参考資料12-金型の溶接

金型の溶接 金型溶接の一般的注意事項
金型の溶接は、 金型材の主流が合金工具鋼や鋳鉄のため軟鋼の溶接に
比べて非常にむずかしい問題を含んでいます。
合金工具鋼は炭素量が多く他の合金元素を含み、 非常に焼きの入り昜い
材料で、 溶接すると割れが発生しやすい材料です。金型材として要求され
る特性が良いほどこの傾向があり、溶接が困難となります。
一方鋳鉄は、 鋳鉄自身伸びが悪く、また溶接熱により硬化し割れ昜く、さ
らに、ブローホールが発生しやすいなど溶接が困難な材料であります。
このように金型材料の溶接は、 非常に困難なため次のような注意が必要
です。
1. 溶接割れを防止するために、 金型または溶接材料に応じた予熱、 パス
間温度を選び溶接を行なって下さい。また必要に応じ後熱を行ない徐
冷して下さい。
2. 予熱はできるだけ広範囲に均一に行なって下さい。局部予熱しかでき
ない場合は、 溶接部周辺を50mm以上の範囲を均熱して下さい。なお、
加熱時は、 100℃ぐらいまではできるだけ巾広く弱い火炎でゆっくり行
なって下さい。
3. ブローホールの発生を防止するため、溶接部のサビ、油などを完全に取
り除く事が必要です。また被覆アーク溶接棒で溶接する場合、 使用前
に所定の温度で再乾燥して下さい。
4. 溶接電流はできるだけ低電流を用い、溶け込みを浅くするようにして下
さい。所定の性能を得るだけでなく、ブローホールやアンダカットの防
参
考
資
料
︵
金
型
の
溶
接
︶
止に役立ちます。
5. 割れ防止のためビードの始端と終端はコーナー部を避けて下さい。ま
た各ビード毎に先の丸いハンマーでビードを打撃(ピーニング)して下さ
い。その際は溶接直後にクレータ側から、 ビードの波形が消える程度行
ないます。
6. その他についてはそれぞれのカタログ、 参考資料などを参照して下さ
い。
11
− 488 −
金型の溶接 金型の溶接 ■金型の肉盛溶接時の欠陥と対策 Ⅰ
(鋳物)
肉盛形態
設変の肉盛
欠陥の形態
原 因
溶着金属割
れ。
1.
溶込みが深い。
2.
ビード厚が薄い。
3.
溶接材料不適当。
4.
加熱しすぎ。
1.
適正電流にする。
2.
運棒速度を遅くする。
3.
鉄ニッケル系を使用する。
4.
パス間温度を 150℃以下にする。
母材割れ。
剥離。
1.
収縮応力による。
2.
溶接材料不適当。
3.
加熱しすぎ。
4.
溶込みが深い。
5.
切り欠きがある。
1.
ショートビードでピーニングをする。
2.
鉄ニッケル系を使用する。
3.
パス間温度を 150℃以下にする。
4.
適正電流にする。
5.
スタート位置を変える。
ブローホール。 1.
母材に浸透した油。
2.
熱による材質変化。
3.
鋳肌の影響。
4.
鋳造時の残留欠陥。
盛刃肉盛
母材割れ。
1.
溶込みが深い。
2. 加熱しすぎ。
3.
収縮応力による。
4. 切り欠きによる。
盛り刃終了後の変更盛り、
補修盛り
ブローホール
1.
母材の汚れ。
2.
スタート近辺に出る。
3. 全面に出る。
硬度不足
1.
溶接材料の間違い。
1.
溶接棒を 200℃で再乾燥する。
対 策
1. SKD11
:予熱を 350 ~ 450℃行ない、溶
接中も保持する。
:後熱も 350 ~ 450℃行なうのが
望ましい。
フレームハード鋼 :予熱を 200 ~ 300℃行ない、溶
接中も保持する。
:後熱も 200 ~ 300℃行なうのが
望ましい。
2. 各ビード毎にピーニングを行なう。
3. 溶接速度を遅くする。
4. 後熱を行ない、徐冷する。
5.
