理事(国際・評価担当)・副学長 挨拶

理事(国際・評価担当)・副学長 挨拶
本日はご多忙のところ、横浜国立大学国際戦略推進機構主催国際シンポジウム
に多数ご参集いただきありがとうございます。シンポジウム半ばではございます
が、貴重なご講演をいただき、また盛んな議論をいただき、いたく感銘し感謝し
ているところでございます。また、北米、南米と横浜との関係は、いわゆる移住、
移民の言葉に代表される海外日系社会との連携を抜きに考えられず、その意味で
「海外移住資料館」をお持ちになる JICA 横浜の場所をお借りでき、中南米との将来の国際連携を議論できる
ことは大きな意味があることであり、ここで改めて JICA 横浜をはじめ関係者の皆様に感謝申し上げたいと
思います。
さて、横浜国立大学と国際化について、少しお話をさせていただきます。本学の国際学術協定はサンディ
エゴ州立大学と 1978 年に提携したものにさかのぼりますが、それにわずかに遅れ 1983 年にはサンパウロ
大学と締結し、現在中南米ではブラジル、パラグアイ、コロンビア、メキシコの本シンポジウムにご参集い
ただいている各大学との連携に拡大して裾野を広げてきております。1980 年前後で学術交流協定が実現し
た他地域例は上海交通大学だけですので、本学の国際連携はサンパウロをはじめとする南北アメリカの諸大
学との密な協力を得て現在に至っており、大きな成果が生まれております。当時の連携は船舶をはじめとす
る工学系での教育研究が主であったと理解しておりますが、現在では社会教育や街作り、地域作りを含む、
多様なレベルでの活動に発展しており、現役学生も活動の場を求めて向かうこともあり、それらが本シンポ
ジウムでの諸講演につながっていることはご推測の通りでございます。
国際化でございますが、昨今話題に上るいわゆる SGU、スーパーグローバル大学には、お恥ずかしい限り
ではありますが、本学は入っておりません。しかし、国際化先進地である横浜にある横浜国大がリードする
グローバル化については多くの議論が重ねられております。世界規模で通じる教育研究を行うことは当然の
前提として、米国によくある国際教養を主体とする少人数教育を行うのか、あるいは博士の学位授与を主体
とする教育を目指すのかは、渾然とした議論が行われていますが、国際共生をうたった学科がある一方で、
専門の大学院教育を英語で実施しているコースも 20 年余にわたり抱える横浜国立大学の目指すところはあ
る意味で明確であります。国連の事務次長をおつとめになった明石康氏の言葉ですが、「グローバル人材に
ついてはまずは垣根を越えてお互いに理解し合うという気持ちが大切。世界を俯瞰でとらえ、より広い視野
を持つ教育が必須」といわれております。まさに 30 年あまりの協力関係を基礎とし「横浜を拠点とした中
南米との協働-ともに夢を紡ぐ- Esperanza ~希望~」をテーマとする本企画に通じる言葉かと思います。
本シンポジウムを通じ、今後のあるべき協働の姿を共有できたらすばらしい成果と考えます。最後になりま
すが、改めてご参集の皆様および関係各位に感謝申し上げ、簡単でありますが、私の挨拶とさせていただき
ます。
理事(国際・評価担当)・副学長
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