とみんアジア情報レポート 2015年1月号

とみんアジア情報レポート
2015年1月号
東京都民銀行 外為営業部 アジア室
都民銀商務諮詢(上海)有限公司
CONTENTS

中国進出企業インタビュー
都民銀商務諮詢(上海)有限公司 蓑田
<訪問先> 株式会社フォレストリ
<テーマ>「中小企業の中国への販売を実現」

とみん中国ビジネスQ&A
都民銀商務諮詢(上海)有限公司 渡邉
<テーマ>「中国の入国査証(ビザ)について」

上海駐 在レポート
東 京 都民銀 行 派 遣 行員
小林
<テーマ>「支付宝(アリペイ)の活用」

タイ駐在レポート
東 京 都 民 銀行 派 遣 行 員 北 川
<テーマ>「2015 年タイの展望」

中国文化便り
中泰博緯(北京)諮詢有限公司
<テーマ>「最新中国のオンラインショッピング事情」

特派員レポート【ベトナム】ハノイ支局
株式会社時事通信社「JIJI‐WEB」より転載
<テーマ> 「自動車産業に影落とすASEAN市場統合
=現地生産の日系メーカーにも危機感」

東京都民銀行 中国ビジネスサポート業務のご案内
~上海現地法人「都民銀商務諮詢(上海)有限公司」について~
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。事業展開の最終決定は貴社ご自身の判断でなされるよう、また
必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などに御相談の上でお取扱下さいますようお願い致します。
とみんアジア情報レポート 2015年1月号
第 46 回「中小企業の中国への販売を実現」
株式会社フォレストリ
代表取締役 森 はるか
中国人の所得水準上昇に伴い、中国人個人向けの販売を検討し
ている日本企業が増えています。しかし中国人の好みを理解し、
商品の販売場所を確保して、実際に販売できるまでには労力と時
間と費用がかかります。
今回は、この日本企業の悩みを解決し、中国人個人向けの販売
を実現させる株式会社フォレストリの森はるか社長に、今後オー
プンする日本商品を取扱うアンテナショップについてお話を伺い
ましたので、ご紹介致します。
 日本商品アンテナショップ「遊食楽園」オープン
【森はるか社長】
当社は今まで中国製品の日本への輸出や、日本企業の中国進出
など 15 年以上に渡り日中間のビジネスをサポートしてきました。現在、日本企業から中国へ商品
を販売したい相談を良く受けますが、この日本企業の中国へ販売したい気持ちを実現させるのが、
これからオープンする日本商品アンテナショップ「遊食楽園」です。
「遊食楽園」は中国・上海市に今年開業する百貨店の地下にオープンしますが、中国人へ食品・
商品を販売したい日本の中小企業のためのアンテナショップにしていきます。約 42 ㎡の店内には
日本全国の特産品を取り扱う予定で、既に北海道十勝産品や岐阜県、長野県など日本各地の食品・
商品の販売が決まっています。
 「遊食楽園」とは?
現在中国では食品の安全性が揺らいでいるため、中国人は安心安全で健康に良く、更においしい
食品を求めています。この中国人が求めているものが日本には沢山あります。そして、それを製造
販売しているのが日本の中小企業です。
日本の中小企業も販路を日本国内だけでなく、人口が多く所得水準が上昇している中国へ広げて
いきたい気持ちを持っています。しかし私自身、日本で中小企業を経営しているからこそ分かりま
すが、中小企業が中国へ販売するのは資金・人材・ノウハウといった点で非常にハードルが高いも
のです。
日本の中小企業の「良い商品を中国へ提供したい」、中国人の「良い商品を買いたい」という日
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。事業展開の最終決定は貴社ご自身の判断でなされるよう、また
必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などに御相談の上でお取扱下さいますようお願い致します。
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
中両国の思いを実現させるのが「遊食楽園」です。
「遊食楽園」の店頭には①日本国内で販売実績があり、②中国でまだ販売されていない、③中国
向け販売にやる気がある・リスクをとれる日本企業の食品・商品を並べます。
私は中国山東省出身の上海育ちで、日本やアメリカへ留学し、日本と中国それぞれで起業しまし
た。そして 15 年以上に渡る日中ビジネスのサポートを通じ、中国人の好みや日本企業の考えを理
解することが出来るようになりました。
日本企業の中には日本国内で販売している食品・商品は素晴らしいという自信から、中国でも日
本国内販売と全く同じ味・形・売り方で中国人へ販売しようとする企業もいます。しかし、これら
全ての食品・商品が中国人に受け入れられる訳ではありません。この素晴らしい日本食品・商品を
中国人に買ってもらうために付加価値をつけるのが当社の役割です。例えば「遊食楽園」では日本
の有名パティシエの協力を得てロールケーキを販売しますが、日本で売れているロールケーキの味
に健康に良い棗を加え、中国人が好むパッケージの紙袋に入れ、中国人が喜ぶ売り方をします。単
に日本のものを店頭に並べるのではなく、中国人が好むエッセンスを加えて販売していきます。
また販売する食品・商品は全て日本側で当社が買い取ります。そして売れた食品・商品の状況は
日々企業へ報告しますので、日本企業は売れ残りを心配することなく、「遊食楽園」をマーケティ
ングの場として有効活用できます。
 「遊食楽園」への思い
今まで日本企業が中国の展示会に出展する際のサポートや、日本企業と中国企業のビジネスマッ
チングを長年手掛けてきました。私はこの日中ビジネスサポートを行う際に、常に「自分一人だけ
で儲けない」「日本と中国の一方の国だけが得になることではなく、日本と中国両方にメリットが
あることをする」といった信念をもって活動しています。
この信念を具体化したのが、今回オープンする「遊食楽園」です。中国人の皆様には安心安全で
健康に良いものを提供していきたい思いがあります。食品・商品を通じて、日本の文化を伝え、日
本のファンになってもらいたいです。そして日本で販売している食品・商品を世界に広げたい、世
