3-第8-P①-6 一般演題 9月3日(木) 13:00∼14:00 第8会場 パシフィコ横浜 会議センター4階 414 業務改善と効率化① [座長]佐野 誠(介護老人保健施設あじさい) 第1群:102 通所リハビリ 第2群:204 工夫・新たな取り組み 第3群:P3370 業務改善と効率化 ケア業務 通所連絡ノートを複写式にしてケアに費やす時間の確保 通所リハビリテーション いなば幸朋苑 米田 裕子、小谷 由紀子 当通所リハビリテーションでは、日々の業務に追われ、利用者とゆっくり関わる時間が不足していた。今回、連絡ノ ートを複写式にしたことで記入に費やす時間が短縮し、利用者に関わる時間が増加した。 【はじめに】 当通所リハビリテーションでは、日々の業務に追われ、利用者とゆっくり関わる時間が不足していた。平成20年か ら連絡ノートの記入は利用者自身が行ってきたが、カルテの個人記録は職員が記入しており、内容が重複していた。 今回、連絡ノートを複写式にしたことで記入に費やす時間が短縮し、利用者に関わる時間が増加した。この取り組み と成果を報告する 【概要】 定員 :45名 平均要介護 :2.1 契約利用者数:145名 延利用者数 :1,138名 平均稼働率 :94.5%(日曜日定員5名) 職員数 :17名 (看護師1名) 介護方式 :固定チーム体制 【目的】 記録時間の短縮で個別ケア実施の増加 【取り組み】 期間:平成26年7月∼ 対象:利用者 145名 1.用紙の改善と記入のポイント(図1) 1)用紙サイズをB5⇒A4に変更し、連絡ノートと個人記録を同一にして複写式に変更 2)バイタル、水分量の欄を大きくし、活動のチェック欄を追加 3)縦に時間軸と、活動記入欄を設けた 4)表情(体調)を書き込めるように、「にこちゃんマーク」を入れた 2.環境整備と利用者・職員への説明 1)各テーブルにボックスと連絡ノート用紙を設置 2)連絡ノートのファイルを片手でも挟めるワンタッチ式に変更 3)リハビリ、入浴など実施した活動と水分量をその都度記載するように説明 4)職員は、担当利用者のテーブルでお互いに記入方法の確認と1日の振り返りをしながら記録・確認を行う 5)毎月のチーム会で振り返りを行い課題の把握と改善点を検討 【成果】 1)用紙のサイズを大きくしたことで、利用者が記載しやすくなった 連絡ノートを複写式に変更し、職員の個人記録を記入する時間が利用者一人あたり約5分、全体で約220分短縮でき た 2)活動のチェック欄を追加し、個人の能力に合った記録が可能となった 3)時系列になっているため、時間帯の活動が分かりやすくなり、利用者自身、スケジュールの把握ができるようにな った 4)「にこちゃんマーク」を入れその日の体調を絵で表わすことで、バイタルだけでは把握できない体調の変化や気分を 把握できるようになった 5)以前は職員が配布していた用紙を、利用者が自らとることができるようになり、また、ファイルの変更により、片 麻痺の利用者も用紙を自分で挟むことが出来るようになり、利用者の自主性を促すことが出来た 6)バイタルや水分量をその都度記入するため、本人・職員が体調の変化に気付き、水分摂取の促しができ水分量の確 保へ繋がった 7)職員は利用者と過ごす時間が増え、在宅での生活等の情報収集が出来るようになった 利用者と関わる時間が増加し、会話の中で「家でもコーヒーをいれたい」「炊事・洗濯をして娘の家事を手伝い たい」という思いを聞き取ることが出来た。家事動作訓練をケアプランに追加しリハビリ職員と協働で主体性を持っ た在宅生活を支援することができるようになった 8)新規利用者で職員の声掛けにほとんど反応しない方が、ノートには自分の思いや、リハビリでの注意点・職員への 感謝が綴られており、利用者の想いを知ることが出来た(図2) 9)複写式に変更後、自己記入者数が73名から128名に増加した 【まとめ】 利用者にとっては記録する事がケアの一部になっていると考える。利用者同士が相談したり、職員との会話も弾み 楽しみながら記入でき、相乗効果があったと考える 今後も、利用者の必要なニーズを汲み取り、在宅での生活が続けられるように通所リハビリテーションとして何が 出来るか目標を明確にしてケアに取り組んでいきたい
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