可変形状モデルとパーティクルフィルタを用いた車両検出 中沢研究室 情報工学科 坂本翼 概要 撮影された映像データを用いて車両検出を行う場合、検出精度を低下させる問題として照明変化、車両の 形状・向きの違い、オクルージョンの発生といったものが知られている。 そこで、本研究では、これらの問題点を解消する検出技術を提案し、実際に撮影された動画データでの車両 検出率向上を目的とする。具体的には、HOG特徴量を用いた可変形状モデルとオブジェクト追跡に用いられ るパーティクルフィルタを導入し、照明変化に頑健かつオクルージョンの発生に対応した車両検出を提案する。 システム・技術 説明 動作の流れ 可変形状モデル 1つの物体を各パーツで構成されるツリー構造とし て捉える手法 - 物体 - パーツ 車両判定に用いる評価値の算出 1枚の入力画像に対して、 ・繰り返しリサイズを行い、画像ピラミッドを構築する 事前に複数の車両画像をモデル化し、機械学習法 ・ピラミッドの各層についてHOG特徴量を算出し、 のLatentSVMで学習し、可変形状モデルを構築する。 HOG特徴量ピラミッドを構築する (※HOG特徴量:画像内の局所領域におけるエッジ方 次に、背景差分法、モルフォロジー処理を経て、 向をヒストグラム化した特徴量) 切り出された移動物体画像と可変形状モデルから 車両検出候補の抽出を行う。 次に、入力画像とモデル画像の類似度を算出する そして、オクルージョン判定を行い、車両検出の 未知の物体とモデルの類似度をそれぞれの各パー 結果を出力、および、車両の追跡を始める。車両を ツの位置関係により算出する。 見失い次第、次の移動物体の処理にシフトし、この 一連の動作を繰り返す。 まとめ ・HOG特徴量を用いることで照明変化に頑健 ・可変形状モデルとLatentSVMを用いることで物体 の形状変化に対応した検出が可能 課題 ・ピラミッド階層数(入力画像リサイズ回数)の設定 ・単純なHOG特徴量を用いた場合と比べ、処理速 度が劣る
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