大切
にしながら、人としての「生き方、あり方」を考え合うための問いを大切に。
⇒「あなたのときはどうだった?」「あなただったらどうする?」「なぜ起こる
と思う?」
⇒「十年後、どんな人間になっていたい?」「そのあなたはどんな仕事ができそ
う?」「何のためにあなたは生きているの?」「いま、あなたが大切にして
いるものは何?その理由は?」
キ ネットワーク支援、チーム支援、チーム学校という視点の理念は何か。
⇒専門家、専門機関や担当者への丸投げや丸受けでは、チーム支援にならない。
子どもを仕分けたり、排除したりすることでもない。
ク
不登校問題の「全国のつどい」で確認されてきたが、子どもを支援するというこ
とは、「(子どもの成長を)信じて、任せて(日常生活の小さな自己決定を尊重し
て)、待つ(放置ではなく、回復段階に応じてかかわり続けるプロセス)」という
こと。
ケ
ネットいじめのとらえ方について。⇒問題の本質は、子どもの日常生活における
トラブルにある。着火点と発火点は異なる。
コ
いじめ問題などへの取り組みで大切にすることは何か。⇒予防的、開発的な取り
組み。初期対応の大切さ。双方の主張は、100%は一致しないことを前提にした
指導、支援が必要。一致点の中から、問題点を指摘し共有することはできる。
2
つながって生きる
(1)コミュニケーション能力について
ア
コミュニケーションには、「情報発信」「情報取得」(一方向)と、「意味の
共有」「意思疎通」(双方向)の二つの意味がある。
イ
学校や家庭においては、未熟な子どもたちのコミュニケーション能力を問う前
11
に。⇒教師や保護者のコミュニケーション能力、かかわり方が問われている。
ウ
具体的には「問う、聴く、語る」ことを軸にした子どもに対する教師や保護者
のかかわり方が大切。
・「問う」というかかわり方には、三つの意味がある。一つは、問い詰めるので
はなく、「どうしたんや」と気になる子どもに問いかけること。二つには、
「子どもの言動の意味を自らに問う」という子ども理解の姿勢を持つこと。三
つには、一人でわからないときには、「周辺の同僚などと子どもの言動の意味
を問い合う」というネットワーク支援の姿勢を持つことである。
・「聴く」というかかわり方で最も大切なことは、「負の感情を聴き取る」こと
である。それが子どもの不安やストレス、葛藤などを読み拓き、信頼関係を築
いていく扉となることが多い。負の感情を聴き届けてくれる他者と出会うこと
で、子どもは自分の課題と冷静に向き合ったり、一区切りをつけたりできるの
ではないか。教師や親は解決請負人になるのではなく、限界をわきまえながら、
一緒に時間を過ごし考えるプロセスが大切。
・「語る」というかかわり方で最も大切なことは、「親や教師が自分を語る」こ
とである。「先生(お父さん・お母さん)もうれしい」のひとことを。特に、
子どもと同じような時期に、どんな失敗をしてきたのか、その時誰に助けても
らい、どうしのいで現在に至ったのかなどをリアルに語ること。子どもにとっ
て、プロセス抜きの成功談は、大人の自慢話にしかならない。「親や教師が自
分を語る」ことは、生き方を考え合うキャリア教育の中軸にもなる。教師も一
人の人間として、「アイ・メッセージ」を伝えることを大切にしたい。
(2)子どもたちの共通の願いは「まるごとの自分を認めてほしい」自己肯定感の土台
ア
人は誰でも、「かけがえのないいのちと幸せになる権利」を持って誕生した。
⇒「かけがえのない存在に対してお互いに敬意を払う」こと。
⇒深い愛と敬意がいのちを励ます。
イ 以上の点を土台としながら子どもを認めるという姿勢とかかわりについて。
・能力レベルで認める:ほめる、頼る、励ます
・存在レベルで認める:ねぎらう、赦す、守る
ウ 自己肯定感と個性尊重について。
・人間は、個として独立した存在であると同時に社会的な存在。
・他者からの比較や評価による肯定感でなく、成功したときの肯定感、失敗し
たときの否定感でもなく、かけがえのない存在をまるごと受けとめてもらって
育つ自己肯定感。
・自己肯定感は、お互いの関係の中にお互いの存在を意味づけて生きていくな
かで膨らんでいくのではないか。お互いにとって、お互いの存在が励みになっ
ていくような関係の大切さ。
・個性尊重とは、「自分の強み(ウリ)」を商品として切り売りすることでは
なく、お互いにかけがえのないいのちをもった異なる存在であることを認め合
い、敬意を払うこと。
12
3
不登校のいまを問う
(1)登校拒否・不登校の多様化・複合化-大きく三つの態様がある
ア がんばりすぎて子どもが息切れしている場合(息切れ)
