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【総括:マクロ経済】
「2015年展望-日本経済、どう動く!」
-デフレ脱却への期待は現実のものになるか、”ファンタジー(幻想)”で終わるか-
2015年2月
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 エクイティリサーチ部
チーフエコノミスト
佐治 信行
Please refer to important disclosures and certifications located in Appendix A of this report.
2015年: 1) 円安で過去最高益更新は製造業ではなく非製造業。
2) 新興国の成長に限界、与信膨張。米国の交易条件改善。

日本、安倍政権発足して2年経過

⇒ 賃金上昇が中小企業(就業シェア87%)に広がっていない。
国別GNP/GDPギャップ
円安・デフレ脱却: 40円/ドル以上の円安進行で大企業の損益分岐点が大幅改善(過去最高)。
例) CPI3%強上昇のうち、消費税率引き上げ分は1.7%、残り1.3%のうち円安による影響は95%(当社試算)。

4.0
財政支出拡大: 自民党は民主党の年間国債発行限度額44兆円を撤廃。将来的均衡は約束するが。
0.0
-1.0
新興国金融と米国交易条件

⇒ 資源新興国(ロシア、ブラジル等)に対外収支赤字と与信膨張の問題。
1980年
資源新興国の弱点: 2014年からの原油価格の急落で資源新興国の成長制約が露呈してきている。
4.0
中国の過去大型投資: 「理財商品」、銀行が預金者に販売する投資信託に中国金融の矛盾。
予測
1-3月期
4-6月期
7-9月期
10-12月期
1-3月期
4-6月期
2015年
7-9月期
10-12月期
名目GDP成長率
(前期比)
1.2
0.4
0.2
0.2
1.3
0.1
-0.9
0.9
実質GDP成長率
(前期比)
1.5
0.7
0.4
-0.4
1.4
-1.7
-0.5
(前年比)
(前期比年率)
0.5
6.0
1.4
3.0
2.2
1.6
2.3
-1.5
2.5
5.8
-0.3
-6.7
-1.3
-1.9
ESPフォーキャスト(前期比年率、2015/1/13)
1-3月期
4-6月期
2012年度
7-9月期
10-12月期
0.5
0.5
0.1
-0.2
0.8
0.2
0.4
0.3
-0.1
0.0
3.2
3.40
-1.2
0.8
2.17
0.9
1.6
1.78
1.7
1.1
1.66
実績
2013年度
2013年
2014年 度
2015年 度
MUMSS予測 MUMSS予測 MUMSS予測
0.1
1.8
1.1
1.0
0.7
-0.5
1.52
1.0
2.1
-0.8
1.0
-0.60
1.3
1.1
2000年
2010年
1.5
0.0
(%、%pt)
2014年
2010年
米国
1.0
例) 100ドルのGDPを作るのに日本は6ドル、米国は8ドル、ドイツ11ドルの高機能ソフトを組み込み(当社推計)。
2013年
2000年
(GNP/GDPギャップ、暦年)
2.0
米国の知財主導型成長: 2010年以降交易条件が大幅に改善、連れて経常収支赤字半減の方向か。
日本経済見通し
(%)
1990年
3.0
例) 「政策性金融債」と言う中国開発銀行、鉄道総公司などが発行する債券(10兆元前後)が2016年に償還集中。

-0.0
-2.0
例) ロシア、ブラジル、マレーシア、インドネシア、南アフリカの5ヵ国に特徴的な、工業製品貿易収支の赤字と与信膨張。
与信膨張を支援してきたのは米国、欧州、日本の異次元金融緩和政策。2015年米国の金融政策変更に要注意。

1.3
0.6
1.0
企業収益好調: アベノミクス2年で過去最高利益水準を更新したのは非製造業、サービス業。
3.7
2.7
2.0
例) 小売業、情報・通信業、ITサービス業の営業利益が1989年の水準を更新。製造業の営業利益は足元で頭打ち。

日本
(GNP/GDPギャップ、暦年)
3.0
例) 2015年度の補正予算編成(総額3.5兆円)、日銀金融政策・国債購入は2015年中に再々拡大を予想。
2015年度は法人税先行減税実施するも、相続税増税と個人所得税最高税率引き上げで効果相殺ほど少額。

(%)
1.75
-1.0
-0.3
-0.9
-2.0
1980年
4.0
(%)
1990年
ドイツ
(GNP/GDPギャップ、暦年)
2.8
3.0
民間最終消費支出
(前期比)
1.3
0.8
0.3
-0.1
2.2
-5.1
0.4
0.3
0.5
0.7
0.1
-0.2
1.8
2.5
-3.0
1.2
民間住宅投資
(前期比)
1.0
2.2
4.3
2.2
2.3
-10.0
-6.8
-0.5
0.0
0.0
0.0
0.0
5.7
9.3
-11.6
-2.0
民間企業設備
(前期比)
-0.9
2.5
0.5
1.0
6.2
-4.7
-0.4
1.5
0.5
0.2
0.0
0.0
1.2
4.0
0.5
0.8
2.0
民間在庫投資
(寄与度)
0.0
-0.5
0.2
-0.1
-0.4
1.2
-0.6
0.0
0.2
0.0
0.1
-0.2
0.0
-0.5
0.6
0.0
1.0
純輸出
(寄与度)
0.4
0.1
-0.4
-0.7
-0.2
1.1
0.1
0.4
-0.4
-0.1
0.3
0.3
-0.8
-0.4
0.6
0.2
公的固定資本形成
(前期比)
4.6
3.1
5.1
1.6
-2.7
0.9
1.4
-0.4
0.0
0.7
-2.1
-2.8
1.0
10.3
1.3
-2.4
政府消費
GDPデフレータ
(前期比)
(前年比)
0.8
-1.0
0.6
-0.6
-0.1
-0.3
0.1
-0.3
-0.3
0.1
0.3
2.1
0.3
2.0
0.3
1.4
0.0
1.8
0.0
0.0
0.0
0.2
0.0
0.0
1.5
-0.9
1.6
-0.3
0.4
1.9
0.2
0.0
名目GNI(GNP)
成長率
(前期比)
1.1
1.1
-0.1
0.2
1.0
0.3
-0.5
1.0
0.5
0.5
0.1
-0.1
0.2
2.3
1.4
1.4
実質GNI(GNP)
成長率
(前期比)
(前期比年率)
(前年比)
1.0
1.4
-0.2
-0.4
0.7
-1.2
-0.5
1.2
0.3
0.4
0.1
-0.3
4.2
0.8
5.7
2.2
-0.8
2.3
-1.4
1.8
2.7
1.8
-4.7
-1.3
-1.9
-1.3
5.0
0.2
1.4
-0.1
1.5
1.5
0.2
2.0
-1.3
0.5
1.1
2.0
-0.8
1.0
2013年
2.2
1.2
0.5
0.0
-1.0
-1.1
-2.0
1980年
1990年
2000年
2010年
2013年
出所: World Bank、OECD、内閣府よりMUMSS作成
注: 予測は2014年12月25日時点。民間在庫投資と純輸出は寄与度、%ポイント。
出所: 実績値は内閣府。予測はMUMSSエクイティリサーチ部作成
1
1.日本経済(1): 円安メリットが大企業に限定。分断される中小企業。
