気づきの時間

2008 年 10 月号 “外資系金融機関のセミナーより”
公私平行経営
気づきの時間
発行者 ファイナンシャルプランナー
松本修明
明
〒530-0044 大阪市北区東天満 2-9-4 千代田ビル東館 10F
TEL : 携帯 090-8886-5303 オフィス 06-4800-6201(代)
2008 年 10 月号
FX(外国為替証拠金取引)で、100 万円の損をしました。
5 月から 7 月の 3 ヶ月で約 100 万円の儲けになっていましたが、8 月のほぼ 10 日間で儲け分の 100 万
円がなくなりました。
まずは、ユーロ/ドル、更にドルが安くなると予想していましたが、ユーロ圏の経済指標が悪くドル高に
なり損失が出ました。次にドル/円、ポンド/円でしっかり稼ぐつもりが、欧米の金融機関がサブプライ
ムの深刻な状況から急激な円買いから円高になりました。
さすがにこんな円高なら反発するのも早いだろうと思い、更に新たにドル/円、ポンド/円を買いました
が、反発はほとんど見られず損失 100 万円ですべての取引を清算致しました。完敗です。
でも、そのままドル/円、ポンド/円を持ち続けていたら、リーマンブラザーズ倒産で更に損失が大きく
なっていました。この損失は、すべて値段が高くなると考えて買っていた事に原因があります。
まずは、1 ドルを 110 円で買いました。円安の 115 円になれば 5 円の儲けになりますが、予想に反し
て 105 円になってしまい 5 円の損失になりました。
今までは、まずは安く買い高くなると売って利益を出すパターンでしたが、相場が乱高下する時には最
初に高く売ってから利益を出すパターンを身につけないと対応ができず大きな損失になります。
9 月はアメリカで金融ショックが起こりました。
アメリカ 4 位の証券会社「リーマンブラザース」の倒産です。創業 158 年の名門証券会社が倒産。
負債額はなんと 60 兆円。日本の国家予算とほぼ同じ模様です。
過去には日本でも山一證券が倒産しましたが、負債総額と経済と金融への影響を考えれば比較になりま
せん。トップエリートのリーマンブラザーズの社員が、ダンボール箱を持ち会社を後にする姿は全世界
にセンセーショナルに放送されました。
続いて世界最大保険会社 AIG の経営危機となりました。リーマンブラザースの時には救済措置はありま
せんでしたが、FRB が AIG に 9 兆円の緊急融資を決定し資金不足の解消と株式の80%を所有して国
有化を決定しました。アメリカ政府は、民間企業の救済に税金の投入はしない方針でしたが、今回の FRB
の緊急融資を決定した事で金融の混乱は当面収まりました。ただ全世界に、不景気が広がり、サブプラ
イムローンと金融不安は収縮しておらず今後も引き続き注意が必要です。
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先日、大手外資系金融機関のセミナーがありましたので参加して来ました。
「低金利時代の資産運用について」がテーマでした。
そのセミナーで大変参考になった部分を紹介させていただきます。
まずは、家計相談から始まりました。
? 「こんな家に住みたいですか」
手取り年収
580 万円
(収入合計)
・・・1
580 万円
生活費
470 万円
住宅ローン返済
210 万円
子供への仕送り
150 万円
(支出合計)・・・2
830 万円
(収支)1−2
▲250 万円
新規の追加借入金
250 万円
ローン残高 6,760 万円
・赤字の家計 ・子供にもお金がかかる ・借金しないと生活ができない
・どんどん借金は膨らむ
・家の借金返済もしんどい
当然、こんな家には住みたくない
でも、この家を100万倍にしたのが、日本の国家財政です。
<2009年度財政>
税収
58 兆円
(収入合計)
・・・1
58 兆円
一般歳出
47 兆円
国債の償還
21 兆円
地方交付金
15 兆円
(支出合計)
・・・2
83 兆円
(収支)1−2
▲25 兆円
新規の追加国債発行
25 兆円
国債の残高 670 兆円
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収入が支出の約70%(58兆円)しかありません。
足らない30%のお金は、また借金(国債発行)している自転車操業の状態です。
支出の内訳は、借金(国債)の返済が25%(21兆円)
、地方交付金が17%(15兆円)
、
一般支出が58%(47兆円)となっております。
政府は、2011年度にプライマリーバランスの黒字を目標にしています。
プライマリーバランスの黒字は、公債などの借入収入を除いた歳入金額(58兆円)が、歳出から借入
に対する元利払いを除いた金額(83兆円ー21兆円=62兆円)より多い場合です。
景気の低迷から今後の税収増は難しく、歳出削減以上に消費税や相続税などを近い将来増税するしか
方法はないと思われます。
高齢化に伴い社会保障費が更に増加すると、10年後には消費税率は20%になるとの予想もあります。
日本の財政状況を見ると後期高齢者医療制度も歳出削減のためには必要なのかもしれません。
*「経済を動かす主体の変化」
政 府
企 業
明治維新
戦 後
個 人
明治維新により幕府政治と士農工商による身分制が終了しました。
明治時代に入り政府が外国との経済交流を行い、欧米の産業技術や金融を取り入れその後の経済発展が
始まりました。
第二次世界大戦までは、政府中心の経済でしたが、敗戦により企業中心の経済に移りました。
企業中心の時代は、終身雇用で一生涯会社が守ってくれるために、いい大学を出ていい会社に入る事が
一番幸せなコースとなりました。会社が収入の予定表を作ってくれる基盤となっていました。
しかし、バブル経済の崩壊から上場企業でも倒産、リストラも当たり前の時代になり、また、年棒制や
退職金制度もない会社が多くなりました。今や会社が頼りになる存在ではなく、個人の能力が問われる
時代となりました。
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$「金利を払う人がいない」・・・低金利が続く
個人
企業
資金
余剰
資金
不足
国
経済を動かす主体が個人になったのは、資金の過不足に現れています。
このグラフは、個人・企業・国の資金量推移を表しています。
お金の不足は、資金がマイナスになっている政府だけで個人と企業にはお金が余っています。
1995年を境に、個人と企業は金余りの状態が続いています。1995年は1ドル=78円の超円高
となり、輸出企業の業績に大きく影響が出ました。
また潰れる事など考えられなかった金融機関の倒産もこの1995年以降起こる様になりました。
国の資金不足は、少子高齢化が更に進むと税金を支払う人数も減るため、
増税するか支出を減らすために年金などを減らすしか対策方法はありません。
企業と個人が金余り状態になっており、設備投資や住宅購入などお金を借りる状況と消費が拡大しない
限り低金利はしばらく続きます。
<日本の先行きは明るくない>
<個人の時代>
<低金利が続くからこそ投資と運用>
以上の3点がセミナーのキーワードでした。
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