猪名川町地域農業再生協議会水田フル活用ビジョン(PDF:153.9KB)

猪名川町地域農業再生協議会水田フル活用ビジョン
1
地域の作物作付の現状、地域が抱える課題
本町は、営農計画書提出農家数が979戸、耕地面積が約500ha、うち水田面積
が約458haである。水田面積に占める主食用米面積の割合が約43%で、転作作物
に占めるソバの面積(約26ha)が多く、土地利用型作物の栽培が盛んである。
このような状況のなか、当該地域では零細で分散型の農地所有者が多く、米の価格の
低迷、生産者の高齢化等厳しい状況に直面しており、担い手への集積を進めるなど、経
営規模の拡大を進めなければならない。
また、農家の高齢化、担い手の不足など農業を継続することが困難な農家にあっては、
不作付地の拡大が懸念されており、農地の活用が課題となっている。
2
作物ごとの取組方針
町内の約458ha(不作付地を含む)の水田について、米の生産数量目標が減少傾
向にあるなか、適地適作を基本として、産地交付金を有効に活用しながら地域振興作物
の推進など作物生産の維持、拡大を図ることとする。
また、米については、主食用米の作付減少を見込んだうえで、その減少分を加工用米
など、需要が見込める他用途米への転換、あるいは本町の地域振興作物であるソバ栽培
への転換を進める。
(1)主食用米
主食用米は、現状、約195ha作付され、水田面積の約43%を占める基幹作物と
なっている。
今後、5年間は国による生産数量目標の配分が続くことになるが、本町に対する配分
面積は毎年のように減少している現状のなかで、農家からは前年の作付を維持していく
ことが望まれている。主食用米の需要が落ち込むなか、本町では付加価値の高い米づく
りや、需要が見込まれる品種の導入等により、地域ブランドの確立を進めることで、こ
れまでどおり基幹作物としての作付を確保する。
主食用米
平成25年:19,526a
→
平成30年:19,000a
(2)非主食用米
本町では、非主食用米の取り組み実績が少なく、平成26年産で初めて65.7a 作
付した。
これまで、平成11年から農家の高齢化等による遊休農地が増加したことを受けて、
農地の有効活用を進めるための施策として、ソバ栽培を強力に振興し、主食用米は、国
から示された生産数量目標を100%達成するなかで、配分を超過する水田については、
水田を最大限活用するため比較的労力の少ないソバ栽培を行ってきた。
今後も、需要が見込める加工用米について、JA兵庫六甲と連携し、地元の実需者と
の結びつきを強化し生産拡大を図っていくこととする。
加工用米 平成26年:66a → 平成30年:200a
(3)麦、大豆、飼料作物
麦、大豆は、これまでも支援施策を設けるなど取り組みを進めてきたが、気候や土質
の問題から栽培に適さないという結論に至っている。そのようななかで、今後、麦、大
豆の振興を図るため、ほ場整備田を中心にして農地の集積を進めていくとともに、排水
対策や肥培管理の徹底により品質・収量の向上を図ることで、経営の安定を図る。
麦、大豆
平成25年:226a
→
平成30年:300a
(4)そば、なたね
平成11年より、遊休農地対策と併せて、本町の新たな特産品づくりを目的としたソ
バ栽培に取り組んでいる。取組当初は4haの栽培だったが、現状では26haの栽培
となっている。ソバは、天候の影響が大きく、毎年の収量が安定しないという問題があ
る。そのため、弾丸暗きょ等による排水対策などを徹底することで収量の安定化を目指
す。
なたねについては、今後大幅な需要の増加が見込まれないため現状の面積を維持して
いく。
ソバ
平成25年:2,632a
→
平成30年:3,000a
(5)野菜
本町では、平成12年11月に道の駅いながわを開所し、農産物販売所を併設してい
る。道の駅いながわでは、直売所として新鮮で安全、安心な農産物を販売している。開
所以来、売り上げは好調であり、出荷農家にとっては生産意欲の向上に寄与している。
今後も、道の駅いながわを核とした、農産物の出荷を推進するなかで、出荷農産物の大
半を占める野菜の生産拡大を目指していく。
また、安全で安心な農産物を提供することで、地域ブランドを確立するため、すべて
の生産段階において適切な生産基準に基づいた生産工程を管理する。この他、環境に配
慮した生産方式の導入を促進し、兵庫県認証食品(推奨ブランド、安心ブランド)への
誘導を図っていく。
野菜
果樹
花き・花木
平成25年:7,065a
平成25年:
968a
平成25年:1,016a
→
→
→
平成30年:8,100a
平成30年:1,500a
平成30年:1,200a
(6)不作付地の解消
不作付地(約17.8ha)については、既に担い手への集積を計画している農地も
あるが、現在も改善が見込めない農地について、作物生産が可能な水田については、担
い手への集積を進める。また、作物生産が困難な農地については、景観作物等を作付す
るなど不作付地の解消を進める。
3
作物ごとの作付予定面積
平成 25 年度の作付面積
平成 27 年度の作付予定面積
平成 28 年度の目標作付面積
(ha)
(ha)
(ha)
主食用米
195
190
190
飼料用米
0
0
0
米粉用米
0
0
0
WCS 用稲
0
0
0
加工用米
0
1
2
備蓄米
0
0
0
麦
0
0
0
大豆
2
3
3
飼料作物
0
0
0
そば
26
27
28
なたね
0
0
0
101
104
120
野菜
71
71
80
花き・花木
10
11
12
果樹
10
10
15
雑穀
0
0
0
地力増進作物
7
7
7
景観形成作物
2
4
5
その他
1
1
1
作物
その他地域振興作物
4
平成 28 年度に向けた取組及び目標
取組
番号
対象作物
1
そば
ひょうご安心 ブ
2
ランドの認証 を
取った野菜
3
そば
取組
そば品質確保加算
ひょうご安心ブラ
ンド認定作物
団地化加算
分類
※
指標
平成 25 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
(現状値)
(予定)
(目標値)
ア
実施面積
26
27
28
ウ
実施面積
0.7
28
29
イ
実施面積
6
7
7
※「分類」欄については、実施要綱(別紙 16)の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入して下さい。
(複数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組に該当するものをいずれか 1 つ記入して下さい。
)
ア
農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組
イ 生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組
ウ 地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物
を生産する取組