国際看護交流協会

◦2015
(平成27)
年3月10日発行 隔月(10日)発行
The International Nursing Report by
The International Nursing Foundation of Japan
国 際 看 護
488
No.
March 2015
1 ◦Activity Report
周産期保健医療の場でのチーム医療を学ぶ
JICAモンゴル「安全な出産」研修・その1
1 ◦Activity Report
タイ国立小児病院の看護師が国立成育医療研究センター
病院を視察しました
2 ◦特別寄稿
ベトナムの看護事情・・その① 相馬深輝
発行人:清水嘉与子
東京都千代田区九段南3-2-2
九段宝生ビル201
TEL.03-3264-6667 FAX.03-5275-3499
E-mail:[email protected]
http://www.infj.or.jp
〒102-0074
3 ◦国際化時代の日本の看護職に求められる役割 その②
黒岩祐治
7 ◦特別寄稿
国際看護教育における教材開発を学ぶ・・その①
安達直子
8 ◦公益財団法人国際看護交流協会
小倉一春記念国際看護奨学基金 平成27年度奨学生募集要項
Activity Report
周産期保健医療の場でのチーム医療を学ぶ
JICAモンゴル「安全な出産」研修・その1
昨年に引き続き第二年次となるモンゴル国「安全な
出産」研修(JICA関西)が行われました。研修員10名
は2015年1月21日に来日し研修をスタートしました。
モンゴルはミレニアム開発目標の第4(5歳未満児の
死亡率を1990年水準の三分の一に削減する)及び第5
(妊産婦の死亡率を1990年水準の四分の一に削減する)
を2012年時点ですでに達成していますので、保健医療
政策については成熟しつつあると言えます。病院等
の施設や薬剤などのハード面における改善も進んで
来ました。一方では、医療関係者の卒後教育制度の
未確立など人材育成の面で立ち遅れていることも指
摘されてきました。そこでモンゴル政府は国内での
人材育成に力を注ぐようになってきており、母子保
健面で言えば、現役の産科医師や助産師が講師となっ
て全国の医療施設での周産期医療に関する研修など
も行ってきました。またモンゴルの医療現場では、近
年「チーム医療」に関する関心が高まりつつあり、異
なる医療職種の者が合同で研修を行うことにより、
チーム医療の成果を上げようとしています。
◎同一施設から医師と助産師がペアで参加
今次研修では、周産期医療においてチーム医療の
先進的な実践を行ってきた日本の周産期医療の場に
おいて、モンゴルの第三次保健医療施設から同一施
設の医師及び助産師が研修を行うことで、その成果
を各々の施設に持ち帰り、広くモンゴルの周産期医
療の充実に寄与することを目的としています。
第二年次の研修で来日した研修員は下記のとおり
です。
【母子保健センター(ウランバートル)
】Mr. BAASAN
SUREN Chinzorig(Staff Doctor)
/Ms. GONGOR Bolor
maa(Midwife)
【第一マタニティ病院(ウランバートル)
】Ms. GEREL
Bayasgalan(Obstetrician and Gynecologist)
/Ms. JAN
CHIV Delgertsetseg(Midwife)
【ウブルハンガイ県地方医療センター】Mr. ZUNDUI
Munkhbat(Obstetrics and Gynaecology Doctor)
/
Ms. TOOMOI Munkhtsetseg(Midwife)
【オロホン県地方医療センター】Ms. GANKHUU Shuren
gerel(Obstetrician and Gynecologist)/Ms. SENGE
DORJ Khajidmaa(Midwife)
【ホブド県地方医療センター】Ms. JIGMEDDORJ Nyamk
hishig(Obstetrician)
/Ms. BALJINNYAM Bolormaa
(Midwife)
研修の具体的な内容は次号に掲載します。
Activity Report
タイ国立小児病院の看護師が
国立成育医療研究センター病院を視察しました
◎タイで最先端の小児医療を担う看護師たち
平成26年11月4日、タイのクイーン・シリキット国
立小児病院(QSNICH)の看護職24名が国立成育医
療研究センター病院(NCCHD)
(賀籐均病院長・石
井 由 美 子 副 院 長 ) を 視 察 で 訪 れ ま し た。 一 行 は
QSNICHが実施している「第4回新生児・小児クリティ
カルケア・プログラム2014」の最終プログラム(海
外研修)として、INFJの研修生OGを介して東京の
2
国際看護 No.488/2015.3
NCCHDの視察を当財団に依頼してきたものです。
QSNICHは、タイの国立小児病院として第3次先進医
療サービスを提供し、小児領域の研究・研修を担い、
国際スタンダードに基づくサービスを提供すること、
子どもにやさしい病院づくりを理念としており、日
本のNCCHDと同じ役割を担っています。視察の目的
は、新生児・小児の看護管理について学ぶことで、
具体的には①新生児・小児critical-careにおける看護
管理、②新生児・小児看護師の人材育成(教育シス
テム)
、③NICU・PICUを含む施設の見学でした。
お揃いのユニホームで視察したQSNICHの看護師たち
当日は、石川副院長・看護部長を初め、嶋田副看
護部長、斉藤教育師長らが列席し看護部全体で迎え
て い た だ き、QSNICHの 副 看 護 部 長 で あ るMs.
