地域に開かれた魅力的な学校図書館づくり -PTA活動との連携により、読書環境の充実を図る取り組み- 名古屋市立大清水小学校 校 長 勝 田 信 司 〒 458-0806 名 古 屋 市 緑 区 大 清 水 西 901 TEL 052-877-5491 FAX 052-877-5493 URL http://www.oshimizu-e.nagoya-c.ed.jp/ 事業のねらい 豊かな心を育てるために、本校は学校教育基本方針の一つとして読書活動の充実に 重点を置いています。また、PTA 読み聞かせ部「四つ葉」の方々による、児童への 読み聞かせ活動なども行われてきています。しかし、これまでのところ、児童が進ん で本に親しんでいるとはいえない状況にありました。 そこで、本年度新たに「学校図書館運営委員会」を校内の組織に設け、児童の読書 への興味・関心を高めていくために、本校職員と PTA 役員・読み聞かせ部・ボラン ティアの方々とが協力して、魅力的な学校図書館づくりを進めていくことにしました。 事業の内容 新しい学校図書館(第 1 図書室) ★ 学校図書館の移設・整備 児童にとって利用しやすく、また PTA 読み聞か せ部・ボランティアの方々と児童とが本を通じて触 れ合えるような学校図書館にするために、これまで 校舎 3 階にあった学校図書館を 2 階に移しました。 さらに、低学年向きの図書を同じ階の別の部屋(第 2 図書室)に置くことにしました。 バーコードシステム 図書室を 2 か所に設けるために、児童の貸し出しを管理す (PC)の増設 る図書のバーコードシステムを増設し、校内 LAN を整備し ました。 ★ PTA と連携した読書環境の充実 学校図書館運営委員会を定期的に開き、PTA 役員・読み聞 かせ部の方々と読書環境の整備や読書活動について 新しい学校図書館(第2図書室) 意見交換を行いました。 夏休みに行った図書室の移設では、多くのボラン ティアの方々にお手伝いをいただきました。 読み聞かせ部の方々には、移設後の図書室に飾り 付けをしていただくなど。少しずつ、できることか ら取り組んでいます。 事業の成果 ○ 学校図書館移設による読書環境の改善 移設前は、図書室が 3 階にあったため、休み時間に児童が利用しづらい要因とな っていました。また、灰色っぽいカーペット敷きだったため、室内が全体に暗い感 じのするものでした。 2 階への移設(9 月末に完了)で、各教室から行きやすくなり、貸し出しを行う 休み時間の児童の利用が増えました。特に授業時間よりも休み時間に利用すること が多い4~6年生では、昨年 10 月と本年 10 月とを比べると、貸出冊数が約 1.4 倍(631 冊→885 冊)に増えました。また、部屋全体が以前に比べてとても明る い感じになり、多くの児童から好評を得ています。 低学年向きの図書(主に絵本や図鑑など)を置くことにした第 2 図 書室は、1 年生の教室からすぐ行ける場所にしました。また、タイル カーペットを敷き、床に座って読書する形にしました。この部屋は、 児童会の図書委員会で愛称を募集して、 「えほんのくに」という呼び名 が決まりました。 ○ PTA との連携による図書館づくり PTA 読み聞かせ部の方は、毎週木曜日に来校し、朝の 読書活動の時間に教室で読み聞かせをしています。そこ で、移設した図書室の一角に、PTA 読み聞かせ部の方が 活動する場所を設けました。 PTA 読み聞かせ部のコーナー ここでは、時間のある部員の方が傷んだ図書の修繕をし たり、図書室の飾り作りをしたりしています。また、休み 時間に図書室に来た児童と、お薦めの本などについて話し たりすることもできるようになりました。 第 2 図書室には、読み聞かせ部の方による手作りの飾 りが飾られ、児童に図書室で過ごす楽しさを与えています。 手作りの飾り(第2図書室) ○ PTA との連携による読書活動の充実 本校では、児童会の図書委員会が年に 2 回「図書館ま つり」を開いています。この行事に PTA 読み聞かせ部の 方が参加する場を作りました。前期の図書館まつりでは、 体育館での児童集会で、読み聞かせ部の方が絵本をプロ ジェクターで投影しながら読み聞かせを行いました。全 図書館まつりでの読み聞かせ 校児童が一つのお話の世界を共有し、本の楽しさを味わ いました。 事業のまとめ 読書活動を充実させることは、児童の心を豊かにし、学力を向上させるための重要 な取り組みです。今回の学校図書館移設は、本校の読書環境整備の第一歩であるとと らえ、今後、さらに PTA 活動と連携し、地域に開かれた学校図書館づくりを進める ことを目指しています。そのために、新たに立ち上げた学校図書館運営委員会を中心 に、教職員と保護者・地域の方々との意見交流を活発にし、ソフト・ハード両面での 読書環境の充実を、長期的な視野に立って推進していきたいと考えています。
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