参考 ザイティガ 適正使用ポケットガイド ® 本冊子に記載されている情報の詳細は、 「ザイティガ ® 適正使用ガイド」をご参照ください。 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 2)重度の肝機能障害患者(Child-PughスコアC) [「薬物 動態」の項参照] 監修 国立大学法人香川大学医学部 用法・用量 プレドニゾロンとの併用において、通常、成人にはアビラテロン 酢酸エステルとして1日1回1,000mgを空腹時に経口投与する。 Child-Pugh スコア算出方法 項目 肝性脳症 1点 2点 3点 なし Grade 1∼2 Grade 3∼4 なし 軽度 中等度 血清ビリルビン値(mg/dL:胆汁うっ滞) <2.0 2.0∼3.0 3.0< 血清アルブミン値(g/dL) 3.5< 2.8∼3.5 <2.8 腹水 プロトロンビン活性値(%) (INR) >70(<1.7) 40∼70(1.7∼2.3) <40(>2.3) スコア A:5∼6 点、スコア B:7∼9 点、スコア C:10∼15 点 Pugh RN, et al.: Br J Surg 60: 646-649, 1973. より改変 ■ 肝障害のリスクファクター 国内第Ⅱ相試験において、本剤投与開始前の ALT (GPT) ・AST (GOT) ・ ビリルビンが施設正常上限値より高値の患者では、肝障害の発現率が 高い傾向が認められました。 《用法・用量に関連する使用上の注意》 (抜粋、 一部改変) (1)本剤は食事の影響によりCmax及びAUCが上昇するため、 食 事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けるこ と。 [ 「薬物動態」 の項参照] (2)プレドニゾロンの投与に際しては、 「臨床成績」 の項の内容を 熟知し、 投与すること。 (3)本剤投与中に肝機能検査値の上昇が認められた場合は、 本冊子の「肝障害に対する休 薬 /減量 /再開及び中止の 目安」 の基準を参考に、 休薬、 減量又は中止すること。 (4)外科的又は内科的去勢術と併用しない場合の有効性及び 安全性は確立していない。 ■ 食事の影響を考慮した本剤の投与スケジュール例 :本剤 :プレドニゾロン 肝障害に対する休薬 / 減量 / 再開及び中止の目安 (添付文書より作成) 例1 【朝食前】 に本剤を投与するスケジュール 起床 朝食 昼食 夕食 投与開始前における 肝障害に関連する主な選択基準 就寝 Child-PughスコアC(禁忌)以外 1時間 以内 本剤 1,000mg/日にて投与開始 定期的な肝機能検査 例2 【夕食後】 に本剤を投与するスケジュール 起床 朝食 昼食 夕食 就寝 2時間 以内 ALT(GPT)、 AST(GOT)値≦5×ULN かつ ビリルビン値≦3×ULN 投与継続 参考 国内臨床試験時の観察項目、実施頻度 観察項目 投与前 (再開前) 検査項目 2カ月後 3カ月後 2週 4週 6週 8週 10週 12週 4カ月後 5カ月後 6カ月後 * ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ AST(GOT)値 * ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ * ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ALT(GPT)値 肝機能検査値異常 投与開始後(投与再開後)4カ月後∼ 投与開 始後(投与再開後)最初の3カ月 1カ月後 ビリルビン値 血清カリウム値 * ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 本剤 750mg/日にて投与再開 ・本剤投与により肝機能検査値の顕著な上昇が報告されています ・投与開始(再開)後、最初の3カ月間は2週ごと、以降は月1回観察してください ALT(GPT)、 AST(GOT)値≦5×ULN かつ ビリルビン値≦3×ULN 投与継続 一般所見 高血圧 体液貯留/浮腫 * ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ * ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 血圧 体重 † 眼瞼、足首などのむくみ * 添付文書で定期的に観察することが定められている項目 † 一般的又は本剤の国内臨床 