スタート部、
ビード重ねなどオーバーラップさせない。
6.
肉眼では判別しにくい、方向性のない割れ。
局部に力をかけず加熱を避ける。
1.
母材表面を清浄にする。
2. 使用前に 200 ~ 250℃で再乾燥する。
3. 母材の不純物が多いためで、母材を検討する。
母材表面を清浄する。
アーク長を適正にする。
(溶接棒線径を目安)
電流が高すぎる場合、適正電流を使用する。
4.
ミグ溶接のブローホール。 4.
シールドガス流量を適正にする。
エッジ部は特に出やすいので、
シールドが完全になるよ
うに当て金などをする。
トーチ角度を 10 ~ 20 度傾ける。
チップ母材距離を 20mm 以下にする。
3.
シールドガス流量を適正にする。
(20ℓ/min.)
風を遮断する。母材表面をきれいにする。
母材表面の油をとる。
前記原因と対策。
1.
溶接材料の間違い。 1.BK-55SF または BK-660S を使用する。
2.
溶込みが深い。
2.
適正電流を使用する。
3.BK-55SF は 2 層 3 パス、BK-660S は BK3.
層数が少ない。
51SFを 3 パス 1 層下盛り後、2 層 3 パス
肉盛りする。
下盛りが厚過ぎ、仕上がり位置が適正に
4.
仕上げ位置が悪い。 4.
なっていない。
1.
割れ、硬度不足。
2. 収縮応力による割れ。
3. 入熱不足。
4. 冷却時に割れる。
5. 切り欠きによる。
6. グラインダー熱による。
1.
適正電流にする。
2.
パス間温度を 150℃程度に保つ。
3.
各ビード毎にピーニングをする。
4.
スタート位置をずらす。平坦なビードにする。
2.
溶接棒を 200℃で再乾燥する。
原 因
1.
熱管理不足。
2. 溶接後、焼入れした。
3. 溶接後、焼戻しした。
1.
適正溶接材料を使用する。
(1)SKD11 の焼入れ後の場合、BKH-61 を使用
する。
(2)フレームハード鋼の焼入れ済みの場合、BK-660S
を使用する。
(3)フレームハード鋼の焼入れ前に肉盛、その後焼入
れする場合は、BKH-5 を使用する。
2.
溶接材料が不適当であるか、焼入れ温度が不適当。
3.
溶接材料が適当であれば、焼戻し温度が高い。
参考資料(金型の溶接)
参考資料(金型の溶接)
1.
ビード不揃いによる。 1.
運棒を一定にする。
2. 溶込みが深い。
2. 適正電流にする。
3. 収縮応力による。
3.100mm 程度のビード長で、ピーニングをす
る。予熱、パス間温度 150℃を保つ。
4.
グラインダー熱による。 4.
力を緩くして局部加熱をしない。
ブローホール。 1.BK-660S のスタート
近辺にでる。
2.BK-SF シリーズで出
る。
3.
ミグ溶接の場合。
欠陥形態
割 れ
1.
油類を酸素アセチレンの酸化炎で焼く。
2.
溶接→グラインダー→溶接を繰り返す。
3.
グラインダーで除去する。
4.
グラインダーで除去する。
溶着金属割
れ。
硬度不足。
11
■金型の肉盛溶接時の欠陥と対策 Ⅱ
(SKD11 フレームハード鋼)
対 策
1.
