高崎駅前校 佐藤 匠 日本史・世界史は流れと因果関係

高崎駅前校 佐藤
匠
日本史・世界史は流れと因果関係
28年度受験生へ向けた、センター試験の日本史・世界史という歴史分野の学習方法につ
いてアドヴァイスします。
近年のセンター試験の歴史分野は、「歴史は暗記だ」などという認識では点を取ることは
難しくなっています。センター試験で高得点を取るためには歴史の流れ、因果関係をとら
えることが大切です。まず全体像を把握し、そこから個別・具体性へ至るのが迂遠に見え
ますが理解への早道です。学習の手順例を挙げるので参考にしてください。
5月
流れをとらえる学習から始めましょう。最初は教科書を読み込みます。一回で完全
に理解するつもりで読むのではなく、できるだけ速く、できるだけ多く読むことを
心がけます。この時色ペンを持って重要な所に線を引きながら読むとよいと思いま
す。この段階では少し幅を広げた歴史の本も読むことをお薦めします。日本史だっ
たら與那覇潤『中国化する日本』
(文藝春秋二〇一一)、世界史だったらグローバル
ヒストリーの、ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』
(草思社文庫二〇一二)
などです。またマンガもよいと思います。水木しげる『コミック昭和史』
(講談社)
もお勧めします。先ずはこのような流れの把握に時間を費やすとよいでしょう。
6月
山川出版社の用語集を活用します。教科書を読んだだけでは理解できなかった語句
を、歴史の流れを意識しながら確認していきましょう。この段階まではノートを作
る必要はないと思います。
7月
夏休みになったら過去問や模試を用いた学習を始めます。まずは解いてみて、解け
なかった問題とその周辺の事項についてノートを作ります。この段階ではできるだ
け手を動かし、模試の解説よりも教科書・用語集・図表を活用してください。模試
の過去問題も使い多くの問題に接し、自分の苦手な部分を探し、そのノートを充実
させていきます。
10 月
Z会の『実力をつける日本史100題』や『実力をつける世界史100題』を使用
します。このテキストを使用することで歴史の流れを再確認し、「なぜそうなるの
か」を考える姿勢を身につけます。
12 月
教科書の索引の書き取りを行います。その際、この語は何時の、どのような状況で
用いられていたのか思い出しながら書き出します。もし思い出せないようであれば
用語集を用いてノートの適切な場所に書き加えてください。
1月
教科書を読み返し、無理をしないでセンター受験のため体調を整えてください。
歴史分野はやることさえやっておけば安定して点が取れる教科です。文系の生徒だけで
なく、常に因果関係を意識する理数系の生徒にも実は向いている科目なのです。一年間集
中して学習すれば、受験以後の人生でも役に立つ知見が得られると考えています。