イ 虐待問題などを伴い、子どもの意欲が枯渇している場合(虐待)
ウ 問題行動を伴い、学校や家庭に居場所が乏しい場合(荒れ)
(2)登校拒否・不登校への支援のあり方
ア 「待つ」ことの意味と広がりについて。
・「待つこと」という言葉は、休み始めた子どもに対しても休みが長期化している
青年に対しても同じように使うが、共通する意味は、「回復段階に即した継続的
支援」にある。かかわり方には、親と子どもの直接的なかかわりだけでなく、子
どもと第三者をつなげていくという間接的なかかわり方もある。放置することで
はない。
イ
子どもの問題を夫婦関係や親子関係だけに矮小化しない。
ウ
兄弟姉妹関係や祖父母との関係にも配慮と調整を。
エ いじめなどのトラブルが原因と思われる不登校について。
・親は、いじめられたわが子をまず守る姿勢に立つ。大切なことは、トラブル発生
の初期段階における学校と家庭の取り組みである。「学校は休んでいい」ことを子
どもに伝えながら、家庭で話をゆっくり聞いてやることが大切。そのうえで、学
校・教師と連絡を取りながら、事実関係を明らかにし、関係の修復を図っていくこ
と。たとえば、友人関係のトラブルであれば、「仲直りする」「関係を解消する」
「しばらく距離をとる」の中から、子どもたちが選択して関係の修復方針を決めて
いく。
オ 学校には行けてなくても、家庭で元気になっていくことの大切さ
カ
押したり引いたりは、回復段階に応じた支援のプロセスとして大切。
キ 配慮、支援を受ける側から誰かを支援する立場に。
・この時に、「自分のエンジン」にスイッチが入ることも少なくない。
(3)登校拒否・不登校の「克服」とは
登校拒否・不登校の「克服」とは 、人格が変わって学校に行けるようになるとか、繊
細な子どもが図太くなって、社会に復帰できるようになるようなことではない。「克服」
というのは、自分の持ち味を活かしながら社会とつながって生きていこうとすること。具
体的には、「いろんな持ち味や課題を持った自分、それが自分なんだと思えて、できるこ
とで誰かを助けながら、できないことは助けてもらい、やりたいことにこだわりながら生
きていく」ということ。そのための支援が求められている。支援の結果、子どもの中に変
容が起こって動き出したとすれば、それは子ども自身の成長によるものであり、これを
「自己回復力」という。長所と短所を相対化させながら、子どもたちが自分の登校拒否・
不登校を意味づけ、自分の存在自体の意味をつかみ、自分で生き方を選び取っていくこと
が大切。これはなかなか大変だからこそ、そのプロセスを応援する支援者がいることが大
切。こうしたプロセスが、登校拒否・不登校の「克服」の意味ではないか。
13
第2分科会
発達障がいのある子どもの生きにくさ
花園大学社会福祉学部臨床心理学科教授 橋本和明
1.紹介 挨拶 PM1:30~
世話役二人の名前と講師の先生の簡単な紹介をさせていただき、午後の流れを説明。
その後、橋本先生にマイクを渡し、大学内での仕事や大学外での仕事(児童相談所に
関わる仕事・大阪豊中市の教育委員として中学の教科書選定もされていること、また、
大人の裁判の犯罪心理の情状鑑定をされている・・等々)の自己紹介をして頂く。そ
して、前半では「発達障がいのある子どもの生きにくさ」についての話、後半では
「発達障がいを持つ大人(保護者)の生きにくさ」についての話をしたい。
2.【対人関係】と【対象関係】の違い 【being】と【doing】の違い PM1:40~
X氏とY氏の外から見た関係が対人関係とするとX氏の心の中のY氏との関係を対象
関係といい対人関係とは少し違う。
しっかりした対象関係を築けていれば目の前から対象が居なくなったとしても心の
中の対象は消えないで確立しているが、未熟な対象関係しか持てていない場合は目の
前から対象が居なくなると心の中の対象も消えてしまう。キレる少年はこの対象関係
が未熟なのではないか? 親子関係や人との繋がりが希薄なのではないか?親や大人
は何かを、してあげること(doing)ばかりで、「存在すること・いること」対象で
あること(being)が出来ていなのではないか? 実は(being)が大事。Being が存在し
て
doing が生きてくる。
※ 昔はもっと上手く人と繋がれたが、今の世の中の人間関係が希薄になってきたた
め発達障がいの子供達が浮き上がったように、目立った存在に見えているのでは
ないか? 逆に言えば、我々の「関わる力」が弱くなってきているのではない
か?コミュニケション力をつける心掛け努力が必要ではないか?