Sunetraが引率する23名は、なごやかな雰囲気の中で、
病院概要、看護部の概要、NICUのケア、PICUのケ
アについて講義を受けました。タイの看護師の質問
の多くは、現任教育システムに関するもので、院内
外の研修に加えて、OJTにおいても精神的なサポー
ト役、技術的な指導役、ユニットのチーム内におけ
る研修など人材育成に多くの時間をかけていること
に関心を寄せていました。
NCCHDには小児救急認定看護師、感染管理認定看
護師、新生児ICU認定看護師など18人もの認定看護
師が働いていることに興味を抱き、タイにない職種
であるchild-life-specialistの業務について業務の詳細
を尋ねるなど活発な質疑応答が続きました。また
PICUの講義では、タイでは行われていない肝移植が
2005年からの累計件数294件と聞き、驚いていました。
また救急搬送されたケースおよび一般病棟からの急
変により死を予測された患者の数と実際に亡くなっ
た患者の数、命を取り留めたデータから、チーム医
療の成果evidenceに感銘を受けていました。
午後の院内見学では、産科婦人科・小児科病棟、
救急センター、NICU、ヘリポート、院内学級、マク
ドナルド・ハウス(長期入院の病児を持つ遠隔地の
両親が宿泊できる施設で、民間の寄付により運営さ
れている)を視察しました。またタイにはない「院
内学級」や成育医療センターには250人ものボラン
ティアが登録され、様々な場所で患者さんのお世話
をしていることにも大いに感心していました。タイ
では、仏教の教えにより自分の誕生日には「徳を積
むため」病院や社会福祉施設へ寄付や物をプレゼン
トする習慣はありますが、日本のように一つの病院
に多くのボランティアが登録しているようなことは
ないようです。
◎タイの看護師たちが学んだもの
1日 の 見 学 を 通 し て、QSNICHの 副 看 護 部 長Ms.
Sunetraがまとめた両病院の類似点と相違点は次のよ
うなものでした。
※類似点:①新生児・小児病棟では成長の段階と疾
病の種類により患者を分けている、②NICUの看護は
家族によるケアを中心としている、③母乳哺育を推
進している、④それぞれの看護体制の患者対看護師
の数は同じである、⑤新人ナースの教育システムは
類似している、⑥マクドナルド・ハウスがある。
※相違点:①QSNICHでは、新生児、小児の患者を
内科、小児科に区分している、②タイでは正看護師
は4年の大学教育者のみである、③タイでは4 か月の
教育コースが総合大学、看護大学、超先進的な病院
に設置されている、④タイのPICUには陰圧、陽圧室
はなく感染ユニットに陰圧室が2部屋ある、⑤タイに
は母乳哺育クリニックがある、⑥肝臓移植はまだやっ
ていない、⑦QSNICHではNCCHDに比べてICUの正
看護師の数が少ない、といった点でした。
各々の国の最先端の第3次医療を提供している病院
の看護には、多くの類似点が見られることに気づか
されました。1日の視察でしたが、今回の視察が今後
の国際的な交流の発展への布石になることを期待し
ています。
(INFJシニアプログラムオフィサー・束田吉子)
●特別寄稿
ベトナムの看護事情
・
・その①
相馬深輝(前JICA青年海外協力隊員)
私は2012年9月から2014年9月までの2年間、JICA青
年海外協力隊員としてベトナム社会主義共和国(以
下、ベトナム)のハノイ市にある国立病院(バック
マイ病院)で活動しました。NICUと分娩室の看護師・
助産師と日常業務を協働し、看護知識・技術の向上
と周産期の一貫した管理・ケア構築への支援を行い
ました。
現地に密着した生活と活動を通して、異文化にお
3
国際看護 No.488/2015.3
ける看護を考え、日本社会を顧みる機会を得ました。
以下、ベトナムの保健医療事情と活動内容、全般に
おける学びを報告します。
Ⅰ.ベトナムの保健医療事情
ベ ト ナ ム は1人 あ た り のGDPが1,896ド ル(IMF,
2013)で、2011年から中進国として経済成長を遂げ
ている国の一つであり保健指標も改善しつつありま
す。地域格差や貧困問題を抱えてはいますが、疾病
構造は先進国型に近づいており、近年生活習慣病や
子どもの肥満が社会問題となってきています。
母子保健の指標に関しては、妊産婦死亡率49、新
生児死亡率13、乳児死亡率19、U5MR24(UNICEF世
界子供白書, 2015)で、東南アジア圏内でも高い水準
となっています。そしてNICUを設置し超低出生体重
児やハイリスク新生児の救命にも着手し始めており、
それに関連する知識・技術の普及やケアの向上によっ
てさらなる発展が期待されています。
その一方で、医療の地域格差の拡大やリファラル
システムの整備の遅れ、病院内のパフォーマンスが
十分に機能していないこと等による課題が浮き彫り
になってきています。
ベトナムの医療システムの構造は政府機関である
