平成 27 年度温泉井戸掘削工事仕様書 1.目的 本仕様書は

平 成 27 年 度 温 泉 井 戸 掘 削 工 事 仕 様 書
1.目的
本仕様書は諏訪郡下諏訪町字湖水端高浜公園内において実施する平成
27 年 度 温 泉 井 戸 掘 削 工 事 の 仕 様 を 定 め る も の で あ る 。
2.工事場所
長 野 県 諏 訪 郡 下 諏 訪 町 字 湖 水 端 10616 番 37( 別 紙 図 面 位 置 )
3.掘さく
(1)掘さく機械・器具は目的深度に対し十分な能力のものを使用するこ
と。
( 2 )目 的 達 成 の た め の 細 心 の 注 意 を も っ て 掘 さ く し 、地 質・亀 裂 の 状 態 ・
水位・湧水逸水状況・温度等を調査記録する。
(3)掘さく深度および掘さく孔径は次のとおりとする。ただし、監督員
より指示があった場合、または地質の状況等により変更の必要がある
場合は監督員と協議のうえ変更することができる。
深
度
掘さく孔径
0
~
50M
4 4 4 . 5 mm
50
~
200M
3 1 1 . 2 mm
200
~
500M
2 4 4 . 5 mm
500
~1300M
1 9 3 . 7 mm
(4)地質標本は掘削中に原則として5m毎にサンプルを採取し、地質の
変化がある場合はその時点でサンプルを採取する。採取したサンプル
は深度を明記し標本箱に整理保存する。
(5)自噴または可燃性天然ガスの噴出に備え、噴出防止装置の設置およ
びその他必要な対策を講ずること。
4.ケーシング
(1)ケーシングは上記掘さくに合わせ次のとおり挿入する。ただし、監
督員と協議のうえ変更することができる。
深
度
ケーシング径
0
~
50M
SGP
350A
0
~
200M
SGP
250A
0
~
500M
STPG 2 0 0 A sch40
~1300M
STPG 1 5 0 A sch40
490
(2)スクリーンは上記200Aケーシングのうち55mおよび150A
ケーシングのうち330mとし、設置位置は地質状況・孔内検層の結
果に基づき監督員と協議のうえ決定する。スクリーンはスリット加工
とし、開口率は3%以上とする。
(3)250Aケーシング外周は冷水がケーシング内に流入しないようフ
ルホールセメンチングにて完全に遮水する。
5.物理検層(孔内検層)
(1)物理検層は深度500m、1300mのケーシング挿入前(掘さく
完了時)に実施する。
(2)測定項目は温度検層、電気検層(比抵抗・自然電位)とし、原則と
して連続測定する。
(3)物理検層の結果は監督員に提示し、スクリーン位置およびその後の
施工要領等について協議し決定する。
6.仕上げ作業
(1)ケーシング挿入後、直ちに清水にて孔内洗浄を行う。
(2)清水による孔内洗浄後、エアーリフト洗浄を実施する。
(3)仕上げ作業には、孔壁洗浄剤(ウェルクリーナー等)を使用する。
7.揚湯試験
(1)揚湯試験は長野県揚湯試験実施要領に基づき実施する。
(2)揚湯試験は孔内洗浄後に、水中ポンプを設置して実施する。
( 3 ) 揚 湯 量 の 測 定 方 法 は 、 JISB8302( ポンプ吐 出 量 測 定 方 法 ) に よ る 。
(4)揚湯試験は、予備揚湯、段階揚湯、連続揚湯および水位回復試験と
する。
(5)予備揚湯試験は、泥水を十分に排出し洗浄揚湯を行った後に行い、
揚湯量と水位の大方の相関関係を把握し段階揚湯試験のための資料を
得る。
(6)段階揚湯試験は少なくとも5段階以上実施するものとし、揚湯量の
段階上昇測定方式により、限界揚湯量および適正揚湯量を求める。初