3.前半「発達障がいのある子どもの生きにくさ」 PM1:55~
(1)DSM5の話・発達障害の特徴
DSM(アメリカの精神医学の診断基準)が2年前にⅣからⅤになった。「~障害」で
はなく「~症」と変わった。ADHD がⅣでは行動障害に入っていたが5になって発達
障害に入った。アスペルガーという呼び方が無くなり、「自閉症スペクトラム」の中
に分類された。文科省の統計によると全国の小中学校の普通学級に於いて 6.5%の生
徒が発達障がいと疑われる。自閉症スペクトラム障害の特徴には社会性の獲得が難し
い、冗談が通じない・字義通りに受けとる・想像力が乏しい・先の見通しが持てな
い・不安が強い・等がある。ADHDのタイプ(不注意・多動・衝動)の話。
(2)思春期に直面する課題。「思春期の壁」をどう乗り越えるか。
小さい頃は親や先生らが手取り足取り支援をし、何とか育っていくが小学校高学年頃
になると「自分」というものを持ってくるので(アイデンティティの問題)、親の言
うことも聞かなくなり、今まで通りにはいかなくなる。思春期の壁「進学・就職の問
題」・「性の問題」・「アイデンティティの問題」等。彼らは見ているものが違う!
何を見ているのかをしっかり理解し対応することが必要。問題行動にいかないための
14
工夫・・・早期の診断と対応。(支援が早く受けられる。)本人は繋がることが苦手
でも周りの家庭や学校または地域がつながることにより、とてもやり易くなり本人も
生きやすくなる。
※ いき詰まっている生徒の保護者に専門機関、医療機関に診断を求めたい時
「○○は今、行き詰まっていることがあるはずなんです、しかし、私は専門家ではな
いので、専門家の話を一度聞いて来て頂けませんか?何か良い知恵やヒントを貰って
きて頂き、私に教えて下さい。そして、そのヒントをもとに、また相談しながら一緒
に考えて行きたいのです。」と言葉を添えて送り出して下さい。(そうすることで疎
外されている。という不満を持たれず、誤解を受けない)
子どもの ADHD への親の対応
怠慢や努力不足でないことを理解し ADHD を理解し受け入れる。要求水準と期待を
下げる。体罰避難、比較をしない。ほめる。冷静に対処。単調な指示を繰り返す。子
どものペースに合わせる。1 対1のゆとりの時間を持つ。親自身が自責感や無力感を
持たない。親同士が協力。時期を見て告知。
(3)発達障害と愛着障害の識別
この二つは識別しにくい。しかし、発達障がいは脳の基盤の特性であり、劇的な変化
は望めないが愛着障害は安心できる場所やこころを開き繋がれる人が居ると劇的に変
わって行く。絵本「おこだでませんように」の紹介
4.後半「発達障がいのある大人の生きにくさ」PM 3:15~
「子育て」とは社会性を身に着けさせることだと思う。保護者の社会性を子供に育ま
せることが大事な始点となるが、保護者に社会性が備わっていないと大きな躓きとな
る。自閉症スペクトラムの保護者の子育ての困難な事例をあげての話。
子育てには「社会性」「共感性」「柔軟性」が必要とされるが、これらの保護者には
その能力が備わっていないためハンディキャップを持っている。しかし「多様性」も
大事。発達の仕方は千差万別。保護者の個性や能力に合わせた子育ての重要性。不適
切さがなければ OK!
(1)保護者支援の方法
①援助者が保護者の言動や思考パターンを見つけ出し最初から評価をしない。(何故だ
ろうと考える)
②伝えたいことは言葉だけではなく図で示したり、文章も記述するなど視覚化を図る。
③カリスマティックアダルトのような存在や気持ちや話が通じる特定の人がいないかを
見つけ出す。
④チャート図で示す。見通しが持ちやすいようにする。
⑤ハードルを下げる。出来ることから少しずつ。
⑥虐待をしてしまいそうな場面でクールダウンする回避方法を事前に模索しておく。
⑦医療機関との連携。適切な時期に適切な障がい告知を受ける。ヘルパー等の援助を求
める。
⑧家族の力が発揮できるような支援、パートナーの援助を引き出せるようなアプローチ
が必要。
⑨生活全般に着目していく。
コミック本「プロチチ」の紹介
その後 質疑応答後 終了。
15
第3分科会
「貧困や虐待など福祉課題を抱える子どもへの支援」
~スクールソーシャルワークの視点と支援~
幸重社会福祉事務所 代表
幸重忠孝
幸重先生の朗らかではっきりとした口調が、参加者の心をぐいぐいとつかみ、先生の話
に夢中になった。その事は、分科会終了後の関連資料や先生に質問に来る人の多さでも分
かる。映像やワーク、作業などバランスよく組み合わせて,3時間が短く感じるほど充実
した講座だった。それと同時に,今までの教えてきた子を振り返り、もしかしてあの時、
あの場面の子どもたちは、貧困や虐待が原因であったのでは?と思う場面もありました。
1.