予熱を行ない、BKH-61 で溶接する。
11
− 489 −
− 490 −
金型の溶接 金型の溶接 ■金型用溶接棒一覧
適用銘柄
被覆アーク
溶接棒
ミグ溶接 メタル系フラッ
ワイヤ クス入りワイヤ
特徴・主用途
硬度
(HRC)
BK-660S
マルテン BK-660R BK-660M
サイト系
―
打抜型の硬化肉盛。
高硬度、高靭性、耐
ブローホール性。
55 ~ 60
●
BKR-61
マルテン
サイト系
―
工具鋼の硬化肉盛。
カケ補修。
再アーク性良好。
55 ~ 60
●
●
BKH-11CR
マルテン BKH-13R BKH-13M
サイト系
―
打抜型ダイ側(下刃)
の硬化肉盛。プラスチッ
ク金型の肉盛。
52 ~ 56
●
●
BKH-5
フレーム
ハード鋼系
HM-5R
―
―
BKH-61
マルテン
サイト系
―
―
BKH-90
BKR-90H BKH-9R
高速度鋼系
BKD-11R
ダイス鋼系
―
BKD-61R
適用銘柄
冷間 プラス ダイカ 熱間
プレス チック スト 鍛造
ティグ
溶加棒
ミグ溶接 メタル系フラッ
ワイヤ クス入りワイヤ
DMB-136
鋳鉄用鉄 DM-136R DM-136M
ニッケル系
特徴・主用途
硬度
(HRC)
―
鋳鉄製金型の肉盛、
補修。クロムメッキ性良
好。耐摩耗性良好。
20 ~ 25
適用金型
冷間 プラス ダイカ 熱間
プレス チック スト 鍛造
●
NST-21
コバルト
合金
NST-21R
―
―
熱間金型の肉盛、加
工硬化性に富む。
耐熱、耐ヒートチェック性
良好。
32 ~ 38
●
●
NST-6
コバルト
合金
NST-6R
―
―
熱間金型の肉盛。
耐熱、耐食性良好。
40 ~ 47
●
●
フレームハード鋼のフレー 60 ~ 62
●
ムハード前、SKS 等の
焼入前の肉盛、補修。 (850℃油冷)
BK-46F
熱間金型用
―
―
―
熱間鍛造型用、
SKT-4 補修用。
44 ~ 48
●
―
SKD11 など耐久性を
必要とする工具鋼の
硬化肉盛。
高硬度、高靭性。
55 ~ 60
●
BK-47F
熱間金型用
―
―
NFG-H47F 熱間鍛造型用、
(スラグ系) SKT-4 補修用。
44 ~ 48
●
―
―
耐久性を必要とする
打抜型の硬化肉盛。
高硬度、高靭性。
60 ~ 65
●
MC-160H
Mn-Cr 系
―
―
NFG-H160H の肉盛。加工硬化性、
(スラグ系) 熱間での硬度低下少。
28 ~ 32
●
―
―
58 ~ 62
SKD11 の焼入前の肉盛。
(熱処理後)
LA-15
低 C-CrMo 鋼系
CM-3R
―
―
熱間金型材料の割れ補
修、硬化肉盛の下盛。
SCM 系プラスチック金
型の肉盛。
20 ~ 25
LS-50
高張力鋼系 NTG-50R
―
―
炭素鋼の接合、補修、
硬化肉盛の下盛。S-C
系プラスチック金型の肉
盛。
―
NINAK-R
析出硬化系
―
―
NAK-55、NAK-80の
44 ~ 46
プラスチック金型の肉盛。
シボ、鏡面加工性良好。 (時効処理後)
●
―
NCENA-1R
プリハードン鋼
―
―
CENA1 の溶接肉盛、補
修。
35 ~ 40
●
―
HPMG-R
P20Ni 改良鋼
―
―
HPM − MAGIC の溶接
肉盛、補修。
37 ~ 41
●
―
PXA50-W
プリハードン鋼
―
―
PAC5000 の溶接肉盛、
補修。
37 ~ 41
●
―
―
ZAS 金型の肉盛、補修。