保健省が国全体を統括しており、その直轄の国立病
院、地方が管轄する省立病院、コミューンの郡病院
と大きく3階層を成しています。国立病院には、政府
の他、日本をはじめとして海外から資金援助や技術
協力を受け、医療機器や資材、最新の知識や技術が
投入されていますが、コミューンレベルにはその支
援が十分に行き渡っていないのが現状です。したがっ
て国民は高度な医療が提供できる国立病院に集中す
るため、国立病院の稼働率は常に200%近い状態にあ
り、病院内も混沌としておりソフト面の充足が追い
つかない状況にあります。さらにベトナムの組織特
有の強い縦割り構造が病院内にもあり、国立病院に
は多くの診療科が揃っているにもかかわらず、関連
する診療科間の連携が弱く、総合病院としての機能
を最大限発揮できていないのが現状です。
●看護の現状と特質
看護事情は施設の機能により異なりますが、国立
病院は慢性的にマンパワー不足で、最低限の医療を
施すのに精一杯という状況にあります。また看護体
配属先のバックマイ病院
NICUの様子
制も整備されていないので、看護師の配置人数に関
係なく、来院する多くの患者に全て対応せざるを得
ないような状況で、看護学生も看護師の指示のもと
で現場業務を担っているのが現状です。さらに診療
会計や物品資材等の受注も看護師の日常業務に含ま
れているため、業務範囲や内容は日本に比べてはる
かに膨大であると言えます。また勤務形態は多くの
施設が当直制で、日勤から働き続けて夜勤にシフト
し、実質24時間を超過する勤務となっています。
看護教育に目を向けると、看護教育の大学化が進
み、働きながら学士取得のために通学する人も増え
ていますが、その教育内容は病態理解が中心で、医
師の補助的な処置ができることに重きが置かれてい
るため、看護の概念の解釈が日本とは異なる部分が
あります。このことも相俟って、一連の看護過程の
展開や退院後の生活に向けた支援まで届かず、ケア
の質の向上を目指しても目標の到達には非常に難し
い条件下にあるのが現実です。
(つづく)
国際化時代の日本の看護職に求められる役割
その②
黒岩祐治氏(神奈川県知事)
●日常生活と医療最先端技術との結合
「未病を治す」という概念は、最先端の技術と融合
させることにより効果が上がります。たとえばウォ
シュレット便器ですが、消臭機能がついてガスを吸
い取っています。そのガスを分析して身体の癌の状
態をデータとして送る・尿の出方や量をセンサーで
捉えデータ化して送る、このような方法で普通の生
活をしながら、トイレを使っているだけで継続的に
4
国際看護 No.488/2015.3
未病の状態をチェックし続ける。そんなことを目指
国家戦略特区として、区域会議も開催されました。
しています。
神奈川県は、国家戦略特区に対していろいろな提案
またPSTというのも優れた技術です。音声病態分
をしています。
析技術と言いますが、つまり声を分析することによっ
先述の「ME-BYO」
、これを覚えてください。そん
て
「鬱」
の状態がわかるのです。たとえばスマートフォ
なわかりにくい言葉を使うなとも言われ続けてきた
ンに仕掛けておくと、普通にしゃべっているだけで
のですが、
私は「未病」
「未病」と言い続けてきました。
も「あなた、鬱の状態ですね」と教えてくれます。
そして「ME-BYO産業」というものを作っていこう
未病の状態、心の未病というのは非常に重要な問題
ということで「未病産業研究会」というのを立ち上
です。それを日常的にチェックすることができる技
げました。最初に82社集まり、今はもう90社以上に
術になります。
なっています。この研究会には、食品・ガス・電力・
ウェアラブル端末はもう一般化してきました。こ
電気メーカー・製薬企業などの大手の企業が名を連
れを着けているだけでいろいろなデータがどんどん
ねています。ここから新しい産業を生み出していこ
入ってきます。このウェラブルの端末を神奈川県の
うという構想です。だから“ニューフロンティア”
職員に持たせています。たとえばここへ来る前に10
と言っているのです。
㎞走ってきましたが、私は今朝から9,564歩歩きまし
次はCHO構想についてです。みんなで
「未病を治す」
た。こういったものによって、日常生活の現場の中
ためにどうするか、ということを考えました。これ
からいろいろなデータを取得できるようになります。
も神奈川発です。CHOとは「健康管理最高責任者・
「アミノインデックス」は、神奈川県にある味の素
Chief Health Officer」の略ですが、経営に「健康」と
が開発した血液中のアミノ酸の分析によって癌のリ
いう概念を持ち込んで、組織単位で「未病を治そう」
スクが簡単にわかるという技術です。
ということです。私も神奈川県庁で7500人の職員の
お薬手帳の電子化を実験的に始めました。お薬手
CHOになりました。そして、職員皆に歩数計を配布