はじめに
(1) 児童養護施設の実態…全国に約4万人の子どもたちが暮らしている。多くは貧
困や虐待の家庭である。児童相談所が判断し、入所する。実際に養護施設に預
けられるのは1割ほどである。
(2) 児童養護施設にいる子ども達の防衛行動…施設にいる子どもたちは、大人に対
して以下のような試す行動をする特徴がある。そのバリアーを乗り越えてきた
大人だけと付き合おうとする。根底には保護者からの愛情不足がある。試す行
動をすることによって、自分がこれ以上傷つかないようにしている。
・暴言や嫌な事を技と言ったり,暴力などを振ったりする<攻撃型>
・必要以上に大人に甘えたり、独占しようとしたりする<甘え型>
このような人との関係の取り方は、友だち同士でも取りがちになる。そのた
め、友だちができにくくなり、不登校やいじめ(する側も)へ繋がることもあ
る。
(3) 期限付きの支援…養護施設は原則18歳で
施設を出なければならない。18歳で出る
ときには,住居を確保しなければならな
い。賃貸契約を結ぶには、保証人が必要と
なる。この年齢で、保証人となると保護者
がなる場合が多いが,施設に入っているこ
の保護者は,保証人なるのを拒否したり、
連絡がつかなかったりする事が多いので難
しい。そうなると、住み込みの仕事しか選ぶ事が出来ないケースが多くなる。
2.スクールソーシャルワーカーとして
(1)スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの違い
・スクールカウンセラー…子どもの内面を深く見る専門家
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・スクールソーシャルワーカー…子どもを取り巻く環境を多面的にみて、困りを
解決するために誰につないだら良いかを知って
いる専門家
(2)学校での限界…学校で子ども達の様子を見る事ができない時間帯がある。それ
は長期休業中と夜の時間である。学校がみられない時間を地域のNPOなど力
を使ってさ支えていく。そのような機関と機関,人と人をつないでいくのもス
クールソーシャルワーカーの役割の一つである。
3. 子どもの貧困を背負う家庭の実態
(1) 絶対的貧困と相対的貧困
・絶対的貧困…アフリカの難民のような衣食住が危ぶまれる
・相対的貧困…憲法で規定されている生存権が侵されている。6人に1人が
相対的貧困。一人親家庭では2人に一人が相対的貧困。
(2) ワーク「子どもの貧困を家計から考える」
国民の所得の中央値が月収
37万円。その中央値の半
分にあたる家庭の月収が1
7万円。それぞれの収入
で,生活費や交通費を割振
りして,リアルな生活の現
状を考えた。
4.
子どもの虐待の実態
(1) 虐待のパターン…最近多くなってきているのは,心理的な虐待。夫婦仲の
悪さやDVの様子を子どもが見聞きする。保護者からの言葉の暴力などが
ある。
(2) 98%が在宅支援…虐待を受けている子どもの98%が在宅で支援を受け
ている。学校に通いながら、児童相談所や要保護児童対策会議によるネッ
トワーク支援を受ける。背景には、施設に入ってしまうとその後が難しく
なってしまうからである。
(3) 虐待が生み出す愛着障害…虐待の結果、子どもたちに起こる愛着障害は,
発達障害と似た行動を子どもたちにおこす場合がある。例えば、家の中が
ネグレクトでゴミだらけの環境で育ってきた場合、学校の整っている環境
は、子どもにとって普段と違う環境であり、落ち着けない環境になる場合
がある。
17
第4分科会
ネット社会と学校~ネット上の『いじり』や『さらし』の問題を通して~
佛教大学教育学部教授 原 清治
参加者全員の自己紹介からスタートした
第4分科会では,テーマの下,原先生と参加者
のやり取りを交えながらの和やかで学び多い分
科会となりました。
■講義内容
「近年,学生や子供たちを見る中で,互いに
真の人間関係を築く力が下がってきたように感じ
られる。」という原先生の言葉ではじまった今回
の講義。そのような様子が見られる具体的事例として,まず,ここ数年で中高生の間で流
行している Mix Channel(ミックス・チャンネル:恋人同士のキス動画などを編集しアップ
することができるというアプリ)について取り上げられた。大人からすると,顔が見える
プライベートな動画が半永久的に残ってしまう危険極まりない代物であるにも関わらず,
10 代の若者には大ヒットしているという。これは,インターネットというシステムについ
ての無知だけによるものではなく,「SNS という媒体を介してしか,自己の承認欲求を満
たせなかったり,自身が愛されているという自己確認ができなかったりするという多くの
若者の現状を示しているのではないだろうか」という点が示唆された。
また,原先生ご自身が学校現場の生徒に対して実践された「5 人のグループを作ってみ
よう」の取り組みでの子どもの様子も紹介された。「仲の良い友達と 5 人グループを作っ
