第5章 第1節 重点プロジェクト 重点プロジェクトについて 本市が目指すべき環境の将来像「豊かな自然・歴史と共生するまち 瀬戸内市 ∼美 しい環境を未来に届けるまちづくり∼」を具現化するために、効果的かつ象徴的な取り 組みを抽出し、瀬戸内市の環境施策の重点プロジェクトと位置づけます。 第2節 重点プロジェクト “水”発見、活用、創造プロジェクト “水”は、人、動植物に生命を与え、生き生きとした輝きを与えてくれます。本市に とっては、自然環境を創りだし、人々の生活、豊かな営みを長い間支えてきたものであ り、まちの歴史・文化を築いてきたものということができます。本市の“水”は、海、 川、水路、池など、多様な環境の表情を持っています。 本市の環境を象徴するものとして“水”を設定し、この“水”という視点から本市の 多様な環境を見つめ直し(発見)、様々な連携と組み合わせを考え(活用)、未来に届け る美しい環境づくり(創造)を進めていきます。 豊かな自然・歴史と共生するまち 瀬戸内市 ∼美しい環境を未来に届けるまちづくり∼ “水”プロジェクト 発 見 環境を資産としての視点で見つめなおす 新たな資産価値を見つける=守る、保存、伝承 資産価値を向上させる=改善、復元、改修、整備 活 用 地域の環境、資産相互を連携させる 地域の産業との連携を図る=地域振興 環境学習・教育=人づくり、環境づくり 地域資源の有効活用 創 造 新たな環境を創造する=資源循環型のまちづくり 市民・事業者・行政等の協働体制づくりの推進 まちづくりとしての環境形成活動 60 発 見 本市の海・河川・森林・田園・里山には、様々な生き物が生息し、豊かな生態系を形成 しています。これらの自然と共生したより良い生活環境の形成のためには、身近な環境を 地域の「資産として再認識」し、地域環境の保全・改善・回復などの「資産価値」の向上 に向けた行動を実践していくことが必要となっています。 今後、市民・事業者・行政などが一体となって、意識啓発やモラルの向上、観察・調査 の体制づくりなどを通し、豊かな自然との共生による環境づくりを進めます。 重点項目 取り組み内容 野生動植物の保全 森林・里山の保全 ○ 地域の動植物の調査・観察会など、身近な自然を学ぶ機 会の創出を図る。 ○ 市民や関係機関とも連携した天然記念物絶滅危惧ⅠA類 アユモドキ、絶滅危惧ⅠA類スイゲンゼニタナゴの保護 活動の推進を図る。 ○ 水源かん養機能などの森林機能の増進に向けた森林保全 の推進を図る。 ○ 市民による水辺の美化・清掃活動への支援を図る。 美しい海や川の水辺 (ボランティア人材の支援、活動のネットワーク化に 向けた情報支援など) の保全 ○ 水質調査、監視の継続と、情報公開を図る。 ○ 観光・景観資源として保全を推進する。 水を汚さない・ きれいにする対策 主 体 市 市 民 事業者 ○ 市の広報紙やホームページ、各種チラシの配布など、生 活排水や水の浄化に関する情報提供や啓発を推進する。 ○ 事業所への規制に関する情報提供や啓発を推進する。 ○ 社会的責任(CSR)としての環境経営の取り組みの拡 大に向け、環境マネジメントシステム(ISO14001)、 エコアクション21などの情報提供などによる啓発を図 る。 ○ 計画的な下水道整備、合併処理浄化槽の普及を促進し、 快適な生活環境の向上を図る。 プロジェクト推進指針 • 動植物、水質などの現状把握に努めます。 • 自然環境や景観資源を適切に監視・指導し、その保全に努めます。 • 環境保全に関する情報提供や啓発を強化します。 • 地域の自然に触れる機会を増やし、理解と認識を深めます。 • 環境にやさしい生活の工夫に心がけます。 • 身近な場所の観察や監視、管理に心がけます。 • 地域の環境保全活動への主体的な参加、協力に努めます。 • 環境経営の導入実践、また、普及に協力します。 • 事業活動による環境への影響を常に監視します。 