廣瀬 弘毅 - 福井県立大学

業務実績報告書
提出日 2015 年 2 月 6 日
1.職名・氏名
准教授
廣瀬弘毅
2.教育活動
(1)講義・演習・実験・実習
① 担当科目名(単位数) 主たる配当年次等
経済政策(4単位 毎年開講) 2年生
② 内容・ねらい
経済政策 理論と現実との関連を理解させる。そのため、ミクロ経済学、マクロ経済学の復
習を交えながら、それらの理論が生まれてきた社会的背景についても、時間を割いて論じてい
る。と同時に、2012 年度は、いわゆる子供手当の仕組みなどについて詳細に講義した。それに
よって現実社会への興味関心を引き出すようにした。2013 年度と 2014 年度は、アベノミクス
などについての説明をした。
③講義・演習・実験・実習運営上の工夫
講義用に、資料ビデオを見せたり、図を用いるところではパワーポイントを利用して、理解
を促進している。また、できうる限りアップツーデートなニュースなどを講義に盛り込んでい
る。
①
担当科目名(単位数) 主たる配当年次等
産業組織論(2単位 隔年(偶数年開講)) 主に2年生向け ※2013 年度は不開講
② 内容・ねらい(自由記述)
学生にはなじみの薄いミクロ経済学を現実の経済分析に利用できるということを実感させる
ことをねらっている。
③ 講義・演習・実験・実習運営上の工夫(自由記述)
学生でも普段気づきやすい卑近な例も用いながら、難解な産業組織論の理論を理解させるよ
うにしている。数式に弱い学生を考慮してできうる限り図式を用いたパワーポイントのプレゼ
ンテーションを挿入している。
① 担当科目名(単位数) 主たる配当年次等
演習Ⅰ(4単位) 3年生
② 内容・ねらい(自由記述)
主に2つの目標を考えている。最近の学生は理論を敬遠する傾向にある。そこで、まず第一
に前期ではあえてマクロ経済理論とミクロ経済理論の両方を復習させている。2014 年度実績だ
が、前期はミクロ理論及びマクロ理論の復習を行った。結果的に学生の意欲的な参加が得られ
た。後期には他大学との対抗ゼミを企画し、そのための準備を学生自身に行わせるようにして
いる。2012 年度は、小樽商科大学、慶應義塾大学、龍谷大学との組み合わせで、小樽商科大学
緑風会(同窓会)の池袋オフィスにて開催。2013 年度は、小樽商科大学、慶應義塾大学、龍谷
大学との組み合わせで、小樽商科大学にて開催。2014 年度は、小樽商科大学、慶應義塾大学、
龍谷大学との組み合わせで、福井県立大学にて開催した。それなりの成果が得られたと考えて
いる。
12 月には、学内の smap 合同ゼミナール大会(スマコン)にも出場した。限られた時間での
準備であったが、それなりの成果があったと思う。1月には、財務省北陸財務局福井財務事務
所のスタッフに大学に来てもらい、経済の実情についての意見交換を行えた。
③ 講義・演習・実験・実習運営上の工夫(自由記述)
学生の自主的な運営力を涵養するために、できるだけ準備段階では口を挟まないようにして
いる。しかし、全く放任というのではなく、要所で学生自身に立ち止まらせ、自らの行動を振
り返られるように、区切りをもうけている。
① 担当科目名(単位数) 主たる配当年次等
演習Ⅱ 4年生
② 内容・ねらい(自由記述)
4年生の前期は、就職活動で忙しいため、3年生までのように担当を事前に決めて、報告さ
せるスタイルは難しい。そこで、出席可能な学生に対して、新聞等から興味を持ったものにつ
いて、簡単なレジュメを作成させ、議論の種としている。
後期では、卒業論文の作成のため、随時進行状況を報告させている。それに加えて、昨今の
似非「わかりやすさ」に対抗するため、現実の複雑さをわかるような題材について講義も行っ
た。2012 年度はゼミ生 13 名中 12 名が書いている。2013 年度は、ゼミ生 12 名中、12 名が書
