H10_Ⅰ 都市公園におけるホームレスの実態と公園管理の諸問題

H10_Ⅰ
都市公園におけるホームレスの実態と公園管理の諸問題に関する調査
調査項目
都市公園におけるホームレスの実態と公園管理の諸問題に関する調査
調査年次
平成10年度(3次調査)
章番号〔Ⅰ〕
目的
都市公園におけるホームレスの状況を、各種文献調査、実地調査等により調査し、その問題点を整理
するとともに、ホームレスへの公園サイドからの総合的な対応方法を検討する。
概要
全国及び大都市全体のホームレスの現状及び、公園に居住する住所不定者の経年変化等について既存
資料や一部実地調査(名古屋市、大阪市、東京都)等により現状を把握、また、各種文献や海外事例
等から問題点・課題の把握を行い、多角的検討のうえで公園管理に有効なホームレスへの対応策をま
とめる。
結果
■ホームレスの都市公園におけるホームレスの実態
○ホームレスの増勢はバブル経済崩壊後顕著となり、特にここ1、2年で急増している。各都市で状
況に差があるが、気候条件からこれまでそれほど問題化していなかった札幌市でも、特定公園で越
冬する者がでてきている。
○東京都、川崎市、大阪市、名古屋市等では、ホームレスの急増とともに、これまで特定地域、特定
公園に限られていたホームレスの占拠するエリアが拡大し、路上生活の長期化にともない小屋掛け
が堅牢化する傾向もあり、地域住民との軋轢も深刻化している。
■問題・課題の整理と公園・ホームレス問題の基本的視座
○ホームレスの公園内における問題状況としては、公園施設(ベンチ・東屋・トイレ等)の占拠、ゴ
ミの散乱、糞尿の処理等衛生問題、焚き火の不始末等、ホームレスの急増とともに、公園本来の機
能を著しく阻害するほどになっている。公園利用者や地域住民の不安が増大しており、苦情や適正
化への要望が強くなっている。また、ホ−ムレスへの嫌がらせや暴行事件も起きている。
○しかし、他に行き先がない現状では、公園からホームレスを排除しても根本的解決につながらない。
また、特に悪質の占拠状況に対してこれを排除するにも、現行の行政代執行の手続きを行うのは実
務上困難である。公園管理者としては、自主的な撤去や退去を促すとともに、公園一斉清掃を実施
しているが、ホームレスの激増によりこのような対応にも限界がでてきている。
○ホームレスの増勢の要因は、景気の低迷による雇用情勢の悪化、日雇労働市場の変化、傷病・高齢
化による失業、社会保障制度の問題、家族・縁戚・地縁関係の希薄化等様々な社会経済的背景、個
人的要因が複雑に絡み合っている。したがって、ホームレス問題に対しては、雇用・福祉・住宅に
関する総合的な施策により解決策を探るしかなく、公園管理者としての対応策には限界がある。
■大都市都市公園問題としての対応策
○各都市でのホームレスの実態の的確な把握
○公園におけるホームレスの就労対策の検討
○公園管理手法の選択肢を増やす:公園内不法占用物件排除の法的手続きの簡素化・強化のための法
整備を要請
○行政・住民・ホームレスの間で共通の理解が得られるよう努める
課題
調査結果の反映等
調査項目
都市公園におけるホームレスの実態と公園管理の諸問題に関する調査
調査年次
平成10年度(3次調査)
章番号〔Ⅰ〕
キーワード
現状調査、ホームレス、課題整理、不法占用物件排除、行政代執行
事例公園等