秋田県立比内養護学校 地域支援部 地域支援だより No,3 日時:7月27日(月) 平成27年8月28日発行 場所:秋田職業能力開発短期大学校 大館市教育研究所との共催で行われたスマイルサポートセミナーについてご報告いたします。 30度をゆうに超える快晴の一日でしたが、外の気温に負けず、真剣な表情で講義に聴き入った り、子どもたちのための有効な支援方法について話し合ったりと、先生方の熱気が冷めない研修 となりました。3号では研修の様子をお伝えいたします。参加していただいた先生方には、アン ケートにご協力いただきありがとうございました。今後も、地域の皆様の期待に添うような研修 の企画・運営に努めたいと思います。 第2回 気がかりな子どもへの有効な支援について~事例の検討 講 師 本校教育専門監 小笠原英紀 概要 気がかりな子どもは、オリジナル発達の子ども。園、学校、家庭、地域等で過ごしにくさを感 じている。みんなと同じようにすることを求めるのではなく、適切な支援で、感性や個性を生か して活躍できるように育てたい。気になる行動への代表的な対応策として、以下のことが考えら れる。 ①怒る・イライラする~その場を離れてクールダウンする・話を聞く・落ち着くまで沈黙する。 ②不適切な発言・騒音~ついたての利用・声の物差しの提示・無視・別室など静かな環境での学 習・適切な行動をイラストで提示・短く注意・適切な行動を示す。 ③おしゃべりする~発言するときしない時のメリハリをつける・活動を具体的に示す・発言のル ールを示す・良い姿をほめる・サインを提示する。 ④暴言や乱暴~言葉で解決する方法を教える・良い言葉、嫌な言葉の表を作る・対処法を考える ⑤他児をゲームに入れない~勝ち負けの予告・小集団から活動する・写真カードなどでメンバー 表を作る・大勢のほうが楽しいゲームを行う。 など 支援者との信頼関係を高めることで対応の効果は変わっていく。見方を変えて、子どもの自己 評価を高め、肯定的な注目を与え続けて育てていくことが好ましい行動を増やすことにつながっ ていく。 講義の後、グループに分かれ、今困っている事例を持ち寄り、情報交換と対応策について協議 が行われました。各学校等での支援例や具体的なアイディアについて、熱心な議論が展開されま した。 事例提供者からは、「いろいろな支援があると感じた。だめ なところばかりを見ないようにしたい。」「早速明日から使 ってみたい。」などと、とても参考になったという意見が多く 寄せられました。 -1- 第3回 授業のユニバーサルデザインとインクルーシブ教育 ~しかけを作る国語授業~ 講 師 授業のユニバーサルデザイン研究会代表 筑波大学附属小学校教諭 桂 聖氏 概要 教科教育と特別支援教育は連続的であり、すべての子どもにねらいに基づく「合理的な配慮」 をすることが求められている。授業をユニバーサルデザイン化することで、授業でのバリアを取 り除くことができる。障害のあるなしにかかわらず、授業でつまずきを示す子どもたちのより良 い学びのために、レベルを低くするのではなく、ねらいの本質を考え、当たり前のことを丁寧に 進める教材研究をしていくことが必要である。 本講演では、光村図書国語4年下『3つのお願い』ルシール=クリフトン作・金原瑞人訳を題 材として模擬授業が行われた。小学校国語科の音読や主題のとらえ方等に関して、各学年段階の ねらいを押さえること、その理解に至るために表現する機会を細かく設定すること、ペアになっ て読み合ったり発表し合ったり、間違い探しをしたりと、全ての子どもが言える、言いたくなる 環境作りと仕掛けを作ることの大切さを感じられる模擬授業であった。さらに、子どもたちに見 立てられた参加者の良い態度や、必要となるマナーなどをほめながら、学習集団としての規律も 高めていく言葉掛けなど、桂氏の数々の仕掛けに、知的探求心を揺さぶられた会場からは、その 都度感嘆の声が多く上がり、笑顔や多くの意見交換であふれかえった。 講演後、参加された皆さんから、「授業の組み立て方について、今ま でバラバラに悩んでいたことが、目の前に解答として示された感があり、 大変良かった。」「ポイントが分かって、いつももやっとした国語授業 をしているのが改善できそうな気がしました。」「次々と出てくる資料 や言葉の全てを、聞き逃してはいけないと思わせる内容でした。もっと 時間が欲しかった。」など、たくさんの感謝の感想が寄せられました。 ぜひご参加ください! 参加申込書の発送は2ヶ月前を 予定しております。 第4回 日時:2015年11月11日(水)15:30~17:05 場所:秋田県立大館国際情報学院中学部・高等学校 講師:本校教育専門監 小笠原英紀 演題:思春期の発達障害と二次障害予防 第5回 日時:2016年1月5日(火)14:00~16:00 場所:比内福祉保健総合センター ハートヒルとっと 講師:東京都青山特別支援学校上級コーディネーター 川上康則氏 演題:(仮)発達のつまずきから読み解く支援アプローチ ~つまずきのある子の心をつかむテクニック~ **気がかりな幼児児童生徒への支援を一緒に考えます。何でもご相談ください!** 地域支援部 教育専門監 小笠原 英紀 特別支援教育コーディネーター 畠山 佳子 【問い合わせ先】比内養護学校 TEL:0186-55-2131 FAX:0186-55-2132 E-mail:[email protected] -2-
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