鋳造Mg合金の高サイクル疲労特性に及ぼす Ca添力口と均質化処理の

士
修
術
後藤
名
文
論
題
目
の
和
博 士前期 課程
大 学院 電気 通信 学研 究科
氏
文
光信
文
要
旨
知能機 械 工学 専攻
学籍 番 号
0834023
鋳 造 Mg合 金 の 高 サ イ クル 疲 労 特 性 に及 ぼす
Ca添 加 と均 質 化 処 理 の影 響 に 関す る研 究
要
Mgは 実 用 金 属 中最 も軽 量 で あ るた め に注 目を集 め て い る。 Mgに 様 々 な 元 素 を
添加 して 合 金 化 す る こ とに よ つ て ,発 火 性 の 欠 点 や 機 械 的 特 性 の 改 善 が 進 ん で い
る。 近 年 ,Caを 添 加 す る こ とに よ つ て ,難 燃 化 させ た 難 燃 性 Mg合 金 (AZX911)
が 開発 され た .本 研 究 で はAZ91,AZX911,及 び 供 試 材 を均 質 化 処 理 した 材 料 に
対 して 疲 労試 験 を行 い ,Ca添 加 お よび 均 質 化 処 理 が 疲 労 特 性 に与 え る影 響 に つ い
て 調 査 した 。 さ らに ,鋳 造 方 法 や 試 験 片 の 表 面 粗 さが疲 労 特 性 に与 え る影 響 を調
査 した 。 ま た ,AZ31,AZ61,AZ91に つ い て 107回 以 上 の 超 高 サ イ クル 域 の 疲 労 強
度 を比 較 した 。 以 下 に 得 られ た 結 果 を示 す
.
AZX911と AZ91の 疲 労 寿 命 を比 較 す る と,高 応 力 域 で は 両者 に差 は な い が
107回 疲 労 強 度 は AZX911の 方 が 10MPa低 くな っ た 。両供 試 材 の き裂 起 点 は
β相 自体 も し くは α相 とβ相 の 界 面 で あ つ た 。 よっ て ,AZ91に 比 べ て AZX911
,
うん
の 107回 疲 労 強 度 が 低 下 した理 由 は ,β 本目に析 出 した A12Caが β相 自体 の き裂
発 生 抵 抗 を 下 げ た こ と,ま た は A12Caに よっ て 硬 化 した β相 とα相 の 硬 さ の
差 が 大 き くな っ た た めで あ る 。
AZ91に 均 質 化 処 理 を施 した 結 果 ,高 応 力 域 の 疲 労 寿 命 は均 質 化 処 理 材 と未
処 理 材 で 差 は な か つ た が ,107回 疲 労 強 度 は均 質 化 処 理 材 の 方 が 10MPa上 昇
した .均 質 化 処 理 材 は β相 が 完 全 に 消 失 した た め に き裂 起 点 はα本日で あ つ た 。
ま た ,α 相 か らの き裂 発 生 抵 抗 は β本目よ りも高 い た め に ,107回 疲 労 強 度 が 上
昇 した と考 え られ る
AZX911に 均 質 化 処 理 を施 した 結 果 ,高 応 力 域 の 疲 労 寿 命 は均 質 化 処 理 材 と
未 処 理 材 で 差 は な か つ た が ,107回 疲 労 強 度 は均 質 化 処 理 材 の 方 が 10MPa低
下 した 。 均 質 化 処 理 材 の β相 は Mg2Ca+A12Caと な り,α 相 とβ本目の 界 面 の 強
度 が 低 下 し,き 裂 が 界 面 か ら発 生 した た め に ,均 質 化 処 理 材 の 方 が 107回 疲
労 強 度 が 低 下 した 。
AZ91の 連 続 鋳 造 材 とダ イ カ ス ト材 の 疲 労 特 性 を調 べ た 結 果 ,両 者 の 疲 労 寿
命 と疲 労 強 度 に 差 は 見 られ な か つ た 。
AZ91の ダイ カ ス ト材 を用 い て ,表 面粗 さの 影 響 を調 べ る た め に ,機 械 加 工
の ま ま材 と表 面研 磨 仕 上 げ材 の 疲 労 特 性 を 調 べ た 結 果 ,両 者 の 疲 労 寿 命 と疲
労 強 度 に差 は 見 られ な か つ た 。
AZ61,AZ31は 107回 以 上 の 高 サ イ クル 域 にお い て ,疲 労 強 度 が 低 下 す る現
象 が 見 られ た .こ れ は ,双 晶 変 形 か らす べ り変 形 へ の 破 壊 形 態 の 移 行 が 原 因
で あ る と考 え られ る。 しか し,AZ91は 双 晶 変 形 か らす べ り変 形 へ の 破 壊 形
態 の 移 行 が 起 こ らず ,107回 以 上 の 高 サ イ クル 域 で の 疲 労破 壊 は 見 られ な か
った
.
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