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【琉球医学会】
【Ryukyu Medical Association】
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[原著]眩暈における神経耳科学的アプローチ
喜友名, 千佳子; 識名, 弓子; 芦峰, 真理子; 源河, 朝博; 野田,
寛
琉球大学保健学医学雑誌=Ryukyu University Journal of
Health Sciences and Medicine, 3(2): 133-140
1980
http://okinawa-repo.lib.u-ryukyu.ac.jp/handle/okinawa/2151
琉球医学会
琉大保医誌3(2 :133-140, 1980
133
旺皐における神経耳科学的アプローチ
琉球大学保健学部附属病院耳鼻咽喉科
喜友名千佳子 識名弓子 芦峰真理子
源河朝博 野田 寛
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は じめに
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近年社会機構の多様化,騒音,ストレスの増加と
共に"めまい''症例も増加する傾向にあり,、、めまい''
はまさに近代病の一つとして注目されている。
、、めまい"は比較的簡単に診断のつく場合もあるが,
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駆使しても,なおその本態を明らかになし得ない場
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、、めまい〝が末相性か中枢性かのいずれであるかとい
うことである。
今回われわれは,琉球大学保健学部附属病院耳鼻
咽喉科での畦畢症例をもとに,その診断基準と検査
法の意義について検討したので報告する。
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作に先立って耳嶋,難聴が出現するという。
初診時には,聴力検査,平衡機能検査などで異常
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主訴:回転性畦畢
現症:半年前 突然回転性畦単があり,左耳鳴,
左難聴,曝気,堰吐を伴い,間もなく軽快したが,
現在までに7回程発作を繰り返えしている。旺畢発
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〔症例〕
症例I T.N. 12才 女性
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診断がきわめて困難で進歩した現代の臨床検査法を
合が少なくない。われわれがまず求められることは,
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所見は認められなかった。経過観察中に難聴を自覚
し外来受診する。その時の聴力像は40-50dBの低
音部障害型感書性難聴を示し, D. L. ("Difference
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T .D . test
Limen'')テスト. S. I. S. I. ("Short Increment
Sensitivity Index")テストで補充現象陽性を示し,
Abb.l. Audiometrische Analyse beim Fall I
T.D.("Tone Decay")テストで陰性を示じ内耳性
難聴と診断された(Abb l)c難聴を自覚した翌日,
回転性畦畢発作があり,右向水平性自発眼振が認め
症例II H.A. 38才 男性
主訴:左耳鳴,旺牽
られ,注視,頭位変化によっても方向は不変であっ
た。その発作10日後より聴力は回復しほぼ正常に戻
現症: 1年半前より左耳嶋があり畦車がするよう
になったという。初診時の聴力検査で左側に40 dB
り,問診,聴力所見,眼振所見などからメニエール
病と診断された。
の低音障害型盛者性難聴を示し, Bekesy オ-ジオ
メトリー, D.L.テスト, S.I.S.I.テストで補充現
喜友名 千佳子 ほか
134
象は疑陽性であった。平衡機能検査では,立ち直り
は正常像を示した(Abb. 3),,他覚的には証明できな
検査で右側への転倒傾向があり,左向定方向性頭位
かったが,旺畢発作の後に聴力が良くなるというこ
眼振があった(Abb. 2).カロリー・テストは左CP
とから,メニエール病の一つの型であると考えられ
("Canal paresis")所見を示し, OKP (Optokinetic
ているレルモワイエ症候群が疑われた。
Nystagmus Pattern"), ETTC'Eye Tracking Test")
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Abb.2. Audiometriche Analyse und
Nystagmus-Befunde beim Fall II.
症例Ill K.0. 28才 男性
主訴:回転性旺牽,堰気,堰吐
現症:昨年12月朝畦輩が出現したo 難聴,耳嶋は
なく軽度の頭重感があるのみであった。純音聴力検
査では全く.の正常を示し(Abb. 4), Bekesyオ-ジ
オメトリーではI型を示し,語音明瞭度は両側共に
100%と良好であった。平衡機能検査では,自発眼
振,注視眼振はないが,頭位眼振で左下位にした時
Abb. 3. 0ptokinetische Nystagmus (oben) und
Kennzifferverfolgungs - Nystagmus ( unten) beim Fall II
に左回旋性眼振が出現し,懸垂頭位から座位に戻す
と逆方向に向く回旋性眼板が認められた(Abb. 5).