いた。2014 年度は、ゼミ生 10 名中、9 名が書いた。
※なお、当演習では卒論を義務化していない。
③ 講義・演習・実験・実習運営上の工夫(自由記述)
さまざまなネタをもとに議論させることで、就職活動中の「グループ・ディスカッション」
への心理的障壁を引き下げると同時に、耳学問的に知識の豊富かを計っている。
卒業論文を執筆する学生に対しては、かなりの頻度で行う個人指導が中心となる。ただ、幅
広いテーマを扱うことになるので、こちらの対応力に差が出るのはいかんともしがたい。
① 担当科目名(単位数) 主たる配当年次等
基礎演習 2年生
② 内容・ねらい(自由記述)
2年生の段階で、あえて「経済学とはどのような学問か」を考えさせるような教材を選択し
て、報告させている。この目的は、内容もさることながら、これから本格的に専門教育を履修
するに当たって、
「経済学」という学問体系に対してイメージをわかせると同時に、レジュメの
作成、報告の作法など技術の習得も目的としている。
③ 講義・演習・実験・実習運営上の工夫(自由記述)
残念ながら、現在のカリキュラム体系ではメタレベルでの経済学を学ぶ機会は皆無に等しい。
そこで、簡単ではあるが経済学の入門書では古典に類する新書を教材に選んでいる。具体的に
は大塚久雄の『社会科学における人間』等を選ぶことにより、幅広い視野を習得できるように
配慮しているつもりである。とはいえ、最近の学生の「社会への関心」を惹くのは難しい。
①
担当科目名(単位数) 主たる配当年次等
外書購読 2年生後期(隔年(奇数年)担当)※2014 年度は不開講。
② 内容・ねらい(自由記述)
英文によって専門論文等を読むことを目的としている。その際に、専門用語や独自の言い回
しに慣れるような教材を選ぶようにしている。また、単に英文和訳に終始しないように、でき
るだけ内容に踏み込んで解説をしている。と同時に、内容についての理解を深めるため、随時
学生に調べたことを報告させている。2013 年度は、Sandel の著作から抜粋したものをテキス
トとし、内容はもちろんディベートというアウトプットにも注力した。
③ 講義・演習・実験・実習運営上の工夫(自由記述)
2013 年度の特徴は、英語によるディベートを試みたことである。清水先生、新宮先生のクラ
スとテキストを共通化し、日本語で1度ディベートを、その後 1 月に入って、英語でのディベ
ートを試みた。実際には、ディベートの経験がないことに加えて、英語で話すとなるときわめ
て大きな負荷がかかった。World Café の多大な協力があってこそ実現できたが、軌道に乗るな
らともかく、相当に心理的な圧迫があったことも事実である。ただ、学生の立場からは、World
Café の敷居が低くなったので良かったと考えている。
① 担当科目名(単位数) 主たる配当年次等
講義「経済政策特論Ⅱ」 大学院 2012 年度、2014 年度
② 内容・ねらい(自由記述)
経済理論と実際の経済活動について、産業関連の分野を担当した。
理論と現実との関連を、その限界も含めて理解させるようにした。とりわけ、まとめの回で
は、
「市場」の扱いについて、通常の財・サービス市場と生産要素市場とで同列に扱って良いの
かどうかについて討論をした。
③ 講義・演習・実験・実習運営上の工夫(自由記述)
少人数の講義であったが、事実上新規の講義になるので、まとめの回を除いて、すべてパワ
ーポイントで資料を作成することになった。どうしても理論部分が学生には難しく感じられる
ようなので、グラフィカルな提示の方が望ましいと思う。ただ、結果的にきわめて少人数だっ
たので、どれほどの効果があったのか、検証した方が良いのかもしれない。
2014 年度に関しては、たまたま履修者が大学関係者であったこともあり、大学運営について
の突っ込んだ意見交換ができ有意義であった。
(2)非常勤講師担当科目
(3)その他の教育活動