帳の情報がスマートフォンに入っています。今後は、
しました。一人一人がいつ・どういう運動をしてい
この中にカルテの情報を全部入れていく予定ですが、 るかということを全部データ化しています。こういっ
これからは自分のカルテをスマートフォンで持ち歩
たことをそれぞれの企業でやっていこうという運動
くことができるようになります。
です。CHOは、未病の「見える化」を推進し、イン
以上のように、これからは生活の現場で様々な「未
センティブを与えることなど、一人一人の「未病を
病の状態」をチェックするようなデータをビッグデー
治す」ことを組織的にやっていくためのリーダーで
タとして処理していきます。そこにカルテの情報も
す。これを推進していくと、個人の健康満足度が伸び、
入ってきます。将来的には遺伝子情報も入ってきま
労働生産性が改善するとともに、コスト削減効果も
す。日常的な食の情報も入ってきます。ビッグデー
出てきます。
「健康」という概念をもった経営、すな
タの処理をすることによって、
「個別化医療」
「個別
わち「健康経営」です。いろいろなものをデータ化
化未病」が進んできます。つまり、自分で未病の状
していき、自分でチェックすることによって、得点
態がわかり、病気にならないようにしていくことが
が上がっていけばお得なことがある。組織ごとにやっ
できるようになるし、病気になった時でも一人一人
ていってどういう効果が現れたかをみんなで共有化
に的確な医療ができるようになります。これによっ
していき、
「未病を治す」のを全体的に進めていこう
て超高齢社会になっても病気になる人をできるだけ
とするものです。健康には全く無関心な人もいれば、
減らすと同時に、病気になった人には的確な医療を
ものすごく関心を示す人もいます。無関心な人に対
行って支えていくことを目指しているわけです。
してはペナルティで取組みます。中間的な人にはイ
●神奈川県の特区構想が稼働
ンセンティブで取組んでいこうということです。
神奈川県は三つの特区をいただきました。一つは
●その他の神奈川県の取組み
京浜臨海部の国際総合戦略特区で、川崎や横浜です。
最先端医療産業を創出しようとする特区の詳細を
ここが最先端医療の本拠地になっていきます。二つ
紹介します。ここでは次から次へと新しい産業が集
目はさがみロボット産業特区です。圏央道の周辺、
積し始めています。
相模原・厚木・藤沢といったところです。ここが生
一つは「実験動物中央研究所」です。川崎には「川
活支援ロボットの拠点になろうとしています。そし
崎生命科学・環境研究センター(LiSE)
」を作りまし
て、この全体が国家戦略特区という形で認められま
た。また「ものづくりナノ医療イノベーションセン
した。これが「ヘルスケア・ニューフロンティア」
ター」では“ナノ”の世界の技術を医療の世界に応
の具現化です。
用していこうとしています。ジョンソンエンドジョ
国家戦略特区は全国で6か所選ばれました。東京圏
ンソンも「東京サイエンスセンター」として大きな
国家戦略特区はその一つです。健康未病産業、最先
ビルを建てました。
「ライフイノベーションセンター
端医療関連産業の促進がここでの大きな方針として
(仮称)
」は県の最先端医療の拠点になります。
示されました。外国人医療の提供、国際的医療人材
そんな中で新しい医療がどんなふうになっていく
の養成もその区域方針に含まれます。
かを見ていきましょう。
「実験動物中央研究所」には、
国際看護 No.488/2015.3
5
ここにしかいないマウスが育っています。遺伝子組
一所懸命病気を探して、病気と向き合っていたので
換えによって、人間と同じ反応を示すマウスを作り
す。いろいろな検査をして病気がどこにあるのかを
出しました。これからの医療がどうなるかというと、
調べ、病気を見つけてその病気を徹底的に叩く、と
たとえばある人が癌になったとします。そうしたら、
いうのが医療の基本です。ところが、
「未病を治す」
まずその人と同じ反応を示すマウスを作り、その人
と発想に立った時には、今までの医療とはちょっと
と同じ癌をそのマウスに植え付けて、このマウスで
違うことになります。一つ一つの病気を治すことよ
どの薬が効くかを試します。ある薬が効いたという
りも体全体の「気」を高めていくことに、もっと重
ことになれば、本人にその薬を投与します。今はど
点を置いていかなければならないのです。そうなる
うやっているかというと、生身の人間にどれが効く
と、医療のあり方そのものが根本的に変わらざるを
かなあといろいろ試しているわけです。身代わりの
得なくなります。むしろ、新しい学問が必要なので
マウスで薬の開発をやっていきます。身代わりマウ
はないかと思います。それが、
「トータルボディダイ
スでの実験は、完全な個別対応医療になります。
ナミクス~科学的な全人解析」という概念です。
「かながわ医療機器レギュラトリーサイエンスセン
