H.K.

2015/1/13
目次
早期英語教育における
リーディング活動の導入
人文・文化学群 人文学類 2年 H.K.
1. 早期英語教育の現状
2. 学習指導要領から見る早期英語教育
3. リーディング導入の実例
4. 小学校におけるリーディング導入例
5. 結論
6. 課題
7. References
1. 早期英語教育の現状
2. 学習指導要領から見る早期英語教育
・平成23年度から新学習指導要領実施
→小学校高学年(5,6年生)における外国語学習の必修化
・平成23年度から実施の新学習指導要領における外国語活動
(以下 新学習指導要領より抜粋)
目標
外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深め,
積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,外
国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら,コミュニケー
ション能力の素地を養う。
・外国語活動が週1時間の割合で必修化
・平成25年に文部科学省から発表された
「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」では
→外国語活動を小学校中学年に前倒しすること
高学年からは週3時間の教科としての指導すること
2. 学習指導要領から見る早期英語教育
・聞くこと・話すこと中心の現在の指導における“文字”の取り扱い方に
ついて
(以下 新学習指導要領解説より抜粋)
アルファベットなどの文字の指導については,例えば,アルファベットの
活字体の大文字及び小文字に触れる段階にとどめるなど,中学校外
国語科の指導とも連携させ,児童に対して過度の負担を強いることな
く指導する必要がある。さらに,読むこと及び書くことについては,音
声面を中心とした指導を補助する程度の扱いとするよう配慮し,聞くこ
と及び話すこととの関連をもたせた指導をする必要がある。
◎読むこと・書くことは重視されていない
◎文字指導と文字を使っての指導は違う
◎聞くこと・話すことが中心の指導
3. リーディング導入の実例
・Takako Watanabe and Kazuo Watanabe (1997)
参加者
小学2年生 3名
小学校入学前に1年間aural-oralの英語学習
→小学校1年生でreadingを開始(年間10冊の本を読む)
実験 ※3名が同じ授業を受ける
一週間に一度、Level 2のテキストのリーディングの授業を行い、
5回目の授業でイラストを見ながら口頭再生
その後6回目の授業からはaural-oralのみでLevel 1のテキスト
を使っての授業を行い、10回目でイラストを見ながら口頭再生
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3. リーディング導入の実例
4. 小学校におけるリーディング導入例
・結果
aural-oralのみで学習したlevel 1のテキストよりも、リーディン
グで学習したlevel 2のテキストのほうが再生率が良かった
⇒リーディングが記憶の保持を促進した
①絵本を用いた指導 (伊東 2013)
・生徒たちの反応
「なぜlevel 2の文章のほうが簡単だった?」
—「書いてあるから!」
絵本の特性
・幼児向けなので比較的簡単な英語が使われている
・絵と文字で構成されているため、表現と場面の融合が
自然とできる
・読み聞かせを行えば、文字、音声、場面の一体化がで
きる
◎若い学習者はaural-oralのみよりも、リーディングの助けを借り
た方がうまく再生ができる=同時にaural-oralの力も向上させる
4. 小学校におけるリーディング導入例
4. 小学校におけるリーディング導入例
②ストーリーを中心とした授業づくり (アレン 2009)
・ストーリーテリングによって聞く技能を向上させること
に加えて、絵本を用いることで文字に触れることができ
る。
①+②=絵本を用いたストーリー中心の授業づくり
・用いるストーリーは昔話などの、子供たちが日本語で話
の内容を知っているものを用いる。
実践例 『赤ずきん(Little Red Riding Hood)』
・英語でのストーリーテリング
・絵本のリーディング
・絵本中の視覚教材(イラスト)を用いて話の順番に並び替
える
・絵本中のチャンク、単語の学習など
・子供たちは背景知識を手掛かりにして、大量の英語を
聞いても内容を理解できている気持ちになり、もっと絵
本を読みたいと感じる。
5. 結論
6. 課題
・「書いてある」ということが理解と記憶を促進する
・リーディングに必要な語彙をどのように習得させていくのか。
・早期教育にリーディングを導入することは、読むことそのもの
のみならず、聞く、話す能力も同時に伸ばすことができる。
・絵本の中で学んだ語彙をどのように定着させるのか。
・音声を中心とした指導の中でも
文字を用いた指導は可能である。
・背景知識ばかりに依存しないリーディングにつなげるにはどのよ
うな指導をしていけばよいのか。
・音声による指導の中に文字による指導を組み込むことで、
子供たちの自然な文字への興味を喚起する。
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6. References
・Takako Watanabe and Kazuo Watanabe (1997)Reading and Memory
Retention : The Role of Reading in Early Childhood EFL Education
ARELE : annual review of English language education in Japan 8, 31-39, 全国
英語教育学会
・アレン玉井光江 「公立小学校における効果的なリーディング指導について(2)—物
語を中心にした教授法—」 『千葉大学教育学部研究紀要』 第57巻 57-64
千葉大学 2009
・伊藤治巳 「外国語活動における文字の扱い再考—文字を使っての指導と文字指
導を区別しよう—」 『鳴門教育大学小学校英語教育センター紀要』 第4号 2738 鳴門教育大学 2013
・樋口忠彦ほか 『小学校英語教育法入門』 研究社 2013年
・「新学習指導要領 小学校学習指導要領」 文部科学省 2008年
・「新学習指導要領 小学校学習指導要領解説」 文部科学省 2008年
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