低温域におけるADC12の凝固割れ

The solidification cracking at low temperature of Aluminum alloy ADC12
低温域における ADC12 の凝固割れ
UES Software Asia Inc.
株式会社ユーイーエス・ソフトウェア・アジア 木島 秀弥
ものつくり大学 小保方 友哉、鈴木 克己
Abstract / アブストラクト
アルミダイカストはその製法により、引け巣や割れの欠陥が発生しやすい。アルミダイカ
スト製品に発生する割れの現象は、凝固収縮とその後の冷却過程での固体収縮が鋳型
に妨げられて、材料の強度を上回る場合に発生する。ADC12 の機械特性は、高温域(凝
固完了から 300℃程度まで)では伸びが大きいが、強度が低く、それを超えた場合に割れ
る。低温域(300℃以下位)になると、強度は上がってくるが、伸びは低下し、拘束があり、
引張り応力を超えると割れる。
近年、湯流れ、凝固、欠陥の解析は広く行われているが、凝固割れに付いては、まだ、
それほど多く行われていなく、基礎的な実験と解析を行った。
本研究では、試験片幅を 5mm、10mm、試験片中央部に 15mm、60mm の断熱材を入
れ、冷却速度が異なるようにした金型で試験片を鋳造し、低温域での割れを再現、その割
れる温度、時間を計測した。
実験の結果は、試験片幅 5mm では、断熱材 60mm では根元、15mm では中央で割れ、
10mm では、両断熱材とも中央で割れ、温度は、200℃位になった。
解析では、ProCAST で弾塑性解析を行い、有効塑性ひずみの結果から、割れる位置に
付いては再現できた。