「トータルボディダイナミクス」というものを作っ
ター」は、医療はどんなふうに効果があるのかを調
ていくために、様々なセンサーが必要になりますし、
べる新しい方法がなければいけないということで、
最先端の医療技術がそれを支えていくことになりま
立ち上げたセンターです。以下研究会の有力メンバー
す。全人的というのは漢方の発想に近いと思います。
の開発した製品などを紹介します。
私の父親が漢方的診断をしていただいたときは、西
一つはFUJIFILMが開発した「T-705」
・商品名「ア
洋医学的なアプローチと全く違いました。人間を徹
ビガン」は、世界的に「エボラ出血熱」の特効薬と
底的に診るのです。肌の色つやとか舌の色とか、脈
なるのではないかとされて注目を浴びています。
診など、人間の五感全体を使って、相手の体全体の
MRIよりもはるかに解像度の高いKONICA MINO
状態を感じ取っていくのです。匂いなども非常に大
LTAが開発している「スーパーX線撮影装置」もあ
事な要素です。トータルとして人間を診ていくアプ
き
けつ
すい
ります。
ローチです。
「気・血・水」このバランスが大事なの
です。これが漢方の原点です。
「気」というのは、気
技術の進歩は、
「より良いものを・より安く・より
けつ
」は血の流れ、
力・気迫・元気・勇気の「気」です。
「血
安全に」提供できるようにします。注射を打つとき
すい
に針がどこまで入ったかを確認しながらできる装置 「水」は水、この三つのバランスを診ているのです。
があります。これは「安全」につながる技術開発です。 漢方は、崩れた「気・血・水」のバランスをもとに
戻していくことであって、病気の原因となっている
ロボット産業の話もしておきましょう。高速道路
ものを切り取ったり、叩き潰したりする西洋医学の
を走りながらハンドルから手を放して走る「無人走
アプローチとは違うものです。これからの医療はこ
行システム」が開発中で、車そのものがロボットに
の二つのアプローチを融合させていこうとする流れ
なっています。また生活を支援するロボットがいろ
だと思います。
いろ体験できるようになっています。足の動かなく
私は先日フランスへ行って、政府機関と覚書を結
なった人がこのロボットスーツのようなものを装着
びました。その時にフランス保健省の女性医師が講
すると、脳からの「歩こう!」という信号をセンサー
演の中で「今の医療は“ピカソメディスン”だ」と
で受け、モーターを回すという画期的なロボットで
言うのです。
「ピカソメディスン」というのは彼女の
す。これらもずいぶん軽量化されてよくなってきま
造語です。ピカソの絵を出して「今の医療はこれだ」
した。足の動かない人でもこれを着けると容易に歩
と言います。つまり今の医療はその絵と同じで、部
けるのです。これは大変な感動です。ドイツではす
分最適ばかりを目指している、全体を見ておらず全
でに医療機器として認定されています。
体の調和とは無関係になっている。しかしこれから
次は、国際的な医療人材の養成についてです。医
は、たとえば歯の色つやとか匂いなどを含めて全体
療は今新たな時代に入ってきています。そのための
を見ていく必要がある、と講演しました。私は「そ
シンポジウムなども開きました。
「メディカルイノ
れは漢方ではありませんか、あなたは漢方を勉強し
ベーションスクール構想」というもので、これから
ましたか?」と彼女に聞いてみました。ところが彼
の時代に即応した医療人材を育成しようとするス
女は「私は漢方のことなんて全く知りません」とい
クールです。
う答えでした。
●これからの医療 ─ 未病を治す
つまり西洋医学的なアプローチはある種の限界に
「未病を治す」には、食とか運動習慣、社会交流が
来つつある。最先端技術を追求していくのはいいが、
重要なことです。前号で「未病の考え方」のモデル
超高齢社会においては、病気を個別に叩き潰してい
を紹介しましたが、医療が担当しているのは右端の
く医療ではうまく対応できないのではないか。すな
「病気」の部分だけです。そこには非常に厳しい規制
わち全人的な医療のあり方が必要な時代にきている、
があります。一方これからの超高齢社会は、
「未病を
西洋医学のドクターで漢方医学を全く知らない医者
治す」ということで、幅広く、生活の現場から全部
を見ていかなければなりません。今までの医療は、 でもその必要性を感じている、そんな時代に来てい
6
国際看護 No.488/2015.3
る、ということに私は気づきました。
んいます。
我々は、国際戦略を強化しています。
「ライフイノ
でも、
「未病を治す」ことが大事だというステージ
ベーション・国際協働センター(GCC)
」を立ち上げ
に入ってくると逆転します。
「未病を治す」ことがで
ました。神奈川県の特区の国際戦略を担う窓口です。
きる一番のスペシャリストは“Nurse”です。病気の
