2015 年中学入試で人気の出そうな私立中学校

2015 年 1 月 15 日
2015 年中学入試で人気の出そうな私立中学校
自 分 に 合 った 学 校 を 選 ぶ 時 代 へ
2015 年入試に向けて、模試では男子の応募者が少し増え、女子はやや減少する傾向にあり
ます。男子と女子とも「難関校ばかり受ける」「受かればどこでもよいから入学する」とい
う受験の仕方は減ってきています。学校の中身をしっかり見る、自分に合った学校を選ぶ
傾向がはっきりしてきたためでしょう。同時に、以前はよく見られた「ダメでもともとだ
けど挑戦してみる」というタイプの受験が敬遠されるようになりました。難関校に関して
は倍率が下がることもありますが、入りやすくなるわけではないことに注意してください。
男子(男子校と共学校)に関しては、中堅前後の学校を中心に、入試で確実に得点できれ
ば順当な結果がでるものと思われます。女子(女子校と共学校)に関しては、キリスト教
系の学校が日曜日と重なるため試験日を移動させる「サンデーショック」の年に当たりま
す。しかしかつて言うほどの受験生の受験傾向の変動はないとみています。中堅以下の女
子校は入りやすい入試となりそうです。
東 京 注 目 は 共 学 化 の 3校
23 区で人気が集まっている学校は、来春から共学化する、東洋大学京北、開智日本橋学園、
三田国際学園の 3 校です。共通点は「これからの社会で求められる人材像」をアピールし、
教育内容を予定している点です。
男子校は麻布の人気が上がっているようです。昨年から 2 月 1 日に入試日を動かした本郷
や、午後入試を行う学校として京華の人気も安定しています。新校舎が魅力の日本大学豊
山も注目されています。女子校は難関、上位校のグループに変化はありません。入りやす
い女子校では、3回・4回入試を行う学校は、くらいついていくことで良い結果が出てく
ると思います。
多摩地区の共学校では工学院大学附属の人気が上がっているようです。成蹊や早稲田実業
も堅調な人気です。聖徳学園は特待入試が人気です。多摩地区には大学付属校が多くあり
ますが、目立った動きはみられません。男子校では桐朋の人気が上がっていて、難化する
可能性もあります。女子校では桐朋女子の人気が上がっています。B入試を午後に設定し
2015 年 1 月 15 日
たため併願希望者が増えているのでしょう。晃華学園は入試を 2 回に減らしたこともあっ
て、入試 1 回あたりの受験希望者は増えているようです。
神 奈 川 は 2017 年 以 降 の 動 きに 注 目
神奈川の共学校では、中央大学附属横浜が 3 回入試を 2 回に減らしましたが人気は依然高
めです。文科省のスーパー・グローバル・ハイスクールに指定された公文国際学園、この 4
月に系列校として小学校を開校する日本大学藤沢、神奈川大学附属の希望者は増えている
ようです。桐蔭学園、桐光学園、森村学園の傾向に変化は見られません。
男子校は鎌倉学園が午後入試の新設で人気が上がっています。少し難化しそうです。栄光
学園や聖光学院、浅野などの難関校は例年並みの難度とみています。法政大学第二は入試
の 2 回目を 2 月 4 日に前倒ししています。これは 2016 年度の共学化の準備の意味合いを含
んでいます。適性検査型を始める横浜の応募者数にも注目したいところです。女子校は神
奈川学園、捜真女学校、横浜英和女学院、日本女子大学附属の人気が上昇しています。横
浜英和は青山学院の系属校となりますので、受験生の支持が集まっています。難関校はサ
ンデーショックの年ですが、人気にあまり変動が見られません。
少し先の話になりますが、2017 年春には、公立中高一貫校として横浜市立横浜サイエンス
フロンティア高等学校附属が開校します。同じエリアにある私立中学校では前倒しで入試
日程を変更する可能性もあります。神奈川県内の中学を希望する、今の小学 4 年生、5 年生
は、来年以降の動向に注視してほしいと思います。
受験希望者が増えている千葉
千葉は、男子・女子ともに受験希望者が増えている学校が多く見られます。渋谷教育学園
幕張、東邦大学付属東邦、市川、昭和学院秀英をはじめとする上位校、芝浦工業大学柏、
専修大学松戸などです。ただし東京との併願者が多いため、合格ラインに変動を及ぼすほ
どではないかもしれません。適性検査型入試を導入する聖徳大学附属女子はどの程度の受
験規模になるか、注目したいところです。
2015 年 1 月 15 日
埼 玉 栄 東 は 1万 名 を目 前
1 月 10 日から埼玉県私立中の入試が始まりました。各校のここまでの応募状況をまとめま
す。
学校別では、昨年応募者総数が 10,000 名を超えた栄東が、昨年とほぼ同じペースで 10,000
名突破目前となっています。現段階で昨年の最終応募者数をすでに上回っているのは、国
際学院、昌平、獨協埼玉の 3 校です。国際学院は昨年減らした入試回数を今年は増やした
こと、昌平は T コースを新設したこと、獨協埼玉は入試日程を前倒しし、1 月 11 日スター
トとしたことなどが主な要因でしょう。
昨年の総応募者数に近い水準に達しているのは、大宮開成、開智、春日部共栄、狭山ヶ丘
高等学校付属です。このうち、大宮開成と狭山ヶ丘高等学校付属は人気が安定しています。
埼玉県ではまだ入試が進行中で、応募者数が未公表の学校もありますので、最終的にどの
くらいの応募者数になるかは、これからの話ですが、元気の良い学校がある一方で、全県
では応募総数が減るかもしれません。昨年の最終応募者数にはまだまだ差が大きい学校も
見られます。途中経過ではありますが、こうした学校の受験生が増えることを期待したい
ところです。