「籠のなかから 第 11 号」(1966 年(昭和 41 年)4 月 3 日発行) 目次:

「籠のなかから
第 11 号」(1966 年(昭和 41 年)4 月 3 日発行)
目次:
巻頭のことば 考えてみたいこと
顧問
吉井 俊則
出てきた“雑感”
5 期生
辻
アンチテーゼ“根性”
15 期生
石岡 和男
コーチ生活 1 年
17 期生
富井 一夫
涙のひみつ
2年
石井 愛眞
思い出
3年
柴崎 正子
何故入ったか
2年
新谷 幸二
題は決まらない
2年
一ノ口 悦子
A氏を訪ねて
2年
根岸 幸雄
「関」の捜査線
2年
石井 愛眞
2年
植山 正勝
猫とねずみの話
2年
植山 正勝
女の子
2年
渡辺 真佐子
無題
2年
佐藤 良孝
バスケット
2年
神戸 久枝
1 年間を顧みて
2年
金井 文明
このごろ
3年
山田 恵令
海
3年
池谷 祥子
告白
2年
根岸 幸雄
クラブ生活
2年
梅沢 恵子
CLUB とは
2年
石井 愛眞
瞕
考えるコーナー “めくら算”
“オールめくら算”
無題
ハタ坊
私は考える
2年
石坂 あさ子
新聞紙を折る
2年
植山 正勝
ウップンばらし
イヤミユウゾウ
ショウボート
2年
植山 正勝
大発見
2年
根岸 幸雄
Fk
2年
福井 博幸
道
3年
池谷 祥子
“巻頭のことば”
顧問
吉井
俊則 先生
考えてみたいこと
「今 2 年生が 12 人いる。1 年生でも背の高くうまい人がいる。9 人のレギュラーの中に私
は入れるだろうか。私たちのうち誰かが入れない。グループでは 1 年も 2 年も仲良く練習を
しているけれども、もし私がレギュラーに推せんされなかったら今までのような気持ちでで
きないだろう。一生けんめいやってきたんだもの、一度でもいいから対外試合に出たい。レ
ギュラーになりたい。もしなれなかったらどうしよう。」これはある中学の女子バレー部員
が書いたものである。
バスケットボール部員の中にも、このような悩みをもっている人がいないだろうか。
また、退部していった人達の中にも。何が原因なのだろうか。
この問題の解決なくしては誰でもがクラブ活動を楽しく、有意義に経験することはできな
い。ある一部の優秀な技術屋のクラブになってしまう。また、世間の人達がよく口にする「ス
ポーツを通して人間形成」などというものが空念仏に終ってしまう。
我々は知っておこう!!
現行の対外試合中心の勝利の栄光のみを追うクラブ活動が部員の中に欲求不満による劣等
意識、レジスタンス、さらに仲間割れ、不協力、反目等という好ましくない様々な人間関係
のゆがみを作り出しているということを。
勝つことをめざし、勝つことによってスポーツによる「人づくり」が最高に発揮されるの
だろうか。ここでは敗者は、劣等感と敗北感を体験することにすぎないし、勝敗か上手下手
によって人間を等級づけ、差別するスポーツが成立しているのである。
私は強調したい!!
スポーツをするということは、勝敗の奥にある運動文化の本質にふれ、これを深めることで
あり、スポーツによる技術的ふかまりによる人間的なよろこびを体験するところに意義があ
ると。そして運動文化の本質は、すべての人に平等にふれ、深めることを可能にするという
性質をもっているということも。
以上のようなスポーツの本質が部員の皆につかみとられ、それが実現できるクラブになる
ためにはどうすればいいのだろうか。それとも理想にすぎないのだろうか。しかし、理想を
達成するために努力するところにこそ、クラブ活動から多くのものを学びとることができる
のではないだろうか。
編集後記:
18 期生の皆様、御卒業おめでとうございます。
この門出にあたりまして、現役一同の心ばかりの記念品と部誌“かごの中から
11 号”
を贈ります。
先生及び先輩の皆様、御寄稿いただきましてありがとうございました。
“かごのなかから
11 号”を 40 年度のしめくくりとして、大森篭球部の関係者の皆様
におおくり致します。