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使える「バッテリー知識」をお届けする
【作成】㈱GSユアサ 自動車電池事業部
営業本部 市販営業部営業企画G
2015年8月26日
第71号
使用済み自動車用バッテリーのリサイクルシステム
今号では鉛蓄電池再資源化協会(SBRA)が運営する、国内電池メーカー・輸入事業者が共同で構築し
た自主取組リサイクルシステムについてお話します。
●リサイクルシステム
使用済みバッテリーは小売店・販売店にてユーザーより回収されます。このシステムでは小売店・販売店が
「排出事業者」となり回収・解体等の再資源化の過程を委託する形になります。
<システム概要>
①利用のため排出者登録実施。(WEB FAX等経由)
※登録は初回のみ
②回収依頼をSBRAに実施(WEB FAX等経由)
③使用済みバッテリーはSBRAが広域認定者
として、法規に則り回収・解体を委託。
※使用済みバッテリーは回収業者に無償で引き渡され、
解体業者に持ち込まれる。その後解体業者で適正に処理
され、精錬事業者にて再生鉛に精錬される。
※処理完了まで状況をWEBと廃棄物処理法に準じた
マニュフェストを使ってシステムで管理。解体処理完了を
管理表情報システムで確認。
●排出事業者の役割とメリット
環境上適切に管理・処理するための役割と、処理の簡便化等のメリットがあります。
<役割>
①使用済みバッテリーの適正な置場確保と分別管理(四輪/二輪/自動車用バッテリー以外を混入させない)
②一定量貯まれば回収依頼(四輪:25個 二輪:50個 のいずれかが貯まれば)
③その他法規上の義務の遵守(管理責任者設置など)※詳細 http://www.sbra.or.jp/pdf/sbra_brochureA4.pdf
<メリット>
①処理業者との委託契約不要⇒SBRAに委託 (バッテリーは広域認定制度に則り無償にて回収、遵法・適正処理)
②回収依頼が簡単⇒WEB入力で依頼 ③処理履歴を電子データで保存可能⇒ISO等に活用可能
●当リサイクルシステムの現況
適切処理できるメリットもあるシステムですが処理量は使用済みバッテリーの全体数に遠く及んでいません。
当システム以外の中には使用済みバッテリーが、昨今の鉛相場上昇を背景に有価物として取引され、海外へ
輸出されるなどしているケースがあります。
有価物として取引すること自体は違法ではありません。しかし、その取引の過程にて環境汚染につながる
不適切な回収・分解処理が行われている可能性が社会的に問題視されています。
経済産業省もこの事を重く受け止め、自動車関連業界に対して使用済みバッテリーは適正処理が行える事業者
にて対応するように要請しました。リサイクルにおいて遵法的に適正処理される事は一番重要な事であり、電池
メーカーとしては 信頼のおけるSBRAでのシステムでの回収量が増えることが望ましいと考えます。
・使用済み自動車用バッテリーは販売店が排出事業者となるリサイクルシステムがあります。
・SBRAにWEB経由で回収依頼し、適法・適正な処理を簡単に委託できます。
・使用済みバッテリーの適正処理を推進するためにも、多くの参画が必要となります。
自動車用バッテリーはこのSBRAシステムで適切にリサイクルされます。
リサイクルはエコロジーに基づく行動であり、それこそ環境影響などあってはならない
ものといえます。貴社におかれましても当システムへのご参画をよろしくお願い致します。