試験で比較的多く認められているため、適宜観察することが推奨される項目 5×ULN<ALT(GPT)、 AST(GOT)値≦20×ULN 又は 3×ULN<ビリルビン値≦10×ULN 休薬 ALT(GPT)、 AST(GOT)値>20×ULN 又は ビリルビン値>10×ULN 投与中止 ・肝障害を示唆する臨床症状又は徴候が発現した場合には、速やかに測定してください 投与前値 若しくは ALT(GPT)、 AST(GOT)値≦2.5×ULN かつ ビリルビン値≦1.5×ULN に回復 ・うっ血性心不全の重大なリスクがある患者に対しては、投与開始(再開)後、最初の3カ月間は2週ごと、以降は 月1回観察してください ・投与期間中に低カリウム血症が認められた場合又は低カリウム血症の既往歴を有する場合は、1週間に1回以上 の頻度で臨床検査の電解質の評価を実施してください 泌尿器科学 筧 善行 ALT(GPT)、 AST(GOT)値>20×ULN 又は ビリルビン値>10×ULN 投与中止 留意点 ・鉱質コルチコイド濃度上昇により低カリウム血症があらわれるおそれがありますので、定期的に観察してください 低カリウム血症 5×ULN<ALT(GPT)、 AST(GOT)値≦20×ULN 又は 3×ULN<ビリルビン値≦10×ULN 休薬 投与前値 若しくは ALT(GPT)、 AST(GOT)値≦2.5×ULN かつ ビリルビン値≦1.5×ULN に回復 本剤投与中は、定期的な検査及び観察を実施してください。特に肝機能のモ ニタリングは、投与初期は頻回に実施してください。 臨床検査 【慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること)】 1) 心血管疾患のある患者又はその既往歴のある患者 [本剤の17α-hydroxylase/C17, 20-lyase(CYP17) 阻害作用に伴う鉱質コルチコイド濃度の上昇により、高 血圧、低カリウム血症及び体液貯留があらわれる可能性 がある ( 「重要な基本的注意」の項参照)。] 2)低カリウム血症の患者又は合併症や併用薬等により低 カリウム血症を起こすおそれのある患者[低カリウム血 症が発現、又は増悪するおそれがある(「重要な基本的 注意」 の項参照) 。 ] 3) 中等度の肝機能障害患者(Child-PughスコアB) [血漿中濃度が上昇するおそれがある (「薬物動態」の項 参照) 。 ] Child-Pugh 分類 肝機能障害の重症度の分類で、症状と検査所見を下表「Child-Pughスコア算出 方法」より点数化し、合計点によりA(軽度)、B(中等度)、C(重度)に分類する。 本剤 500mg/日にて投与再開 ・鉱質コルチコイド濃度上昇により高血圧があらわれるおそれがありますので、定期的に観察してください ・うっ血性心不全の重大なリスクがある患者に対しては、投与開始(再開)後、最初の3カ月間は2週ごと、以降は 月1回観察してください ・体液貯留/浮腫の指標として、定期的に観察してください ALT(GPT)、 AST(GOT)値≦5×ULN かつ ビリルビン値≦3×ULN 投与継続 ULN:施設正常値上限 ALT(GPT)、 AST(GOT)値>5×ULN 又は ビリルビン値>3×ULN 投与中止 ザイティガ ® 休薬 / 減量 / 再開及び中止の目安 (国内臨床試験の基準を参考に設定) 1段階減量 2段階減量* 1,000mg 750mg 500mg 2∼4週間 参考例 ② プレドニゾロン10mgの投与が行われていた場合、2∼3週間ごとに2.5mg/ 日で減量します。 PSL 10mg (5mg2回/日) 5mg (1回/日) □ はい 添付文書の【慎重投与】に該当します。本剤を投与する場合には、患 者 様 の状態を十分観察しながら、頻回の臨床検査を実施し、慎重に投与し て く ださい。 また、本剤投与前に血清カリウム値の補正を検討してくださ い。 □ いいえ □ はい 本剤の適正使用患者に該当します。 糖尿病の可能性を考慮し、 専門医へ相談してください。 本剤の適正使用患者に該当します。 添付文書の【慎重投与】に該当します。本剤を投与する場合には、 患 者 様の状態を十分観察しながら、頻回の血圧測定を実施し、慎重に 投 与 してください。 体液貯留/浮腫がある □ いいえ 本剤の適正使用患者に該当します。 □ はい 本剤投与後は、 体重を定期的に測定し、 眼瞼・足首などのむくみに 注意 心血管疾患がある □ いいえ □ はい しながら、 モニタリングしてください。 