61 活 用 本市は、豊かな自然景観に加え、港町として栄えた面影を残す牛窓地域の「しおまち唐 琴通り」などの歴史的町並み、千町平野などに広がる邑久地域の豊かな「田園風景」、一遍 上人絵伝にも描かれた長船地域の「備前福岡の町並み」など、歴史的・文化的景観(資産) が数多くあります。 本市の自然、歴史的・文化的景観(資産)の保存とその活用を図り、快適で美しい都市 景観の形成を推進します。 重点項目 取り組み内容 ○ 自然とふれあう場としての、公園や緑地の計画的な整備 などを進める。 自然とのふれあい拠点 ○ 「長船美しい森」などの地域資産の有効活用を図る。 づくり・体験交流など ○ 自然体験交流の場、交流機会の創出に向け、情報収集・ の推進 提供、地域のPRを推進する。 ○ ボランティア、市民、自治会などの活動に対して、情報 提供などの支援を図る。 学校における ○ 地域の環境を「体験」を通して学び、理解する環境学習・ 環境学習・教育の推進 教育を推進する。 地域における 環境学習の推進 自然・歴史・文化的景 観の保全・形成 主 体 ○ 自然景観との調和、歴史的・文化的景観に配慮した開発・ 整備を推進する。 ○ 景観計画策定により、計画的な市街地景観づくりと、観 光・交流資産としての活用を推進する。 プロジェクト推進指針 • 地域の自然、景観にふれあう機会の創出などにより市民や来訪者 の意識づくりを図ります。 • 環境学習・環境教育を積極的に推進します。 • 景観計画を策定し、景観資源の資産としての保全・活用を図りま す。 市 市 ○ 地域の自然探索会の開催など、環境学習の機会や場を創 出する。 民 事業者 • 地域の自然、景観を保全する活動に積極的に参加します。 • 歴史や文化の保存・継承活動に参加します。 • 地域の景観保全、歴史や文化の保存・継承活動に協力します。 • 貴重な自然、景観資源を活用します。 62 創 造 現在、環境問題の中心課題は、産業公害から都市・生活型の環境問題や地球環境問題に 移っています。これまでの事業活動やライフスタイルを見直し、環境への負荷が少ない持 続可能な社会を構築することが求められています。本市の有する地域資源の循環的な利用、 エネルギーの有効利用、廃棄物の減量化や有効利用、地球環境保全の取り組みを推進しま す。 環境保全活動の推進には、市民・事業者・行政などの協働の取り組みが欠かせません。 行政をはじめ、市民・事業者が主体となって取り組む環境保全に関する自発的な活動が望 まれます。様々な分野において、市民・事業者・行政などの協働体制の構築を整備・支援 し、環境保全活動を総合的、効果的な推進を図ります。 重点項目 取り組み内容 3E(環境、エネルギー、経済)○ 新エネルギービジョンの策定により、地域資源 の活用 の有効活用と地域の活性化、地域振興との連携 に向けた検討を行う。 ごみ減量化・リサイクル ○ 3R活動の推進に向け、分別回収の見直し、啓 発の強化を図る。 ○ リサイクルプラザの利用促進を図る。 地球温暖化防止対策 ○ 省エネルギー活動の率先した実施(クール・ウ ォームビズ、ノーマイカーデーなど)や、市民 への啓発を強化する。 市民の環境活動の育成・支援 ○ 市民の環境活動の育成・拡大に向け、エネルギ ーや環境セミナーなどを企画、開催する。 環境保全活動の取り組み強化 ○ 不法投棄監視パトロール体制の強化を図り、地 域の環境づくりを促進する。 主 体 • 率先した行動の実践と、ごみ対策、エネルギー対策、温暖化防止 対策などに関わる啓発、情報提供を強化・充実します。 • 環境監視、指導などの体制の充実を図ります。 市 市 プロジェクト推進指針 民 事業者 • 地域の環境に関心を持ち、環境活動に積極的に参加します。 • 環境セミナーや講演会などへ積極的に参加します。 • エネルギー対策、環境保全活動に関わる事業者相互、市民、行政 などとの積極的な協働体制の構築に協力します。 63
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