製造業が先頭の経済構造、円安でのデフレ脱却は難航。
①
110
①中小企業の賃金は1990年代の前半を除いては持続的な上昇を見せていない。
そして、2004年から2006年にかけての前回の大企業の賃金上昇局面では中小企
業の賃金上昇は顕在化しないままに終わっている。中小企業の賃金が先行的に上
昇していた時期は1990年代の初頭まで、有効求人倍率が1.4倍前後で推移してい
た時期までだ。2014年も中小企業の賃金上昇率は大企業に追随できなかった。
名目賃金指数【事業所タイプ別】
(2000年1月=100)
1)中小企業の賃金は1997年をピー
クに低下が持続。
2)2004年~2007年の円安時にも賃
金が上昇したのは大企業だけ。
(月次、季節調整値、6ヵ月移動平均値)
105
②円ドルレートが2014年に約30年ぶりの購買力平価(IMF試算)水準を下回った。
102.0円/ドルを下回る円安局面では輸出企業にとっては、収益的にポジティブ。
ただ、円レートが購買力平価(OECD試算)112.3円/ドルを下回ると、日本国民に
とっては輸入品価格が割高になる。海外製品を国内製品に即座に代替困難である
わが国の県境を勘案すると、120円/ドルを超える円安は実質所得を圧迫する。
100
2014/11
95
90
現金給与総額(5~29人事業所)
2014/11
③円安局面ごとに、1)輸出企業の円安メリット消費者還元率、2)生産能力の動向
を1990年代以降のデータで追ってみると、今回の円安局面は、1)消費者還元率が
低く無理な製品価格の引き下げに企業は動いていない、2)ただ円安に拘わらず生
産能力を引き下げており、所謂”Jカーブ効果”が現出する形態にはなっていない
ことが窺われる。今回の円安での企業の国内工場回帰の姿勢は弱い。
現金給与総額(30人以上事業所)
85
【参考】現金給与総額(500人以上事業所)
2014/11
80
90年
92年
94年
96年
98年
00年
02年
04年
06年
08年
10年
12年
14年
出所: 厚生労働省「毎月勤労統計調査(確報)」よりMUMSS作成
1. 円安時にはドル価格引き下げ。
2. 今回円安では生産能力引き下げ。
3. 中でも輸送機械セクターの生産能力減少。
【円ドル購買力平価】
1.企業部門の購買力平価は102.0円/ドル。
2.購買力平価と円ドルの最大乖離は1995年。
② 円ドル・購買力平価(IMF・OECD)
(円/ドル)
50
(暦年)
150
日米半導体協定、終了
(1996年8月)
小泉金融緩和
日米半導体協定開始
(1986年9月)
100
市場秩序維持協定
(カラーテレビ)1977年
プラザ合意
(1985年9月)
③ 円/ドル変動、輸出価格転嫁率
総合
円ドル
2014年
局面
為替
①
輸出価格
円/ドル
同
変動幅:%
2010年=100 同
(円ベース)
変動幅:%
期間
②
転嫁率/
残存率
②/①
③:%
(OECD)
IMF
1995年5月
1998年7月
円
安
局
面
83.2
143.7
72.7
119.3
143.3
20.1
27.7
OECD
IMF:GDPデフレータ基準
OECD:民間消費支出(PCE)デフレータ基準
対米乗用車輸出自主規制
(1981年5月-94年3月)
円
高
局
面
円/ドル
350
70年
75年
80年
85年
90年
95年
00年
05年
出所: IMF "World Economic Outlook"、OECD "StatExtracts"よりMUMSS作成
米国
年率:%
1982-85年=100
中国GDP
成長率
年率:%
生産能力
年率:%
2010年=100
10年
輸
出
価
格
引
下
げ
72.3
62.8
72.6
4.7
160.7
173.5
2.4
9.0
105.6
106.7
0.3
76.8
76.6
82.3
3.4
178.7
189.1
2.6
8.6
105.5
99.8
-2.5
42.7
88.1
94.4
2.7
198.3
210.4
2.3
12.7
95.8
99.6
1.5
1999年12月
2002年2月
102.2
133.9
31.0
116.7
125.1
7.2
23.2
2004年11月
2007年6月
103.2
123.2
19.4
113.2
125.8
11.1
57.3
2012年10月
2014年12月
79.6
120.6
51.5
94.7
116.9
23.4
45.5
54.5
105.9
108.9
1.3
231.0
239.3
1.6
7.7
98.3
94.9
-1.7
1990年1月
1995年5月
144.6
83.2
-42.5
160.9
119.3
-25.9
39.1
60.9
46.8
62.8
5.7
132.1
160.7
3.7
12.3
100.7
105.6
0.9
1998年7月
1999年12月
143.7
102.2
-28.9
143.3
116.7
-18.6
35.7
64.3
72.6
76.6
3.8
173.5
178.7
2.1
7.6
106.7
105.5
-0.8
2002年2月
2004年11月
133.9
103.2
-22.9
125.1
113.2
-9.5
58.5
41.5
82.3
88.1
2.5
189.1
198.3
1.7
10.1
99.8
95.8
-1.5
2007年6月
2012年10月
123.2
79.6
-35.4
125.8
94.7
-24.7
30.1
69.9
94.4
105.9
2.2
210.4
231.0
1.8
9.6
99.6
98.3
-0.2
200
300
消費者物価指数
OECD
年率:%
2005年=100
(IMF)
102.0
105.8
112.3
(1995年)
250
消失率
100-③
%
企
業
負
担
出所: 日本銀行「金融経済統計月報」、同「企業物価統計」、財務省「貿易指数」、経済産業省「生産能力指数」、OECD Main Economic Indicators, Bureau of Labor Statistics, U.S. より
2
2. 日本経済(2): 過去2年の円安で最高益を更新したのは非製造業。
非製造業設備投資復調の条件、資本装備率。
① 設備投資・営業利益対名目GDP比率【製造業】
(%)
10.0
8.2
② 設備投資・営業利益対名目GDP比率【非製造業】
(%)
10.0
9.0
(四半期、季節調整値)
8.0
営業利益
営業利益
設備投資: 右軸
4.8
6.0
4.7
8.0
8.0
6.0
7.0
4.0
6.0
2.0
5.0
10.0
2014 3Q
(四半期、季節調整値)
7.4
設備投資: 右軸
9.0
7.4
6.5
8.0
2014 3Q
4.0
3.5
2.0
7.0
6.0
5.4
0.0
1. 製造業の営業利益は今回の円安局面で2013年10~
12月以降に勢いが鈍化してきている。
2. 製造業の営業利益は1970年代以降に水準切り下げ。
-2.0
-4.0
60年
65年
70年
75年
80年
85年
90年
95年
00年
05年
0.0
4.0
5.0
-2.0
3.0
4.0
-4.0
2.0
60年
10年
③ 資本装備率(資本ストック / 就業者数)【日米】
600
500
