思考力入試・思考力入試模試

宮城学院中学校
思考力入試・思考力入試模試
作文の例題
※ 時間は 40 分です。
問題
◎次の文章は、朝日新聞デジタルの記事です。記者は「若者の海外志向」についてどのようにとらえています
か。また、あなたは海外の学校への留学や、海外で働くことなどをどのように考えますか。あなたが体験した
こと、あるいは見聞きしたことなどを交えながら、四百字以上五百字以内で、三段落で書きなさい。
内向きじゃないよ 若者ら「留学の輪」 経験者集い魅力発信
若者の内向き志向が言われるなか、学生たちが自ら留学などの魅力をアピールする団体が首都圏
を中心に続々と生まれている。留学情報の発信や人脈づくり、日本の今を外国で伝えるために政治や
文化を学ぶ取り組みまで、さまざまな仕掛けで同世代の「海外挑戦」を後押しする。
東京都内で2月中旬、留学支援団体「留学リノベーターズ」の運営会議が開かれた。集まった学生
6人は留学経験者。
「海外経験のある社会人らを呼んで交流会を開こう」
「留学先のおすすめご飯を紹
介しよう」など、留学の魅力を伝えるアイデアが次々と出た。今後、留学を希望する学生に経験者が
アドバイスをする活動を本格化させる。
代表で今春に早稲田大学を卒業し、社会人になった加藤翼さん(24)は、大学2年になるまで海
外に行ったこともなかった。だが、偶然知った難民支援活動などに参加して海外に興味を持ち、4年
生の時に米国の大学に約1年間留学した。
帰国後、体験を多くの人と共有しようと思ったが、そんな場がほとんどないことに気づいた。そこ
で、同世代の学生らと自ら団体を設立。
「自分のように、きっかけさえあれば海外や留学に目を向け
る学生は多い。情熱を持った若者が留学前も後も集まれる場をつくり、アイデアを出せる場にしてい
きたい」と訴える。
後押しする団体続々
昨年2月にできた団体「Japanese International Student So
ciety※1」は、憲法改正や靖国問題など、日本の政治や文化などを学ぶ勉強会を開いている。
昨年度は、留学前の学生らがスタディーツアーとして、除染作業が行われている福島県の被災地や
広島県の広島平和記念資料館などの訪問もした。立ち上げに関わり、米国の大学に留学中の吉川慶彦
さん(21)らは「日本や国際情勢について、自分の意見を留学中に現地の人たちに発信できるよう
にしたかった。留学する学生同士で集まり、一緒に勉強したり情報を伝えあったりしようと思った」
と言う。
「Japanese Global Scholars※2」も、留学中の大学生らが留学生活や
現地の情報などをインターネット上で発信している。
首都圏以外でも、米国の大学に進学した学生が発案したNPO法人「留学フェローシップ」(神戸
市)が、海外の大学に進学した学生が中心となって国内各地を訪れ、高校生に留学の魅力や情報を伝
える活動を進めている。
若者の海外志向は、一般的な印象より高まっている。文部科学省がまとめた統計によると、日本か
らの留学者(学位取得目的の長期留学者が主な対象)は2004年をピークに減少傾向だったが、1
2年に8年ぶりに増加して6万138人になった。
日本学生支援機構のまとめでも、大学や大学院が提携などをしている学校への留学者(短期も含む)
は、04年度の1万8570人から13年度は4万5082人に増えた。
(石原孝)
朝日新聞デジタル 2015 年 4 月 20 日の記事から(承諾書番号 A15-1155)
※朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。
[注意]
題名、氏名はマスの中に書かず、本文を一行目から書き始めてください。
原稿用紙の正しい使い方にしたがい、文字やかなづかいも正確に書くこと。
※1 Japanese International Student Society
…ジャパン インターナショナル スチューデント
ソサエティ。団体の名前。
※2 Japanese Global Scholars
…ジャパン グローバル スコラーズ。団体の名前。
宮城学院中学校
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総合問題の例題
模範解答と解説
模範解答
私は、将来、積極的に海外の学校に留学したいと思いますし、職業についても日本国内にとらわれず、機会
があるなら海外で就職したいと考えています。
その理由は、急激なスピードでグローバル化が進行しているからです。課題文の記者は、若者の海外志向は
一般的な印象より高まっていると述べています。現に私自身も、小学校の体験活動で、ベトナムやアフリカの
家庭料理の作り方を学び、韓国の伝統衣装について教えていただく機会がありました。現地を離れ、今は日本
で生活する方々に教えていただいたのですが、いろいろな国々の方と話をしていると、何だか自分の世界が広
がるようで、ワクワクした気持ちを感じました。私は、グローバル化というのは、このように世界中の人々が
いろいろな文化を紹介し合い、違っているからこそ素晴らしいんだということに気づくことだと思いました。
ですから、私は 21 世紀を切りひらいていく者として、国内とか国外とかにとらわれるのではなく、多くの
外国の人々と触れ合いながら、広く世界に目を向けて、生きていきたいと考えています。
(約450字)
解説
問題文にあるように、
「海外の学校への留学や、海外で働くことなどをどのように考えているのか」
、あなたの
考えを述べることが重要です。そこで第一段落でまず自分の考えを述べ、第二段落でその理由を具体的に述べ、
第三段落でもう一度あなたの考えをまとめて文章を閉じます。
問題文に「あなたが体験したこと、見聞きしたことなどを交えながら」とありますから、第二段落で体験や見
聞きしたことを具体的に交えながら説明することが重要です。
また、記者が「若者の海外志向」についてどのようにとらえているかとありますので、第二段落の中で記者の
とらえかたを交えることもポイントです。このように、思考力入試では、課題文の要点を押さえて自分の文章
の中に盛り込むことが求められますので、覚えておいてください。
もちろん原稿用紙の正しい使い方にしたがって、字数を守りながら記述してください。