3.研究業績
(1)研究業績の公表
① 論文
「〔温経知世〕ポール・アンソニー・サミュエルソン」『エコノミスト』毎日新聞社、2012 年 1 月
17 日号
「新自由主義の台頭と金融がもたらした変容」『エコノミスト』毎日新聞社、2012 年 10 月 8 日号
「〔温経知世〕森嶋通夫」
『エコノミスト』毎日新聞社、2013 年 7 月 30 日号
「マクロ経済モデルと経済像」
『経済経営論集』福井県立大学経済学部、第 30 号 2014 年 3 月
② 著書
根井雅弘編『経済学』人文書院 2014 年のうち
30冊のうち、J.ヒックス『価値と資本』、M.フリードマン『資本主義と自由』、J.トー
ビン『マクロ経済学の再検討』の章を担当。
③ 学会報告等
経済学史学会第 76 回全国大会「現代経済学と自由主義」2012 年 5 月 27 日
地域公共政策学会 2012 年度冬大会「ユーロ危機と福井経済」
(シンポジウムにて報告)2012 年
12 月 1 日
ケインズ学会全国大会報告「ケインズ経済学の構造に見る「経済像」
」2013 年 12 月 8 日
経済学方法論フォーラム報告「現代経済学における方法論の課題」2014 年 12 月 26 日
④ その他の公表実績
『経済学事典』岩波書店(2012 年 2 月終了)
「文献研究 只腰親和・佐々木憲介編著『イギリス経済学における方法論の展開』、佐々木憲介
『イギリス歴史学派と経済学方法論争』」
『福井県立大学経済経営研究』第 29 号、2013 年 10
月
(2)学会活動等
学会でのコメンテーター、司会活動
学会での役職など
学史学会『経済学史研究』編集委員 2010 年 4 月~2012 年 3 月
地域公共政策学会 理事
学会・分科会の開催運営
(3)研究会活動等
① その他の研究活動参加
研究会「経済学史と現代経済学」
(青山学院大学藤井賢治先生主催)に 2014 年 8 月及び 2015
年 2 月に参加。
(後者は参加予定。
)
② その活動による成果
いわゆるテキストを追っていくタイプではなく、社会の動向に重きを置いた学史研究の展望
が得られる。
(4)外部資金・競争的資金獲得実績 科学研究費(分担者)
地域貢献研究(服部茂幸教授、吉村臨兵教授と共同研究)2014 年度
科学研究費(松山大学松井名津先生を代表者とする「方法論に関する」研究)の研究分担者。
2013 年度~2015 年度まで。
4.地域・社会貢献
(1)学外団体
① 国・地方公共団体等の委員会・審議会
福井県景気動向指数検討委員会
福井県土地利用審査会委員(2012 年度まで)
大野市都市計画審議会
坂井市行政改革推進協議会
国体総務企画検討会
② 国・地方公共団体等の調査受託等
③(公益性の強い)NPO・NGO 法人への参加
④(兼業規程で業務と見なされる範囲内での)企業等での活動
⑤ 大学間あるいは大学と他の公共性の強い団体との共催事業等
財務省北陸財務局福井財務事務所とのコラボレーション授業(演習Ⅰの時間中)が 2014 年
度から始まりました。
⑥ その他
福井県総務部政策統計課 統計分析グループとの間での毎年(不定期もあり)な意見交換を
行っている。産業連関分析や県民経済計算についての研究など。
(2)大学が主体となっている地域貢献活動等
① 公開講座・オープンカレッジの開講
② 社会人・高校生向けの講座
③ その他
(3)その他(個人の資格で参加している社会活動等)
その他の団体による公開講座
5.大学の管理・運営
(1)役職(副学長、部局長、学科長)
(2)委員会・チーム活動
経済学部教員尺度検討委員会 2012 年
オープンキャンパス運営委員(2012 年度、2013 年度、2014 年度)
その他、プロジェクト毎の不定期な仕事(推薦入試制度改革案など)
(3)学内行事への参加
(4)その他、自発的活動など
6.学外研修での成果