カロリー・テストでは,両側共に反応良好で,OKP,
135
畦卓における神経耳科学的アプローチ
ETTは正常像を示した(Abb.6)。以上の所見より,
良性発作性嶺位睦聾と診断されたo
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症例IV M.N. 43才 女性
主訴'.耳痛,左難聴,左耳鳴,旺聾,視力低下
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Abb. 4. Audiogramm beim FaH ra.
現症.'8年前より左舞噂,左耳鳴,畦聾があり本
年1月より畦草が激しくなり, 5月より視力低下を
きたしている。舷皐は回転感,動揺,浮き上がる感
じと多極であったD
純音聴力検査では右軽度難聴,左耳聾であり
胡
(Abb.7),インピーダンス・オージオメトリーのSR
i"Stapedius Reflex、')は左耳刺激で欠如するD平
衡機能検蚕では自発眼板はないが頭」立眼振が方向固
定性で右向水平眼板が出現した(Abb.8),カロリー
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テストでは左耳高度低下を示し,OKPはまだ高度に
は抑制されていないが. ETTは'saccadic pursuit"
を示した(Abb. 9)。以上の所見並びに脳神経外科的
所見より聴神経腫痔が疑われ 手術的に確認された。
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Abb. 5. Nystagmus-Befunde beim Fall 111.
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Abb. 7. Audiogramm beim Fall IV-
喜友名 千佳子 ほか
限振所見は注視眼振が認められ,右注視で麻埠性大
打性右向き眼振,左注視で頻数′ト打性左向眼振であ
った。また頭位眼振は上向性方向変換性眼振がみら
れた(Abb. 10)。 OKPは中央部でわずかに抑制が
みられ, ETTは"ataxic pursuit、'を示し(Abb.ll),
カロリー・テストは右耳で高度低下であった。以上
の所見ならびに脳神経外科的所見より小脳橋角腫場
が疑われ,手術的に確認された。
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考 察
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、、めまい〝をおこす疾患は, "めまい′′の性質,検査
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の成績の特徴などから末梢前庭系疾患,中枢神経系
疾患,その他の循環障害,内分泌代謝障害などの疾
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患に分類されるO
末相性疾患の代表的なものとして黄もよく知られ
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ているのがメニエール病であるO メニエール病とい
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うと現在では特発性内耳リンパ水腫を指すことが多
く,この疾患の根底には内分泌系,自律神経系の障
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害,ストレス,その他種々の因子が想定されている。
メニュール病の診断基準として厚生省特定疾患メ
ニュール病調査研究班は,
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1)回転性めまい発作を反復すること
2)耳鳴,難聴などの的牛症状が反復,消長する
Abb. 8. Nystagmus-Befunde beim Fall IV.
こと,
3) 1)2)の症候を釆たす中枢神経疾息 ならび
に原因既知のめまい,難聴を主訴とする疾患が
除外できる,
という1)2)3)の仝条件を充すのを確実例, 1)と
3),または2)と3)の条件を充すのを疑い例とす
ることをあげている1)o
実際に大阪市立大学で用いられている診断基準を
あげてみると,
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Abb. 9. 0ptokinetische Nystagmus (oben) und
Kennzifferverfolgungs - Nystagmus ( unten) beim Fall IV.
1)原因不明である,
2)めまいは発作性で反復性である,
3)めまいに関連する難聴を認める。聴力検査時
に難聴がなくても発作時自覚的に難聴があれば
良い,
症例V M.K. 47才 男性
主訴:右耳鳴,畦箪
現症:昭和54年1月初診, 4年前より歩行がLら
4 )難聴があれば内耳性難聴である.
ということである2).
今回症例としてあげた女子は診断基準によるとメ
つき,平衡感覚がにぶってきたという。
純音聴力検査では左24dB,右42dBの感音性難
ニエール病といえるが,平衡機能分析ではCP所見
聴を示し,右耳の補充現象はD.L.テスト, S.I.S.I.
テスト, Metz法で陽性所見を示した(Abb. 10)。平
衡機能検査では起立検査で右側への転倒傾向があり,
確実例においてもCP所見は43%にしかみられず,
は得られなかった。他大学の統計でもメニュール病
正常33%と必ずしもCP所見は得られていない3)o他
の中枢性疾患の存在を除外する検査法として,現在
畦章における神経耳科学的アプローチ
137
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Abb.10. Audiometrische Analyse und
Nystagmus-Befunde beim Fall V.
