オリンダ通信 第13号

2015 年 7 月 25 日
オリンダ通信
第13号
「小井沼眞樹子宣教師と共に歩む会」会報
共同代表:松本敏之、大倉一郎
事務局:横浜港南台教会 秋吉隆雄
〒234-0054 横浜市港南区港南台 7-8-29
Tel 045-833-5323 Fax 045-833-6616
郵便振替口座番号:00210-2-97571
ぶどうの木につながる一枝として
を得ませんでした。けれども加藤牧師が来られ、
教団の教育委員会から贈られた全国教会学校クリ
スマス献金が、どのように使われているかを見て
いただけたことは幸いでした。
フェスタ・ジュニーナはまた収穫感謝のお祭
りでもあります。クレシェでは、加藤牧師の歓迎
とパストーラ・マキコへの感謝をかねて、素敵な
フェスタを用意していてくださり、ハートにあふ
れた飾りつけと子供たちの歌とダンス、こころの
こもった言葉を贈られて、胸がいっぱいになりま
した。
小井沼眞樹子
2009年2月に赴任しましたオリンダのア
ルト・ダ・ボンダージ・メソジスト教会での宣教
奉仕は、この6月末をもって無事終了しました。
この間、実に多くの方々から、篤いお祈りと様々
なご支援をいただきましたことを、こころから感
謝申し上げます。
6月は、ブラジルではフェスタ・ジュニーナ
と呼ばれる諸聖人のお祭りでにぎわいます。聖ア
ンドレ、聖ジョァン(洗礼者ヨハネ)、聖ペドロ
の祝日を覚えて1ヵ月間、路上に色とりどりの小
旗がひらめき、独特の衣装に踊り、トウモロコシ
で作った種々の食べ物でお祭りムードが盛り上が
ります。
教団の世界宣教委員会から幹事の加藤誠先生
をお迎えしたのはちょうどこのブラジル特有の
「6月の祭り」のまっさかりでした。できあがっ
たばかりのクレシェと改修工事中のアルト教会を
お見せでき、6年間の総決算を確認して頂いて、
まことにタイムリーな訪問でした。また教会の周
辺に住む信徒の家を数件訪問し、この地区の生活
状況を実際お見せできたことも、よかったです。
6年間、言葉の不自由な宣教師が単身この地
に留まり寄り添っていたのも、地球の両側を結ん
で具体的な「共に生きる関係性」を造っていきた
いという熱い願いが内にあったからです。それは
亡夫から私に託された宣教使命でもありました。
振り返ってみて、新しいコミュニティ・セン
ターの建設にG牧師といっしょに取り組み、つい
に落成式にこぎつけることができたことは大きな
喜びでした。その間、日本の皆さまから寄せられ
たお祈りと献金が実に大きな推進力になりました
ことを思うと、改めてグローバルな協力が現代の
宣教には欠かせないと実感しています。クレシェ
はすでに保育を開始していますが、設備充実はま
だ途上にあり、完成を見ないまま私は退陣せざる
右端が加藤牧師、私の右側はタルシーゾ牧師、左側はヘジーナ園長
この宣教の収穫は決して私自身の働きによるも
のではありません。私はぶどうの木の小さなひと
枝。枝はぶどうの木につながっていれば、おのず
と実りをもたらすのです。そしてこの枝は弱く細
いので、沢山の支柱が必要でした。終わりに当た
ってそのイメージが鮮明に私のこころに浮かびま
した。
また、次ページの教会員へのインタビューの声
をお聴き下さい。これは友人ジャニの協力によっ
てなされたものです。私の滞在していた6年間で、
こんなに沢山の信仰の糧をしっかり受け取ってく
ださいました。これは私の想像をはるかに超える
宣教の実です。聖霊のダイナミックな働きを教え
られたのは、小さな宣教師の方でした。
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アルト・ダ・ボンダージ教会から
みなさんの声
質問1:
マキコ牧師とここで共に過ごした日々を振り
返って、一番思い出すことは何ですか?
