平成25 平成25年作 25年作を 年作を顧みて 平成25年産葉たばこの生産にあたっては、収量の安定確保と品質の向上により、経営安定、産地 基盤強化を図るべく、品質収量安定化対策事業ならびに耕作技術再構築対策事業の効果的な展開、 さらには関係機関との連携のもと、ほ地条件整備、生産組織の有効利用に努め、安心・安全な葉たば こ生産に向け、地域毎に具体的実施計画を立て取り組んできた。 < 作柄 < 作柄について 作柄について > について > 苗床期は好天に恵まれ、植付の最盛は2黄が対平年6日早く、1・3黄は平年並みに行われた。 また、植付後も高温傾向で経過したため、10日程度早い生育状況となったが、4月6~7日の強風と その後の低温続きで、やや生育が停滞し土寄せ、心止めは平年並みとなった。 作柄は一部に練り畦や強風、水分不足の影響で小柄のものが見られ、また、収穫葉数が少ない状 態となったが、概ね中柄主体で素直な作柄となった。収穫開始は平年より2日程度早く開始され、その 後も例年発生する生理斑点病や灰色かび病も少なく、収穫(横かぎ)作業は順調に行われた。さらに、 梅雨期間も県内全域が少雨傾向で経過したため高収量が期待されたが、立枯れ病、赤星病、灰色か び病等の発生拡大と梅雨明け後の高温と日照りによる活力低下(消耗)で枯れ上がりや歩留り低下と なり、目標収量を確保することができなかった。 < 品質 < 品質について 品質について > について > ○1黄 中葉系は熟度、充実が良く、縮みの良いち密質のものが多産されたが、条件の (Co319) 悪いほ地や作遅れのものに熟不、薄肉、もろめが見られた。 本葉系は熟度が良く、組織も普通~ち密質のものが多産されたが、根傷みによ る熟度、充実不足のものや立枯れ病発生による未熟、消耗によるもろめが見られた 一部地域、個人には近年にない高品質、高収量のものが見られた。 ○2黄 中葉系は熟度、組織の良いのもが生産されたが、極一部に旧下葉の取遅れによ (沖縄2号) るもろめや風通しの悪いほ地、大柄となったほ地のものに薄肉もろめが見られた。 本葉系は熟度、組織の良いものが多産されたが、一部大柄作の粗め窒素残り、 根傷みによる充実不足のやせタイプが見られた。 また、個人によっては吸湿による変色が見られた。 ○3黄 中葉系は熟度、充実の良い、ネバリのある高品質のものが多産された。 (BY4号) 本葉系は極一部に根傷み、浅止めのものに熟度、充実不足が見られただけで、総 じて熟度、充実の良い、ネバリのある高品質のものが多産された。 全品種の県平均 1㎏当代金 10a当収量 1黄:対平年108%、対前年106% 1黄:対平年109%、対前年108% 2黄:対平年108%、対前年107% 2黄:対平年122%、対前年135% 3黄:対平年104%、対前年100% 3黄:対平年106%、対前年118% という結果となった。 本年産の本畑期間における主な気象災害としては、4月上旬に強風による塩害、落葉、その後の 低温、少雨による生育停滞、梅雨明け以降の高温、日照りによる消耗、枯れ上がり等あったが、全体 的には概ね好条件で恵まれた年であり、県目標を上回り好結果を収めた地域、個人が多かった。 葉たばこは自然が相手であり、気象の影響を受けやすい作物ではあるが、地域あるいは個々人の 意識や諸対策の年間を通しての取り組みの差によるところが、結果にバラツキが出る大きな要因と考 えられる。 今後に向けては、気象に左右されにくい葉たばこ作りへの基本技術に対する集団的意識改革と日 常の真剣な取り組み、行動が必要である。 (1)減収・ 減収・品質低下地域耕作者の 品質低下地域耕作者の分析 ○ 排水対策を怠り、湿害による生育不良、枯れ上がりが激しかった。 ○ 畦立時の土壌水分過多による練り畦で生育不良となった。 ○ 植付の遅れや初期生育が悪く、生育が遅れたため、伸び、薄肉、もろめとなった。 ○ 被覆期間の長期化により過着葉となり中葉系が薄肉、もろめとなった。 ○ 成熟遅れにも関わらず早取りし、青残りの熟度不足となった。 ○ 心止め時期と切除位置の誤り(浅止め)で上位葉が熟度、充実不足となった。 ○ 若返りにより熟度不足と粗め、肥残りの赤くすみとなった。 ○ 完熟良質堆肥の施用不足により上位葉が充実不足となった。 ○ 立枯れ病、黄斑えそ病、灰色かび病、疫病、赤星病などの病害発生による収穫ロスが多かった。 ○ 梅雨明け以降の高温、日照りによる枯れ上がり、消耗で減収となった。 ○ 乾葉の水分過多により変色、変質していた。 (2)生産目標を 生産目標を達成した 達成した耕作者 した耕作者の 耕作者の分析 ○ 条件の良いほ地を選定し、ほ地の保全管理が良かった。 ○ 完熟良質堆肥の増施、地力に見合った適正施肥であった。 ○ 健全な根づくりに努め、順調な生育、成熟であった。 ○ 異常気象の中、時期々の生育状態を見据え、適作業が行われた。 ○ 適正な心止めにより、本葉系の熟度・充実が良かった。 ○ 下位中葉収穫の適期着手と横かぎ回数を増やし、完全収穫ができた。 ○ 総かぎ開始が適期に行われ、適熟葉の完全収穫ができた。 ○ 立枯れ病、疫病、灰色かび病等の防除対策が徹底し、病害が少なかった。 ○ 取卸しや貯蔵管理が適正で水分管理が良かった。 (3)これからのたばこ耕作技術 これからのたばこ耕作技術の 耕作技術の対応について 対応について ①たばこ耕作 たばこ耕作の 耕作の基本的考え 基本的考え方 気象災害を克服し、品質・収量を安定させるためには、初期生育が良く品種本来の適正収穫葉数 を確保(1・2黄:17~18枚、3黄:16~17枚)し、早く心止ができる早作型とする。心止後は一時的 に葉色が濃くなり、次第に退色(肥料切れ)成熟していき、その期間「もてるたばこ・縮むたばこ・力の あるたばこ」が正常な作柄、正常な成熟といえる。 このような作柄が病災害にも強く、計画的収穫により熟度も向上し、品質・収量の確保につながる。 ②耕作の 耕作の基本を 基本を守ることが所得 ることが所得の 所得の向上につながる 向上につながる。 につながる。 ◎ 条件の良いほ地の選定 … (風通し、日当たりの良いほ地) ◎ 良質完熟堆肥の増施 … (10a当たり1,200㎏以上) ◎ 地力に見合った適正施肥 … (土壌分析の実施) ◎ 大高畦、排水対策の徹底により、健全な根づくりと病害対策 ◎ 適期、適苗の植付 ◎ 適正収穫葉数の確保のため適正な被覆管理と防風ネットの早期設置 ◎ 病害防除対策の徹底 ・ 立枯病、疫病、生理斑点病、黄斑えそ病、灰色かび病、赤星病等の病害防除の徹底 ・ 残幹根の早期処理とほ地外搬出または焼却 … (鋤き込みはしない) ・ 不良土壌の改良と土壌改良剤の適正散布 ・ 深耕、耕うんによるほ地の保全管理 ・ 水田転作の利用および集団化 ・ 農薬の適期、適使用による効果的防除 ◎ 適正な心止・適期のわき芽抑制剤散布と除去 ◎ 中葉系の適期、適熟葉の完全収穫と共乾の適期稼動 … (広く、浅くの徹底) ◎ 総かぎの適期、適熟葉の完全収穫 … (成熟状態を見極める) ◎ 貯蔵管理の適正 ・ 取卸し、貯蔵葉たばこの適正な水分管理 ・ 貯蔵害虫発生防止
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