5.救急分野(救急科、整形外科、救急外傷処置、総合診療) 初期研修

5.救急分野(救急科、整形外科、救急外傷処置、総合診療)
初期研修終了時にあるべき姿
ER の仕事をになう
ER における研修医指導ができる
患者急変時の対応ができる
社会のニーズに合わせて、成長することがきる
救急分野ローテート時におこなうべき仕事、とるべき態度
1.救急患者の重症度と緊急度を評価する
①救急車搬送/Walk in にかかわらず救急患者のバイタルサインを迅速に評価する
②気道開通・呼吸状態を次の所見から評価する:発声,狭窄音,呼吸数,呼
吸音,呼吸様式,口腔分泌物,SpO2,血液ガス分析,X 線
③循環の状態を次の所見から評価する: 末梢循環(冷感,色調,脈),血圧,
脈拍数,調律,超音波,X 線,外出血・内出血,血液ガス分析,病歴
④中枢神経系異常を次の所見から評価する:意識レベル(JCS・GCS)
,神経学
的所見
2.評価した病態に対する緊急処置を講じ,以降の治療戦略を描く
①ABC の異常に対する緊急介入を実施する
A(気道)の異常:
(吸引、用手気道確保、airway 留置、気管挿管)
B(呼吸)の異常:
(酸素投与、NPPV、用手人工呼吸、人工呼吸管理)
C(循環)の異常:(病歴・エコーに基づく迅速なショック病態評価、これに続
く シ ョ ッ ク の 立 ち 上 げ 。 = シ ョ ッ ク の 病 態 評 価
(hypovolemic/cardiogenic/distributive)に応じた適切な緊急介入の
実施(大量補液・一次止血・強心薬投与・緊急ペーシング、等)
②重症緊急病態に対する、標準的初期治療の実施(出血性ショック、心筋梗
塞・急性心不全、喘息発作、脳卒中・痙攣重積、アナフィラキシー、等)
3.上級医,専門医,紹介先医療機関医師に病態情報を正確に伝達する
①簡潔・正確に必要な病態情報をプレゼンテーションする。
②診察依頼箋を適切に記載する。
③診療情報提供書・受診報告書を適切・迅速に記載する。
4. ER 業務を適切に分担させる
①各時間帯における ER 勤務者の特徴(技量・経験・習熟度・性格、等)
、お
よび救急患者の特徴(病態・緊急度・待ち時間・家人心情)を把握し、適
切に業務分担を主導する(上級医への応援依頼も含む)
5.救急診療の結果について,患者・家族に説明する
①簡潔・正確・分かり易く病態情報・検査/治療結果・予測される転帰を説明
する
②患者・家人心情を慮った上で、適切/タイムリーにコミュニュケーションをとる
6.患者の病態から急変の危険性を予測した入院計画を立て,管理する
①患者の循環動態を把握し,輸液計画を立てる
②患者の状態に応じた入院時指示(安静度、モニター装着の有無、バイタル
サイン測定頻度、ドクターコール)を行う
③患者の状態に応じて検査をオーダーし,結果を把握する
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7.急変時,チームのリーダーを務める準備を怠らない
①エビデンスに基づいた蘇生法を理解し,蘇生現場で必要物品・手順などを
把握する
②ABC の異常を身体所見から把握する
③ABC の異常に対する緊急処置を実施する
④急変の原因を系統立てて検索する
⑤急変の原因に対する緊急処置を実施する
⑥リーダーとして自信を持ってメンバーに指示を与える
⑦与えた指示の実施について確認する
8. BLS・ALS で行われる技量を修得する
①院内で行われる蘇生講習会に指導者としてする。
②病院スタッフに対して蘇生法を成人教育の観点から教える
②院内急変システムを理解し、急変時に駆けつける
③病院外でも必要な場合には率先して人命救助にあたる
9.各分野の救急治療ガイドラインの情報を得,進んで講習会などに参加する
①臨床各分野(外傷,脳卒中,冠疾患等)における救急診療の進歩を把握す
る
②臨床ガイドラインを活用する
③臨床に興味を持ち、講習会や成書を活用する
10.救急外来から入院に至る外科系疾患の病棟管理を行う
①外来から入院に至る流れを知る
②術前の指示を出す
③手術に立ち会う
④術後管理を行う
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