界の人々に喜んでほしいと考えている日本の中小企業の思いを、この「遊食楽園」で実現させます。
この思いに共感頂ける日本企業は、是非「遊食楽園」を通じて中国販売にチャレンジして下さい。
※企業情報(URL ご参照)
株式会社フォレストリホームページ(http://www.forestlee.co.jp/)
 取材を終えて
当社は、このアンテナショップ「遊食楽園」を百貨店地下にオープンした後は、インターネット
による販売や、日本の生活雑貨を中心に取り扱う 2 号店のオープンを計画されています。
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。事業展開の最終決定は貴社ご自身の判断でなされるよう、また
必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などに御相談の上でお取扱下さいますようお願い致します。
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
中国でどの商品が受け入れられるかは、実際に販売してみないと分からないものです。当社は、
中国へ売りたい気持ちはあるけれど売る場所が見つからない、中国人の好みが分からない企業には
最適な販売方法を提供しています。当社の取り組みが成功し、日本商品が益々上海で認知されるこ
とを願っております。
聞き手=都民銀商務諮詢(上海)有限公司 蓑田 光
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
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かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。事業展開の最終決定は貴社ご自身の判断でなされるよう、また
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
とみん中国ビジネスQ&A
第 44 回「中国の入国査証(ビザ)について」
このレポートは、すべてお読み頂いて 2 分 32 秒です。
<質問>
弊社は上海に所在する現地法人です。来月以降、現地法人の業務確認、年度会計監査等で日本本
社から出張者の受け入れを予定しています。中国への入国のための各種ビザが存在しており、一方
でビザの免除もされると聞いています。今回、日本本社からの出張者もビザの取得が必要なのでし
ょうか、事例があればご教示ください。
<回答>
まず一般旅券(パスポート)を所有する日本人が中国へ観光、商用、親族知人訪問或いは通過の
目的で中国に入国する場合、中国での滞在日数が 15 日以内(入国日含む)であればビザは免除に
なります。但し①滞在が 15 日間を超える場合、②留学、就労、取材等の目的で入国する場合、③
外交、公用旅券を所持する場合等はビザが必要になります。
つまり上記①~③等に該当する場合、渡航者は訪中目的に即してビザの申請をする必要がありま
す。ビザ種類は多数存在しますが、主に利用されるものは以下の通りです。原則、滞在期間の延長
(天候不順の欠航等を除く)や滞在資格の切り替えはできませんので注意が必要です。
ビザ種類
F
L
M
X1
X2
Z
申請者範囲
交流、訪問、視察等
観光
商用、貿易活動
長期留学(180日以上)
短期留学(180日以下)
就労
他方、最近の話題ですが、2014 年 11 月「外国人が入国して短期業務任務を完了させることに関
連手続手順(試行)」(以下、新通知)が発布、2015 年 1 月 1 日より施行されています。新通知では
滞在期間に関わらず「就労」にあたるとして Z ビザが必要になるケースや、業務によって M、F ビ
ザが必要になるケースが規定されていますので以下ご案内します。
一.外国人が中国入国して短期に完了させる以下業務で滞在が 90 日を超えないもの。
1.国内の協力先において、技術、科学研究、管理、指導等の業務を完了させること
2.国内のスポーツ期間において試技を行うこと(コーチ、選手含む)
3.映画撮影(CM、記録映画含む)
4.ファッションショー(モーターショーのコンパニオン、出版広告用撮影等を含む)
5.渉外営業性公演への従事
6.人力資源社会保障部が認定するその他の状況
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。事業展開の最終決定は貴社ご自身の判断でなされるよう、また
必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などに御相談の上でお取扱下さいますようお願い致します。
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
例えば上記 1 に該当する場合、中国での滞在期間が 15 日以内であっても、中国で就業許可、短
期工作証明を取得した上で、日本中国大使館にて Z ビザの申請手続きをしなければなりません。業
務完了期間が 30 日以内の場合、30 日の Z ビザを取得して業務遂行をし、30 日を超える場合、通常
の Z ビザを取得して入国し 90 日の居留許可証を取得しなければなりません。
二.以下は短期で完了させる業務と見做されません。
1.購入した機器設備に関するメンテナンス、据付、試運転、解体、指導及び研修
2.国内で落札したプロジェクトに対して行う指導、監督、検査
3.国内の分公司、子会社、代表処へ派遣されて短期業務を完了させる場合
4.スポーツ競技に参加する場合
(選手、コーチ、チームドクター、マネージャー等の関係者を含む)
5.入国して無報酬の業務に従事する、或いは国外機関が報酬を提供するボランティア等
6.文化主管部門が認可書類上に「渉外営業性公演」を未注記の場合
1~4 の状況でかつ滞在期間が 90 日を超えない場合、M ビザの申請をしなければならず、5.6 の
状況でかつ滞在期間が 90 日を超えない場合、F ビザの申請をしなければならないとしています。但
し、日本人の場合、上記に該当しても中国での滞在期間が 15 日以内であればここでの M、F ビザは
ビザ免除になります。
以下は事例になりますので、よろしくご参照ください。
Ⅰ.日本本社代表者が毎月 1 回(滞在期間 15 日以内)
