教 育 研 究 業 績 書

別記様式第4号(その2)
(用紙 日本工業規格A4縦型)
教
育
研
究
業
績
書
年
月 日
氏名 原 一樹 印
研
究
分
野
研
哲学、観光学、社会学
教
育
上
究
内
容
の
キ
ー
ワ
ー
ド
フランス哲学、観光理論、観光社会学、コンテンツ・ツーリズム
の
能
事項
力
に
関
す
る
事
項
概
年月日
要
1 教育方法の実践例
「現代の哲学」
2013年秋学期
「観光と哲学」を扱う講義において、受講生の授業
時間外学習を促す為、授業参考文献に関するレジュ
メ報告を毎週担当者を決め実施した。読書に馴染み
の無い学生にとっては書物内容をまとめるという基
礎的訓練になったと考えられる。
「観光文化論」
2012年度~
学生の予習復習を促す為、毎回、授業内容及び教科
書の指定箇所に関する小テストを実施している。
小テストは採点後毎週返却し、その点数の類型によ
り成績評価を行うので、成績評価基準の明瞭化と学
生の学習意欲の維持に繋がっていると考えられる。
「調査研究」
2012年度~
「歴史文化ツーリズム」に関する1年次後半から2年
次にかけての「調査研究」では、学生の主体的学習
能力やチームで仕事を進める能力を養う為、クラス
を調査テーマごとに数チームに分け、連絡を密に取
らせつつ作業を進めさせることで責任感とスケジュ
ーリング能力を高めると同時に、結果として授業時
間外の学習を促す形となっている。
2 作成した教科書,教材
『観光研究のキーコンセプト』(小槻文洋・原一 2014年4月
樹ほか訳、現代図書、2014年)
「観光文化論」講義の教科書として使用する為、チ
ームを作り英語著作を翻訳・出版した。2014年4月
以降の授業で使用している。
3 教育上の能力に関する大学等の評価
4 実務の経験を有する者についての特記事項
5 その他
職
務
上
の
実
事項
1 資格,免許
2 特許等
3 実務の経験を有する者についての特記事項
4 その他
績
に
年月日
関
す
る
概
事
項
要
研
究
著書,学術論文等の名称
業
単著・
共著の別
績
等
に
関
発行所,発表雑誌等
発行又は
発表の年月 又は発表学会等の名称
す
る
概
事
項
要
(著書)
1『観光研究のキーコンセプ
ト』(翻訳)(小槻文洋・ 共著
原一樹・伊多波宗周ほか)
2 『哲学への誘い 第2巻
哲学の振る舞い』
共著
2014年3月 現代図書
2010年10月 東信堂
現代の観光産業や観光研究にとって必須となる主
要概念40項目を簡潔に記述し、参照資料への指示
も豊富な英語圏研究者による著作“Key Concepts
in Tourist Studies”(Melanie Smithほか・SAGE
・2010)を、海外の研究レベルを把握し教育にも
活用する為、8名の研究者により翻訳した。原著
出版社との交渉を原が行い、全40項目のうち12項
目(モビリティ、ツーリズムの社会学、文学ツー
リズム等)を担当し訳出した。
松永澄夫東京大学教授(当時)を中心とする東京
大学哲学研究室出身メンバーを中心とし刊行され
た叢書『哲学への誘い』の第2巻『哲学の振る舞
い』(松永澄夫・村瀬鋼・原一樹ほか)に、「哲
学の身振り」と題して寄稿した。本稿は特定の哲
学者の思考を紹介する類のものではなく、「問う
こと」や「知ること」、「考えること」といった
基本的な哲学の構えや進め方について、哲学初学
者にも理解できるよう、自らの言葉で論じたもの
である。
3 『巡礼路型世界遺産にお 共著
ける持続可能な観光システム
の比較研究』
2010年4月 余暇文化振興会
平成21年度神戸夙川学院大学観光文化学部共同研
究として、巡礼路という観点から熊野古道とスペ
インのサンチャゴ・デ・コンポステーラの比較研
究を行い、各種ヒアリング調査や現地調査を実施
した(共同研究者:小野田金司、小槻文洋、原一
樹ほか)。成果報告書の取りまとめにあたり「精
神性の比較」(23頁~35頁)を担当し、巡礼路を
訪れる人々の持つ精神性について、海外先行研究
やヒアリング結果を主要な参照先とし分析した。
4『ドゥルーズ/ガタリの現 共著
在』
2008年1月 平凡社
フランス人哲学者ドゥルーズとガタリの研究者30