・女性が主体性を持てるように働きかけた。
・家計の苦しい人々のための経済支援。
女性会の姉妹たち
・週に一度女性会を始め、体操とコーラスと折り
紙を指導した。
・病気で教会に来られない姉妹たちを女性会のメ
ンバーで訪問し、歌った。
質問2:
マキコによってあなたが学んだことを一つ挙
げてください。
・苦しい状態にあった時、マキコは心配し支えて
くれた。
・彼女は信仰と希望、人々への信頼を伝えてくれ
た。
・困っている人や病気の人を助けるために喜んで
献身的に働いた。
・どんな状況にあっても神様は必ず助けてくださ
ると信じること。
・すべてのことに積極的に関わり、親しく交わり、 ・彼女の信仰は私たちを励まし、神にある希望を
それが私にとって喜びだった。
持てるようになった。
・彼女の支えを必要としている人々のそばに、い
つも一緒にいて支えた。
・自分の最も良い物をささげるとき、自分が神の
ためによく働けるということ。
・人と関わるのが難しい人たちの良き友であった。 ・忍耐のない人たちを、忍耐強く教えるというこ
と。
・冬季バイブルスクールへの協力、礼拝説教。
・マキコはわたしにとって特別な人、彼女が大好
きです。もう今から寂しい気持ち。
・微笑み、礼拝の中で踊る姿、誠実さ、友情、信
仰、愛と思いやり。
2
質問3
マキコの働き方に接して、何があなたの自己
評価や主体性や愛を強化したと言うことがで
きますか?
・彼女は愛をもって助けることを使命としている。
助けを必要としている人々の困窮に対してと
ても深い感受性を持っている。
・他者の困窮状態に心を配るということ。隣人愛
とはどういうものかを学んだ。
♪みんなで手と手つなぎあっていま~♪と踊りながら歌って…
・ポ語で話すことが難しくてもあきらめず、彼女
の挑戦していく姿を見て、私たちも障害を乗
り越えることができると思えるようになった。
・聖書についてもっとよく知る必要があるという
こと。
・愛を伝えてくれたこと。
・信仰によって私たちは未来をもっとよくするこ
とができるし、教会も成長し、家庭も神の祝
福を受けるということ。
・彼女の笑顔、人格、生まれつきの素養のなかに
愛が輝いている。そのような愛の有り方をす
べての兄弟姉妹に教えてくれた。
・私たちは神の家族、キリストの家族。世界のど
こにでも兄弟姉妹がいるということ。
・文化の違いがどんなに大きくても、私たちは兄
弟姉妹として信仰や祈り、資源を分かち合い、
交流を保っていくことができる。
・神の恵みのもとで、いつも互いに学び合ってい
くことができる。
・聖書の解き明しによる神の言葉を通して、私た
ちも愛することができるようになるというこ
と。
・マキコ、あなたを愛しています。
・人々の困難を解決させるために役立ちたいとい
う彼女の意志を見て、もっと勇気を出して困
難と向き合い、状況を改善することを望まな
ければいけないと教えられた。
・異なる文化に属する人々と共に働こうとするマ
キコの強い意志によって教えられたのは、私
たちは神の宣教において兄弟姉妹であるとい
うこと。
3
・彼女は私たちの自己評価を高めた。彼女の明る
い振舞いによって、もっと隣人を愛し、自分
自身をも愛さなければということを学んだ。
・忍耐耐と希望をもって困難に向き合うマキコの
態度を見て、困難は存在してもいつかは解決
するものだということを教えられた。
・私と共同体に対してしてくださったすべてを、
ありがとう!
