西南学院小学校 学校長メッセージ 「学校通信 Wings 2015 年 10 月号」 「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、 世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。」 ヨハネ福音書 14 章 27 節 いよいよ秋本番です。 「天高く馬肥える秋」です。みなさんは食欲の秋、読書の秋、スポーツの 秋のどれを楽しみにしておられますか。私は出来れば全てを楽しみたいと欲張りなことを考えて います。読書は私の趣味の一つですが、読書に出会ったのは大学時代です。それまでは明けても 暮れてもスポーツばかりで読書と縁のない生活でした。たくさんの本との出会いで、様々な考え や生き方を学ばせていただいたと思っています。さて、10 月 10 日(土曜日)は、第 6 回スポー ツフェスティバルを行います。10 月 10 日といえば、1964 年、第 18 回東京オリンピックが開か れたことを記念して国民の休日に制定されました。私がちょうど高校 3 年生のときです。進学先 を決定させたのもこのオリンピック開催が数年前に決まったことが大きな影響を与えました。当 時を振り返ってみると、戦争が終わって 20 年になるかならないかの時代です。国民は諸外国に 追いつけ追い越せ、経済的に豊かな社会を目指してみんな必死だったように思います。もう二度 と戦争のない平和な社会をつくりたいと願っていたように思います。60 年安保、70 年安保では 多くの学生たちが、平和な社会を願い反対を訴えたのを覚えています。ただ一部の過激な学生ら が別の方向に走ってしまったのは残念でした。長崎に平和を学ぶヒストリーツアーの最中に、安 保法案が決定されてしまいました。つい先日まではオリンピック会場の問題やエンブレムの問題 ばかりが取り上げられ新聞もテレビも騒いでいましたが、私だけの感想かも知れませんが安保法 案に関するニュースは扱いが小さかったように感じます。 先日、キリスト教学校教育同盟の後継者養成講座を行いました。その一部を紹介します。日本 では家庭の教育力の低下、社会の教育力の低下、学校の教育力の低下が起きている現実や、平和 が脅かされている現実があり、またアメリカでは経済的困窮者や、大学の奨学金欲しさに多くの 若者が兵隊に志願しているそうです。アメリカは現在徴兵制度を適用していませんが、 「経済的徴 兵」が行われています。西日本新聞で、 「日本でも起こり得るかも」と心配される方の記事が載っ ていましたし、北九州市の谷本牧師は、 「貧困が戦争」を生み出し、「戦争が貧困」を生み出して いると語っておられます。政治が混乱すれば、教育も乱れます。教育の安定のために斎藤隆夫衆 議院議員(1940 年の演説)やバーバラ・リー上院議員のような人が多く現れ、平和への道を整え て欲しいと願っています。バーバラ・リーはアメリカ貿易センタービルでテロが起こった後に、 愛する人を失った多くの人々への悲しみでいっぱいになりながらも、議会で報復攻撃に反対した たった一人の議員です。 「私たちは過去の過ちを繰り返してはなりません。 」ベトナム戦争への反 省、 「歴史は我々がアメリカ合衆国憲法をくつがえし台無しにするという重大な過ちを犯したとい うことを記録するであろうと私は信じる。」と述べています。政治や教育の方針が不安定なときで すが、私たちは子ども達が平和を維持していくための知恵と力を蓄えることの出来るように努力 をしていこうと思っています。 (和佐野)
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