数名により刊行された『ドゥルーズ/ガタリの現
在』(小泉義之・檜垣立哉・鈴木泉編著)に「<
強度>概念再考―その内在的理解の深化に向けて
」と題し寄稿した(103頁~122頁)。本稿はドゥ
ルーズ哲学の核心が主著『差異と反復』における
「強度論」にあるとの認識のもと、ドゥルーズが
「強度」概念を彫琢する為に参照した様々な学知
の成果を踏まえつつ、その内実を分析したもので
ある。
5 『「ある日本人の暮し」 共著
に見る日本人の生活様式の変
化』
2006年3月 跡見学園女子大学
松永澄夫東京大学教授(当時)を中心とする6名
の研究チーム(村松正隆・中真生・原一樹ほか)
により、雑誌『暮らしの手帖』にかつて連載され
ていた「ある日本人の暮し」に登場する、全国各
地の様々な生活者達の追跡調査の結果をまとめた
ものである。原は「続・伊深しぐれ縁起」と題し
、「伊深しぐれ」なる珍味を家業として製造し続
けている商店を取材し、その結果を日本社会の変
化と関連させつつ論考にまとめた(56~71頁)。
6 『環境 安全という価値
は・・・』
共著
2005年11月 東信堂
松永澄夫東京大学教授(当時)を中心とする松永
澄夫東京大学教授(当時)を中心とする多分野に
わたる研究者(経済学・金子勝、環境学・鬼頭秀
一等)が「環境」というテーマを様々な角度から
分析した論集である。原は「監視社会化の何が問
題か~安全第一主義がもたらす社会変容~」と題
し、当時進展しつつあった監視カメラ設置や生体
認証の普及等の持つ社会的・文化的意味について
調査・分析した。『週間東洋経済』より取材を受
け、監視社会化に関するコメントが掲載された。
(学術論文)
1「観光研究における<主体 単著
>を巡る問題系への一考察>
2013年12月 第28回日本観光研究学会 本稿は、旅や観光をする「主体」について現時点
全国大会学術論文集,357 で何を問題として立てるべきか、という問題意識
~360頁
の下、海外の観光理論研究における「主体」を巡
る議論状況をサーベイした上で、今後の検討課題
を抽出したものである。結果、「ツーリストの瞬
間」と「物語」との関係の詳細の探究、「パフォ
ーマンス」概念の洗練、「他者」という契機の再
考、権力論やモビリティ論の哲学的源泉に遡行し
ての再考などが必要であるとの認識に達した。
2 「(続)観光研究の主要 共著
概念-“Key Concepts in
Tourist Studies”抄訳」
2013年3月 神戸夙川学院大学観光
文化学部紀要第4号、
1~72頁、小槻文洋、
原一樹ほか
本稿は、『観光研究のキーコンセプト』の翻訳出
版に結実する英語文献の共同翻訳作業の一環であ
る。原は「成熟世代のツーリズム」、「ツーリズ
ムの社会学」、「ツーリストの眼差し」等の項目
を訳出した。
3 「(研究ノート)観光と 単著
哲学 ―問題群整理と課題抽
出―」
2013年3月 神戸夙川学院大学観光
文化学部紀要第4号、
111~12頁
本稿は、哲学研究と観光研究の間から、「観光の
哲学」とも言うべき新たな学問領域を開拓する為
に、観光学の海外先行研究をサーベイし、哲学研
究と節合しうる問題を洗い出したものである。特
定の哲学者との関係の観点からはドゥルーズ&ガ
タリのノマド論とモビリティ研究との関係や、フ
ーコー哲学と「観光の眼差し論」との関係の再考
が、根本諸概念については自己・他者・空間性・
想像力・・物語等の検討が必要となるとの認識に
至った。
4 「(研究ノート)ドゥル 単著
ーズ=ガタリ資本主義論に関
する覚書―先行研究整理と課
題抽出」
2013年3月 神戸夙川学院大学観光
文化学部紀要第4号、
177~184頁
本稿は、ドゥルーズ=ガタリが1972年に出版した
資本主義理解・批判の書である『アンチ・オイデ
ィプス』を現代において創造的・批判的に継承す
る為の準備的考察である。まずはドゥルーズ=ガ
タリとマルクス及びマルクスに影響を受けた理論
家との関係を分析し「形式的包摂と実質的包摂」
「極限の置き換え」「通貨の二元性」「本源的蓄
積」等の更なる探究が必要である点、ドゥルーズ
=ガタリによる資本主義社会への処方箋としての
「脱領土化の加速」をどう理解し継承するかが問
題となる点、が明瞭化された。
