M Me ec c hh a a nn ii c ca a ll EE nn g g ii nn e ee e rr ii nn g g 森脇 一郎 教授 機械工学系 樹脂材料の自動車部品等への展開 樹脂材料の実力評価に歯車運転試験を ■キーワード 樹脂材料 力学評価 強度 摺動性 運転試験 ■研究の概要 研究概要:その原案作成委員会の取りまとめ役を仰せつかった JIS B1759「プラスチック円筒歯車の曲げ強さ評 価法」 に従った樹脂材料の力学特性の評価を行っています。 具体的には、評価したい樹脂材料で試験歯車 (モジュー ル 1mm、 歯数 48 の標準平歯車)の運転試験 (標準は、 回転速度 1000rpm、 雰囲気温度 25℃、 相対湿度 50%) を行い、 当該樹脂材料を歯車として用いたときの許容曲げ応力および寿命係数(疲労特性を表す)を評価します。使用する 歯車運転試験機は図1に示した動力吸収式のもので、最大試験歯車回転速度は 5,000rpm、最大負荷トルクは 20N·m です。必要に応じて、雰囲気温度を 180℃まで上げての実験も可能で、雰囲気温度係数も評価できます。 さら に、温度上昇係数(運転中の温度上昇の程度を表す) の回転速度依存性の評価、 グリースを用いた潤滑係数 (潤滑剤 効果の程度を表す) の評価、さらには相手歯車係数 (標準は鋼歯車を相手歯車とした試験だが、同種材あるいは異 種材を相手歯車とした場合の影響を表す) の評価もできます。評価は、運転試験により得られる図 2 に示したような S-N 線図に相当する図から行います。 社会的要請との関連:軽量化、低コスト化、 あるいは低振動化等をねらって、歯車に限らず、種々の機械要素に樹脂材 料を適用したいというニーズが高くなっています。 しかしながら、材料メーカが提供する力学特性が必ずしも機械要 素への適用の可否を判断する指標とはなっていない例が多いようです。そのような状況から、樹脂材料の「実力」を 歯車として用いた場合の相対評価で示そうという例が少なからずあります。歯車とは全く異なるターゲットを持って 開発された新しい樹脂材料を歯車運転試験で評価することにより、新しいアプリケーションが見いだせるかもしれ ません。 図 1. 運転試験機 図 2. 試験結果 ■セールスポイント 「歯車」は極めて古典的な機械要素ではありますが、そこには機械要素が持つべきあら ゆると言えるほど多くの技術が詰まっています。そこでの実力を示すことは材料の大きな セールスポイントになるものと確信しています。
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