、現地法人の運営状況を確認するために出張
する場合
→日本人の場合、ビザ免除
Ⅱ.日本本社担当者が委託生産先工場の技術指導(90 日以内で完了)のため出張する場合
→滞在期間が 15 日以内であっても就業許可、短期工作証明を取得して Z ビザ申請
Ⅲ.日本本社担当者が年度会計監査の確認のために年 1 回(滞在期間 15 日以内)出張する場合
→日本人の場合、ビザ免除
Ⅳ.日本本社担当者が機器設備に関するメンテナンスのため、20 日間(滞在期間 15 日超)出張す
る 場合
→M ビザ申請
Ⅴ.日本本社担当者が日本本社の取引先現地法人の工場視察(滞在期間 15 日以内)のため出張す
る 場合
→日本人の場合、ビザ免除
以上
都民銀商務諮詢(上海)有限公司 渡邉 和俊
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つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
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―上海駐在レポート―
「支付宝(アリペイ)の活用」
2014 年が過ぎ、新しい年が始まりました。昨年の急激な元高円安により、多くの駐在者の生活に影響が
及んだことと存じます。一方、上海駐在生活が 1 年を超えた筆者も今回の円安の影響を受け、なるべく為
替変動に影響されない現地生活を過ごしていきたいとも考えています。そこで改めて現地生活に工夫を凝
らし、より快適な上海生活を過ごすべく、今回「支付宝(アリペイ)」というオンライン決済サービスの利用を
始めました。
今月は「支付宝」について、筆者自身の実体験に基づき外国人の登録方法や活用方法等ご紹介したい
と思います。
○
「支付宝」とは
「支付宝」とは、アリババグループが提供する中国最大規模のオンライン決済サービスです。中国のオン
ライン決済市場では、日本と異なりセキュリティや商習慣の違いからクレジットカードよりも支付宝による決
済が最も普及率の高い決済手段となっています。というのも、中国には「信用できるのは現金のみ」という
商習慣が今でも根強くあり、そうした背景から「支付宝」は消費者保護を第一とした考えにより、運営を行
っているからです。
なお、中国ネット通販最大手の「淘宝(タオバオ)商城」での商品購入時の「支付宝」決済システムの仕組
みは主に以下の通りです。
支付宝
① 淘宝店舗(以下「売り手」という)に対して商品を注文。
② 買い手は自分の「支付宝」を使い、「支付宝」に商品代金をプ
③プール済の伝達
②代金プール
ール。
③ 「支付宝」は売り手に商品代金がプールされたことを通達。
売り手
①注文
買い手
④ 売り手は代金が「支付宝」にプールされたことを確認して商品
を発送。この時点では、売り手には商品代金は支払われて
支付宝
いません。
⑤ その後、買い手は商品が届いたことを確認して、商品受け取
⑥代金支払
⑤商品到着伝達
りを「支付宝」に伝達。
⑥ すると、「支付宝」に預けていた商品代金が売り手へ支払わ
れる仕組みとなっています。
売り手
④商品発送
買い手
【淘宝の決済システム図】
「支付宝」はこのような決済システムを確立したことにより「商品代金を支払ったが商品が届かない」「注
文した商品の数量が異なる、全く別の商品が届いてしまう」といったトラブルを未然に防ぐことができます。
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。事業展開の最終決定は貴社ご自身の判断でなされるよう、また
必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などに御相談の上でお取扱下さいますようお願い致します。
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
○
外国人の登録方法
それでは実際に「支付宝」の登録方法についてご紹介したいと思います。
①「支付宝」にアクセス(www.alipay.com)し、個人アカウントの作成(登録は無料)
個人アカウントの作成は手順に従って進めば、複雑な手続きは特にありません。
②実名認証登録
外国人の場合、「支付宝」の個人アカウントを作成しただけでは、「支付宝」の利用は制限されており、
様々な機能を利用する為には、更に「実名認証」登録を行う必要があります。筆者もここでの手続きに苦
労しましたので、以下に詳しく紹介させて頂きます。尚、「実名認証」にはパスポートと入国証明、中国地場
銀行の口座開設が必要のため、中国に駐在していないと「実名認証」登録は出来ません。
a)【個人アカウントでログイン】>【賬戸設置(口座登録)】>【基本信息(基本情報)】
>【立即認証(即時認証)】をクリック
b)【外籍】を選び、【立即申請】クリック
c)個人情報を入力
・姓名(漢字或いはローマ字)
・証明書番号(8 桁のパスポート番号、8 桁に足りない場合は前に 0 を加えます)
・パスポート,入国証明(或いは「外国人永久居留証」「外国人居留許可」)をスキャンした画像データを添付
※入国証明には合わせて入国スタンプの画像も必要となります
・住所、電話番号
d)銀行口座情報の入力
・銀行名義
※銀行口座開設時に届け出た名義を入力(ローマ字であればローマ字を入力)
・利用できる銀行は、中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行、中国農業
銀行(以下「中国四大銀行」という)等多数あります。
e)1~2 日後に登録した銀行口座宛に 1 元以下の金額が振り込まれます
(筆者の場合、0.43 元の振込みがありましたが、一人一人振込み金額
は異なります)。振込みを確認しましたら、「支付宝」の個人ページにロ
グインし、【申請認証】をクリック。振り込まれた金額を入力します。
f)その後、「支付宝」が 2 日間ほどで審査を行い、「支付宝」の個人ページ
にて結果を確認します。
右のようなメッセージが出れば登録は成功です。これでようやく「支付
宝」を利用することが出来ます。
【登録完了画面】
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。事業展開の最終決定は貴社ご自身の判断でなされるよう、また