そして、2013年11月にシンガポールの政府機関と
人も病気でない人も“Nurse”にとっては同じです。
GCCが覚書を締結しました。神奈川県が今目指して
一人一人の食のあり方とか、ライフスタイルの提言
いる「ヘルスケア・ニューフロンティア」で「未病
とかによって「未病を治す」アプローチを自然にやっ
を治す」を科学的にやっていこうとしていることに
ています。これからはそれがむしろ、メインステー
対して、バイオ・ライフサイエンスのアジアにおけ
ジになっていきます。このメインステージになって
る最先端拠点であるシンガポール政府が「それは素
いく“Nurse Model”を創っていけば、これこそが世
晴らしい。一緒に手を組んでやりたい」と言ってき
界に発信していく日本の“Nurse Model”となってい
たのです。これをベースにして、今年の5月には、
くだろうと思います。
「看護の国際交流」これが我々
GCCはアメリカのメリーランド州、マサチューセッ
の目指すところであります。世界に発信する日本の
ツ州、ジョンズホプキンス大学・病院、ハーバード “Nurse Model”を是非創っていっていただきたいと
大学との連携機関であるダナ・ファーバーがん研究
思います。
所・スタンフォード大学の連携機関である米国退役
●学校教育に求められるもの
軍人省(VA)パロアルト・ヘルスケアシステムとの
医療が進化していく状況の中で、もう一つとても
間で相次いで覚書を締結しました。さらに、7月に
大事なことがあります。それは「死生観」です。つ
は神奈川県立がんセンターが、ベトナムのダナンが
まり、死ぬとはどういうことなのか・生きるという
ん病院と、10月にはフランス政府関係機関である
のはどういうことなのか・いのちとはどういうもの
CVT-SudとGCCが覚書を締結しました。フィンラン
かを深く考えなければいけません。
「死生観」を共有
ドのオウル市とも覚書を締結してまいりました。こ
していかないと、医療だけがどんどん進んで行って
うして神奈川県のパートナーとして、アジア・アメ 「どこまで生かすの?」ということになります。
リカ・ヨーロッパとの国際的なネットワークができ
学校教育の現場で求められるものは、
この「死生観」
あがりつつあります。
の共有化だと思っています。神奈川県の学校では今、
なぜこんなに人気があるのだろうかと考えたとき、 「100万通りのいのちの授業」という企画を進めてい
神奈川県は超高齢社会がどこよりも早く進んでおり、 ます。その授業の形式や教員の資格は問いません。
冒頭でお話しした人口の逆ピラミッドに早く準備し
普通の人に「学校へ行っていのちの授業をやってく
なければ間に合わない、という大変な危機感が背景
ださい。
」と頼めば、いろんな形のいのちの授業がで
にあることに気づかされます。実はこのテーマ・課
きると思います。たとえば自分が担当した患者さん
題は、日本全体の課題であるとともに、世界の先進
の話だとか、自分の家族の闘病体験の話、戦争体験、
国に共通の課題でもあります。世界はまだそこに気
ペットの話、森の話、等々何でもOKです。それによっ
づいていない、我々は先に気づいているので、モデ
て、いのちについてみんなで考える機会とするので
ルをこんなふうに作っていこうという提言をしてい
す。幅広い観点で、
「いのちって大事なのだ」という
る、これに対して「その通りだ」といって各国が我々
ことを子どもたちに伝えていくことが、教育現場で
と手を結ぼうとしている、というのが現実でありま
一番大切なことだと思っています。
す。特に「未病」の発想は西洋文明にはないので、
それとともに「食」はとても重要な要素です。
「病
この東洋的な発想と可能性に強い関心と期待をもっ
気になったら薬で」というのではなく、
「食で病気に
ているのです。
ならないように」していくことが大切です。医療や
●これからの“Nurse”の仕事
病院が今ほど発展していなかった時代には、具合が
医療がこのように変化していくとき、さて“Nurse”
悪くなると、おばあちゃんの知恵のようなものがあっ
はどういう仕事になっていくでしょうか?「未病を
て、おばあちゃんの作った食によって、日常的に未
治す」というアプローチは、むしろ“Nurse”の世界
病を治していたわけです。それが普通のことでした。
ではないでしょうか。
“Doctor”は、病気を探してそ
そういう視点に立てば、日本は素晴らしい未病先進
れを何とか治していこうとするスペシャリストで
国なのです。日本食ほど「未病を治す」のに役立つ
す。
”Nurse“のどこが素晴らしいかというと、人間
食はありません。野菜でも葉・茎・花・実・根など
全体を見ているということです。顔の色・表情、声
いろんな部分を食として使いますし、緑・赤・黄色・
の 様 子 な ど で そ れ を 感 じ 取 ろ う と し て いる の が
黒・白等いろいろな色の野菜があります。バランス
“Nurse”です。
