舞鶴市水道ビジョン

舞鶴市水道ビジョン
舞鶴市 水道部
第1章 水道ビジョン見直しにあたって
趣旨
舞鶴市では、市民の皆様へ安心で安全な水道水を安定的にお届
けするため、平成31年度までの10年間を計画期間とした「舞鶴
市水道ビジョン」を平成22年3月に策定し、このビジョンに基
づき、様々な事業に取り組んでおります。
しかしながら、策定から5年が経過し、水道事業を取り巻く環
境が大きく変化したため、後期計画の見直しを行いました。
位置付け
新たな舞鶴市総合計画(舞鶴市)の分野別計画の一つ
新水道ビジョン(厚生労働省)に基づく水道事業の指針
第2章 舞鶴市水道事業の概要
26年度の水道事業数
・上水道
1事業( 1)
・簡易水道
19事業(24)
・専用水道
1事業( 1)
・飲料水供給施設 2事業( 3)
※( )は21年度末の事業数
施設利用率の低下
浄水場の施設能力に対する一日最大給水量の割合(最大稼働
率)は69%(5年間の実績値)であり、水需要に対して施
設能力が過大となっています。
施設や水道管の老朽化と更新事業費の増加
施 設
浄水場や配水池の耐震化率は低い状
況にあります。
特に基幹施設の上福井浄水場の管理
センターは、老朽化し耐震性を有し
ていないため、早急な更新が必要で
す。
水道管
高度成長期に布設した多くの水道管
が、順次、法定耐用年数を迎え、ま
た、旧海軍から無償譲渡された施設
等の更新が必要です。
現状の管路更新(約4km/年)ペー
スでは、年々 耐用年数を超えた水道
管の割合が増加します。
第3章 舞鶴市水道事業の現状と課題
水質の状況
水需要の減少
安全で良質な水道水を供給するためには、水源から蛇口まで
の全ての段階の水質管理が必要です。
簡易水道事業
上水道事業に統合後の維持管理体制の確立が必要です。
事業運営
人口の減少や節水家電の普及などにより、今後10年間で水
需要は約10%減少する見込みです。
料金収入の減少が、今後とも続くと見込まれます。
施設や水道管の老朽化にともなう更新に加え、耐震化に多
くの経費が必要です。
電気料金の値上げ等により施設の維持管理経費が増加して
います。
第4章 基本理念と基本施策
アセットマネジメントの導入
基本理念
アセットマネジメント(資産管理)手法を取り入れ、中長期的な視点
に立った施設整備や更新需要の見通しを試算しました。
「未来につなぐ 安心で安全な水の安定供給」
基本施策
1.
2.
3.
4.
安定給水の確保
安心で安全な水道水の確保
健全経営の推進
環境への配慮
第5章 基本施策と具体的対策
更新に必要な事業費の見通しは
上水道
740億円
簡易水道 104億円
総 額
844億円です。
参考:主な施設の法定耐用年数
水道管 40年、建築 50年
電気設備 20年、機械設備
これらの施設や水道管を法定耐用年数で更新する場合は、
年間 22.5億円 の事業費が必要となります。
本市および他事業体の実績を考慮し適切な維持管理等を行い延命化を
図ることで、法定耐用年数の2倍で更新を目指した場合
年間 11.2億円 まで抑制できます。
3章の課題を解消するための具体的な対策を示します。
1 老朽施設、経年管路の更新
1.安定給水の確保
1 水源の保全
2.安心で安全な
水道水の確保
※ 25年度の給水収益は14.6億円。
2 災害対策の強化
3 簡易水道事業の統合整備
120
120億円
整備事業費(現在価値化)の推移
100
2 水質管理の強化
3 未普及地域の解消
1 民間委託の活用
2 工事コストの縮減
3.健全経営の推進
3 人材の育成
80
40
4 給水サービスの向上
5 適正な水道料金の設定
1 省エネルギー対策
2
4.環境への配慮
クリーンエネルギーの導入
3 再生資源の有効利用
4 有効率の向上
15年
20
22.5億円(法定耐用年数で更新)
11.2億円(法定耐用年数の2倍で更新)
2 安心で安全な水道水の確保
1 安定給水の確保
水質管理の強化
浄水施設等の整備及び施設規模の
見直し
毎年 「水質検査計画」を策定し、
確実で正確な水質監視を行い、
検査結果をホームページ等で公
表します。
水源から蛇口までの全ての段階
で発生する水質に影響する事故
等に対応するため、「水安全計
画」を策定し、この計画に基づ
き危機管理体制を強化します。
濁り水の発生を抑制するため、
効果的な対策の検討を行います。
上福井浄水場の管理センターを
耐震化された建物に更新します。
小規模浄水場(池内、城屋、和
江)を廃止します。
上福井浄水場の施設規模を縮小
します。
(60,000㎥/日を
45,000㎥/日に縮小)
水道管の更新と耐震化
アセットマネジメントの分析結
果を踏まえ、老朽化した水道管
を更新します。
耐震性の向上を図るため、地震
に強い水道管に更新します。
3 健全経営の推進
