270305_今の子どもたちが大人になる頃には

銀 杏
平成 27 年 3 月 5 日
出雲市立乙立小学校
出雲市立乙立幼稚園
発行責任者
校園長
原
一 夫
今の子どもたちが大人になる頃には....
2020年、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。今でも外国人がたくさん日
本を訪れていますが、この頃にはその数がもっともっと増えることでしょう。同様に、日本
から外国に出かける日本人もたくさんいるはずです。今や、外国とのつながりのない社会を
考えることはできません。教育の世界にも、十数年前から小学校5・6年生に外国語活動が
取り入れられています。近いうちに3・4年生、そ
していずれは1年生から外国語を習うようになるこ
とでしょう。
そこで、外国語(英語)活動を文科省の指定で研究
している学校の研究会に出かけ、今後の外国語活動
のあり方について学んできました。
1年「のりものなにかな」、3年「どれにする?」
6年「自分のことを手紙で伝えよう」の3つの授業が公開されました。どの授業でも、子ど
もたちが英語に慣れ親しみ、意欲的に表現しようとしている姿が印象的でした。現在の外国
語活動では“話す”“聞く”を中心に行われていますが、今回初めて6年生で“書く”こと
の内容を取り入れた授業を見ました。自己紹介を5文くらいで書き、それをみんなの前で発
表し合う子どもたちの表情は、いきいきとしていました。
さて、本校でも5・6年生が週に1回外国語活動で英語を学んでいます。様々な活動を通
して子どもたちは英語を楽しく学んでおり、歓声も多く上がっています。英語はもうすぐ3
年生以上で教科として導入されます。私は、英語を学ぶことが単なる知識の積み重ねになる
のではなく、子どもたちの心を世界に向けていくことが第一歩であると思います。子どもた
ちが英語を習得するためには壁があると思いますが、小さな壁から自由に外の世界を眺めさ
せ、自力で外に出ようとする子どもの育成が大切であると思います。小学校段階の子どもた
ちにとって、「知らない言葉」が「聞いたことのある言葉」になれば、中学校に進んでも興
味をもって学習に取り組むことにつながると思い
ます。
この度の研究会に参加して今後の実践につなが
る多くのことを得ることができました。札幌市内
は、最低気温がマイナス10℃、日中でも最高気
温が氷点下という厳しい寒さでしたが、そんな寒
さにも負けない子どもたちの学ぶ意欲が強く印象
に残りました。
(教頭 江角敏生)
先生も学んでいます
一時のインフルエンザの流行もおさまり、乙立小学校・幼稚園の子どもたちは、いちょう
の木の周りを駆け回ったり、1年間のまとめの勉強や卒園・卒業に向けて一所懸命にがんば
っています。子どもたちのがんばりに負けまいと、先生達もさまざまな研修に出かけ勉強を
しています。担任4人は、複式教育・わたり※による算数指導。教頭は、外国語活動。主事は
学校における情報化対策。校長は、算数教育。と、乙立小学校教育の現在から未来にわたっ
て教職員がさらに力をつけていかなければならない内容の研修を、それぞれが行っています。
研修してきたことは、教職員全員で共有を図っています。そして、すぐにできることから
学習指導に生かしています。例えば、算数では教師は2つの学年を行ったり来たりしている
ので、子どもの代表(ガイド役)が授業を進めます。そのガイド学習については、
ガイド役用「学習のすすめ方」を記したプリントを 1 ~ 4 年生には毎時用意する。1 年生はその
時々で口添えなどして臨機応変に。2 ~ 4 年生はガイドだけ「ガイドの進め方(仮称)」を持つ。
だんだん高学年にむけて文字や指示は少なくしていく。(困ったら「先生を呼ぶ」でよい)
『自 学 が 成 立 す る た め の 学 年 別 能 力 表』のように、話す・聞く・板書力などを一覧にした乙立
バージョンを作成する。
ここに挙げたのは、取り組んでいく内容のほんの一部です。このようにして、全教職員が
同じ考えで、子どもたちの発達段階に応じた指導を行っていきます。
※わたりとは
複式学級では、2学年が同じ教室で違う内容の勉強をしています。教師は、1時間の学習時間の中で、2つの
学年の間を行ったり来たりしながら学習指導をします。この形態を「わたり」指導をいいます。