―
―
ベリリウム銅を用いた金
型の肉盛、補修。
熱伝導性良好。
―
プレス金型のかじり防止、
高硬度銅合金金型の肉
24 ~ 28
盛。
―
SUS 630 材の金型の
肉盛、補修。耐食、耐摩
耗性良好。
―
●
―
鋳鉄直盛硬化肉盛
(Ni 下盛不要)
絞り型の肉盛
82 ~ 90
(HRB)
(3 層目)
●
―
鋳鉄直盛硬化肉盛
(Ni 下盛不要)
盛刃の下盛、絞り型の肉
盛。
48 ~ 52
(3 層目)
●
35 ~ 40
(3 層目)
●
46 ~ 52
絞り型、
ビード等の肉盛。 (3 層目)
●
BK-25SF
鋳鉄直盛用
―
―
BK-51SF
鋳鉄直盛用
―
―
BK-54SF
鋳鉄直盛用
―
―
NFG・H400SM(Ni 下盛不要)。絞り
BK-54SH
鋳鉄直盛用
―
―
NFG-H450SM(Ni 下盛不要)
BK-55SF
鋳鉄直盛用
―
―
NFG-H10M(Ni 下盛不要)。
鋳鉄直盛硬化肉盛
型、GM241 の肉盛。
鋳鉄直盛硬化肉盛
鋳鉄直盛硬化肉盛
打抜型切刃の肉盛。
55 ~ 60
(2 層目)
●
●
●
●
●
NSM-1
マルエージ NSM-1R NSM-1M
ング鋼系
―
打抜型の硬化肉盛、
49 ~ 51
プラスチック金型、
●
ダイカスト金型等の肉盛、(時効処理後)
補修。
●
●
●
HE・500
NICHIA 29・9
オーステナイト・ HE-500R HE-500M
フェライト系
―
工具鋼の接合、補修、
下盛、焼入れ材の接合、
補修可能。
18 ~ 23
●
●
●
DMA-100
鋳鉄用純
ニッケル系
―
鋳鉄製金型の肉盛、
補修、硬化肉盛の下盛。
機械加工性良好。
HRB
73 ~ 84
―
82 ~ 85
鋳鉄製金型の肉盛、補
修。鋳鉄への硬化肉盛り
(HRB)
の下盛。耐棒焼け性良好。 (3 層目)
―
被覆アーク
溶接棒
―
DMG-150
鋳鉄用複合線 DM-150R DM-150M
鉄ニッケル系
− 491 −
●
●
●
―
―
―
ZA-R
Zn-Al
合金系
NCS-R
Cu-Si
合金系
NKF-R
アルミ
青銅系
―
NS-630
析出硬化系 NS-630R NS-630M
熱間鍛造型のバリ抜型
− 492 −
●
●
●
●
●
参考資料(金型の溶接)
参考資料(金型の溶接)
11
ティグ
溶加棒
適用金型
●
●
34 ~ 36
●
●
●
11
金型の溶接 金型の溶接 ■プレス金型材料に対する適用溶接材料(合金鋼材料)
適 用 溶 接 材 料 銘 柄
溶接前の金型材料の熱処理状態
鋼材系統
焼入れ、焼戻し済み材料
(溶接のままで使用)
鋼材の種類
焼入れ前の材料※ 2
(溶接後に焼入れ、 焼戻し)
アーク溶接棒 ティグ溶加棒 アーク溶接棒
ティグ溶加棒
割れの補修及
び接合用被覆
アーク溶接棒
( )
は
ティグ溶加棒
予熱・パス間温度※ 3
(℃)
(注)
後熱は全ての材料
に対し必要です。
予熱温度まで均熱
溶接後、室温まで
徐冷して下さい。
: 760 ~ 820 水冷
: 750 ~ 780 徐冷
: 150 ~ 200 空冷
: 800 ~ 850 油冷
: 830 ~ 880 徐冷
: 150 ~ 200 空冷
BK-660S
BK-660R
LS-50
LS-50
BKH-61
NTG-50R
NTG-50R
BKH-5
HM-5R
SKS3
1層盛で仕上げ
ダイス鋼系
参考資料(金型の溶接)
フレーム
ハード鋼
SKD11
※1
1 層目
2層盛