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○
活用方法
現在、中国国内のインターネットユーザーは 6 億人を超えると言われていますが、その半数である約 3
億人が「支付宝」を利用しているとのことです。当初は、淘宝での商品代金決済の為に設立された「支付
宝」ですが、現在ではそれ以外にも多種多様な機能を持ち、様々な場面で活用されています。本稿では上
海生活に役立つ便利な機能をいくつか紹介したいと思います。
①余額宝(ユエバオ)
「余額宝」は以前のレポートでもご紹介しましたが、「支付宝」の口座内にある余剰資金を運用する金融
商品です。投資額は 1 元から運用可能で、いつでも引き出すことが出来ます。元本保証ではありませんが、
主な運用先が銀行の大口定期預金や国債等安全資産が中心であるとのことで、低所得者層にも関心が
高まっている商品です。金利は日々変動し、利用開始当初は 7%弱の金利だったのが、現在では 4%前
後で推移しています。「余額宝」の長所は、日割りの利子が毎日反映されるため、1 元程度とはいえ、着実
に資金が増えていることが実感できる所にあります。
②送金機能
送金機能は、「支付宝」の個人アカウントを持っている者同士で資金の融通が出来る機能です。例えば、
知り合い何人かで食事に行った際に、一人がまとめて食事代金を支払い、後で各人の割り勘金額をまと
めてくれた人に送金する時に使用します。「支付宝」間での送金には手数料もかかりませんし、非常に便
利です。中国人スタッフに「支付宝」について伺うと、送金機能を一番多く利用するとのことでした。
③携帯電話入金機能
中国では、携帯電話の支払をプリペイド式とされている利用者が多く、
金額が不足し始めると、事前にコンビニや携帯電話ショップ等に行き金額
をチャージする必要があります。
「支付宝」を利用することにより、携帯電話番号とチャージ金額を入力
するだけで、その場ですぐに料金がチャージされ、わざわざコンビニ等に
行く必要もなくなりました。
④クレジットカード支払機能
中国では、給与振込みは規模の大きい中国四大銀行とし、クレジットカ
ードには地元の地場銀行を利用されている中国人スタッフが多くいます
(地元の地場銀行等は預金者を増やす為に、四大銀行よりもクレジ
【携帯電話内の支付宝の機能一覧】
ットカードのサービスをより良く提供している銀行が多いため)。その
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
際、クレジットカードの支払に銀行間で資金の移動をするのではなく、他の機能としても利用する「支付宝」
に資金をチャージしておき、クレジットカードの決済を行う方が多いようです。
⑤割引券購入の為の「支付宝」利用
中国のアプリに「大衆点評」というレストラン、映画、マッサージ等の店舗情報の紹介等を行っているアプ
リがあります。このアプリには割引券を提供している店舗が多くありますが、割引券を利用する為にはオン
ライン決済機能を事前に登録しておく必要があり、今まで割引券を利用するには、中国人スタッフにお願
いするしかありませんでした。今回、「支付宝」を登録できたことにより、筆者も直接利用することができ、
食事等節約した生活が可能となりました。
○
終わりに
「支付宝」について登録方法や便利な機能の一部をご紹介しましたが、「支付宝」はこの他にも公共料金
の支払いや航空チケット、宝くじの購入等生活に関するあらゆる物やサービスの決済手段の提供を行っ
ています。しかし、様々なサービスの支払が一つの決済手段で可能である一方、元々購入する予定のな
かった物やサービスまで簡単に手続が出来てしまう為、衝動買いによる無駄遣いが多くなる危険性もあり
ます。このように便利な「支付宝」ですが、利用する際には自分自身でよく使う目的を認識し、ご利用する
ことをお勧めします。
以上
上海駐在 小林邦寛
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
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―タイ駐在レポート―
「2015 年タイの展望」
皆様、新年おめでとうございます。本年も引き続きよろしくお願い致します。
私事ではありますが、2 度目のタイでの年末年始となり無事新しい年を迎えることが出来ました。
今回は、バンコク都内でも有数の繁華街である、スカイトレイン(BTS)チットロム駅周辺の大型
ショッピングセンター「セントラルワールド」でカウントダウンを体験致しました。タイ人のみな
らず、欧米人、日本人など多くの人で溢れかえっており、東京でいう新宿・渋谷といった繁華街に
も関わらず近くで花火が上がる様子は、タイらしい派手やかなものでございました。
下記に写真を掲載致します。
<写真 1:年越しカウントダウンの様子>
それでは、これより本題に入ります。2014 年を簡単に振り返りますと、軍政下となり政治混乱の
収束後もタイ国内の消費意欲の冷え込みや外国人観光客の減少によりタイ経済は少なからず打撃
を受けました。2014 年 GDP 成長率は 1.2%に留まる見込みで、2013 年の 2.9%を下回るものと予想さ
れています。
そういった意味で 2015 年のタイ経済のポイントは、「内需と自動車産業を中心とした輸出の回復、
外国人観光客の増加」と言われています。実際に、2014 年後半には食品や飲料、化粧品などはタイ
国内での消費も回復してきているとのニュースもありました。また、10 月以降はタイに訪れた外国
人観光客が前年比でプラスに転じたとのことです。順調に推移すれば 4.0%を見込んでいる、2015
年の GDP 成長率の実現も可能なのではないでしょうか。
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。事業展開の最終決定は貴社ご自身の判断でなされるよう、また
必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などに御相談の上でお取扱下さいますようお願い致します。
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
○
2015 年の目玉は?
