学校だより 平成27年9月1日(火) No.6 東京都立光明特別支援学校長 田添 敦孝 2学期が始まりました 今年の夏は猛暑が連日に渡り続きましたが、8月後半には秋雨等により肌寒く感じる時もありました。こうした中8 月の夏季登校日も終え、本日より第2学期が始まり、本校、分教室の児童・生徒は全員始業式を迎えました。 2学期に転入生を迎える学級もあり、学校も新たな体制をスタートさせて参ります。また今学期は、校外学習、進路 実習、光明祭等、様々な学校行事を実施しますが、これからも児童・生徒の健康と安全に十分配慮しつつ、稔りのあ る充実した教育活動を取り組んで行きたいと思います。 さて、8月20日(木)から22日(土)第58回全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会総会及びPTA・校長会合 同研究大会が熊本市で行われました。今大会は総会にて、全肢P会長を3年間務められた本校PTA会長坂ますみ 様から新全肢P会長の東京都立城北特別支援学校PTA会長竹内ふき子様にバトンタッチされました。坂会長に は、3年間に渡る重責と御功績に対しての心から感謝を申し上げたいと思います。また、新しく就任された竹内会長 には、御就任のお祝いとともに、今後も全国肢体不自由特別支援学校PTA会員の願いを束ね、新たな課題に対し て積極的に取り組んでいただきたいと願います。そして、今大会から全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会の ホームページが一新されましたので、是非御覧ください。(http://zspi.jp/) 本大会記念講演は「夢のたからばこ」と題して、柴田美優氏と保護者の柴田直美氏に御講演を頂きました。講師 の柴田美優さんは、現在九州ルーテル学院大学3年生です。平成24年に、熊本県立松橋支援学校高等部3年在 学中に、内閣府が毎年実施している「障害者週間」の一環である「心の輪を広げる体験作文」で最優秀賞を受賞さ れました。彼女は幼少時の病気のために指の先しか自由にならなかったのですが、当時の担任教師が彼女の視線 に気付き、文字学習やパソコンを教え、更に支援者等の手の平に文字を書いて交流を進めるようになる現在までを 「手のひらで伝わる心」と題して綴り、応募した文章が受賞されました。当時、大学進学を目指していた彼女は、本校 で実施された平成24年度東京都チャレンジセミナーにて、講演された立命館大学大学院生天畠大輔氏と遠隔会議 にて登場され、懐かしく思いました。今大会当日の講演も感動的でありましたと同時に、重度の障害をもつ、一見し ただけでは分からない自分の思いや願いを表現しにくい児童・生徒に対して、当時、松橋支援学校に在籍していた 彼女の担任教師は、彼女の視線が様々な意味を持つことに気付き、文字学習の指導を丁寧に積み重ねました。そ の結果、内閣総理大臣・最優秀賞受賞、そして念願の大学合格となりましたが、もし当時の担任教師が彼女の視線 に気付かなかったら、彼女の人生は大きく変わってしまったのかもしれません。学校の教育一つで人の人生が大き く変わることを考えますと、学校における正しい実態把握と同時に、子供たち一人一人の可能性を無限に発揮させ るための教育をそれぞれの年代に応じて、多様に選択できる学びを用意し支援することの大切さを感じました。本 校は、この夏季休業中に様々な活動や研修会が試行で実施しましたが、多くの関係機関の皆様の御支援と御協力 によって新たな活動が生み出されつつあります。こうした小さな芽ではありますが、今後とも皆様の温かい御支援と 御協力を頂きながら、育んで行きたいと思います。2学期も充実した教育を展開して参りますので、どうぞ御理解と 御支援をよろしくお願い申し上げます。 ★ 訪問部「お楽しみ会」★ 細 hosi 7月24日(金)に訪問部のお楽しみ会が行われました。昨年度からの流れで、小学部、 中学部、高等部の3部合同で行い、小学部7名、中学部1名、高等部1名の児童・生徒の参 加がありました。御家族や訪問学級の担任だけでなく、副校長、学部からも多くの教員が集 い、賑やかな雰囲気の中、楽しい一時を過ごすことができました。 今年は「シンデレラ」を題材にした音楽劇的な活動を行いました。みんなで歌ったり、魔 法使いの杖を作ったり、光を使った遊びをしたり、シンデレラや王子とのダンス等いろいろ なことを楽しみました。普段は教員と一対一の授業を行っているので、この日は少人数では ありますが、集団での活動ができて、いつもとは違う表情を見ることができました。後半は 保護者会を行いショートステイ利用のことやスクーリングのこと、訪問籍になって感じたこ と等の情報交換をすることで交流を深めました。 (訪問部 田口 康雄) ♪ 小学部5年 初めての移動教室 ♪ 7月2日から一泊二日、国立オリンピック記念青少年総合センターへ行ってきました。入 学して初めての宿泊行事です。 