個人別人体モデルに対する 骨格モデルの構築と運動解析機能の開発

個人別人体モデルに対する
骨格モデルの構築と運動解析機能の開発
産業技術総合研究所
⃝遠藤 維, 多田 充徳, 吉田 英一
人間中心設計
. 
. 
使いやすさ・操作しやすさといった人間工学指
標を向上させ,その個人差を縮小させる設計
• 
違和感のない把持
• 
疲れない
• 
誤操作が少ない,容易に操作できる
• 
安全に使用できる
• 
高いパフォーマンスが得られる
• 
タスクに要する時間が少ない
ロボット介護機器に対する
人間中心設計支援
. 
. 
安全性、有用性指標に基づくシミュレーション
を用いた設計支援システムの開発
• 
介護者・被介護者動作の測定・解析・再現
• 
機器モデルを用いた最適なパラメータ設計の
支援
• 
人体シミュレーションによる実機の効果定量
評価
人体シミュレーション
. 
. 
. 
人体モデルの生成
個人別モデル,代表形態モデル
•  モーションキャプチャ
•  人体寸法
. 
. 
. 
姿勢・動作の再現
モーションキャプチャ
対応点入力
. 
. 
. 
エルゴノミクス評価
幾何学・運動学
•  視点,接触面積,関節角度
逆動力学解析
•  関節トルク,筋発揮効率
逆動力学解析
. 
接触力情報を含む人体運動データから関節トル
クや筋発揮率を推定する.
. 
機器操作時の腰などの負担評価を通じて,機器
の人間中心設計を支援できる可能性がある.
. 
多様な体型の人体モデルの運動に対して適用す
ることで,パフォーマンスの個人差を推定可能
. 
解析に必要な人体モデル
. 
. 
表皮モデル
• 
. 
リンク構造モデル
• 
. 
関節ローカル座標系変換行列,回転行列
リンク力学パラメータ
• 
. 
三角形メッシュ
重心,質量,慣性モーメント
外力(接触力)
⼈人体モデル⽣生成
評価
ー
モ
⼈人
体
モ
デ
ル
表
⽪皮
モ
デ
ル
モ・
デリ
ルン
のク
⽣生 構
成造
ー
キ
ー
リ
ン
ク
パ
ラ
メ
筋
モ
デ
ル
・
筋
パ
ラ
メ
運動⽣生成
プ
を
利利
⽤用
し
た
動
作
再
現
標準モデル
(テンプレート)
◯
1
FW
──
静姿勢
のみ
──
──
個⼈人モデル
◯
2
FW
◯
FW
3
FW
タ
の
推
定
タ
の
追
加
作
業
運
動
の
⾃自
動
推
定
関
節
ト
ル
ク
の
推
定
筋
発
揮
率率率
の
推
定
FW: Future work
人体標準モデルに対するリンクパラメータの推定
. 
1
. 
表皮モデル・リンク構造モデルを生成
• 
既開発のDhaibaモデルを使用
人体標準モデルに対するリンクパラメータの推定
. 
1
. 
表皮モデル・リンク構造モデルを生成
• 
2
. 
既開発のDhaibaモデルを使用
骨形状メッシュモデルを配置
• 
既開発の個人モデルを標準モデルのリンク長等を
元にスケーリングし,配置
人体標準モデルに対するリンクパラメータの推定
. 
1
. 
表皮モデル・リンク構造モデルを生成
• 
2
. 
骨形状メッシュモデルを配置
• 
3
. 
既開発のDhaibaモデルを使用
既開発の個人モデルを標準モデルのリンク長等を
元にスケーリングし,配置
表皮モデル面分を主参照リンクごとに分割
• 
表皮変形で使用する頂点ウェイトを参照
• 
複雑な稜線部分は手動で平滑に修正
• 
「穴」を埋めそれぞれ閉じたメッシュとする
人体標準モデルに対するリンクパラメータの推定
. 
1
. 
表皮モデル・リンク構造モデルを生成
• 
2
. 
骨形状メッシュモデルを配置
• 
3
4
. 
. 
既開発のDhaibaモデルを使用
既開発の個人モデルを標準モデルのリンク長等を
元にスケーリングし,配置
表皮モデル面分を主参照リンクごとに分割
• 
表皮変形で使用する頂点ウェイトを参照
• 
複雑な稜線部分は手動で平滑に修正
• 
「穴」を埋めそれぞれ閉じたメッシュとする
体積,重心,慣性モーメントを推定する
• 
各リンク対応メッシュおよび骨形状メッシュに対し
てそれぞれ推定
• 
Mirtichらの手法[1]を使用
[1] Brian Mirtich, “Fast and Accurate Computation of Polyhedral Mass Properties”
個人別人体モデルに対するリンクパラメータの推定
. 
1
. 