てみよう」という指示にも関わらず,フライングをして近くの生徒同士で目配せをし先に
保険をかけてしまう生徒や,特に仲良くもないが形だけの 5 人グループを作る生徒などが
多く見られたという。この様な子ども達の姿もまた,群れる力が低下していたり,希薄な
人間関係しか作れなかったりという若者の現状を顕著に表している一例である。
他にも,大学の学食で見られはじめた「ぼっち席」(相席したがらない学生のために,
仕切りを使いあえて作られた一人用の席)や,一人カラオケや一人で食べるラーメン店の
流行…など,参加者も驚くような例も紹介された。これらの要因としては,「つながり」
や「絆」という社会の声が過剰なあおりとなり,それに反して,外の視線が気になる若者
が増えているということが考えられるとのこと。ネット(メディア)社会の所作が若者や子
ども達に及ぼしている影響の一つともいえるだろう。
これらの例から,現代の子ども達の構築している人間関係の「島宇宙化」や「互しゅう
性の欠乏」について解説が加えられた。「島宇宙化」とは、宮台真司氏の著書『制服少女
たちの選択』(講談社,1994)の中で,90 年代以降の若者の人間関係が「自分と同じ価値観を
持つ者としか友人関係を築かず,他のグループにほとんど関心が向かない」という様態を
表した言葉である。また,「互しゅう性」とは「人間同士の持ちつ持たれつの関係」を言
い,大学での出席確認やレポート提出にみる互しゅう性の今と昔について例を挙げられ,
笑いを誘われていた。 また,この希薄になりつつある互しゅう性を補うスタイルとして
18
「ラーニング・コモンズ」の紹介も行われた。これは,大学などの施設において,課題解
決などの際に学生同士が学習目的にあわせて柔軟に活用できるように作られた共有スペー
スのことである。
この様に,ネット社会の中で人間関係が希薄になりつつある子ども達が抱える問題は,
ネットという一種独特の世界での特殊なものとも思われがちだが,「リアルいじめ」と
「ネットいじめ」には相関関係があるという点も忘れてはならないという。最近では子ど
も達でさえも普通に口にする「スクールカースト」(クラス内に暗黙の内に存在する上
位,中位,下位グループという階層分け)は,そのまま「ネットいじめ」にも反映される
のだ。ある調査で,「自分はいじめられっ子だった」という生徒の半数近くが「ネットい
じめ」の被害にあったことがある(とてもあてはまる,少しあてはまる)と答えていること
からも分かるように,リアルないじめの延長線上にネットいじめが位置付きはじめている
実態があるようだ。
また,お笑いブームと共によく聞くようになった「いじられキャラ」という言葉も注意
すべき点があるという。ある中学生への調査では,「自分の気持ちと違っても人が求める
キャラを演じてしまうことがある」という生徒が 3 割もいたという(本田由紀『若者の気
分 学校の「空気」』岩波書店,2011)。原先生ご自身が大学の学生に質問された際にも,
同様に「いじられキャラ」であったという学生は数名おり,そのことで嫌な思いをしたこ
とがあるという学生が多数であったそうだ。子どもの間で,「いじり」が「いじめ」に転
じるケースもしばしば見られることから,学校現場では「いじり」という事象に危機意識
を持ち,対応していく必要があるだろう。
この「いじり」に似た現象が,上位校(学力上位校)のネットいじめに特徴的に見られる
という。学校裏サイトなどで,ある対象をめぐって,それを「ネタ」にしてコミュニケー
ションをとる「ネタ的コミュニケーション」があるそうだ。掲示板サイトでまじめに答え
るのではなく,すべてがネタである「かのように」振る舞い,事実かどうかよりもつなが
りたい感覚や感情が優先し,思うがままに情動的に書き込まれてしまうのだ。その結果,
「ネタ」を「さらし」て(事実とは無関係に…)みんなで笑うのだという。反面,多様校
(上位校以外の学校)のネットいじめの特徴としては,直接個人への誹謗中傷を書き込んで
しまうという点が見られるという。これは,背景としてネット上の人権感覚の低下がある
と考えられている。
現代の子ども達は,小さい時からネット社会にどっぷりと浸かり,それを現実の一部
(もしくは大部分!?)として生きている。そんな中,学校現場で子ども達にネット等につ
いて伝える際に必要な事とは?「トップダウンでネットを取り巻く事象や物事の良し悪し
を伝えるのではなく,何よりも本人達に身を持って考えさせることが大切だ。」と原先生
は警告された。また,子どもだけでなく,近年では親子でのネット依存も多く見られるこ
とから,保護者に対しての啓発も重要であるという。その大前提として,学校教育に関わ
る教職員がネット社会という子どもとは切っても切れない世界について知り,学んでいく
姿勢を常に持っておく必要がある。また,最後の原先生の「今こそ,べたな人間関係作り