「うま のる」「にんじん」「おとまり」をキーワードに、♪移動教室の歌♪に親しみ、馬 に乗る練習、人参をしっかり握って差し出す練習、そして寄宿舎の居室に布団を敷いて寝転 がる体験等、学習を重ねて、少しずつ期待感を高めていくことができました。 いよいよ当日。曇り空に期待を掛けての出発でしたが、残念ながら雨。ポニー公園での乗 馬体験は中止が決定。でも、その残念な気持ちを、明るくたくましい介護等体験のお兄さん 達が笑顔に変えてくれました。 室内レクでは、学生さんの大きく温かい背中に乗って、 「うま のる」体験をしました。そ の揺れ、変化するスピードに大喜び。練習の成果で上手に乗ることもできました。雨上りの 束の間は、散策しながら「うまさがし」です。ゆっくり進んでいくと、垣根から「ひひーん」! …その声に「みつけた!」とまたまた、大喜び。馬役の学生さんに本当の馬に餌をやるよう に、楽しく、時に真剣に人参を差し出すことができました。そんな子供たちの姿に学生さん も嬉しそうでした。初めての場所で、いつもと違う流れの中で、初めて出会った人と温かく 楽しい交流のできた充実の2日間。夜も全員眠って◎の5年生です。 (小学部 佐藤有紀) ★ 寄宿舎 親子 de Summer Day ★ 7月27日(月)8月19日(水)22日(土)の3日間、親子 de サマーデーを実施しま した。それぞれの会ごとに、工夫を凝らした内容で行いました。 1回目は、三重奏、太鼓、ダンス、バンド演奏。 2回目は、フラダンス、スヌーズレン、おやつ作り。 3回目は、ゲーム、パラシュートあそび、パネルシアター。 1回目の開催日には、寄宿舎内のエアコンの故障に伴い急きょ音楽室とS棟に会場を変更 するアクシデントもありましたが、音楽室での生演奏、S棟で外部団体の太鼓やダンスを楽 しむことができました。2回目のフラダンスでは、お母さん方が練習したフラダンスを子供 達に披露し、子供たちもいつもと違うお母さんにびっくり! また今年度初めて土曜日に開 催したことで、毎年参加しているという卒業生を含め同窓会気分も味わいながらの楽しい交 流の時間となりまた。3日間で延べ67名の参加がありました。参加いただいた保護者の方、 御協力いただいた先生方ありがとうございました。 (寄宿舎部主任 長谷川 宏敬) ★ 光明キッズ (幼児教室・教育相談) ★ 7月 27 日(月)と8月 21 日(金)、未就学児 10 名前後が集まり、にぎやかに光明キッズ を実施しました。光明キッズの実施は今年度で3年目になります。 第1部では、親子で歌遊びをしました。 「おひさまになりたい」の歌で始まり、一人一人の お名前呼び、手遊び歌「いっぽんばしこちょこちょ」などで楽しみました。初めてのお子さ んもいましたが、徐々にリラックスして、くすぐられると大笑いする子、期待してくすぐら れる前から笑い出す子と様々でした。 第2部では、保護者の方は別室に分かれて、KMC(光明メディカルケア)の先輩お母さん 方に御協力いただき、学校生活のことや入学前に不安に思っていることを話題に懇談をしま した。車椅子の作成や医療的ケアのこと、PTAの活動など、広範囲の話題に、自分たちの 経験をもとに先輩お母さんがお答えくださいました。入学前にこのような機会があるという ことは、とてもありがたいという感想もいただきました。 3回目は1月7日に予定しています。 (コーディネーター 榎本 克実) ★ 平成 27 年度チャレンジセミナーin光明 ★ 7月30日(木)、31日(金)の2日間、本校を会場に、大学進学等を目指す生徒を対象 にチャレンジセミナーが行われました。当日は都立肢体不自由特別支援学校の高等部生徒1 6名・中学部生徒9名が参加し、本校からも4名が参加しました。 1日目の午前中は、特別支援学校を卒業後、進路変更等をしながら夢を実現している先輩 方お二人の話を聞きました。午後は2班に分かれ、中学生は日本数学検定協会による演習「P Pバンドを組み合わせて立体(セパタクローボール)を作ろう」、高校生は「スマホ・携帯 を安全に使おう」の学習が行れました。 2日目も2班に分かれ、進学希望者は、大学を卒業した先輩方を招いて大学生活の実際と 卒業後の社会参加についてディスカッション、進学希望以外の生徒はiPadを使ってテー マに応じたプレゼンテーションの作成に取り組みました。午後はそれぞれの学びと作業の成 果を全員の前で報告し合いました。 多くの学びに加え、他校の生徒との交流も深めることができ、参加した生徒達にとって、 とても刺激的で有意義な経験になったと思います。 (進路指導主任 西尾 寛) 「光明特別支援学校ハンドサッカー部」についてお知らせ 今年度もハンドサッカー部の活動を計画しています。 中学部・高等部の入部希望者は担任を通じて御相談ください。なお、入部希望者が多く、 部活動の運営が厳しいと判断した場合は、高等部の生徒を優先させていただきます。 練習計画や大会への選手登録等の関係で部員の募集を9月29日(火)までとさせていた だきますのでよろしくお願いいたします。 【 問合せ先 体育科:吉葉・大宮 】
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