ASEAN 全体で言えば「ASEAN 経済共同体(通称:AEC)」の発足、タイ国内の景気対策としては民
間設備投資の実施やインフラプロジェクトの執行等が予定されております。また、軍政下中の税制
改革も 2015 年中の導入・法案設立を計画しています。
・AEC 発足
2015 年末を期限とする AEC の創設は、ASEAN 全体をひとつの市場・生産拠点とし、競争力のある
経済地域を作り上げることを目標としています。具体的には、①6 億人とも言われる消費者を抱え
る大規模な市場価値、②10 カ国の共同交渉力と自由貿易協定、③人材・原材料の効率的利用といっ
たことが ASEAN 地域全体のメリットとして期待されています。タイに焦点を置くと、タイは ASEAN
の物流・貿易・生産の拠点として地理的に非常に有利な場所にあると言われており、輸出の大きな
押上要因になると考えられています。関税等の撤廃によるタイ発の国境貿易の拡大や国境を越えた
生産ネットワーク、原材料や部品調達が増えることが見込まれています。
・インフラプロジェクト
タイ政府は、上記の AEC 発足にも関連し、
「国内のインフラ向上が貿易と投資の更なる相乗効果
を呼び国際連携の促進を進めたい」という狙いを持っています。軍政下の 2014 年 7 月に下記表 2
の総額 2 兆 4,000 億バーツにのぼるインフラ計画を承認しました。
<表 2:インフラ計画一覧>
分野
バンコク都内整備
鉄道整備
道路整備
水路整備
空港等整備
主な内容
①スカイトレイン(BTS)・地下鉄(MRT)の拡張。
②バスのサービス・安全性・質の向上。
①主要路線の拡張と近隣諸国国境への延線。
②老朽化した車両のグレードアップ。
①新たな高速道路の建設。
②主要道路の4車線化。
①タイ湾とアンダマン海の港環境改善。
金額
9,000億バーツ
約3兆2,400億円
6,700億バーツ
約2兆4,120億円
6,400億バーツ
約2兆3,040億円
1,000億バーツ
約3,600億円
①主要空港の拡張(スワンナプーム・ドンムアン等)。
②航空産業団地の設置。
900億バーツ
約3,240億円
<各資料を基に駐在員が作成>
ただし、同計画の今後の配分は 2015 年が 5%(事業化調査が中心)
、2016 年が 10%と当面低く本
格的に実施されるのは 2017 年以降となる予定です。インフラ工事が本格化するのは 2017 年以降、
整備が完了するのはまたその先で、実際に具現化するのは更に 4~5 年が必要となりそうです。
・税制改革
タイという国は 1970 年代から 90 年代のはじめにかけて、民生とクーデターによる軍政化が繰り
返されてきました。そんな中、低所得者層への手厚い支援策によって多くの支持を集めて 2001 年
に誕生したのがタクシン政権です。これに対し権限を奪われた形となった都市部エリート層の不満
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。事業展開の最終決定は貴社ご自身の判断でなされるよう、また
必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などに御相談の上でお取扱下さいますようお願い致します。
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
が募り、都市を基盤とする反タクシン派との対立が深刻化。2006 年にはタクシン元首相が失脚、2013
年 11 月に反政府デモが起こり、現在の軍政下に至っています。これまで、目まぐるしい政権交代
と軍政下を繰り返してきた結果、税制改革は一向に進まず、相続税・贈与税等は存在すらしていま
せんでした。軍政は、所得格差の是正や既にタイも陥っていると言われる少子高齢化対策として資
産の移転を促すため、課税制度導入を決めました。
<表 3:税制改革の概要(抜粋)>
内容
施行時期
相続税
5,000万バーツ(約1億8,000万円)以上の相続資産に、
贈与税
生前贈与から2年以内に死去した場合も課税対象。
最高税率10%を課す。※土地・住宅・自動車・債券・株式など。
①商業用不動産および遊休不動産には、評価額の2%を
固定資産税
居住用と農業用不動産には0.1%以下の税率を課す。
②従来の土地開発税と土地家屋税を廃止する。
※従来は評価額が低く、遊休・居住用不動産は対象外。
2015年半ばごろ
2015年半ばごろ
2015年中に法案成立
を予定。施行から2~
5年の猶予期間を付与
する。
<各資料を基に駐在員が作成>
個人的にはこれまで各課税が存在しなかったことも驚きですが、タイ政府は軍政下中に立法会議
での議論・承認を経た上で、2015 年中の施行を目論んでいます。ただし、相続税の課税対象者とな
るのはタイ国民のうち 33 万人と試算され、税率も 10%に留まることから所得移転効果は低いと見
られています(海外への資産移転等の抜け道もあり?)。固定資産税についても、土地評価額の査定
には時間がかかり、猶予期間も設定されているため即効性は期待出来ないという見方もあります。
〇
まとめ
2015 年のタイを含む ASEAN 地域の経済景況感に対する某アンケート結果で、『回復に向かう』
『慎重ながら楽観』という前向きな意見が多かったとの紙面がございました。特に AEC の実現によ
り、ASEAN 周辺諸国における関税撤廃や通関手続きの迅速化など、ヒト・モノ・カネの交流や動き
はより活発になることが期待されており、地理的にも産業集積地としても中心に位置しているタイ
は大きな可能性があることは間違いありません。そして、そのタイに多く進出している日系企業も
同様です。しかし、人件費高騰や円安による為替問題、既に改正された新投資政策(2015 年 1 月よ
り新制度施行)によるゾーン別の税制優遇制度撤廃(業種別へ移行)など、決してバラ色ではあり