表皮モデル・リンク構造モデルを生成
• 
人体標準Dhaibaモデルを変形
• 
寸法またはランドマークを参照する
個人別人体モデルに対するリンクパラメータの推定
. 
1
2
. 
. 
表皮モデル・リンク構造モデルを生成
• 
人体標準Dhaibaモデルを変形
• 
寸法またはランドマークを参照する
骨形状メッシュモデルを配置
• 
標準モデルと個人モデルとのリンク長比を
元にスケーリングし,配置
個人別人体モデルに対するリンクパラメータの推定
. 
1
2
. 
. 
表皮モデル・リンク構造モデルを生成
• 
人体標準Dhaibaモデルを変形
• 
寸法またはランドマークを参照する
骨形状メッシュモデルを配置
• 
3
. 
標準モデルと個人モデルとのリンク長比を
元にスケーリングし,配置
各リンク対応メッシュを変形
• 
標準モデルから個人モデルへの表皮モデルの変形を
参考に,標準モデルの各リンク対応メッシュを,個
人モデルの表皮に一致するように変形させる
個人別人体モデルに対するリンクパラメータの推定
. 
1
2
. 
. 
表皮モデル・リンク構造モデルを生成
• 
人体標準Dhaibaモデルを変形
• 
寸法またはランドマークを参照する
骨形状メッシュモデルを配置
• 
3
. 
各リンク対応メッシュを変形
• 
4
. 
標準モデルと個人モデルとのリンク長比を
元にスケーリングし,配置
標準モデルから個人モデルへの表皮モデルの変形を
参考に,標準モデルの各リンク対応メッシュを,個
人モデルの表皮に一致するように変形させる
体積,重心,慣性モーメントを推定する
• 
各リンク対応メッシュおよび骨形状メッシュに対し
てそれぞれ推定
• 
Mirtichらの手法[1]を使用
関節トルクの推定
. 
. 
「OpenSim」の使用
• 
. 
. 
逆動力学計算機能をもつシミュレーションソ
フトウェア
必要なデータをインポート
• 
個人別Dhaibaモデル定義
• 
モーションリコンストラクション結果
• 
外力・トルクシーケンス
運動中の関節トルクを推定
シミュレーション結果
. 
. 
. 
DhaibaWorks
• 
個人別Dhaibaモデルの生成
• 
モーションフィッティング
• 
床反力情報の付与
OpenSim
• 
関節トルクの計算
100$
80$
60$
40$
R_FEMUR_4lt_moment$
20$
R_TIBIA_4lt_moment$
0$
1.9$
2.1$
2.3$
2.5$
2.7$
2.9$
3.1$
FEMUR
R_FOOT_4lt_moment$
!20$
!40$
TIBIA
!60$
!80$
FOOT
今後の課題
. 
. 
臓器モデルの追加によるリンクパラメータの高
精度化
. 
筋モデル・筋パラメータの追加
. 
逆動力学演算エンジンの統合
. 
作業姿勢・運動の自動推定
ロボット介護機器に対する
人間中心設計支援への課題
. 
. 
多様な被介護者に対する人体モデル化
. 
介護者・被介護者・製品が接触する複雑な作業
環境の計測・再現
■ 本研究は,経済産業省省によるロボット介護機器開発・導⼊入促進事業(開発補助事業)により実施されました. 人体標準モデルに対するリンクパラメータの推定
. 
1
. 
表皮モデル・リンク構造モデルを生成
• 
2
. 
骨形状メッシュモデルを配置
• 
3
4
. 
. 
既開発のDhaibaモデルを使用
既開発の個人モデルを標準モデルのリンク長等を
元にスケーリングし,配置
表皮モデル面分を主参照リンクごとに分割
• 
表皮変形で使用する頂点ウェイトを参照
• 
複雑な稜線部分は手動で平滑に修正
• 
「穴」を埋めそれぞれ閉じたメッシュとする
体積,重心,慣性モーメントを推定する
• 
各リンク対応メッシュおよび骨形状メッシュに対し
てそれぞれ推定
• 
Mirtichらの手法[1]を使用
[1] Brian Mirtich, “Fast and Accurate Computation of Polyhedral Mass Properties”
個人別人体モデルに対するリンクパラメータの推定
. 
1
2
. 
. 
表皮モデル・リンク構造モデルを生成
• 
人体標準Dhaibaモデルを変形
• 
寸法またはランドマークを参照する
骨形状メッシュモデルを配置
• 
3
. 
各リンク対応メッシュを変形
• 
4
. 
標準モデルと個人モデルとのリンク長比を
元にスケーリングし,配置
標準モデルから個人モデルへの表皮モデルの変形を
参考に,標準モデルの各リンク対応メッシュを,個
人モデルの表皮に一致するように変形させる
体積,重心,慣性モーメントを推定する
• 
各リンク対応メッシュおよび骨形状メッシュに対し
てそれぞれ推定
• 
Mirtichらの手法[1]を使用