糖尿病がある 0mg 2∼3週間 2∼3週間 本剤の適正使用患者に該当します。 添付文書の【慎重投与】に該当します。本剤を投与する場合には、 患 者 様の状態を十分観察しながら、頻回の臨床検査を実施し、慎重に 投 与 してください。 左記の薬剤を併用している。 サイアザイド系利尿薬 □ いいえ □ はい トリクロルメチアジド等 浸透圧利尿薬 D-マンニトール、 グリセオール® ULN10倍を超える上昇 → 本剤の投与を中止してください。 血小板数が投与前より減少した 又は 出血症状を認めた □ いいえ □ はい 血清カリウム値が 3.5mEq/L未満**になった □ いいえ □ はい 随時血糖が200mg/dLを超えた 又は HbA1cが7.0%を超えた □ いいえ □ はい 血圧が投与前より上昇した □ いいえ □ はい 原因を検索し、 適切な処置を行ってください。 □ いいえ □ はい 原因を検索し、 適切な処置を行ってください。 低カリウム血症を引き起こす可能性がある薬剤です。 これらの薬剤と併用する場合は、 添付文書の 【慎重投与】 に該当しま す。 血 清カリウム値 の 頻 回な測 定を行 い 、低カリウム血症に関連 する 症状を特に注意して観察してください。 抗生物質 抗パーキンソン病薬 下剤 (長期服用時) ループ利尿薬 □ いいえ □ はい サイアザイド系利尿薬 浸透圧利尿薬 D-マンニトール、 グリセオール® インスリン グリチルリチン含有薬 *国内臨床試験における患者選択基準です。 あくまで目安として参考にしてください。 ULN:施設基準値上限 甘草含有漢方 グリチロン® 本剤投与継続に適合します。 本剤の投与中止や血小板輸血など、 適切な処置を行ってください。 本剤投与継続に適合します。 カリウム補給、 本剤の休薬、 原因の検索と是正 など、 適切な処置を行ってください。 本剤投与継続に適合します。 随時血糖:200mg/dL、 HbA1c:7.0%を上限 の目安としたコントロールが望ましいです。 専門医へ相談してください。 本剤投与継続に適合します。 本剤投与継続に適合します。 左記の薬剤の併用を開始した。 フロセミド トラセミド アゾセミド等 トリクロルメチアジド等 本剤の適正使用患者に該当します。 甘草含有漢方、 グリチロン® アムホテリシンB、 ポリミキシンB カルベニシリン、 ペニシリン等 体液貯留/浮腫を認めた (体重が投与前より増加した) その他 インスリン グリチルリチン含有薬 本剤投与継続に適合します。 ULN1.5倍までの上昇 → 肝機能検査の頻度を上げて実施してください。 ULN3倍を超え 10倍までの上昇 → 本剤の休薬/減量の目安を参考に対応してください。 □ いいえ 本剤の適正使用患者に該当します。 □ はい プレドニゾロンを併用するため、 糖尿病の増悪をきたすことがあり ます。 ループ利尿薬 フロセミド、 トラセミド、 アゾセミド等 総ビリルビン値が □ いいえ ULNを超える □ はい ULN1.5倍を超え 3倍までの上昇 → 週1回以上の頻度で肝機能検査を実施してください。 糖尿病の主治医への連絡 、又は患者様に対して糖尿病の主治 医に プレドニゾロンの服用を開始したことを伝えるよう指導してくださ い。 2.5mg ULN20倍を超える上昇 → 本剤の投与を中止してください。 血小板減少の増悪に注意してモニタリングしてください。 本剤の適正使用患者に該当します。 ※本剤投与前の値が3.5mEq/L以上でも重篤な低カリウム血症 が 認 められることがあります。 □ はい 20倍までの上昇 → 本剤の休薬/減量の目安を参考に対応してください。 本剤の適正使用患者に該当します。 ※本剤投与前の値が10万/μL以上でも重篤な血小板減少が認め ら れ ることがあります。 □ いいえ 血圧が140/90mmHg以上である □ いいえ ULN5倍を超え 併用薬 2段階の減量後の再投与において、再発した場合 2∼4週間 ULN2.5倍までの上昇 → 肝機能検査の頻度を上げて実施してください。 ULN2.5倍を超え 5倍までの上昇 → 週1回以上の頻度で肝機能検査を実施してください。 利尿薬 高血圧 2∼4週間 本剤投与継続に適合します。 一般所見 施設正常値上限の10倍以上 2∼4週間 随時血糖が200mg/dLを超える 又は HbA1cが7.0%を超える 本剤の適正使用患者に該当します。 添付文書の【慎重投与】に該当します。本剤を投与する場合に は 、 患者様の状態を十分観察しながら、頻回の臨床検査を実施し、 慎 重 に投与してください。 □ いいえ □ はい 耐糖能 ビリルビン値 2∼4週間 0mg 添付文書の【禁忌】に該当します。 本剤の投与は中止又は延期してください。また、適切な他の治療 法 を 検討してください。 電解質 施設正常値上限の20倍以上 1mg 血清カリウム値が 3.5mEq/L未満*である その他 ALT(GPT)値 AST(GOT)値 2mg 併用薬 ©Janssen Pharmaceutical K.K. 2015 ZYT- 0065/ZYT- 0065イ ZYT.Le065.2 2015年10月作成 中止の目安 3mg □ いいえ ALT、 AST値が ULNを超える 本剤の適正使用患者に該当します。 添付文書の【慎重投与】に該当します。本剤を投与する場合には、 患 者 様の状態を十分観察しながら、頻回の臨床検査を実施し、慎重に 投 与 してください。 血小板 項目 4mg 血小板数が10万/μL未満 である 利尿薬 本剤による治療中に以下の項目に該当した場合は、速やかに本剤の投与 中止を考慮してください。なお、肝機能障害及び高血圧、体液貯留/浮腫 により投与を中止した場合、本剤は再投与しないでください。 5mg (1回/日) * □ はい 合併症 ■ 本剤の投与中止の目安 PSL 10mg (5mg2回/日) □C ALT、AST値が2.5×ULN以上 である □ いいえ □ はい 又は 総ビリルビン値が1.5×ULN以上*である 一般所見 以下の副作用の管理は、国内臨床試験における本剤の休薬 / 減量 / 再 開の目安を参考にご対応ください( 「ザイティガ ® 適正使用ガイド」参照) 。 ・肝障害 (肝機能検査値異常) ・低カリウム血症 ・体液貯留/浮腫 ・高血圧 ・鉱質コルチコイドに起因しない副作用 プレドニゾロン5mg∼10mgの投与が行われていた場合、2∼4週間ごとに 1mg/日で減量します。 □A □B * 耐糖能 ■ 本剤の休薬 / 減量 / 再開の目安 参考例 ① Child-Pugh分類 電解質 * 本剤の添付文書上、 《用法・用量に関連する使用上の注意》では、本剤投与中に ALT (GPT) 、AST(GOT)及びビリルビンの上昇が認められた場合は投与中止又は休薬を検 討し、 休薬後に投与を再開する際の用量は本剤 750mg/日とすること、 となっています。 ・漸減法には、患者の個人差が大きく影響します。また、エビデンス は確立していません。 ・患者の状態を観察しながら、医師の責任で適切な減量を行ってくだ さい。 チェックシート チェック項目の詳細、モニタリングの頻度は、 「ザイティガ ® 適正使用ガイド」 及び「ザイティガ ® マネジメントブック −注意すべき鉱質 / 糖質コルチコイド 関連副作用−」をご参照ください。 肝機能 * 初回投与量 本冊子の監修医を中心に議論された漸減法を示します。以下の点に留意 し、あくまで例示として参照してください。 投与中 ザイティガ ® チェック項目の詳細、モニタリングの頻度は、 「ザイティガ 適正使用ガイド」 及び「ザイティガ ® マネジメントブック −注意すべき鉱質 / 糖質コルチコイド関 連副作用−」をご参照ください。 ■ プレドニゾロン漸減法 (Tapering) の紹介 血小板 臨床検査値や患者の状態を観察し、減量の必要性が認められた場合は、 段階的な減量を検討してください。2 段階減量でコントロール不良な場合 は、本剤の投与中止を検討してください。 なお、国内第Ⅱ相試験では、有害事象管理のために減量する場合、2 段 階の減量を可能としていました。また、本剤減量後の再増量は認めてい ませんでした。 チェックシート ® 肝機能 ■ 本剤の一般的な減量基準 投与前 本剤投与継続に適合します。 低カリウム血症を引き起こす可能性がある 薬剤です。 これらの薬剤と併用する場合は、添付文書の 【慎重投与】 に該当します。 血清カリウム値の頻回な測定を行い、低カリ ウム血症に関連する症状を特に注意して観察 してください。 抗生物質 アムホテリシンB ポリミキシンB カルベニシリン ペニシリン等 抗パーキンソン病薬 下剤 (長期服用時) *添付文書の 《用法・用量に関連する使用上の注意》 に該当します。 本剤投与中に肝機能検査値の上昇が認められた場合には、 添付文書の休薬、 減量、 再開 及び中止の目安を参照してください。 **国内臨床試験における患者選択基準です。 あくまで目安として参考にしてください。 ULN:施設基準値上限
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