漢方でみる夏バテとは

リエール2009年9月号掲載 漢方診療室5
漢方でみる夏バテとは
ここ数年、夏は38度を超える猛暑に見舞われ、その直後に涼し
くなるという気候で、夏バテになる人が増えています。食いしん坊
の私は夏バテといえばすぐに土用の丑の日、鰻の蒲焼きという連想
になります。日本で鰻を食べるようになったのは古く、万葉集に大
伴家持の歌として「石麻呂のに吾物申す夏痩に良しといふ物ぞ鰻漁
り食せ」とあります。白焼きにして蒸すやり方が、魚の油を適当に
削いで消化吸収をよくするからでしょう。当時から、夏やせには鰻
がよいとされていたようです。
漢方では夏バテを注夏病といいます。体がだるく膝の力が抜け、
やらなければならないことがあってもやる気が起きず、後回しにす
る。便が緩い。食が進まず、次第に痩せてくるといった症状です。
一見快適に見られる住環境も、猛暑の外気温と冷房の効いた部屋
を出入りするため、温度差が体を揉みくちゃにします。実はこの温
度差がストレスとなり体に影響を及ぼすのです。しかも冷たい飲み
物をたくさん取り、油っぽい物を食べたりするので下痢になります。
こうしてますますやせて体力をおとすのです。
夏季に冷たい物を取ってはならぬと強調したのは『養生訓』で有名
な貝原益軒です。
夏バテの代表的な漢方処方は清暑益気湯ですが、症状に合わせて
五苓散や白虎加人参湯等15処方を用います。