事業報告書(PDF形式)

◆ 平成23年度
事業報告(抄)
昨年の東日本大震災では甚大な被害が発生、日鳶連においても全国の県連に呼びかけ
て義援金を募り、被災した地域へ届けた。
この震災対応において建設業者が果たした役割は各界で高く評価されたが、長引く建
設不況は建設業界を疲弊させ、転廃業により業界離れが加速している。
このような中、日鳶連でも構成員数の減少が続いているが、不況下でも人材の育成や
技術技能の向上を図る会員企業を支えるよう、会員や関係団体などと協力しつつ諸事業
を推進した。
1.組織広報対策事業
構成員の増員に努め、昨年に大阪・和歌山の 2 府県連が加入、未加入県が 4 県(三重・
滋賀・奈良・岐阜)にまで減少した。しかし、新規加入者もあるものの、平成 22 年度
末と比べ 140 名減となった。
また、各種表彰制度への申請を行い、多数の方々が受賞の栄に浴した。表彰推薦につ
いては、推薦過程明確化等の必要性により、表彰規程の改正、表彰選考委員会の設置な
どの体制整備を行い、同委員会の元で適正な運営に努めるとした。
更に日鳶連新聞を継続して発行、編集に際し各方面より多大なるご協力を賜り、、会
員、構成員、関係官庁、関係団体等に配布された。また、日鳶連手帳も製作、全構成員、
関係者に配布した。ホームページもより一層の充実を図り、東日本大震災、技能五輪全
国大会関係の情報を掲載し、更なる広報、会員の利便を図った。
公益法人制度改革への対応では、社団法人格を持つ県連と研修会を開くなど対応、組
織広報対策委員会、理事会で定款変更案等を協議した。
2.技術技能対策事業
各種作業主任者及び玉掛け技能講習については、戦後最大級の経済危機による工事量
の減少などの影響により若年技能労働者が減少、資格取得者が減少している。
技能士の格付け等が徐々に高まりつつある中、「とび」の技能検定受検者数は、特に
1 級において、高い水準を保っている。
また、技能士などの国家資格取得の促進のため、「とび技能検定ガイドブック」を継
続して発行、予備講習会等における活用により大きな成果を上げた。また、各種資格取
得のための情報提供を継続して行った。
更に、登録鳶・土工基幹技能者講習会の実施と普及に努め、平成 23 年度には 222 名
の有資格者を輩出した。
加えて、各種資格証・修了証の再交付を実施、また、厚生労働省の委託事業である「墜
落・転落災害等防止対策推進事業」に協力、技術相談員が全国で足場の診断等を行った。
中央職業能力開発協会が実施する技能五輪全国大会は、次代を担う青年技能者に努力
目標を与えると共に、大会開催地域の若年者に優れた技能を身近に触れる機会を提供し、
技能尊重機運の醸成を図ることを目的に実施されている。
「とび職種」としては、前年に引き続き 3 回目の実施となった第 49 回静岡大会では
多くの観客が見守る中、全国からの予選会を経て勝ち上がった 17 名の青年技能者によ
り競技が行われ、
“とび”という職種を広く一般にアピールする契機となった。
3.経営雇用対策事業
近年の公共事業発注額はピーク時の半分以下にまで減少、民間需要の落ち込みと相ま
って仕事量は激減し、我々専門工事業者は疲弊している。このような中で、専門工事業
者の役割の明確化、事業の承継、技術・技能の継承と伝達、災害時における自治体の危
機管理体制への参画といった要望などを提出してきた。
また、国土交通省からの社会保険未加入対策及び元下請取引の現状、厚生労働省から
は、職業能力開発事業(技能検定制度)に関する調査依頼について、それぞれ対応した。
更に、現在の建設業界では、確実に職人が減ってきており人材確保は急務であること
から、将来を担う人材の確保・育成、各種融資、資格取得に関する情報提供などを行い、
次世代の技能者育成に尽力している。
今年度日鳶連では、建設産業構造改善事業として経営基盤の充実と自己管理、人材確
保技能育成、安全管理の促進にかかる事業を、(財)建設業振興基金からの各種助成を受
けて実施。元請・下請取引の現況及び労働者の技能向上、施工管理体制の確立について
の調査・研究事業について冊子等を作成した。
4.福祉対策事業
建設業における死亡災害の発生状況は年々減少傾向にあるとはいえ、依然として多発
している。特に、東日本大震災被災地において、今後本格化する復旧・復興工事での労
働災害の多発が懸念されることから、労災防止に関する様々な政府の施策を日鳶連新
聞・ホームページに掲載し、広く情報提供を図った。
また、川島共済基金の適正運営、健康管理の積極的な推進と労働保険事務組合設立の
ための調査・研究、関係福祉団体の加入促進の支援、建設業退職金共済制度、小規模企
業共済制度、中小企業倒産防止共済制度の普及・加入促進を図った。
(独)高齢・障害者・求職者雇用支援機構では、産業団体が主催し、実施する高齢者雇
用対策への取り組みを支援、産業団体がそれぞれの現況を把握し、取り組みを記したハ
ンドブックを作成、普及啓発活動に役立てるためのガイドラインを策定することを目的
とした事業を実施しており、日鳶連では、同機構からの委託事業として取り組んだ。
平成 23 年度は、策定したガイドラインを基にハンドブックを作成し、全国 8 ヶ所で
セミナーを開催、普及活動に努めた。
以
上