「未病を治す」というのは、実は看護
に配慮したヘルシーな日本食は、世界文化遺産にな
のアプローチではありませんか? 今までは「
“Doctor”
りましたが、
ただ「おいしい」とか「見た目がきれい」
の診断・診療を支える」という位置づけの「看護」
というだけではなく、
「未病を治す」という食文化な
ということがあったかもしれません。今でも「医者
のです。
「食の中から健康を」
というのは日本人が元々
のお手伝い」と思い込んでいる“Doctor”もたくさ
一番優れているのです。こういう食習慣をどうつけ
国際看護 No.488/2015.3
るかというときに、学校教育の現場から身に着けて
いくことが非常に大事になってきます。神奈川県で
は管理栄養士に給食を実施している学校へ行っても
らって、給食を通して「栄養教育」
、
「食育」の授業
をしてもらっています。それとともに、
学校給食の
「地
産地消」を進めています。検討会を設けて、できる
だけその学校の近くで採れたものを給食として出す
ような給食のあり方を検討しています。
「医食同源」
という考え方を説明しましたが、神奈川県では、あ
えて「医食農同源」といっています。食を地元農家
7
で作り、身近なところで採れたものを食べるという
が大切なのだということを小さい頃から学習してい
く、そういう教育が非常に大切なのだと思います。
(おわり)
≪本記事は、2014年11月8日(土)に東京・主婦会館プラザ
エフで行われた「国際化時代の日本の看護職に求められる役割」
(第6回国際看護を考える集い・主催/公益財団法人国際看護交
流協会・後援/公益社団法人日本看護協会)の黒岩祐治氏の講
演集録の2回目である。≫
●特別寄稿
国際看護教育における教材開発を学ぶ
・
・その①
安達直子(吉備国際大学)
平成26年11月15日
(土)〜16日
(日)の2日間、
「国際
看護教育研修-教材開発コース-」に参加しました。
講師は国立看護大学校国際看護学教授・樋口まち子
先生。会場は国際協力機構東京国際センター(JICA
東京)で受講者は10人でした。
●受講の動機
私自身が平成27年度から担当する「国際看護学」
の授業をどのように展開したらよいのか摸索してい
る時に、ニュースレター「国際看護」でこの研修会の
案内を知り、すぐに受講することにしました。定員
も少なく、ワークショップの時間も多くあり、具体
的に学べることを楽しみに受講しました。
「教材開発コース」なので、最初は「国際看護学の
教材って何だろう?」良い教材、DVDなど紹介し
ていただけるのだろうか?と軽く考えたりしていま
したが、受講許可証が届き、
「パソコン持参で」と記
載されていましたので、参加者が授業を組み立てな
がらその授業にあった教材を開発する作業を行うの
だ! と気がつきました。
午前中は、樋口まち子先生の「国際看護学の教材
開発」の講義と、受講者の自己紹介でした。
受講者は大学教員、看護学校教員、非常勤講師、
大学院生などから構成されていました。国際看護経
験ということになると、実に豊富なキャリアの持ち
主が多かったようでした。留学、病院への短期研修、
海外での勤務、青年海外協力隊やJICAの開発途上国
でボランティア、職場からの海外支援、海外からの
研修生受け入れ経験など、参加者の顔ぶれは多彩で
した。
受講者の人たちは「海外での経験がある」という
ことで国際看護学の講義担当となった方が多く、成
人・小児及び母性看護学などの専門分野をベースに、
加えて国際看護学を担当する人がほとんどで、国際
看護学だけを専門領域としている人は今回のメン
バーにはいなかったようです。また授業時間数や講
義時期も様々で、各校の様々な考え方について情報
交換ができたことは有益でした。
●海外での経験の有無
しかしながら、海外での看護の経験があっても、
「自
分の経験と、国際看護学の講義として学生にどう教
えるかということについては別問題であり、かなり
困難を抱えている」と教育現場での悩みをほとんど
の人が述べていました。私自身は米国での短期研修
経験はあっても、発展途上国でのボランティアなど
の実務経験がないので、
「国際看護学を私が担当して
良いのだろうか?」と不安に思っていましたが、実
際に開発途上国などで体験をした人でも、教員とし
て教授することの戸惑いや不安は同じなのだと知り、
この研修に期待する受講者の気持は皆同じだと分か
りました。海外経験を長くされている方々も、教育
の経験も豊かな方々も、こうして研修を受け、より
よい授業を目指しておられることに力を得て、私も
共に頑張って成果物を持って帰ろうと思いました。
樋口先生の講義では、日本看護協会の看護活動の
基本的理念を基に「看護そのものが国際的なもので
ある」と学びました。教員が教育することの意義と
して「看護観・教育観・学生観」をベースに「教員
の倫理観」があり、教員の倫理観は学生へ伝わり学