以上で 2 層目
仕上げ 以降
350 ~ 450
H1
H2
A
T1
T2
: 1000 ~ 1050 空冷
: 1020 ~ 1050 空冷
: 830 ~ 880 徐冷
: 150 ~ 250 空冷
: 500 ~ 530 空冷
BKR-90H
BKH-9R
200 ~ 300
H
A
T1
T2
H
A
T
: 825 ~ 875 油冷※ 4
: 770 ~ 790 徐冷
: 150 ~ 200 空冷
: 350 ~ 400 空冷
: 875 ~ 950 空冷※ 5
: 825 ~ 875 徐冷
: 150 ~ 200 空冷
HE-500
NICHIA 29-9
(HE-500R)
BKH-61
BKD-11R
BKR-90H
NIN-182
(NIN-82R)
SX105V
BK-660S
BK-660R
BKH-5
HM-5R
HMD1
HMD5
(注) ※1 SKD11は金型鋼の中でも非常に割れ感受性が強い。
予熱は母材を芯部まで均熱し、溶接中も保持して下さい。また溶接後後熱を施し徐
冷して下さい。
※2 溶接後に焼入れ処理を行なう場合は、鋼材と溶接金属の焼入れ温度の違いにより硬
度が低下する事が有ります。したがって、同一成分系の材料の選定となります。
※3 材料の形状、大きさにより異なりますので注意して下さい。
※4 フレームハード(火炎焼入れ)の場合は、825~1075℃の温度から空冷して下さい。
※5 フレームハード(火炎焼入れ)の場合は、HMD1は850~980℃、HMD5は825~1100℃
の温度から空冷して下さい。
11
参考資料(金型の溶接)
200 ~ 300
H
A
T
H
A
T
SK3
工具鋼系
鋼材の熱処理温度
(℃)
H:焼入れ温度
A:焼なまし温度
T:焼戻し温度
11
− 493 −
− 494 −
金型の溶接 金型の溶接 ■鋳鉄製プレス金型に対する適用溶接材料
適 用 溶 接 材 料 ※ 1
溶 接 の 目 的
絞り、成型面の補修
母材
被覆アーク溶接棒
ティグ溶加棒
( )
はミグワイヤ
[ ]
は FCW
肉盛による切刃制作
絞り、成形面にかじり対策
被覆アーク溶接棒
ティグ溶加棒
方法
パス
1~3
被覆アーク
溶 接 棒
DM-150
DMG-150
ティグ溶加棒
( )
はミグワイヤ
[ ]
は FCW
※ 2
開 先 形 状 例
(切刃制作)
DM-150R
(DM-150M)
1
DMA-100
FC
FCD
DMG-150
DMB-136
DM-150R
(DM-150M)
DM-136R
(DM-136M)
BK-54SF
[NFG-H400SM]
BK-54SH
[NFG-H450SM]
HE-500
NICHIA 29-9
HE-500R
NHC-2
NHC-2R
1~3
BK-660S
BKH-61
BK-660R
(BK-660M)
C 面 : 7 ~ 10mm
BK-51SF
2
4~6
3
1~3
BK-660S
BK-660R
BKH-61
(BK-660M)
BK-55SF
[NFG-H10M]
C 面 : 6 ~ 8mm
参考資料(金型の溶接)
参考資料(金型の溶接)
DM-150
4~9
C 面 : 3 ~ 5mm
11
(注) ※ 1 適用溶接材料で同一枠内に複数の銘柄が有る場合、 カタログの本文を参照して選
定して下さい。
※ 2 開先形状例は、 アーク溶接を基準にしたものです。 ティグまたはミグ溶接で行な
う場合は、 お問い合わせ下さい。
− 495 −
11
− 496 −