当科ではOKP, ETTの検査が行なわれているが,
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この症例では正常像を示し中枢性疾患の存在は除外
された。
レルモワイエ症候群に関しては,明年症状の増悪,
めまい発作,嫡牛症状の軽快とその経過はメニエー
ル病と同じであるが,異なるのは前駆する的牛症状
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Abb. ll. 0ptokinetische Nystagmus (oben) und
Kennzifferverfo】gungs - Nystagmus
(unten) beim Fall V
の持続時間と,蛸牛症状の軽快の始まる時点がレル
モワイエ症候群ではめまい発作と同時であるが,メ
ニエール病では明らかでないという2点と考えられ
ている4)5と突発性難聴がめまいを伴う場合には,メ
ニエール病との鑑別が重要であるが,突発性難聴は
聴力損失が-股に50dBまたはそれ以上であり,ま
た全周波数の損失値はほぼ等しく,オージオグラム
書友名 千佳子 ほか
138
の形は大体水平型を主体とする6)ので,聴力検査に
当疾患患者は,一般に難聴発現時に,または長い
より鑑別診断が可能と思われるO
次に良性発作性頭位畦畢症であるが,この症息の
診断基準に関しては,日本平衡神経科学会において
経過のうちに一度は耳鼻咽候科医を訪れていること
次のような試案が設定されている7)oすなわち良性発
経過を追い,可能な限り早期に確定診断に導くよう
作性頭位畦重症とは,頭部の位置によって誘発され
る発作性回転性畦輩で,聴覚症状は旺畢発作に随伴
しない。頚位眼振検査において出現する限板は, ①
に努めなければならない。
潜伏時間を有する, ②回転性または混合性, ③疲労,
性, Beksyオージオメトリ-でのIll, IV型,インピ
ーダンス・オージオメトリーのSRの欠如などが得
減衰現象を示すなどの特徴をもつとしているO 小脳
・脳幹の障害においても類似の頭位性旺章をきたす
が多いと言われており,したがってわれわれはとく
に原因不明の-側性難聴患者には注目し,根気強く
聴神経施療の聴力分析では,後迷路性難聴に典型
的な所見,すなわち語普明瞭度の低下,補充現象陰
られる場合が多い。平衡機能分析での注視眼振は腫
ことがあり,神経症状の有無に注意する必要がある.
さて聴神経臆病の症例であるが,この症例は最近
場の増大と共にさまざまで,健側向定方向性から左
経験したもので,脳神経外科からの紹介患者である。
聴神経腫場の初期の例は,当耳鼻科ではまだ観察さ
迫する所見が出現する8) (Abb. 12)。頭位眼振は方向
れておらず,脳神経外科より疑い例として紹介され
た時にはすでに聾のものがほとんどであるので,捕
いわれている8)O腫場側における温度眼振反応の高
角進んだ聴力検査法も十分に行なえないきらいがあ
る。
重視すべき検査である9)o さらにOKP, ETTの異
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右注視眼振,さらに完全注視眼振と′吊尚,脳幹を圧
国定性眼振が大部分を占め,方向は健側向が多いと
度低下は,本症にはほとんど不可欠な所見と思われ,
常所見も診断の助けとなる。本症例では患側が全聾
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Abb 12. Zeitliche Prozess der Zeichen beim Akustikusneurmom.
畦草における神経耳科学的アプローチ
のため聴力分析ができず,平衡機能検査によって中
枢性障害を示す所見が得られた。
当論文の要旨は,第10回日本耳鼻咽喉科学会沖縄
県地方部会学術講演会にて発表した。
最後に小脳橋角腫癌の症例についてであるが,こ
の症例では小脳橋角施療に必発といってもよい臨床
上大切な所見であるBrans眼振が出現している。
この症例の注視限振は右注視で麻樺性大打性,左注
視で頻数小打性を示し息側が右であることが推察で
きる。頭位限振も方向交代性で上向性であり,また
OKPの解発抑制, ETTの失調性パターンから病
巣が小脳・脳幹に影響していることが推察されるO
当耳鼻咽候科では症例がなかったが,小脳疾射手
ついてまとめてみると,自発眼振は小脳半球障害の
場合には発現せず,注視眼振は必発で完全ないし不
完全注視方向性のものが多く,虫部障害では狭義の
自発眼振も発現し,その方向も一般に障害側に向う
ものとされている10)さらに,小脳半球病変では方
向回定性頭位眼板を,小脳中部病変では方向変換性
頭位眼振,垂直性眼振などを生じやすいといわれて
いる10)さらにOKPの所見は,眼板の解発は一定
し,いわゆる「柄の歯のような」特徴あるOKPを
示すことが多く, ETTは月M幹障害では''saccadic"
なものになることが比較的多いのに反し,小脳障害
は"over shoot"あるいは"under shoot"して樹氷
状とも表現される失調性の眼振運動を示すものが多
い11
まL i竺iiu,':蝣・;・:させi ±川LLこ^・i¥言二才 Ml,-I上
をみい出すことができ,しかも簡単に客観化できる
参考文献
1)渡辺 勧:厚生省研究社のメニュール病診断基
準について,耳鼻臨69, 301-303, 1976.