日本非製造業: 年34.1兆円 必要
米国
日本GDP: 年481.5兆円の7.1%に相当
460.7
米国非製造業: 設備年齢22.6年
438.6
米国水準までに必要額: 770兆円
400
328.3
322.8
300
276.9
セクター
235.1
233.4
245.9
188.7
200
151.8
105.9
100
86.1
0
全産業
製造業
非製造業
卸小売
75年
80年
1. 日本の資本装備率は非製造業で米国を劣後、上昇の潜在力あり。
2. 米国の資本装備率を引き上げるには年34兆円の設備投資が必要。
(2012年)
日本
70年
85年
90年
95年
00年
05年
10年
出所: 内閣府「民間企業資本ストック統計」、財務省「法人企業統計季報」よりMUMSS作成
出所: 内閣府「民間企業資本ストック統計」、財務省「法人企業統計季報」よりMUMSS作成
(1,000ドル/人)
3.0
65年
金融保険
運輸通信
出所: 米国"Bureau of Economic Analysis"、同"Employment Statistics"、内閣府「民間資本ストック統計」、総務
省「労働力調査」よりMUMSS作成
1. 非製造業の設備投資と同収益のミスマッチが顕著。
2. 非製造業の設備投資は全体の62%(2013年)。
3. 2010年以降、建設投資循環上向きもサポート要因。
①製造業の営業利益の推移を追うと、過去2年間の円安局面で上昇を示したもの
の、1)2000年代半ばの水準を超えられてない、2)2013年10~12月期以降では延び
悩んでいる。また、製造業の営業利益は、長期的な観点で1970年以降は徐々にそ
のピーク水準(対GDP比率)を切り下げてきている。1989年の東西の壁の崩壊、
2001年の中国のWTO加盟から、製造業の収益性は圧迫されてきたことが窺える。
②非製造業は1998年のわが国の金融危機(銀行破綻等)をボトムにして着実な収
益回復及び拡大を示してきた。非製造業の営業利益は対GDP比でみて、2014年に
過去最高水準と並んだ。更にその水準(GDP比)は1970年代前半までの高度成長期、
1990年代の平成バブル期のピークを中長期に更新してきている。この2年間の円
安、消費税率引き上げの時期に、収益性拡大が非製造業で顕著なことは興味深い。
③日本の企業部門の資本装備率が米国に劣っているのは、非製造業の資本装備率
が米国に引き離されているからだ。ただ、卸小売業において日本は米国以上の資
本装備率を顕現化している。日本は1970年代の石油危機時に賃金上昇から人件
費を圧縮する手段として工場の自動化(FA化)を進めて、今や世界で最も効率化さ
れた工場運営ができる国との評価は高い。この先は非製造業の躍進に注目したい。
3
3. 日本経済(3): 非製造業でこの5年間、営業利益が大幅に拡張。
情報・通信業、小売業、ITサービス業がそれを牽引。
非製造業部門営業利益の推移
1,800
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
(10億円)
建設業
2014 3Q
(四半期、季節調整)
1,000
800
600
400
200
0
-200
-400
-600
(10億円)
電気業
(四半期、季節調整)
2014 3Q
00年
05年
建設業
1,400
(10億円)
00年
10年
不動産業
2,500
1,200
(10億円)
卸売業
(四半期、季節調整)
2,000
1,000
2014 3Q
1,500
800
2014 3Q
400
1,000
500
200
0
0
00年
不動産業
10年
2014 3Q
700
600
500
400
300
200
100
0
00年
(四半期、季節調整)
05年
10年
生活関連サービス業、娯楽業
2014 3Q
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
小売業
(四半期、季節調整)
1,800
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
(10億円)
2014 3Q
3,000
運輸業、郵便業
(四半期、季節調整)
2014 3Q
00年
(10億円)
05年
10年
運輸業、郵便業
サ-ビス業
(四半期、季節調整)
2014 3Q
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
05年
00年
10年
小売業
学術研究、専門・技術サービス業
生活関連サービス業、娯楽業
(10億円)
(四半期、季節調整)
05年
10年
情報通信業
(10億円)
00年
卸売業
宿泊業、飲食サービス業
(四半期、季節調整)
400 (10億円)
350
300
250
200
150
100
50
0
00年
05年
10年
宿泊業、飲食サービス業
05年
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
情報通信業
2014 3Q
電気業
(四半期、季節調整)
600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
-200
(10億円)
(10億円)
00年
(四半期、季節調整)
90
2014 3Q 80
70
60
50
40
30
20
10
0
05年
10年
学術研究、専門・技術サービス業
(10億円)
05年
10年
サ-ビス業
医療、福祉業
(四半期、季節調整)
2014 3Q
00年
05年
10年
医療、福祉業
出所: 財務省「法人企業統計季報」よりMUMSS作成
4
4. 資源新興国: ロシア危機で露呈した新興国の”二つの不均衡”。
1) 工業製品貿易収支の大型赤字、2) 銀行預貸比率100%超え。
新興国工業製品貿易収支
50
"MARBIs"
ロシア
(10億ドル)
(%)
(暦年)
0
2013年
-50
122.4
150
140
130
-100
120
-150
-145 110
-200
100
95年
00年
05年
預貸比率
(10億ドル)
106.4
5
5
100
0
80
0
-5
-6.5
-10
00年
預貸比率
05年
10年
工業製品収支
2013年
142.2
00年
05年
40
-20
140
0.0
(10億MYR)
99.6
00年
-2.0
60
-3.0
05年
預貸比率
10年
120
50
110
0
100
-17.7
95年
80
70
2013年
80
-200
(10億ZAR)
95年
2013年
65
55
00年
05年
10年
1) 同時に国内銀行の預貸比率が上昇。
2) 預貸比率が100%超えて海外資金に依存。
3) 先進国の金融緩和に支援された成長。
4) 先進国の金融引き締めで新興国成長遮断。
加工産業製品収支
南アフリカ
(%)
(暦年)
-100
-150
1) 新興国の工業品貿易収支は赤字拡大。
2) 特にブラジル、インドネシア、マレーシア。
3) これら国は「工業化」が進展してない。
4) 資源価格の急落が起こると対外債務拡大。
60
-50
90
85
75
-1.0
預貸比率
(%)
(暦年)
(%)
(暦年)
80
工業製品収支