他の公共工事との同時施工や工事手法の変更、施設規模の
見直しなどにより事業コストを縮減します。
民間委託の導入事例等を研究・検討し、有効な場合は導入
を推進します。
簡易水道事業の統合整備
東大浦と池内、四所地域の簡易水道は、上水道と水道管で接続
し、上水道と管路で統合します。
その他地域の簡易水道は、上水道事業に経営統合します。
平成26年度
上水道
1事業
簡易水道 19事業
平成29年度から
上水道
1事業
4 環境への配慮
施設更新時に省エネ型機器を
積極的に導入します。
太陽光などの自然エネルギー
を活用します。
老朽化した水道管の更新や計
画的な漏水調査により、有効
率の向上に努めます。
第6章 事業計画の概要
平成
事業計画
前 期
後 期
合 計
22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 31年度
上福井浄水場の管理棟等の更新
28.5億円
約31億円
浄水施設の統廃合
0.1億円
約0.6億円
0.5億円
二箇取水場の取水ポンプ更新
約4.8億円
4.8億円
配水池再整備
配水池再整備
約6.1億円 約95億円
5.8億円
0.3億円
管路の更新、開発等による布設
23億円
27億円
約50億円
2.5億円
後期計画期間に取組む主な事業
内容と実施年度、概算事業費は右
の表のとおりです。
上水
推進体制
応急給水施設整備
水道利用者である市民や商工業
者の意見や要望、また、学識経験
者の評価や助言を取り入れ、利用
者の視線に立った事業推進を図り
ます。
経営計画の検討
45
応急給水施設整備
0.4億円
0.1億円
簡水
1.5億円
簡易水道の統合整備
23億円
9億円
合計
約61億円
3
2
35
1
30
0
25
▲1
億円
20
15
10
5
0
H23
H24
収 入
支 出
約2億円
約32億円
約127億円
今後の水需要予測や事業計画等に基づく 後期5カ年の経営見通し等は次のとおりです。
収支見通し
H22
0.5憶円
約66億円
40
億円
約0.5億円
その他施設維持・更新
H25
H26
H27
H28
H29
料金収入
企業債
その他
維持管理費
企業債償還金
建設費等
H30
H31
80
70
60
50
40
30
20
10
0
億円
損益見通し
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
企業債残高
H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31
28年度に収支が均衡し、29年度からは赤字に、また、簡易水道の統合などにより起債残高の増加が見込まれます。
経営改善を進めるとともに、施設の更新財源等を確保するため、水道料金の適正化について検討を行う必要があります。
前期の主な実績
①上福井浄水場の管理棟等更新事業
【取組状況】
⑤管路の更新
【取組状況】
上福井浄水場の施設更新に着手し、平成 23
前期に配水管更新整備計画を策定しました。
年度には消毒設備の完成、24 年度には管理セン
更新においては、統廃合や減径等検討し、
ター施設更新事業が防衛省の補助事業に採択さ
19.2km の管路を更新しました。平成 24 年度
れ、26 年度にはポンプ棟が完成しました。
からは、今までの管路に比べ長寿命の耐震管
(GX 管)を採用しています。
②浄水施設の統廃合
【取組状況】
平成 23 年度、大波隧道配水池完成により、
河辺系統を上福井系統に統合。これに伴い、河
辺浄水場、河辺配水池を休止しました。25年度
には天台浄水場を休止しました。
⑥災害対策の強化
応急給水施設
【取組状況】
平成 22 年度に榎配水池に応急給水施設を設
置し、市内の応急給水施設は東地区 4 か所、西
地区2か所、計6か所になりました。
③二箇取水場の取水ポンプ更新事業
【取組状況】
経済産業省の省エネ補助事業に採択され、
25年度には電気棟の新築、受変電設備の更
⑦簡易水道事業の統合整備
【取組状況】
平成22 年度に河辺地区が上水道へ編入完了し、
新が完了しました。26年度には取水ポンプ
26 年度には岡田中地区の施設統合が完了しまし
2台の更新が完了しました。
た。
池内・四所地区は、27 年度末、東大浦地区は
④配水池の再整備
28 年度末統合に向け現在実施中です。
【取組状況】
平成 22 年度に防衛省の補助事業で、榎配水
池(16,000m3 )が完成しました。23 年度に
は、大浦地域の安定供給を確保するため、大波
隧道配水池(1,200m3 )が完成しました。
舞鶴市水道部
電話:0773-62-1633
http://www.suido.maizuru.kyoto.jp/index.html
メール:[email protected]