き き さ さ ら ら づ づ 木更津市グループの取組み - 水 産多 面的 機能 発揮 対策 - 1.地域の概要 当グループが活動する木更津市は、房総半島のほぼ中央部の西海岸に位置し、東京湾に面して東西に 22km、南北に 15km、面積 139 平方 km を有している。東京湾アクアラインの開通により、都心からわずか1時間という地理的条件を有したため、人口が増加傾向にあり、 近年は大型商業施設が次々開業しており、このような交通の利便性から、春から夏にかけて、都心から大勢の観光客が「潮干狩り」に訪れ る。 木更津市の海岸線は約 16 ㎞、その沖合には盤洲干潟と呼ばれる東京湾随一の干潟が広がり、この遠浅の海は、ノリ養殖や貝類養殖 の絶好の漁場となっている。このため、木更津の多くの漁業者が海苔養殖や採貝業に従事し、干潟に依存した漁業形態となっている。 1000 2.地域(干潟)の現状と課題 3.グループ(活動組織)の概要 23~27mm 700 16~23mm 600 11~16mm 500 7~11mm 400 3.8~7mm 300 200 100 2月 4月 6月 8月 10月 12月 2月 4月 6月 8月 10月 12月 2月 4月 6月 8月 10月 12月 2月 4月 6月 8月 10月 0 上記課題に対応するため、平成23年度から環境・生態系保全対策、平成25年度からは水産多面的機能発 揮対策に取り組んでいる。市内6つの漁業協同組合の組合員と地域住民が中心となり、15の活動組織を設立 し、「木更津市グループ」として地域一体となった活動を展開している。 牛込 2 27~30mm 800 アサリ個体数(個/m2) 採貝漁業の主要な貝類であるアサリの漁獲量は、平成 19 年以降激減し、現在も低迷状態が続いている。原因と して、ノリ養殖支柱柵が減少し、干潟に入る波が大きくなったこと、食害生物のスズガモ飛来数が多くなったこと、ア サリを食害するツメタガイやアオサの繁茂による環境悪化、平成 19 年以来、カイヤドリウミグモという寄生生物が発 生し、アサリが死滅したことなどがあげられ、これらの複合要因によって漁業に大きな被害が発生している。 牛込 4 30mm~ 900 牛込 1 干潟・浅場の保全活動項目 4月 5月 平成23年 6月 7月 金田 1 9月 死殻の除去 機能低下を招く生物の除去(腹足類) 機能低下を招く生物の除去(節足類) 金田 5 機能低下を招く生物の除去(その他) 保護区の設定 稚貝等の沈着促進 久津間 木更津中里 機能発揮のための生物移植 モニタリング地点(アサリ) モニタリング地点(ウミグモ) 木更津 1 12月 1月 2月 実施組織 牛込、金田、江川、木更津 活動グループ 全組織 浮遊堆積物の除去 木更津 2 11月 牛込、久津間、江川、中里、 木更津活動グループ 久津間活動グループ 稚貝の密度管理 凡 例 活動エリア 江川 10月 牛込漁協第1・2・3・4活動グ ループ 金田、久津間、江川、中里、 木更津活動グループ 牛込、金田、久津間、江川、 中里活動グループ 牛込、金田、久津間、江川、 中里、木更津活動グループ 牛込、久津間、江川、木更 津活動グループ 牛込、久津間、中里、木更 津活動グループ 金田、久津間活動グループ 金田 4 金田 6 平成26年 8月 客土 金田 3 平成25年 木更津市のアサリ資源量の変化 牛込 3 金田 2 平成24年 2 モニタリング ※機能低下を招く生物の除去のうち、(腹足類)は主にツメタガイとその卵塊を、(節足類)はカイヤドリウミグモ、 (その他)はアオサを中心に除去している。 4.グループ(活動組織)の活動状況 機能低下を招く生物の除去(アオサ) 稚貝の密度管理 機能低下を招く生物の除去(ツメタガイ) 死殻の除去 浮遊堆積物の除去 2010 年からの環境・生態系保全対策、2013 年からの水産多面的機能発揮対 80 16 策の大きな活動項目としてウミグモ 寄生確認率 70 14 寄生強度 除去を徹底して行い、完全に除去 60 12 することは出来ないものの、アサリ 50 10 40 8 への寄生率、寄生個体数ともに半 30 6 減するとともに、ウミグモ寄生による 20 4 死亡がほぼみ 10 2 られなくなり、 0 0 除去成果が現 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 れている。 木更津地区のウミグモの寄生確認率と寄生強度* 近年のノリ養殖支柱柵の減少とともに波が大きいままで干潟に入るようになり、干潟沖 側の侵食や冬季のアサリの減耗が大きくなるという深刻な傾向がみられるようになってい る。この対策として、活動グループでは孟宗竹や孟宗竹割竹の柵による保護区を設置 し、割竹柵の保護 区では背面のアサ リが保護され、漁 獲に結び付く成果 が得られている。 水産多面 的機能発 揮対策委 6月18日 7月31日 9月4日 10月16日 1月8日 3月27日 6月3日 8月18日 10月24日 1月6日 3月25日 6月4日 8月12日 10月29日 1月7日 3月25日 6月7日 8月19日 12月17日 4月11日 6月23日 9月7日 1月12日 4月25日 7月10日 10月16日 3月6日 7月10日 11月14日 5月14日 8月7日 環境・生態 系保全活動 寄生強度 【保護区の設定】 ウミグモ寄生確認率( %) 【機能低下を招く生物の除去(ウミグモ)】 ウミグモ * アサリに寄生しているウミグモの平均個数 孟宗竹の設置 注:2010 年は自主努力による駆除 平成26年度 水産多面的機能発揮対策事業 割竹の設置
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