マレーシア
インド
(兆INR)
95年
-10
-15
1.0
10年
-5
60
160
100
-104
預貸比率
120
(%)
(暦年)
120
95年
(%)
(暦年)
ブラジル
2013年
加工産業製品収支
10
95年
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
-120
10年
インドネシア
15
(10億ドル)
00年
工業製品収支
05年
預貸比率
10年
150
145
140
135
130
125
120
115
110
1) 1994年メキシコ通貨危機。
2) 1997年アジア通貨危機。
3) 2001年アルゼンチン通貨危機。
このいずれも対外収支不均衡と与信膨張が
根本的な成長制約要因、壁になった経験。
2013年
工業製品収支
出所: The Central Bank of the Russian Federation, Ministry of Development, Industry and Foreign Trade, Brazil, Statistics Indonesia, South African Revenue Service, Reserve Bank of
India, Department of Statistics, Malaysia, Bank of Thailand, Australian Bureau of Statistics, Ministry of Finance, Japan よりMUMSS作成
資源関連新興国の対外債務(金融機関)・貸手国別 (2014年6月末)
貸手国
借手国
アルゼンチン
オーストラリア
ブラジル
中国
インド
インドネシア
マレーシア
ロシア
南アフリカ
タイ
トルコ
ベトナム
全体
名目GDP 返済1年 フランス
ドイツ
イタリア
Total foreign
France
Germany
Italy
比率
未満比率
(%)
(%)
claims
40.6
6.7
62.4
1.7
1.4
...
574.6
38.2
35.6
23.5
35.9
...
507.3
22.6
45.7
26.9
7.3
0.9
1,290.5
13.6
80.6
56.8
40.6
9.2
303.2
16.2
54.7
18.6
23.4
...
143.9
16.5
49.0
5.6
5.9
1.0
189.8
60.6
51.3
5.7
5.2
0.0
235.5
11.2
39.1
50.6
21.5
29.0
108.0
30.8
41.5
4.7
4.9
0.3
144.2
37.2
36.9
2.6
1.6
0.0
268.1
32.7
55.2
40.9
19.1
...
40.8
23.9
49.6
5.2
1.8
0.3
日本
Japan
0.5
121.8
29.6
79.6
26.9
29.4
18.0
19.2
6.3
81.7
12.0
7.5
オランダ スペイン
Netherlands
Spain
1.6
74.3
14.7
22.5
5.3
3.4
2.1
16.9
0.6
0.9
27.3
...
17.3
2.2
185.7
9.3
0.2
0.0
0.1
2.7
0.1
0.0
23.8
0.0
スウェーデン
スイス
Sweden
Switzerland
0.0
1.9
1.3
5.4
1.5
0.3
0.1
10.5
0.1
0.1
1.0
0.1
1.1
15.2
8.8
16.7
8.4
6.3
3.1
6.4
1.7
2.4
7.0
0.5
(単位: 10億ドル)
英国
米国
United
United
Kingdom
States
...
5.8
58.6
121.2
72.3
75.6
205.7
84.1
66.1
69.8
22.0
15.7
52.9
18.4
14.7
23.7
71.8
11.3
13.4
9.4
34.0
25.0
...
2.7
(参考、2013年)
外貨準備高
/名目GDP(%)
4.6
3.3
15.9
40.5
14.7
11.1
42.6
22.4
12.8
41.7
13.5
15.2
1) 対外債務返済が1年未満に迫る国。
2) 外貨準備が少ない国。
3) そもそも対外債務が多い国。
このいずれも満たす国で米国から
の借入が多い国では、2015年の米国
金融政策の引き締めへの転換で通
貨下落が起こる可能性が高い。
出所: Bank for International Settlements (BIS), Consolidated banking statistics よりMUMSS作成。
5
5. 中国・新興国: 中国対内対外資金ポジションが一層悪化。
他の新興国へも金融的な制約が広がっている。
② 国別資金ポジションーBIS統計
① BIS対外資金ポジション【中国】
(10億ドル)
2009年
景気対策:総額4兆元
(四半期・原数値)
-200
-10
(10億ドル)
BIS対外資金ポジション【マレーシア】
資産超過
BIS対外資金ポジション【インドネシア】
2014 3Q
(10億ドル)
0
資産超過
-100
-20
10
0
2010年
100
負債超過
30
20
40
40
対外債務-対外資産
60
80年
名目GDP比、11.5%
85年
90年
300
1. 中国の資金ポジションが急速に悪化。
2. マレーシア、インドネシアも同様な展開。
3. アジアの新興国が国内で資金不足に転落
400
500
600
700
85年
90年
95年
00年
05年
10年
2014 3Q
出所: BIS international banking statisticsよりMUMSS作成
1) 中国の対外債務の85%はドル建て。
2) このうち81%が返済1年未満、短期返済に迫られている。
3) 中国への貸手順位は英国、米国、日本の順。実質的には米国が重要な貸手。
(四半期、原数値)
(%)
100
(10億ドル)
中国外国銀行債務【貸手国別】
250
90
200
満期1年未満対外債務比率
195.4
2005年
2014年3Q
-100
-50
0
50
100
150
200
250
80年
名目GDP比、7.1%
85年
90年
(10億ドル)
-50
資産超過
95年
00年
05年
対外債務-対外資産
10年
BIS対外資金ポジション【トルコ】
資産超過
0
2014 3Q
50
負債超過
100
負債超過
150
名目GDP比、6.3%
85年
90年
95年
00年
05年
対外債務-対外資産
2014 3Q
10年
出所: BIS international banking statisticsよりMUMSS作成
200
80年
名目GDP比、17.1%
85年
90年
95年
00年
05年
対外債務-対外資産
10年
1) マレーシアでは産業省上流部門の国営化が特色。
2) 国営企業が国家財政上、歳入面で重要な位置付け。
①BISの統計から新興国の対内対外資金ポジションをみると、中国の対外負債超
過幅が2014年7~9月期末6,222億ドルと膨張、名目GDP比率は5.2%(この比率が
10%を超えると、1994年メキシコ、1997年タイ、2001年アルゼンチンと同じ。こ
れは中国国内の資金需要の高まりから海外資金に依存した成長に転じてきてい