ません。このように課題も残るタイ経済ではありますが、新しい年に前向きな期待を抱いてスター
トしても良いのではないでしょうか。
以上
タイ駐在 北川
(1 バーツ≒3.6 円)
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。事業展開の最終決定は貴社ご自身の判断でなされるよう、また
必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などに御相談の上でお取扱下さいますようお願い致します。
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
―中国文化便り―
最新中国のオンラインショッピング事情
最近、中国で馬雲(Jack Ma)という非常にホットな人物が頻繁にマスコミに登場します。わず
か 10 数年の間で「阿里帝国」を築き上げ、数々のサクセスストーリーを生み出し、企業家のみな
らず創業の夢を持つ若者たちの間で、
「教父」(ゴッドファーザー)として敬慕されているのです。
氏の「人生」を辿ってみると、1995 年にシアトルに出張した際、パソコンの素人だった彼は現地の
友人からインターネットというものを初めて学び、帰国後、31 歳(1995 年 4 月)で「イエローペ
ージチャイナ」を開設しました。35 歳(1999 年末)に 50 万元の登録資本金で電子商取引運営会社
阿里巴巴集団(アリババグループ)を創業し、そして、50 歳(2014 年 9 月 19 日)でニューヨーク
証券取引所に上場しました。250 億米ドルの資金調達額で当時最大の IPO となり、初日の終値を基
にした時価総額は 2,314 億米ドルと Face book を上回り、Google に次いで世界第 2 位のインターネ
ット運営会社となりました。
1.「大物同士の賭け」
2012 年 12 月に開かれた、CCTV 中国経済年度人物の授賞式会場で、中国最大手の不動産開発会社
万達集団の王健林董事長と中国最大手の電子商取引運営会社阿里巴巴集団の馬雲董事長は、1 億元
の賭けをしました。2020 年までに電子商取引が中国の小売市場に占める比率が 50%以上に達した
ら、王氏は馬氏に 1 億元を支払い、逆の場合は馬氏は王氏に 1 億元を支払う、という「大物の賭け」
は、ある意味では、万達集団傘下の「万達広場」(ショッピングモール)に代表される伝統的小売
業と阿里巴巴集団傘下の「淘宝」や「天猫」に代表されるオンラインショッピングとの全面的対決
と言えるかもしれません。
不動産デベロッパーとして成長してきた万達グループは、2014 年末現在、全国各地で 100 ヶ所以
上のショッピングセンターを展開しています。近年、不動産産業バブル崩壊前兆の影響を受け、ま
た、e コマースの急速的な発展及び人々の消費パターンの変化がもたらす伝統的な小売業界の収益
萎縮を背景に、万達グループは事業の転換期を迎えつつあるようです。まず、3、4 線都市にある経
営不振のショッピングモール 10 数ヶ所を閉鎖し、20 数ヶ所の店舗面積を縮小し、代わりに電子商
取引の影響を受けていない映画館や飲食店や KTV カラオケを導入する計画が噂されています。続い
て、アニメ製作、テーマパーク及びマンモス遊園地「宝貝王楽園」の建設など、文化・娯楽産業へ
次々と進出し、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、マドリード及びオーストラリアなど海外
への投資額も 300 億元に達しました。さらに、阿里巴巴とライバル関係にある「百度」や「騰迅」
と提携して、「万達電商」を設立し、テスト的に O2O(Online to Offline)事業をスタートしまし
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
た。2014 年 12 月に、香港証券取引所へ上場し、288 億香港ドルの調達額を果たし、初日の終値を
基にした時価総額は約 2,150 億香港ドルとなりました。
しかし、米経済誌フォーブスが発表した「2014 年中国富豪リスト」からも覗えるように、最近は
不動産業界のドン王氏と電子商取引業界のドン馬氏の立場が逆転しているのです。個人の推定資産
について、王氏が 2013 年度首位の 141 億米ドルから第 4 位の 32 億米ドルへ転落し、一方、馬氏が
2013 年度第 8 位の 71 億米ドルから 195 億米ドルへ急増し初めて首位となりました。このような逆
転の傾向について、ある経済評論家は、社会全体にとって新しい時代の幕開けであると指摘してい
ます。
2.オンライン・ショッピングの現状
阿里巴巴が誕生して以来、1999 年に阿里 B2B((Business to Business)、2003 年に淘宝 C2C
(Customer to Cusiness)、2012 年に天猫 B2C(Business to Customer)というように、絶え間な
く改善しながら、消費者に快適で安全な e コマースサービスを提供してきました。その間に、オン
ラインショッピングの決済システムも次第に整備され、消費者から絶大な信頼を獲得しました。初
期段階では、銀行預金から直接引き落とせるデビットカードが一般的な決済方法でしたが、2004
年 12 月に、アリババの「支付宝」
(アリペイ)が誕生し広く利用されています。国内外の約 180 の
銀行及びVISA、MasterCard などと業務協力の関係が締結されており、2013 年末時点で実名登録さ
れた会員数は約 3 億人です。
阿里巴巴グループ傘下の「天猫」サイトの取引額の推移(億元)
出典:『中国日報網』
※「支付宝」
:米国の eBay の決済処理で使用されている「paypal」と似ており、インターネットバ
ンキングなどを使って予めチャージすれば、淘宝や天猫などのショッピングサイトで買物が可能