が実は大切。」という言葉が印象的であった。ネット社会の今だからこそ人と人の真の
「つながりあい」を改めて熟考し,“ソーシャル・キャピタル”(パットナム,1995)を
拡げていくという視点を子どもだけでなく,大人もまた忘れない様にしていく必要がある
のかもしれない。
19
第5分科会
カウンセリング実習 ~ロールプレイをしてみよう~
十三カウンセリングルーム所長 酒林康雄
全体の流れ
13:30~14:30 講義
10分休憩
14:40~15:30 ロールプレイ①
10分休憩
15:40~16:30 ロールプレイ②
実際はロールプレイ①で、質問や解説が長引き、15:30で終了の予定が15:45
に終了した。その後、2~3分休憩を取ったあと、ロールプレイ②を行った。
初めに、円になって座り一人一人自己紹介をした。そのまま続けて講義が始まった。
講義内容
1. 基本姿勢
2. カウンセリングの実際
3. カウンセリングが上手くなる為には
4. ロールプレイに関して
ロールプレイの前に
1. 参加者 13 名を2つのグループに分ける。参加者の所属している学校別に分けた。高校
に所属している参加者グループと、それ以外に所属している参加者グループに分けた。
2. グループごとにどんなロールプレイをするか話し合いをした。クライエントロールを
もとに、相談場所、性別、年齢、主訴を決めた。
ロールプレイ①
片方のクループから相談者、もう片方のグループから聞き役を出して、ロールプレイを行
った。
相談場所:学校の相談室
性別:女性
年齢:17歳
主訴:クラス替えがあって、友達ができないので、どうしたらよいか。
ビデオ撮影をして、その後全員でビデオを見直し、気になる箇所で質質疑、応答がなされ
た。
質問と解説の時間が延びてしまい、予定より15分ほど延長して休憩に入った。
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ロールプレイ②
ロールプレイ①で相談者を出したグループは聞き役を出し、聞き役を出したグループから
は相談者を出した。
相談場所:学校の教室
性別:女性
年齢:40代
主訴:小学5年生の男の子の保護者で、共働きをしている。子供が家で母親の言うことを
聞かない、勉強をしないので、どうしたらよいか。
ビデオ撮影をして、その後全員でビデオを見直し、気になる箇所で質質疑、応答がなされ
た。
最後にアンケートを取って、終了した。
たくさん出た質問に対して、講師の先生が親身になって答えてくださった。参加者の方
が積極的に参加できたので、活気のある分科会になった。
21
第6分科会
アクティブ・ラーニング
京都精華大学人文学部 教授 筒井 洋一
分科会全体を通して,和やかな雰囲気で受講者が活動している様子が印象的だった。受
講者の活動中心の講義であったこともあり,受講者の満足度は高かった。アクティブ・ラ
ーニングを現場で活用していく上では,様々な課題があるが,今後,工夫し改善していけば,
より充実した学習活動につながり,生徒たちの自己肯定感の向上につなげることができる
と考えられる。
1.講師挨拶・アクティブ・ラーニングの趣旨説明
(1)講義の趣旨説明
・アクティブ・ラーニングは,カウンセリングと同じで学習者の声を聞こうという趣旨
である。
・アクティブ・ラーニングは,従来の講義型の授業ではなく,体験型の授業であるため,
実習なしにはあり得ない。
・アクティブ・ラーニングは,体で感じ,記憶するものである。
・講義は,先生が知識を伝達するには効果的であるが,他の受講者との交流はない。
しかし,アクティブ・ラーニングではグループの人と共同作業を行うので,人とのつな
がりが身につく。
(2)アクティブ・ラーニング分科会目標の提示
・Think, Pair, & Share で新しい知見を取り入れる。
・アクティブ・ラーニングの概略が分かる。
・アクティブ・ラーニングの活用法が分かる。
2.グループ分け・アイスブレーキング
(1) グループ分け
・異職種集団(4 人~6 人程度)になるようにグループ分けをする。
(会場には,小・中・高等学校,大学,専門学校,相談員などの様々な職種の受講者がい
た)
・異職種集団のグループ作りをする旨を伝えると,グルーピングは,受講者に任せ,講師
は前で指示を出し,グループができるのを待つ。
(2) アイスブレーキング
・グループで自己紹介をする。(所属・名前・分科会参加動機)
・グループ名を考える。
3.授業(テーマ①授業時間)
(1) 教師の時間と生徒の時間の時間配分を考える。(50 分授業の場合と 100 分授業の
場合)
(2) 理想的な時間配分を考える。
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4.授業(テーマ②アクティブ・ラーニングの説明)
(1) 個人ワーク(桐蔭学園高校の実践ビデオを視聴 4 分程度)
(見る視点)
ア)アクティブ・ラーニングとは何か?