る現われだ。この背景には、中国の地下金融「影の銀行」の不良債権化がある。
返済期間1年未満の対外外貨建て債務比率【中国】
③
80
80年
10年
BIS対外資金ポジション【インド】
名目GDP比、5.2%
80年
95年
00年
05年
対外債務-対外資産
(10億ドル)
622.2
2014 3Q
負債超過
60
50
負債超過
200
資産超過
0
20
2014 3Q
150
83.4
100
82.5
59.4
64.5
50
韓国
台湾
フランス
日本
米国
60
22.7
0
英国
70
79.3
43.0
ドイツ
80
50
40
30
注: 2000年以前のデータは半期
データから四半期へ加工。
20
86年 88年 90年 92年 94年 96年 98年 00年 02年 04年 06年 08年 10年 12年 14年
出所: BIS international banking statistics よりMUMSS作成
②中国に並んでアジアの中ではマレーシアの対外資金ポジションがこの3年間
に急速に悪化。マレーシアの中国依存度は輸出面で12.3%(2012年)と際立って高
くはない。対外収支バランスをこの国が崩しやすい原因は、国営企業の存在にあ
ると思われる。国営企業の税金が国家財政を支える新興国では、中間投入コスト
が高くつく。上流部門が国営企業だと国全体の経済の限界利益率が落ちる。
③中国の外国銀行からの債務超過幅の急拡大、その負債側の残高が2014年9月期
末で1.3兆ドルとなっているが、その資金の出し手は英国が第1位で1,954億ドル、
第2位は米国で834億ドルだ。ただし英国はその外国銀行債務3.2兆ドルのうち
16.0%に相当する5,120億ドルを米国(第1位の英国への貸手)に依存している。つ
まり、中国への最大の資金の出し手は米国の銀行である。
6
6. 米国・欧州: 米国の交易条件、欧州の銀行預貸比率が改善。
日本の企業設立件数の持続減少が気になる。
① 日米・収益環境指数及び交易条件
(1995年=100)
(1995年=100)
(月次・季節調整値)
120
1980年石油危機 1985年
プラザ合意: 円高
110
米国:右軸
130
105
(%)
120
(月次、原数値)
日本
(94年1月) 129.1
116.0
欧州:右軸
(00年11月)
115
2008年
リーマンショック
100
② 銀行預貸比率【日欧】
(%)
140
120
100
110
日本
110
2014/10 95
80
100
90
日本
60
米国:右軸
85
ユーロ圏
2014/10
100.7
80
80
70 *金融機関除くベース
75
60
*日本は国内銀行ベース(93年9月までは信託子会社・外銀信託を除く)
20
75年
80年
85年
90年
95年
00年
05年
10年
1) 知財組み込みGDPの日米独、15年間で比較。
2) 日本はGDPに知財組み込み率が15%減。
3) 米国はGDPに知財組み込み率が15年間で倍増。
③ 研究・教育・専門サービス / GDP【日米独】
11.0
(暦年)
知財(専門技術・研究ソフト)組み込みGDP
教育、研究、調査、科学、コンピュータソフト、法律・会計
(中間投入額)のGDPに占める割合
2012年
1998年
日本
9.0
米国
2012年
7.7
7.0
ドイツ
2010年
1998年
10.8
10.6
9.7
9.0
8.3
8.3
1998年
6.1
6.2
5.8
5.8
4.8
5.0
2010年
2009年
2008年
1998年
2012年
2011年
2010年
1998年
2012年
2011年
2010年
3.0
1998年
70.7
95
出所: 日本銀行「民間金融機関の資産・負債等」、ECBよりMUMSS作成
1)米国の交易条件が改善、日本の悪化と対照的。
2)米国経済復活と経常収支黒字化へ繋がる兆しか。
13.0
2014/10
83年 85年 87年 89年 91年 93年 95年 97年 99年 01年 03年 05年 07年 09年 11年 13年
出所: 日本銀行、経済産業省、米国FRBなどよりMUMSS作成
(%)
105
100
*収益環境指数=(最終財価格:産出価格 / 素原料価格:投入価格)
×稼働率
40
日本
90
出所: 経済産業省「簡易延長産業連関表」、米BEA, Annual Input-Output (I-O) Accounts、欧州統計局より
MUMSS作成
1)欧州の与信膨張が収縮、正常な金融経済環境へ。
2)欧州経済の成長制約は消え始めてきている。
①リーマンショック2008年以降の米国の交易条件改善が著しい。この背景には
シェールガス開発による投入コストの低下と米国製造業の競争力向上があるも
のと推察される。米国では耐久財の素原材料価格が過去2年以上下落を続けてい
るが、その最終価格は上昇持続。GDPベースのサービス交易条件の改善をも勘案
すると、米国経済復活、経常収支の黒字化が5年先には視野に入ってくる。
②欧州の銀行預貸比率が近く100%を下回る水準まで改善。欧州経済の弱点は財
政バランスの悪化と、南欧州を中心に指摘されるところであるが、銀行の預貸比
率の高さが象徴になっている過剰与信・与信膨張が欧州経済成長の壁になって
来た。2010年欧州危機の根源的理由はこの与信膨張の収縮が金融市場で起こっ
たこと。この銀行預貸比率の低下は欧州経済の成長障害の除去を意味する。
③日本、米国、ドイツの産業連関表から教育、研究、調査、科学、コンピュータソフ
ト、法律・会計等の専門技術及び研究ソフトがどれくらいGDPに中間投入されて
いるかを計算した。米国の“知財組込みGDP”の急伸が顕著だ。日本については、
“知財組込みGDP”のウエイトが独米に比較して低位であり、15年前に比較して
1.5%低下している。日本産業の付加価値がデフレ下のコスト低減で減衰か。
7
参考数値- 2014・2015年度 日本経済見通し
年度ベース
国別GNP/GDPギャップ
2014・2015年度 日本経済の見通し
(前年度比、%)
2014/12/25時点
2012年度
(前年度比、%)
(実績)
2013年度
名目国内総支出(GDP)
0.1
(実績)
1.8
実質国内総支出(GDP)
1.0
2.1
1.9
2.4
民間需要
2014年度
(予想)
1.1
2015年度
(予想)
2014年度
(前回)
2015年度
(前回)
-0.8
1.0
1.0
1.7
0.0
1.2
1.0
-2.1
1.0
-1.1
民間最終消費
1.8
2.5
-3.0
1.2
-2.4
0.8
1.2
民間住宅投資
5.7
9.3
-11.6
-2.0
-8.1
1.4
1.2
-1.3
4.0
0.5
0.8
1.1
1.0
-3.7
3.1
-1.1
1.5
1.0
1.6
10.3
-1.4
-0.3
0.2
-0.4
0.7
0.6
-1.8
0.3
1.0
2.50
1.4
-2.4
1.3
-2.8
1.00
民間設備投資
民間在庫投資(兆円)
公的需要
政府最終消費
公的固定資本形成
財・サービス純輸出
-----
-----
0.6
0.4
1.3
-----
-----
-----
-----
財・サービス輸出
-1.3
4.7