となるオンライン決済サービス。
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
①オンライン・ショッピング・デーの熱狂
2009 年、阿里巴巴グループは大型プロモーションを仕掛けました。それをきっかけに、11 月 11
日の「光棍節」
(独身日)がオンライン・ショッピング・デーとなり、2012 年、「双十一購物狂歓節」
(11 月 11 日ショッピング祭り)という商標登録までされています。『中国日報網』と『鳳凰テレビ』
によれば、2014 年 11 月 11 日当日に、中国のオンラインショッピング取引総額が 805 億元、うち「天
猫」が 571 億元で全体の 70%を占めています。注文件数について、全体の 4.09 億件のうち、「天猫」
が 2.78 億件で全体の 68%を占めています。注目すべきは、スマホによる注文が 2013 年の 5%から
2014 年の 30%に上昇し、ネットショッピングがPCからモバイルベースへと移行しつつある点で
す。
②物流業者の苦労
オンライン・ショッピングにとって、商品ラインアップの充実や決済システムの整備と共に大事
なのは商品のデリバリーであることは言うまでもありません。ネット通販やビジネス文書のデリバ
リー需要が増えてくると、「快遞」と呼ばれる宅配業が急速に業務を拡大し、安い労働力頼みの人
海戦術で対応するようになりました。配達員の多くは、田舎からの出稼ぎ労働者で、平均月収が男
性が 3,000~4,000 元、女性(主に電話受付やクレーム処理など)が 2,000 元の固定給のほかに、
ボーナス及び若干のインセンティブが付き、一日の勤務時間が 10~12 時間、週休 1 日、年休は春
節の 7 日間のみ、というのが一般的となっています。街中を歩いていると、朝から晩までバイクや
足こぎ 3 輪リヤカーに大きな荷物を積んで忙しく走り回っている彼らの姿をよく見かけます。ピー
ク時は一人で 1 日に 300 件を配達するスーパーマンも珍しくないそうで、その苦労は並々ならぬも
のでしょう。そのために、定着率が低く、勤続期間が 4 年以上の配達員は非常に稀で、ほとんどは
1 年以内に退職していきます。
近年、多くの宅配業者が事業拡大を図っているため、利益度外視の価格競争が行われています。
その結果、宅配件数が増加する一方、宅配単価が低下しています。このような過当競争による配送
コストの低下は、ネット通販業界の急成長をもたらしている一面もありますが、「11 月 11 日ショッ
ピング祭りは残酷な戦争だよ」と、ある物流企業の経営者が新聞記者に向かって、現場の状況を説
明しました。爆発的に噴出したデリバリーの量に対応するために、スタッフ、倉庫及び管理体制な
どをすべて事前に整えておかなければなりません。しかし、お祭りが過ぎた後は、人的・物的資源
が急に必要でなくなります。結局は、物流企業にとって大きなロスとなり、物流業界全体の発展に
マイナスの影響を与えかねない、と溜息交じりの訴えでした。
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
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トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
③ネットショップ店主の憂鬱
e コマースが急速に発展し、オンラインショッピングの巨大なビジネスチャンスばかりが注目さ
れている中、最近では、1980 年代~1990 年代生まれの若い人たちの間で、自宅でサイトを開設す
るか、あるいは 40~50 ㎡のオフィスを借りてネットショップを開店することが流行っています。
馬雲氏及びその「阿里巴巴帝国」のようなビッグな夢を思い描いている人もいれば、単に大好きな
インターネットに没頭する「宅男」や「宅女」もいます。一定金額の保証金と年会費さえ払えば、
ネットショップの開店は容易です。しかし、市場調査を十分に行わず、販売対象とする消費者を絞
らないまま盲目的にビジネスをスタートする者が多いため、結局は毎日約 1 万店のネットショップ
が経営難に陥り、閉店に追い込まれています。「ネットショップを開店するのは容易だが、経営は
困難だ」、と多くの店主にとって、この問題は切実な悩みになっています。
④消費者の困惑
「淘宝網」や「天猫網」などには、多種多様な出店スタイルがあり、個人経営店から大型店、ブ
ランド専門店まであらゆる規模に対応しており、世界各地から商品が購入できる「全球購」(グロ
ーバルショッピング)やクール宅急便及び時間指定便も実現しています。消費者、特に女性にとっ
ては、非常に魅力的で便利な買物が楽しめるため、最近、「殺手族」という新しい言葉が流行して
います。
※「殺手族」
:ネットショッピング依存症とも言われ、抑制が効かずに過度に買い物をしてしまい、
今度からクリックしないように、手を切り落とすしかない、と自嘲する人たちのこと。
各ネットショップでは、
「零コストセール」、「史上最低価格」、「大出血セール」及び「インター
ネット売上№1」など様々な名目で、賑やかなバーゲンセールに精を出しています。粗悪品、贋物
などが氾濫しているので、様々な落し穴や詐欺事件に巻き込まれた場合、泣き寝入りするか、工商
行政管理局にクレームを提出するしかありません。しかし現時点では、政府関連部門の管轄権とい
う非常に複雑な壁があります。例えば、北京のユーザーが上海のネットショップから品物を購入し
て、損害賠償の交渉をするならば、当該ネットショップ所在地の上海工商行政管理局に行かなけれ
ばなりません。経済的・時間的ロスを考えれば、ほとんどの人は躊躇して、結局は諦めざるを得な
いのです。『毎日経済新聞』によれば、昨年、国家工商行政管理局は電子商取引に関する通達を公