生の倫理観に影響すること、学生は教員の後ろ姿を
見て育つことなど、樋口先生の講義で教育の基本を
再認識しました。
特に、心に深く残ったのは、授業が学生に対して
だけでなく、授業が「教員の教育経験の深化、人間
成長の場になるためにどのような授業になることを
期待するのか」
という問いかけでした。樋口先生は
「自
分が楽しんで授業をしていないと学生が楽しいわけ
がない」と話され、授業することで教員も共に成長
して行くことができるように、私も楽しんで教材作
りをして行きたいと願いを新たにした次第です。
(つづく)
8
国際看護 No.488/2015.3
日
1 開始
月
4 受付
か
小倉一春記念国際看護奨学基金
ら
公益財団法人国際看護交流協会
平成27年度奨学生募集要項
(応募期間⇒平成27年4月1日~5月15日)
公益財団法人国際看護交流協会・小倉一春記念国際
①奨学生願書(様式1)
看護奨学基金は、次の要領により平成 27年度奨学生を
②履歴書(様式2)
募集します。
③研究計画書(様式3)
1. 奨学金給付の目的と性格
④推薦書(様式4)
本基金は、保健・医療・看護は国籍や人種の別なく
⑤当該課程の在学証明書
全人類の共通の課題であるとの考え方を基本に昭和46
〈※上記④の推薦者は、在籍していた大学の教官、勤務
年に設立された財団法人国際看護交流協会の創設者・
していた施設の上司、大学院の教官など、志望者の進学
故小倉一春氏の遺志を継承した小倉啓子氏の寄附に
に理解を示している者1名。推薦書は推薦者記入後、封
よって平成23年4月に設けられました。国際看護を学ぶ
印(厳守)したものを願書等と一緒に提出してください。
〉
優秀な大学院生で経済的な理由により修学困難な者に
7.奨学生の選考・通知
対して、奨学金の給付を行い、国際社会に貢献する有
①奨学生選考委員会の選考を経て決定します。
用な人材を育成することを目的としています。奨学金は
②選考結果は本人に直接通知します(平成27年6月
給付であり返済の必要はありません。
2.奨学生の資格
①奨学生は、日本国内の大学院(修士課程・博士課程・
下旬予定)
。
③選考結果に関するお問合せには応じられません。
8.奨学生願書等の取得方法・応募方法
専門職大学院)に在学する者で、国際看護を専攻・
①下記公益財団法人国際看護交流協会のホームページ
履修する者。この場合、国際看護とは、国際保健、国
の「小倉一春記念国際看護奨学基金」から「平成27
際協力、国際交流など広い考え方を含めます。
②平成27年4月に入学を許可された者。及び平成26
年秋期に入学した1年次在籍者。
③他の奨学金の貸与・給付を受けていても受給資格
はあります。
3.奨学金の給付期間及び給付額、給付時期
①奨学金を給付する期間は大学院(修士課程・博士
課程・専門職大学院)在籍開始から2年間を限度と
します。但し同じ者が両課程を通して給付を受ける
ことはできません。
②奨学金の額は月額6万円(年間72万円)です。平
成27年4月入学者は奨学生となることが決定後(6
年度募集要項」をご覧いただき、応募書類(様式1
~4)をA 4用紙にプリントアウトしてください。
☞公益財団法人国際看護交流協会ホームページ URL:http://www.infj.or.jp
②応募書類は黒インキ・黒ボールペンによる手書きと
します。但し「研究計画書」はワープロ使用可とし
ます。
③必要事項を記入して必要書類を一括して「角2封筒」
に同封の上、郵便にて下記までお送りください。
☞応募書類の送付先 〒102-0074
東京都千代田区九段南3- 2- 2 九段宝生ビル201
月下旬の予定)
、4月に遡って給付します。平成26
公益財団法人国際看護交流協会
年秋期入学者は平成27年4月からの給付開始にな
「小倉一春記念国際看護奨学基金」奨学生募集係
りますので給付期間は1年6か月間です。1年課程
9.お問合せ先(事務局)
の大学院の場合の給付期間は1年間です。
※下記メールアドレスあてお問合せください。
③奨学生となることが決定次第、必要書類を提出して
いただきます。その上で奨学金年額を2回(7月・
E-mail : [email protected]
≪公益財団法人国際看護交流協会・小倉一春記念国際
10月)に分けて、奨学生指定の振込先口座に振込
看護奨学基金/奨学生募集担当・粕川継廣≫
みます。
電話 03-3264-6667 FAX 03-5275-3499
4.平成27年度募集人数
20名
≪個人情報保護について≫
5.願書提出期間
小倉一春記念国際看護奨学基金の事業に関して知り得
平成27年4月1日から5月15日(消印有効)
。
た個人情報は、当基金の奨学生選考、奨学事業に限定
6.奨学金申請時の提出書類
して使用します。また奨学生に関する情報は厳重に管理
奨学金志望者は次の書類を下記事務局まで郵便にて
し個人情報の保護には万全を期します。
送付してください。なお応募書類は返却しません。