2 種類のスチレンランダム共重合体とポリイソプレンブレンドの相挙動

2 種類の
種類のスチレンランダム共重合体
スチレンランダム共重合体と
ポリイソプレンブレンドの
共重合体とポリイソプレンブレンド
ブレンドの相挙動
(名大院工)
、川口大輔、
名大院工)Siti Sarah、
川口大輔、高野敦志 松下裕秀
【はじめに】
はじめに】近年、当研究室では、4 位にかさ高い置換基を有するポリスチレンの誘導体と
ポリジエンは偏斥力が弱く、相溶しやすい組み合わせであることを明らかにしている。これ
らの組み合わせの中で、ポリ(4-tert-ブチルスチレン)(B)と 1,2-および 3,4-付加体を多く
有するポリイソプレン(I)とのブレンドは、下限臨界相溶温度(LCST)型の相図、ポリ(4-tertブトキシスチレン)(O)と I のブレンドは上限臨界相溶温度(UCST)型の相図を持つこと
を明らかにしている。そこで、I に対して相反する相挙動を示す B と O を構成成分とした共
重合体と I のブレンドでは、相互作用が競合するため、特異な相挙動が見られると予想でき
る。本研究では、B と O からなるランダム共重合体(r-BO)と I との相溶性を評価した。
【実験】
実験】試料には、平均分子量(Mave)が 16~45k である B のモル分率が異なる r-BO および
Mave=14k の I を用いた。r-BO のサンプルコードには B 成分のモル百分率を略記した。ブレン
ド試料は種々の分率で混合した r-BO および I のトルエン溶液をキャストし、140ºC でアニー
ルを行い調製した。相溶性は光学顕微鏡(OM)観察およ
び小角中性子散乱(SANS)により室温~200°C の範囲で
評価した。SANS 測定には重水素化した I(d-I)を使用し
た。SANS のデータは Ornstein-Zernike 式を用いて、q=0
における散乱関数 S(0)を求めた。
【結果と
結果と考察】
考察】OM 観察により r-BO46/I ブレンドは温度
の上昇に伴って、相分離、相溶、相分離と変化しており、
UCST と LCST 型の相図の両方を持つことが明らかである
(Fig.1)。また、B と O の組成に偏りがある場合、観測
温度範囲で r-BO30/I ブレンドは相分離し、r-BO66/I ブレ
ンドは相溶した。SANS 測定より得られた r-BO/d-I ブレン Figure 1. Phase diagram of r-BO46/I blend
ドの散乱強度の q 依存性を乱雑位相近似を用いて解析を determined by OM observation.
試みたが、実験値を再現することができなかった。また、
Ornstein-Zernike 式から求めた濃度ゆらぎの相関長は、試
料の回転半径よりもわずかに大きく、平均場が成り立た
ないことが示唆された。そこで、Schwahn らの提案する散
乱強度の q 依存性を取り扱った crossover function を用いて
データを解析した。1)Fig.2 は種々の r-BO/d-I ブレンドにお
ける 1/S(0)の温度依存性である。図中、プロットは実験値、
実線は crossover function を基に計算した値であり、実験値
と計算値がよく一致している。Table 1 は、Fig.2 から求め
られる各ブレンドのχパラメータ(χ=a+b/T)である。r-BO
-1
中の B 成分の分率が増加するにつれて、a の値は増加した。 Figure 2. The values of S (0) as a
function of inverse temperature of
b の値は、相図の反転に伴い符号が反転した。LCST を示 r-BO35/d-I, r-BO52/d-I and r-BO66/d-I
す r-BO52/d-I の b 値は B/d-I および r-BO66/d-I と比較して blends.
小さかった。この結果は、B/I、O/I の相互作用に加えて、 Table 1. Interaction parameters
(χ=a+b/T) for r-BO/d-I blends.
B/O 間の相互作用が系の相図を決める重要な因子である
ことを示している。現在、Lattice Cluster Theory を用いて
定量的な解析を進めている。
1) Schwahn, D.;Willner, L. Macromolecules 2002, 35, 239.
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