布し、商品の過大宣伝、違法広告、嘘のバーゲンセール、消費者を騙す行為などを禁止することな
どを明記しています。また、昨年末に各大手電子商取引業者を呼び寄せて、「談話」を行い、2014
年 11 月 11 日のオンラインショッピングデーに「最低価格」などのような『広告法』に違反する過
大宣伝用語を禁止するよう求めた、と伝えています。
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
結び
噂では、世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマート中国事業部は、最近ローカ
ルスタッフの一部解雇や東北エリアを撤廃して中国全土の 6 大エリアから 5 大エリアに縮小するな
ど、大規模な組織改革と人員調整を行ったそうです。さらに、業務協力パートナーとして、これま
でに万達グループに「くっつき戦略」
(中国各地にある万達ショッピングモールに必ず入店するこ
と)を遂行してきましたが、伝統的小売業に衰退傾向が見られる中、一昨年あたりから徐々に「万
達離れ」する動きが見られるようになりました。一方、中国では人々の可処分所得の増加及び消費
習慣の変化などにより、電子商取引事業は今後も益々拡大し、魅力的な市場としてビジネスチャン
スが見込まれています。しかし、それは諸刃の剣であることも忘れてはなりません。価格競争につ
いていけない企業の撤退や、過当競争での値崩れによる商品の価値が損なわれるなどのリスクがあ
り、また、市場に溢れているニセモノ、粗悪品及び様々な詐欺行為などがもたらす不信感が業界全
体のイメージダウンにも影響を及ぼしかねません。それでも、女性にとっては、今日の食卓にグリ
ーンランド産のヒラメ、明日のフルーツにアルゼンチン産のチェリーやブルーベリー、明後日の子
供のお弁当にニュージーランド産のビーフなど、実にバラエティー豊かな食生活を楽しむことが可
能になったため、これほど嬉しいことはないのです。ただし、ネットショップから品物を注文する
際に、本物なのかニセモノなのかを見極めることが大事で、孫悟空のような「火眼金睛」(化け物
を見抜く眼)を持っていないと、とんでもない落し穴に嵌ってしまうかもしれないので、くれぐれ
も要注意です。
以上
<筆者紹介>
徐
槑(大連市出身)
吉林大学外国語学部(日本語)卒
岡山大学大学院経済学研究科修士修了
広島大学大学院経済学研究科博士後期修了
中国銀行大連分行、中信実業銀行総行、第一勧業銀行を経て、2004 年 4 月に中泰博緯(北京)諮詢有限
公司設立に参加、大連地区総経理に就任(現職)。現職の傍ら大連外国語大学にて非常勤講師としても
教鞭をとるなどマルチに活躍中
本レポートに記載の事項は情報提供のみを目的としたものであり、記載されているデータ、意見などは東京都民銀行が信頼に足り、且
つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。当レポー
トに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります。当レポートに記載された条件などはあくまで仮定的なものであり、
かかる取引に関するリスクを全て特定・示唆するものではありません。事業展開の最終決定は貴社ご自身の判断でなされるよう、また
必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などに御相談の上でお取扱下さいますようお願い致します。
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とみんアジア情報レポート 2015年1月号
都民銀商務諮詢(上海)有限公司について
東京都民銀行は中国上海市に 100%出資現地法人「都民銀商務諮詢(上海)有限公司」
を開業しております。
「都民銀商務諮詢(上海)有限公司」ではコンサルタント業務を取り扱い、日本側のア
ジア投資相談窓口である「東京都民銀行外為営業部アジア室」と連携して、中国ビジネス
サポートを行っております。中国ビジネスでお困りの事がございましたら、中国または日
本の下記担当者へお気軽にご相談下さい。
会社概要
1.商
号
都民銀商務諮詢(上海)有限公司
2.所在地
中国上海市黄浦区淮海中路 918 号久事復興大廈 24‐C1 室
3.資本金
25 万米ドル
4.出資比率
東京都民銀行 100%
5.事業内容
企業管理コンサルティング、貿易情報コンサルティング、投資コンサルティング、企業登記代理
6.URL
http://www.tomin-bc.com.cn/
コンサルティング内容
項目
現法設立コンサルティング
業務内容
事業化計画、設立申請書類の作成、認可当局との交渉サポート
とみんチャイナビジネスサポート
日常業務から専門的な各種照会事項に対して、原則、回数無制限にて
お答えします
事業戦略コンサルティング
出資持分譲渡、合併・分割、撤退、設備売却サポート
本社ガバナンス強化を目的として、現地法人の抱える問題点や構想の
実現可能性を調査
各種企業の側面調査・実態調査コンサルティング、日本語訳提供、市
場動向レポート
業務提携銀行である北京・大連・江蘇・寧波・平安銀行の取引先中国
企業とのビジネスマッチング、売買契約締結、交渉サポート
信用・市場調査に関する
コンサルティング
提携銀行ビジネスマッチング
お問合せ
東京都民銀行外為営業部アジア室
都民銀商務諮詢(上海)有限公司
電話:86-21-6467-0011
電話:03-3582-8681
E-mail:[email protected]
E-mail:[email protected]
担当: 渡邉(総経理) 蓑田(副総経理)
担当: 岡田(室長) 小原 小林 山﨑
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