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統計的観察,耳鼻臨72, 355-365, 1979.
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藤僑:メニエール病確実例と疑い例の検討,耳
鼻臨69,増4 , 1824-1834, 1976.
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現機序に関する一考察,耳喉48, 615-621,
1976.
5 )喜多村健,小松崎篤: Lermoyez症候群につい
て-その症候学的考察-,耳喉48, 505-510,
1976.
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位畦畢(症)と悪性発作性頭位畦畢(症),神経内
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平衡機能検査技術者会誌4, 39-51, 1977.
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考察(その2 )-神経耳科学的検査所見について
-,耳喉40, 531-538, 1968.
10)坂田英治:裸眼ないしはLeuchtbrilleを用い
場合がある'2
以上 畦蜂の症例を未相性疾患と中枢性疾患とに
分けて検索報告し,その診断基準そして検査法の診
断的意義について,文献的考察を加えつつ検討し報
た検査がメマイ・平衡障害の診断にどこまで助
けとなりうるか-Mechanisierte Medizin氾濫
への反省とともに-,耳鼻臨63,431-463,1970.
ll)日本平衡神経科学会編:平衡機能検査の手引き,
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結 語
末相性旺蜂と中枢性畦妹の聴覚・平衡機能検査所
見を報告し,それぞれの特徴を述べた。温度眼振検
査は聴神経腫場の早期診断に有用であり, OKP,
ETTは小脳・脳幹への影響を推察する上で重要な
検査法である。
139
P120-136,南山堂,東京, 1976.
12)坂田英治,瀬戸口寿一,許 瑞光,篠沢貞夫,
林 宏典:小脳障害に関する神経耳科学的研究
一第1報:小脳半球障害は眼球運動検査によっ
て診断可能か?一耳鼻臨61, 1642-1658, 1968.
140
Abstract
Zur Neuro-Otologischen Analyse
Bei Schwindeln
Chikako KIYUNA, Yumiko Shikina, Mariko AsHMINE,
Tomohiro GENKA und Yutaka NODA
Abteilung fur Hals-Nasen-Ohren-Heilkunde, Universit丘ts-Krankenhaus Ryukyu
Die Patienten mit Schwindel haben sich von Jahr zu Jahr allmahlich vermehrt. Der Schwindel ist
nun auf eine von den Erkrankungen in der neuen Zeiten beachtet.
Bei den Patienten mit Schwindel stellt man bisweilen verh丘Itnismassig kurz die Diagnose, jedoch
das Wesen des Schwindels ist manchmal mit den modernen fortgeschrittenen neuro-otologischen
Untersuchungen schwer zu erklaren.
Mit unseren Untersuchungen beim Patient mit Schwindel schlossen wir hier unseren diagnostischen
Grund und die Bedeutung der Untersuchungen ab.
Morbus M6nier6, Lermoyez'sche Syndrom und der Schwindel mit einem gutartig und anfallweise
auftretenden Lage-Nystagmus als eine peripherale Sch云digung, sowie Akustikusneurinom und Kleinhirnbriichenwinkeltumor als eine zentrale Sch云digung berichteten wir mit ihren Befunden der neuro-
otologischen Analysen.
In Bezug auf Morbus M6niet6 erkl丘rten wir modernen diagnostischen Grund und auch den Unterschiedspunkt von Lermoyez'schen Syndrom.
Bei den zentralen Schadigung, z.B. Akustikusneurinom, Kleinhimbr也ckenwinkeltumor, usw.,
zeigten sich die typische Bilden bei den Befunden von Spontan- und Lage-Nystagmus, optokinetischem Nystagmus, Kennzifferverfolgungs-Nystagmus, usw. ; die solche Befunde sind wichtig beim
Unterscheiden von den peripheralen Sen云digungen.
Zuletzt schlossen wir die charakteristische Befunde der Kleinhirnsch云digung ab ; dabei konnte man
auch die Sch云digung mit den neur0-0tologischen Analysen vermuten.