5.8
3.8
4.7
2.5
財・サービス輸入
3.6
6.7
1.7
2.2
0.7
1.1
民間需要
1.8
1.4
2.6
1.8
-1.4
-1.6
0.7
0.7
-0.7
-0.9
0.7
0.6
(家計)
1.3
1.8
-2.2
0.7
-1.8
0.8
(企業)
0.2
0.1
0.6
0.1
0.9
-0.2
(%)
4.00
3.50
3.00
2.50
2.00
1.50
1.00
0.50
0.00
-0.50
日本
3.7
(GNP/GDPギャップ、暦年)
1.3
1.00
1980年
フランス
(%)
(GNP/GDPギャップ、暦年)
2.0
2.00
1.4
1.50
2010年
2013年
(GNP/GDPギャップ、暦年)
0.2
1.00
0.00
-0.2
1980年
-0.5
-0.8
2000年
2010年
2013年
2000年
2010年
2013年
(GNP/GDPギャップ、暦年) 2.8
2.2
1.2
0.5
-1.1
1980年
1990年
2000年
2010年
2013年
カナダ
(%)
(GNP/GDPギャップ、暦年)
-1.00
-0.6
-2.00
-3.00
-1.7
-2.00
1990年
-1.8
1990年
ドイツ
(%)
3.00
2.50
2.00
1.50
1.00
0.50
0.00
-0.50
-1.00
-1.50
0.00
-1.50
-0.50
1980年
イタリア
-1.00
0.00
-1.2
-2.00
2000年
-0.50
0.4
0.50
-0.4
-0.6
-1.50
1990年
(%)
0.50
1.8
-1.00
-0.9
-1.50
2013年
英国
(GNP/GDPギャップ、暦年) 0.8
-0.50
-0.3
-1.00
2010年
(%)
0.50
1.1
0.00
-0.0
1.00
0.00
-0.50
2000年
1.5
0.50
1.3
0.6
1990年
(GNP/GDPギャップ、暦年)
1.50
2.7
1980年
米国
(%)
2.00
1980年
-4.00
1990年
2000年
2010年
2013年
-1.4
-1.9
-2.6
-2.7
1980年
-3.6
1990年
2000年
2010年
2013年
部門別成長寄与度
内需
公的需要
0.4
0.8
0.2
-0.1
0.2
0.1
財・サービス純輸出
-0.8
-0.5
0.6
0.2
0.6
0.2
名目国民総所得(GNI=GNP)
0.2
2.3
1.4
1.4
1.8
1.6
実質国民総所得(GNI=GNP)
1.1
2.0
-0.8
1.0
-0.3
1.0
-2.9
3.2
-1.1
1.1
0.0
1.5
鉱工業生産
国内企業物価
0.6
0.7
4.1
3.2
1.9
1.4
-1.00
失業率
4.3
3.9
3.6
3.5
3.4
3.5
-2.00
経常収支(兆円)
4.2
0.8
4.0
5.5
2.8
4.7
-3.00
0.9
0.2
0.8
1.1
0.6
1.0
-5.2
-11.0
-8.5
-8.7
-9.9
-10.5
前提条件:円/ドル
83.1
100.2
109.6
117.5
103.8
105.0
同 :米国実質GDP成長率(暦年)
2.3
2.2
2.2
2.8
2.0
2.7
注: 前回予想は2014年9月26日。2014年度中に事業規模3.5兆円、真水1.0兆円の補正予算が執られる前提。
出所: 実績は内閣府、経済産業省、総務省、日本銀行、財務省、米商務省。予想はMUMSSエクイティリサーチ部作成
実績(1/9)
14年3月末
15年6月末
15年12月末
長期金利(%):構造的財政赤字に対する懸念、企業の資金需要動向
0.279
0.25
0.20
0.35
円・ドル(¥):米国FRBのQE姿勢、日銀B/S(当座預金)、新興国ドル資産運用
118.50
120.0
123.0
125.0
ユーロ・ドル($):欧州財政緊縮姿勢、国際資金フロー、南欧債券信頼性
1.1842
1.18
1.20
1.23
日経225(¥) :2015年度企業収益回復期待、事業再編によるROE改善
17,197.73
17,000
17,500
17,000
2015年1月12日予想
※予想はMUMSS
-4.00
0.00
2010年
2013年
-5.00
-2.8
1980年
-6.00
1990年
2000年
2010年
2013年
(GNP/GDPギャップ、暦年)
-0.20
-2.00
-1.80
1990年
2000年
-1.89
(%)
-3.00
-2.59
-4.00
-3.29
-3.09
-3.80
-5.00
2010年
2013年
1980年
ベトナム
(GNP/GDPギャップ、暦年)
0.00
1.0
(%)
1990年
2000年
2010年
-2.00
-5.0
-4.00
-3.81
-5.00
-5.00
-6.00
-7.00
1980年
(%)
-6.37
1990年
(GNP/GDPギャップ、暦年)
1.00
-2.81
-4.11
2010年
(GNP/GDPギャップ、暦年)
-4.00
-8.91
1980年
2.0
-4.39
-10.0
-2.19
(%)
1990年
2000年
-5.00
2010年
2013年
-15.0
(GNP/GDPギャップ、暦年)
1.00
-2.00
-3.53
1980年
1990年
2000年
-22.49
2010年
-23.16
2013年
-3.30
-4.25
2013年
(GNP/GDPギャップ、暦年)
-0.44
-0.48
2010年
2013年
-1.22
(%)
-3.57
1990年
2000年
(GNP/GDPギャップ、暦年)
1980年
1990年
2000年
2013年
(GNP/GDPギャップ、暦年)
3.2
2.9
2.6
1.4
-0.1
1980年
1990年
-1.29
1990年
-1.04
-1.05
2000年
2010年
-1.13
2013年
トルコ
(%)
0.50
2013年
(GNP/GDPギャップ、暦年)
0.23
1980年
2010年
インド
(%)
0.40
0.20
0.00
-0.20
-0.40
-0.60
-0.80
-1.00
-1.20
-1.40
2000年
(GNP/GDPギャップ、暦年)
0.00
-0.50
-2.39
-4.13
-1.98
-2.11
-2.00
1990年
2000年
2010年
2013年
タイ
(%)
-0.81
(GNP/GDPギャップ、暦年)
-1.26
-3.00
-1.56
-4.00
-4.30
-6.12
1980年
-1.00
1990年
-0.99
-1.50
-3.81
-7.00
2010年
台湾
(%)
南アフリカ
-6.00
-8.11
-10.0
4.00
3.50
3.00
2.50
2.00
1.50
1.00
0.50
0.00
-0.50
中国
0.27
-5.00
-8.0
-25.0
2010年
0.00
-1.00
-6.0
-20.0
2000年
0.00
1980年
マレーシア
-2.0
-4.0
(%)
1990年
-2.00
-9.0
0.0
-0.88
-5.1
-1.00
-3.00
2013年
0.0