イ)なぜアクティブ・ラーニングが必要なのか?
ウ)アクティブ・ラーニングに対する質問は?
(2) グループワーク(15 分程度)
・個人ワークで理解したこと,考えたことをグループで交流する。
・講師は,見る視点に沿って話すことを伝える。
(3) グループ発表
・講師は,グループでの発表の際には,発表を聞く姿勢を指示しグループワークの内容を
発表した。
・グループ全員が立ち,発表に参加するという形をとった。
(受講者から出た質問)
・評価の方法(客観性の確保)をどうするか。
・アクティブ・ラーニングには向いている教科とそうでない教科があるのではない
か。
・限られた時間の中で,アクティブ・ラーニングをどう取り入れていくのか。
・従来の話合い活動との違いが明確でないので,分かりづらい。
・基礎・基本の力をどのようにつけていくのか。
(4) リフレクション(講師より)
・アクティブ・ラーニングを活用するためには,教員の学習観の大きな転換が必要。
・これからの社会を生きる生徒たちには,他の人と協力して作業できる力が必要にな
る。
(Teaching の定着率は低く,Learning の定着率は高い)
・未来を生きる生徒たちに,どのような力が必要とされるのかを見抜く先見性が必要で
ある。
5.授業(テーマ③どんな未来の教育を創りたいか)
(1) テーマ設定の理由説明
・正解のないことを考えることが大切である。
・現状適応型,未来適応型の学習から,未来創造型の学習へと発想を変えていくことが必
要である。
(2) グループワーク(30 分程度)
(3) グループ発表
6.受講者の感想から
・自分の頭を使い,グループで討論できて充実していた。
・従来の講義型とは違い,眠くなることがなく,楽しく参加できた。
・他の人の意見を聞くのは,学習した実感が持てるものだと実感した。
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・話合いの実習は楽しかったが,「知識」をもう少し学べたほうがよいと感じた。
第7分科会
ピア・サポートプログラムを学びましょう!
立命館大学応用人間科学研究科教授 増田梨花
1.ピア・サポートの基本を学ぶためのアイスブレイク
(1)ひたすらジャンケン①
2 人組を自由につくってジャンケンをする。できるだけ時間内に多くの人とジャンケ
ンし、勝った回数を数える。
(2)ひたすらジャンケン②
次は、ジャンケンをあいこがでるまで続ける。2 人組であいこができれば「イエイ!」
と言ってハイタッチする。このワークでは、あいこにするためにペアと何を合わせたか
を考える。参加者から「息を合わせる」「目を合わせる」「顔を合わせる」などの意見
が出た。。
(3)なべなべそこぬけ
・2 人組で握手をしてから講師の歌に合わせて
「なべなべそこぬけ」を行う。
・4 人組、参加者全員など人数を増やして同様のことを行う。
全員で行う場合、みんながお互いに合わせないとできない。
1 人リーダーのような人が出てきて、リーダーに合わせるこ
とで達成できたりする。
2.ピア・サポートの基本的な考え方
(1)ピア・サポートでは、「よく見る。よく聞く。よく考える。よく感じる。行動す
る。」ことを大切にする。
(2)ピア・サポートを考え出し、発展してきたアメリカやイギリス、カナダなどは移民
を受け入れてきた多民族国家であるため、お互いのことをよく知り合おうとすること
が必要とされてきた。ピアとは仲間のことであり、相談相手の多くを友人に選ぶ中高
生では、相手のことを考えながら自分の思いを伝えていくことが大切である。まずは、
自分を好きになることで人のことをサポートしていく余裕ができるようになっていく。
そのためのトレーニングがピア・サポートプログラムである。
3.傾聴スキルのワーク
2 人組で話し手と聞き手に分かれてロールプレイを行うことによって傾聴のスキルを
学ぶ。聞き手側には聞き方についての次のような指示が書かれた紙が配られ、聞き手は
指示通りの態度で聞く。ロールチェンジしながら指示を 2 人組で確認し、シェアリング
をする。
(1)気が乗っていない聞き方、(2)高飛車な聞き方、(3)かかわり合う聞き方
(3)の聞き方では会話が円滑に進み、参加者の笑顔も増えた。傾聴スキルのまとめと
して、講師より傾聴スキルの『FELOR モデル』の説明があった。
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(Facing,Eye-Contact,Leaning・Listening,Open,Relax)