5「哲学と観光学との出会い 単著
の組織化に向けた準備的考察
―先行研究レビューと今後の
研究課題」
2012年12月 第27回日本観光研究学会 本稿は、哲学と観光学との互恵的発展関係を構築
全国大会学術論文集、213 する為、どのような作業や方法論的留意点がある
~216頁
かを検討したものである。解釈学的現象学や構造
主義/ポスト構造主義の理論の観光学への応用の
現状を把握した上で浮かび上がってきた課題は、
「哲学と観光学との両者をしっかりと繋ぐこと」
「(観光学研究に時に不足しがちな)問いを更に
突き詰めること」「哲学と観光学との間で視点・
概念等を創造すること」であるとの認識が明瞭化
された。
共著
2012年3月 神戸夙川学院大学観光
文化学部紀要第3号、
2~56頁
本稿は、『観光研究のキーコンセプト』の翻訳出
版に結実する英語文献の共同翻訳作業の一環であ
る。原は「文化ツーリズム」「e-ツーリズム」「
映画&TVツーリズム」「モビリティ」等の項目
を訳出した。
7「内包量から思考へ―ドゥ 単著
ルーズ<思考論>に向けた準
備的考察―」
2012年3月 神戸夙川学院大学観光
文化学部紀要第3号、
106~116頁
本稿は、ドゥルーズ哲学の核心に位置するものの
哲学史的な位置付けの錯綜や微分・連続律といっ
た複雑な概念との関係性故にその内実理解が進ん
でいない「内包量」概念について検討したもので
ある。本稿では、ドゥルーズによるカントの内包
量概念批判を端緒に、コーヘンによるカント批判
を踏まえつつドゥルーズの「内包量」概念の微分
との繋がりや、それが「思考論」に展開していく
道筋を明瞭化するという理路を採った。
6「観光研究の主要概念―
"Key Concepts in Tourist
Studies"抄訳」
8「涼宮ハルヒ・聖地巡礼に 共著
関する現地調査報告」
2011年12月 第26回日本観光研究学会 本稿は、コンテンツツーリズム研究の一環として
全国大会学術論文集、225 2011年度より開始した、兵庫県西宮市近辺を舞台
~228頁
とするアニメ/ライトノベル作品『涼宮ハルヒの
憂鬱』、及びその作品を巡る「聖地巡礼」の状況
について、作品のファン集団・有識者・地元観光
関係者・一般市民等へのアンケート調査・ヒアリ
ング調査の結果を取りまとめたものである。ゼミ
学生3名と共同で報告し、次年度以降のファン集
団とのイベント開催の契機となった。
9「交通・通信環境発展史に 単著
向けての試論」
2011年3月 神戸夙川学院大学観光
文化学部紀要第2号、
95~108頁
本稿は、人間にとってますます複雑な環境を提供
しつつある「交通・通信環境」について、それが
重層的に構築されてきた内実と、その発展が人間
に与えてきた影響を解きほぐすことと試みたもの
である。大きく「マス・コミュニケーションの成
立」「交通の高速化」「交通と通信の分離」「マ
ス・コミュニケーションの発展」の枠組みで歴史
的回顧をすると同時に、その発展の中で反復され
る価値対立等についても指摘した。
10「『ツーリズムにおける哲 単著
学的諸問題』所収論文・解説
と翻訳【1】「ツーリズムの
終焉?ノマドロジーとモビ
リティ・パラダイム」
(Sunderland大学教授Kevin
Hannam著)について」
2011年3月 神戸夙川学院大学観光
文化学部紀要第2号、
51~60頁
本稿は“Philosophical issues in Tourism ”
(J.Tribe ed., 2009)所収の論文を翻訳し、解説
したものである。著者ハンナム氏はモビリティ
概念について活発に議論を展開している研究者で
あり、本稿ではアーリやドゥルーズガタリの議論
とも関連させつつ「ツーリズムの終焉?」という
刺激的な議論を展開している。
11「『ツーリズムにおける哲 単著
学的諸問題』所収論文・解説
と翻訳【2】「ツーリズムと
は何か?諸定義・理論的諸段
階・諸原理」(サンパウロ大
学講師Alexandre Panosso
Netto著)について」
2011年3月 神戸夙川学院大学観光
文化学部紀要第2号、
38~50頁
本稿は“Philosophical issues in Tourism ”