段階の揚湯量は、予備揚湯から得られた最大揚湯量を実施する段階数
で分割した量、または使用するポンプで制限可能な最小量とする。次
段階の揚湯量は初段階の揚湯量に均等水量を逐次加算した揚湯量とす
る。各段階の揚湯は揚湯水位が安定するまで継続するが、安定水位が
得 ら れ な い 場 合 は 原 則 と し て 1 段 階 の 揚 湯 時 間 を 3 時 間 と す る 。な お 、
予備揚湯の結果から5段階の実施が困難な場合は監督員と協議する。
(7)連続揚湯試験は段階揚湯試験終了後、水位の回復を待って、揚湯量
を一定にして揚湯し72時間連続揚湯試験を行い揚湯温度および水位
の測定を行う。揚湯量は段階揚湯試験の結果から得られた適正揚湯量
または計画揚湯量とし監督員と協議のうえ決定する。
(8)水位回復試験は連続揚湯試験後直ちに開始し、回復水位の観測を行
う。測定時間は24時間以上とする。
( 9 )各 試 験 の 水 位 お よ び 揚 湯 温 度 の 観 測 は 以 下 の 要 領 で 実 施 す る 。な お 、
揚湯温度の最低測定間隔は5分おきとする。
経過時間
測定間隔
10分まで
1分おき
30分まで
5分おき
2時間まで
10分おき
3時間まで
20分おき
12時間まで
30分おき
12時間以降
1時間おき
(10)温泉成分分析は温泉法で定められた分析機関に依頼し、その分析
機関により揚湯量・揚湯温度の測定ならびに温泉法にもとづく温泉分
析を行う。同時に可燃性天然ガスの確認を実施する。
(11)町所有の近隣源泉を利用し、影響の調査を実施する。影響調査は
施工前・施工中・施工後に実施し、対象源泉は保健福祉事務所の担当
者と協議の上決定する。
8.可燃性天然ガスの安全対策
(1)本工事では、既存源泉のガス発生状況から、可燃性天然ガスの噴出
のおそれがある場所での必要な対策を講じる。
(2)掘削口から敷地境界線までの水平距離が8m以上であること。
(3)掘削口から水平距離8m以内は火気使用設備等の設置および火気の
使 用 を 禁 止 す る( 溶 接・溶 断 作 業 は 除 く )。ま た 、関 係 者 以 外 の 立 入 を
制限するため柵等を設置する。
(4)工事関係者の見やすい場所に火気の使用を禁止する旨を掲示する。
(5)可燃性天然ガスの噴出防止装置を設置する。
(6)掘削現場に可燃性ガスの警報装置、携帯型可燃性ガス測定器および
消火器を備える。
(7)毎作業日に1回以上メタン濃度や可燃性天然ガス噴出の兆候の有無
の点検を行い、その結果を記録し保存する。
(8)災害防止規定を作成し、現場に備える。
9.その他
(1)掘削に必要な土地は無償貸与とする。
(2)掘削に必要な電気および水の費用は、受託者の負担とする。
(3)掘削に使用する機器等については、振動、騒音、安全等に配慮した
ものとする。
(4)掘削に伴う発生土は、搬出し、適正に処分する。
(5)掘削に伴い発生する泥水はできる限り有用土処理とし、産業廃棄物
の発生量を極力減らすよう努力するとともに、有用土以外は産業廃棄
物として適正に処理する。
10.報告
工事の施工に伴い、次の書類を監督員に提出する。
(1)工事着手に伴い施工計画書
(2)現場着手後に工事着手届
(3)現場終了後ただちに工事完了届
(4)工事終了時に以下の内容を含む工事完成図書
・地質柱状図および孔内検層結果
・井戸構造図
・揚湯試験結果
・温泉分析書および可燃性天然ガス測定結果書
・工事写真
・作業記録(月報)
・地質標本
・その他必要な図書
位置図
工事箇所
縮尺 1:5000
位置図
工事箇所
縮尺 1/1000