「言葉でない言葉」で聞く(聴く)ことが大切である。子どもたちはできると信じるこ
とが大事である。
3.ピア・サポートプログラムについて
(1)ピア・サポートプログラムの構造
・学校での計画
・プログラムの実践
・プログラムの評価 など
中学生の絵本の読み聞かせの例 → 幼児に対して、お年寄りに対して
(2)ピア・サポートプログラムのトレーニングの内容と構造
・自己理解
・コミュニケーションスキル ・メディエーション など
これらを組み合わせて一つのトレーニングをつくっていく。
4.ピア・サポートプログラムトレーニング
(1)図形の描写①
2 人組で背中合わせになり、1 人が指示書の図形を見ながら相手に図形の大きさや並び
方を説明する。お互いに質問などは一切しない。もう 1 人は説明を聞きながらワークシ
ートに図形を書いていく。(書き終えたら)各組でそれぞれ図形の描写で間違った箇所を
数える。……→参加者全員合わせて間違いが 25 個
(2)図形の描写②
(1)と同様のことを(別の図形で)向かい合わせで行う。説明する人は描いている人
の図形を見て指示をしても良い。終了後は同様に各組でそれぞれ図形の描写で間違った
箇所を数える。……→参加者全員合わせて間違いがわずか 3 個
間違い箇所の数を対比することで、向かい合って相手の様子を見ながらコミュニケー
ションをとることが大切であることが参加者内で共有された。ピア・サポートでは、考
えて行動することを大切にする。指導者は、あわてない、あせらない、あきらめない態
度で生徒を信じることで生徒のピア・サポートトレーニングが効果的になる。
5.グループで行うピア・サポートプログラムトレーニング
4-5 人で4つのグループをつくる。(配られたトランプの数字が同じ人たちのグルー
プ)
(1)安野光雅の「もりのえほん」の1ページのプリント
を用いて、森に隠れた動物を 10 匹見つける。見つけた
動物にクレヨンで色を塗っていく。個人で 3 分間探し、
その後グループで協力して 3 分間探す。
(2)イソップ物語の文を迷路にした絵本をプリントにし
たものを使い、スタートからゴールまで文をつないでい
く。不登校の生徒にも好評。迷路で間違った道に進んだほうがおもしろい文章に出会え
ることがある。
(3)「カラスのパン屋さん」を参考に、各自が自由に創作したパンを画用紙に書いて切
り取りグループで絵を見せ合う。発想力、推理力、相手を思いやる力のトレーニング。
(4)「ブッタとシッタカブッタ」(抜粋)を参考に、自己のリフレーミングをする。隣
の人に見せても良い自分の自己像を書いて隣の人に送る。隣の人は紙に書かれた相手の
自己像をリフレーミングして返す。戻ってきた自分を見て喜びを味わう。
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第37回大会役員
大会委員長 山岡弘高 (京都府立清明高等学校長)
大会副委員長 池田利勝 (京都市立松ヶ崎小学校長)
須﨑 貫 (京都市立洛風中学校長)
燧土勝徳 (龍谷大学付属平安中学・高等学校校長)
大会事務局 西村宣幸 (京都府立東稜高等学校教諭)
川崎泰雄 (京都府立城陽高等学校教諭)
竹山哲治 (京都府立北稜高等学校教諭)
大石敏朗 (京都府立丹波支援学校教諭)
本多淳一 (京都府立清明高等学校教諭)
山下大輔 (京都府立清明高等学校教諭)
大会役員 伊藤眞美 (久御山町立佐山小学校附属幼稚園副園長)
芦田登志夫(京都市立待賢幼稚園長)
樹山静雄 (南丹市立八木東小学校長)
中村忠孝 (京丹波町立和知中学校長)
林まゆみ (京都市立淳風小学校校長)
芦田昌文 (京都市立桂小学校教諭)
山口美香 (京都市立鏡山小学校教諭)
伊藤幸範 (京都市立松尾小学校教諭)
中井哲郎 (京都市立勧修中学校教諭)
三溝佐和子(京都市立洛風中学校教諭)
岩本弘美 (京都市立北総合支援学校教諭)
山口広美 (京都市立西陵中学校教諭)
松永眞美 (京都市立白河総合支援学校教諭)
吉岡幸司 (龍谷大学付属平安中学高等学校教諭)
岩瀬 薫 (花園中学高等学校教諭)
小林 繁 (洛南中学高等学校教諭)
岡田良子 (京都産業大学附属中学高等学校養護教諭)
鶴田佳代 (花園中学・高等学校教諭)
大西朱実 (京都西山高等学校教諭・カウンセラー)
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