平成26年度生物部・クラブ活動報告『あさぼらけ』

2014 年 ( H26 年 ) 度 生 物 部 活 動 報 告
前部長:大塚元夢
部長:大塚元夢
顧問:米本憲市
活動日:月・火・木の放課後
土曜日
1.校内生物調査
神島高校内の植物や動物を調査した。以下のような発見をしている。
① ヤ シ オ オ オ サ ゾ ウ ム シ Rhynchophorus ferrugineus ( Olivier, 1790 ) の 発 見
2014 年 4 月 22 日 に , 正 門 近 く の ヤ シ の 枯 死 原 因 が ヤ シ オ オ オ サ ゾ ウ ム シ と い う 大 型 の
赤いゾウムシであることをを発見した。図1はその死骸の写真である。
② コ ヒ ロ ハ ハ ナ ヤ ス リ Ophioglossum petiolatum Hook. の 発 見
コヒロハハナヤスリはシダ植物の一種で胞子で増える。特に湿地で多産するが,校内で
は 普 通 科 棟 F 1 教 室 の 中 庭 側 の 側 溝 に た く さ ん 生 え て い た 。 胞 子 も つ け て い る ( 図 2 )。
③ マ ツ バ ラ ン Psilotum nudum
校内の至る所に生息しているが,本来珍しいシダ植
物であった。
図1
ヤシオオオサゾウムシ
図2
コヒロハハヤヤスリ
2.アフリカツメガエル調査
有用な実験動物であるアフリカツメガエル
Xenopus laevis Daudin1802 は 「 要 注 意 外 来 生 物 」 で あ
り日本には生息していない。しかし,最近,田辺
市新庄町鳥の巣半島の複数のため池で繁殖してい
ることがわかり,この個体群については絶滅させ
るための事業が続いている。
生 物 部 で は , こ の 事 業 に 協 力 す べ く , 9 月 13 日
に,ため池で「カエル釣り」を行い,釣れたカエ
ル す べ て を 持 ち 帰 り , 解 剖 を 行 い , 調 査 を し た ( 図 3 )。
図3
アフリカツメガエル釣り
3.昆虫調査
5 月 27 日 に 神 島 高 校 周 辺 の 社 寺 林 の
朽 ち 木 に 生 息 し て い る 甲 虫 の 調 査 (図
4)を行った。その結果,小型の甲虫
類 ( 図 5) を は じ め , 何 種 類 か を 発 見
することができた。
4.ムラサキウニの受精と発生の観察
ム ラ サ キ ウ ニ Anthocidaris
(
crassispina
( A.Agassiz,1863 ) は 本 州 北 部 か ら 九 州 南
端,台湾,中国東南部に分布し,潮間
帯 か ら 水 深 70m に 生 息 す る 普 通 種 で あ
る。 本校周辺の海岸でも普通に生息
するウニであり,本校から徒歩 5 分の
図4
朽ち木調査
図5
小型甲虫
田 辺 市 磯 間 漁 港 の 護 岸 基 部 に お い て , 干 潮 時 に 採 集 し た 。 そ の 後 , 放 卵 ・ 放 精 ( 図 6 ),
受 精 , 発 生 の 様 子 を 顕 微 鏡 で 観 察 し た ( 図 7 )。
図6
放卵の観察
図7
図8には,幼生であるプルテウスの顕微鏡写真
を示した。受精後約 2 日で,プルテウスまで発生が
進む。
図8
ムラサキウニのプルテウス
→
4.その他
他に磯間漁港において,そこに生息する魚類調
査も行っている。
顕微鏡での観察