金型の溶接 金型の溶接 ■プラスチック金型適用溶接材料
■熱間鍛造金型適用溶接材料
金 型 材 料
合金系
D 社材料
S-C 系
PDS1
SCM 系
PDS3
H 社材料
適用溶接材料
その他
KTSM21 NTG-50R
CM-3R
(CM-3M)
用途
150 ~ 200 徐冷
150 ~ 300
200 ~ 300℃後熱
→徐冷
250 ~ 350℃後熱
BKH-13R
200 ~ 300
→徐冷
(BKH-13M)
SKD61 系
DH2F
DAC
250 ~ 350℃後熱
BKD-61R
200 ~ 350
→徐冷
(BKD-61M)
マルエージン
MAS1
グ鋼系
YAG
NSM-1R ※ 1 150 ~ 250 溶接後、時効処理必
要。
(490℃× 3h)
(NSM-1M)
HPM1
HPM50
時効処理温度
NINAK-R
200 ~ 300
(500℃× 5h)
(NAK-80M)
析出硬化系
NAK55
NAK80
200 ~ 300℃後熱
NCENA-1R 200 ~ 300 →徐冷
CENA1
P20 改良
HPMG-R
200 ~ 300
(HPMG-M)
HPM
-MAGIC
PXA50-W
200 ~ 300
(PXA50-W)
SUS630 系 NAK101 PSL
銅合金系
HR750
精密シボ加工時は焼
戻処理必要。
NS-630R
200 ~ 300
所要の硬度により析
出硬化処理必要。
NCS-R ※ 2
NKF-R※ 3
150 ~ 400
1 パスごとにピーニン
グ要。
BK-46F
ハンマー
鍛造型
(面補修)
SKT4
プレス
鍛造型
(面補修)
SKD61
バリ抜き型
適用銘柄
硬度
被覆アーク
ティグ溶加棒
(HRC)
溶接棒
(フラックス入りワイヤ)
SC 系
SCM 系
SNCM 系
大ロット
小ロット
44 ~ 48
BK-47F
BK-48F
(NFG-H47F)
40 ~ 48
NST-21
NST-21R
32 ~ 38
NST-21
NST-21R
32 ~ 38
MC-160H (NFG-H160H) 20 ~ 28
300℃以上の
予熱・溶接後
徐冷。500℃
SR 処理。
300℃以上の
予熱・溶接後
徐冷。600℃
SR 処理。
300℃以上の
予熱・溶接後
徐冷。
(注) ※ 1 調質熱処理を施された材料を溶接する場合、材料の特性を損なわない為に予
熱およびパス間温度は、材料の焼戻し処理温度以下に抑えて下さい。
■アルミダイカスト金型適用溶接材料(ティグ溶接材料)
補修部分
材 質
型補修全般
湯口近辺
焼入前の補修
接 合
鋳 造 面
SKD61 系
NSM-1R
NST-6R
BKD-61R
NIN-82R
(注) NSM-1R は溶接後に時効処理(450 ~ 500℃で 3 時間保持後空冷)を行なって下
さい。
(注) ※1 NSM-1Rは割れ感受性が低く、金型材料(銅合金除く)全般の溶接に適用可能
です。ただし共金系でないためマルエージング鋼以外のシボ加工には不向きで
す。
※2 NCS-Rは溶接性、加工性の良い材料です。
※3 NKF-Rは高硬度(ブリネル250)の銅合金溶接材料で交流用です。
− 497 −
溶接後の
処理※ 1
参考資料(金型の溶接)
参考資料(金型の溶接)
HPM38
STAVAX
金型材料
溶接後の処理
SUS420J2 D-STAR
系
PD555
PAC5000
11
ティグ溶加棒
(マイクロワイヤ)
予熱温度
(℃)
11
− 498 −