-3.09
-4.56
-11.0
2000年
-0.6
0.00
-7.0
アルゼンチン
-0.6
-2.4
1980年
インドネシア
-3.0
-1.33
-3.00
0.40
0.20
0.00
-0.20
-0.40
-0.60
-0.80
-1.00
-1.20
-1.40
2013年
-1.0
-1.00
-1.0
1980年
ロシア
(%)
1.00
-1.00
-2.76
(GNP/GDPギャップ、暦年)
-4.00
0.00
-2.66
シンガポール
-3.00
-1.3
ブラジル
(GNP/GDPギャップ、暦年)
(%)
0.00
-2.00
-4.00
2000年
1.00
-1.00
0.8
-3.00
1990年
2.0
-1.00
-2.9
1.00
-5.0
2.1
-2.00
1980年
5.0
(GNP/GDPギャップ、暦年)
3.00
1.00
-0.7
(%)
香港
(%)
4.00
2.00
0.00
3.4
3.0
貿易収支 (兆円)
0.9
-0.2
1.00
1.9
0.8
[対名目GDP比率(%)]
(GNP/GDPギャップ、暦年)
0.1
1980年
-1.1
-0.2
消費者物価 (除く生鮮食品)
韓国
(%)
1.50
1.00
0.50
0.00
-0.50
-1.00
-1.50
-2.00
-2.50
-3.00
-3.50
2000年
2010年
2013年
40.0
35.0
30.0
25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
-5.0
-1.65
-1.66
-1.66
1980年
1990年
2000年
(%)
2010年
-1.14
2013年
フィリピン
(GNP/GDPギャップ、暦年)
33.24
19.78
17.21
-1.35
1980年
-1.68
1990年
2000年
2010年
出所: World Bank、OECD、内閣府よりMUMSS作成
8
2013年
Appendix A
アナリストによる証明
本レポート表紙に記載されたアナリストは、本レポートで述べられている内容(複数のアナリストが関与している場合は、それぞれのアナリストが本レポートにおいて分析している銘柄にかかる内容)が、分析対象銘柄の発行
企業及びその証券に関するアナリスト個人の見解を正確に反映したものであることをここに証明いたします。また、当該アナリストは、過去・現在・将来にわたり、本レポート内で特定の判断もしくは見解を表明する見返りとし
て、直接又は間接的に報酬を一切受領しておらず、受領する予定もないことをここに証明いたします。
重要な開示事項
セクター(MUMSSカバレッジ・ユニバース)に対する投資判断の定義
強気
弊社がカバレッジする銘柄ユニバースとの比較で、当該セクターのパフォーマンスが上回るとストラテジストが予想する場合
中立
弊社がカバレッジする銘柄ユニバースとの比較で、当該セクターのパフォーマンスが同程度とストラテジストが予想する場合
弱気
弊社がカバレッジする銘柄ユニバースとの比較で、当該セクターのパフォーマンスが下回るとストラテジストが予想する場合
その他開示事項
MUMSSは、MUMSSのリサーチ部門・他部門間の活動及び/又は情報の伝達、並びにリサーチレポート作成に関与する社員の通信・個人証券口座を監視するための適切な基本方針と手順等、組織上・管理上の制度
を整備しています。
MUMSSの方針では、アナリスト、アナリスト監督下の社員、及びそれらの家族は、当該アナリストの担当カバレッジに属するいずれの企業の証券を保有することも、当該企業の、取締役、執行役又は顧問等の任務を担う
ことも禁じられています。また、リサーチレポート作成に関与し未公表レポートの公表日時・内容を知っている者は、当該リサーチレポートの受領対象者が当該リサーチレポートの内容に基づいて行動を起こす合理的な機
会を得るまで、当該リサーチに関連する金融商品(又は全金融商品)を個人的に取引することを禁じられています。
アナリストの報酬の一部は、投資銀行業務収入を含むMUMSSの収益に基づき支払われます。
9
免責事項
本レポートは、MUMSSが、本レポートを受領されるMUMSS及びその関連会社等のお客様への情報提供のみを目的として作成したものであり、特定の証券又は金融商品の売買の推奨、勧誘又は申込みを目的とした
ものではありません。
本レポート内でMUMSSに言及した全ての記述は、公的に入手可能な情報のみに基づいたものです。本レポートの作成者は、インサイダー情報を使用することはもとより、当該情報を入手することも禁じられています。
MUMSSは株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下「MUFG」)の子会社等であり、MUMSSの方針に基づき、MUFGについては投資判断の対象としておりません。
本レポートは、MUMSSが公的に入手可能な情報のみに基づき作成されたものです。本レポートに含まれる情報は、正確かつ信頼できると考えられていますが、その正確性、信頼性が客観的に検証されているものでは
ありません。本レポートはお客様が必要とする全ての情報を含むことを意図したものではありません。また、MUMSS及びその関連会社等は本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥当性・適合性につ
いて、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。本レポートに含まれる情報は、金融市場や経済環境の変化等のために、最新のものでない可能性があります。本レポート内
で示す見解は予告なしに変更されることがあり、また、MUMSSは本レポート内に含まれる情報及び見解を更新する義務を負うものではありません。MUMSSは関連会社等と完全に独立してレポートを作成しています。
そのため、本レポート中の意見、見解、見通し、評価及び目標株価は、異なる情報源及び方法に基づき関連会社等が別途作成するレポートに示されるものと乖離する場合があります。
本レポート内で直接又は間接的に取り上げられている株式は、株価の変動や発行体の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化、金利・為替の変動等の要因により、投資元本を割り込むリスクがあり
ます。
本レポートは、お客様に対し税金・法律・投資上のアドバイスとして提供する目的で作成されたものではありません。本レポートは、特定の個人のための投資判断に向けられたものではなく、本レポートを受領される個々
のお客様の財務状況、ニーズもしくは投資目的を考慮して作成されているものではありません。本レポートで言及されている証券・関連投資は、全ての投資家にとって適切とは限りません。お客様は、独自に特定の投
資及び戦略を評価し、本レポートに記載されている証券に関して投資・取引を行う際には、専門家及びファイナンシャル・アドバイザーに法律・ビジネス・金融・税金その他についてご相談ください。
MUMSS及びその関連会社等は、お客様が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したことによる結果のいかなるもの(直接・間接の損失、逸失利益及び損害を含むがこれらに限られない)についても一切責任