・マキコのもっとも貧しい人々への愛によって、
神の前での平等、神の愛のしるしとしての連
帯について、私たちがさらによく考えなけれ
ばいけないと教えられた。
・彼女は私たちに問いかけ、考えさせ、考えられ
るように助けてくれた。
そのことによって私たちは成長し、主体性を
持てるようになってきた。
ダンスグループの娘たちは、日本をイメージした創作ダンスを披露。
4
〔タルシーゾ牧師とその家族からの伝言〕
あなたと出会え、共に過ごすことができてよ
かった!私たち皆から抱擁の挨拶(アブラッ
ソ)を送ります。
私たち家族があなたと共に過ごしたのは
たった5ヶ月という僅かな期間です。けれど
も、あなたが特別な人だと知るには十分なと
きでした。あなたの信仰の証、解放された心、
寛容、そしてアルト・ダ・ボンダージの共同
体への献身の姿を見てそう思います。あなた
をここに遣わしてくださった神を讃美します。
その無限の善と憐みの中で、神があなたに始
められた彼の良きわざを今後も続けられます
ように。そして、あなたの宣教生活に良き報
いが与えられますように。あなたの笑い声や
この共同体で共に奉仕したことを、私たちは
懐かしく思い出すことでしょう。そしてあな
たのためにいつも祈っています。
タルシーゾ牧師、ジャナイーナ、
ジョァン・パウロ、ジョァン・ルカス、
カロリーナ・エステー、ジョァン・ペドロ
教団世界宣教委員会幹事 加藤 誠
Jeitinho Brasileiro(ジェイチ-ニョ ブラ
ジレイロ:ブラジル式解釈法)という言葉を
ブラジル滞在の最後の地、サンパウロで教え
ていただいた。例話を聞く限り「泥棒にも三
分の理」の強烈ブラジル版であったが、帰国
し小井沼宣教師と共に過ごさせていただいた
濃厚な数日間を思い返すと、何故か冒頭の言
葉が思い出されるのである。それは、小井沼
宣教師が意識しておられるかは不明であるが、
しばしば「出たとこ勝負」とか「やるっきゃ
ない」との言葉を耳にしたせいかも知れませ
ん。最初に小井沼宣教師に出迎えていただい
たのは、サルバドール空港であった。そこで
は新しく小井沼宣教師が赴任予定のバレーリ
オ・シルバ合同長老教会のダゴベルト牧師以
下数名の教会員と良き交わりが与えられ感謝
でした。6月19日(金)にはアルト・ダ・
ボンダージ教会に隣接するクレシェ・ジェン
チ・ノーバ(保育園・新しき人々)で約80
名の園児・スタッフと共に小井沼宣教師への
感謝会に出席。実はこの保育園には
小井沼宣教師を通じて教団教育委員会のクリ
スマス献金から200万円がささげられまし
た。午後にはブラジル・メソジスト教団の北
東教区事務所で、ただ一人の女性 Bispa であ
る Marisa 牧師に面会する機会を設けていた
だきました。小井沼宣教師の仲立ちによって、
ブラジル・メソジスト教団と日本基督教団と
が、教会と教会との話をすることができた事
は非常に有意義であったと思います。
翌、土曜日はアルト・ダ・ボンダージ教会
の青年が企画した収穫感謝祭に参加。教会の
すぐ目の前の路上では酒場が開かれ、暴力、
ドラッグといった悪徳が特に若者を飲み込も
うとしています。その最前線で教会がイエ
ス・キリストの福音をもって戦う姿を見させ
ていただきました。翌日の礼拝前には小井沼
宣教師の後について訪問。一人一人の過去と
拭うことのできない悲しみに寄り添いつつの
体当たりの伝道にわずかでも参加させていた
だいたのは感謝以外何物でもありません。
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小井沼眞樹子宣教師と共に歩む会会計報告
省
2015.4.1~6.30
略
年会費・特別献金者名(敬称略・順不同)
省 略(37 件)
2015.4.1~2015.6.30
音楽・センター献金者名
省 略(3 件)
編集後記
今井 俊子
2009 年に小井沼眞樹子宣教師がブラジル
に赴任されてから6年が過ぎ、この6月でそ
の任務を終えられました。オリンダ通信も今
回の 13 号が最終号です。眞樹子宣教師がア
ルト・ダ・ボンダージ教会でどんなにたくさ
んの種を蒔かれ、どれほど豊かな実りを与え
られたか、教会の方々からの声を通してお分
かり頂けたことと思います。また、折良くブ
ラジルを訪問された加藤誠牧師より、その訪
問記をお寄せいただきました。
これまでの神様の御導きと御守りを感謝
しますと共に、日本各地で、そして遠く海外
で、祈りを持って共に歩み、献金を捧げ、ま
たオリンダ通信をお読みくださったみなさま
に、深く感謝いたします。
今後、眞樹子宣教師は新たなブラジル宣
教に向われると伺っています。その時にはま
たご案内いたしますので、引き続きお祈りと、
ご支援をよろしくお願い申しあげます。
(橫浜港南台教会員)
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