衝撃波・パルスパワー応用研究プロジェクト

衝撃波・パルスパワー応用研究プロジェクト
プロジェクト代表:井山 裕文(機械知能システム工学科)
衝撃波・パルスパワー応用研究プロジェクトでは
いくつかのテーマで研究・実験を進めているが,そ
の中の一つである電気エネルギーを用いたコンク
リート破砕の亀裂制御工法の開発についてコンク
リート破砕について紹介する.
コンクリート等で作られている既存の建造物に
おいて,部分的・選択的な破砕や解体が必要とされ
る場合があり,現在は主に火薬を用いた発破による
図 1 放電衝撃破砕の基本回路図
破砕工法が広く使われている.しかし安全性の面か
ら,火薬を使用しない破砕工法についての研究が進
められており,その一つとして電気エネルギーを用
いた破砕工法がある.現在研究しているのは,金属
の細線に高電圧・大電流を印加し,その金属細線を
溶融・気化させることで発生する衝撃波を利用した
放電衝撃破砕工法と言われるもので,特にこの工法
において,破砕の際に発生する亀裂を制御し,効率
的に部分的,選択的な破砕ができるような技術の確
立を目標としている.図 1 に放電衝撃破砕の基本的
な回路,図 2 に破砕実験をおこなった際の結果を示
すが,破砕対象物に対して亀裂を制御するための適
切な空洞を設け,且つ充電エネルギーを調整するこ
とで,縦方向に二つに分離して破砕したり,細かく
砕いた形に破砕したりといった形で調整が可能で
ある.今後は,実用化に向けてより大きな破砕対象
物での実験をおこなっていく予定である.
図 2 試験片とその破砕結果
現在,本校共同教育研究棟プロジェクト研究室 3
を利用して,新しい衝撃波発生装置および圧力計測システムを構築中である.
構成メンバー
機械知能システム工学科 村山浩一,西雅俊
生物化学システム工学科 吉永圭介
沖縄高専 機械システム工学科 比嘉吉一
大分高専 電気電子工学科 上野崇寿
連絡先 地域イノベーションセンター
http://www.kumamoto-nct.ac.jp/general/center/innovation.html