を負わないと共に、本レポートを直接・間接的に受領するいかなる投資家に対しても法的責任を負うものではありません。最終投資判断はお客様自身においてなされなければならず、投資に対する一切の責任はお客
様にあります。
過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスを示唆し、又は保証するものではありません。特に記載のない限り、将来のパフォーマンスの予想はアナリストが適切と判断した材料に基づくアナリストの予想であり、実
際のパフォーマンスとは異なることがあります。従って、将来のパフォーマンスについては明示又は黙示を問わずこれを保証するものではありません。
MUMSS・その他MUFG関連会社、又はこれらの役員、提携者、関係者及び社員は、本レポートに言及された証券、同証券の派生商品及び本レポートに記載された企業によって発行されたその他証券を、自己の勘定
もしくは他人の勘定で取引もしくは保有したり、本レポートで示された投資判断に反する取引を行ったり、マーケットメーカーとなったり、又は当該証券の発行体やその関連会社に幅広い金融サービスを提供しもしくは同
サービスの提供を図ることがあります。本レポートの利用に際しては、上記の一つ又は全ての要因あるいはその他の要因により現実的もしくは潜在的な利益相反が起こりうることをご認識ください。なお、MUMSSは、会
社法第135条の規定により自己の勘定でMUFG株式の売買を行うことを禁止されています。
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反する、地方・州・国やその他地域の市民・国民、居住者又はこれらの地域に所在する者もしくは法人を、対象とするものではありません。
英国及び欧州経済地域: 本レポートが英国において配布される場合、本レポートはMUFGのグループ会社であるMitsubishi UFJ Securities International plc. (以下「MUSI」。電話番号:+44-207-628-5555)により配布
されます。MUSIは、英国で登録されており、Prudential Regulation Authority(プルーデンス規制機構、「PRA」)の認可及びFinancial Conduct Authority(金融行動監視機構、以下「FCA」)とPRAの規制を受けていま
す(FS Registration Number 124512)。本レポートは、professional client(プロ投資家)又はeligible counterparty(適格カウンターパーティー)向けに作成されたものであり、FCA規則に定義されたretail clients(リテー
ル投資家)を対象としたものではありませんので、誤解を回避するため、同定義に該当する顧客に交付されてはならないものです。MUSIは、本レポートを英国以外の欧州連合加盟国においてもprofessional investors
(若しくはこれと同等の投資家)に配布する場合があります。本レポートは、MUSIの組織上・管理上の利益相反管理制度に基づいて作成されています。同制度には投資リサーチに関わる利益相反を回避する目的で、
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米国: 本レポートが米国において配布される場合、本レポートはMUFGのグループ会社であるMitsubishi UFJ Securities (USA), Inc. (以下「MUS-USA」。電話番号:+1-212-405-7000) により配布されます。MUSUSAは、United States Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に登録されたbroker-dealer(ブローカー・ディーラー)であり、Financial Industry Regulatory Authority(金融取引業規制機構、
「FINRA」)による規制を受けています(SEC# 8-43026; CRD# 19685)。本レポートがMUS-USAの米国外の関連会社等により米国内へ配布される場合、本レポートの配布対象者は、1934年米国証券取引所法の規
則15a-6に基づくmajor U.S. institutional investors(主要米国機関投資家)及び U.S. institutional investors(米国機関投資家)に限定されております。MUS-USA及びその関連会社等は本レポートに言及されている
証券の引受業務を行っている場合があります。本レポートは証券の売買及びその他金融商品への投資等の勧誘を目的としたものではありません。また、いかなる投資・取引についてもいかなる約束をもするものでもあ
りません。FLOESはMUS-USAの登録商標です。
10
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連会社以外の個人・法人が本レポートにおいて研究する事項に関する勧誘・推奨を行う目的、又は米国納税義務違反による処罰を回避する目的で使用することを意図したものではなく、これらを目的とした使用を認
めておりません。
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の遵守義務を免除されます。第25条:一定の投資商品に関してファイナンシャル・アドバイザーが全ての重要情報を開示する義務、第27条:ファイナンシャル・アドバイザーが合理的な根拠に基づいて投資の推奨を行
う義務、第36条:ファイナンシャル・アドバイザーが投資の推奨を行う証券に対して保有する権利等について開示する義務。本レポートを受領されたお客様で、本レポートから又は本レポートに関連して生じた問題にお
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香港: 本レポートが香港において配布される場合、本レポートはMUFGのグループ会社であるMitsubishi UFJ Securities (HK) Limited (以下「MUS-HK」。電話番号:+852-2860-1500)により配布されます。MUS-HK
はHong Kong Securities and Futures Ordinance に基づいた認可、及びSecurities and Futures Commission(香港証券先物取引委員会;Central Entity Number AAA889)の規制を受けています。本レポートは
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その他の地域: 本レポートがオーストラリアにおいて配布される場合、MUS-HK又はMUS-SPRにより配布されています。MUS-HKはAustralian Securities and Investment Commission (ASIC) Class Order
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