(J.Tribe ed., 2009)所収の論文を翻訳し、解説
したものである。著者パノッソ氏はツーリズム
研究を回顧し諸理論家の議論を手際よく整理しつ
つ、最終的には彼なりの定義と諸原理を提出して
いる。
12「ドゥルーズの<良識>批 単著
判について」
2010年3月 神戸夙川学院大学観光
文化学部紀要第1号、
2~13頁
本稿は、ドゥルーズが同一性への差異の従属を保
証する装置として批判した「良識」と「共通感覚
」のうち、「良識」批判の内実を解明することを
目指したものである。ドゥルーズが参照したララ
ンドやメイエルソンらの議論に遡行しその内実を
検討すると同時に、現代科学の知見を踏まえた上
で「良識」批判を評価する為に、プリゴジンらの
散逸構造論にも言及し今後の課題を見極めた。
13「ドゥルーズによるベルク 単著
ソンの哲学構想の継承と更新
について」
2004年11月 『哲学雑誌』、哲学会編 本稿は、ドゥルーズをベルクソン哲学を批判的に
第119巻・第791号・186 継承したものだとの認識の上で、特に科学との関
~205頁(査読付)
わり方について、ドゥルーズとベルクソンとを比
較したものである。
(その他)
<学会・研究会発表>
1「観光研究における<主体
を巡る問題系への一考察」
2013年12月
日本観光研究学会全国
大会(於・松蔭大学)
観光研究において現在「主体」について何を問題
として立てるべきかについて、海外の先行研究を
踏まえつつ課題を整理し報告した。(12月8日)
2「ドゥルーズ=ガタリ資本
主義論の再検討」
2013年10月
関西哲学会(於・大阪
大学)
刊行後40年を経て現代的な批判的継承が求められ
ているドゥルーズ=ガタリの資本主義論について
その根本的特徴、他の理論家との位置関係、「多
様体」と「生成変化」を強調する議論の評価、と
いう観点から考察を展開した。(10月20日)
3「哲学と観光学との出会い
の組織化に向けた準備的考察
―先行研究レビューと今後の
研究課題」
2012年12月
日本観光研究学会全国
大会(於・宮城大学)
哲学と観光学との間から新規研究領域を開拓する
為に、いかなる方法論的留意点があるかについて
現時点の議論状況を俯瞰しつつポイントを報告し
た。(12月2日)
4「コンテンツツーリズム研
究の現状と課題―ライトノベ
ル/アニメ作品『涼宮ハルヒ
の憂鬱』の事例を中心に―」
2012年7月 日本観光研究学会関西
支部観光学研究部会
(於・阪南大学淀屋橋
サテライトキャンパス)
「涼宮ハルヒ」聖地巡礼の現状を報告すると同時
に、コンテンツ・ツーリズムの日本における研究
経緯と現状を回顧し、課題を報告した。(7月24
日)
5“On Subculture Tourism
in Japan”
2012年6月
国際学術会議“Manga
Worlds:Subcultures,
Japan,Japanology”(於
神戸大学瀧川記念学術会
館)
世界中から日本のサブカルチャーの研究者が集ま
った国際会議において、「涼宮ハルヒ」聖地巡礼
の状況を中心に、日本で展開されつつあるサブカ
ルチャー・ツーリズムの状況について、英語にて
発表し、引き続き90分のセッションを担当した。
(6月2日)
6「涼宮ハルヒ・聖地巡礼に
関する現地調査報告」
2011年12月
日本観光研究学会全国
大会(於・阪南大学)
アニメ/ライトノベル作品『涼宮ハルヒの憂鬱』
シリーズの舞台である西宮地域における「聖地巡
礼」の状況についての調査結果をゼミ学生3名を
アシスタントとして報告した。(12月4日)
(注)
1 この書類は,学長(高等専門学校にあっては校長)及び専任教員について作成すること。
2 医科大学又は医学若しくは歯学に関する学部若しくは学部の学科の設置の認可を受けようとする場合,附属病院の長について
もこの書類を作成すること。
3 「研究業績等に関する事項」には,書類の作成時において未発表のものを記入しないこと。
4 「氏名」は,本人が自署すること。
5 印影は,印鑑登録をしている印章により押印すること。ただし,やむを得ない事由があるときは,省略することができる。
この場合において,「氏名」は,旅券にした署名と同じ文字及び書体で自署すること。