2 学年生活科 学習指導案 平成 27 年 12 月 8日(火

2 学年生活科
学習指導案
平成 27 年
第2学年竹組
1,
単元名「わたしの町
12 月 8日(火)
第5校時
宝仙学園小学校
37名(男子20名 女子17名)
授業者 五嶋 仁美
大すき」
(1)小単元「大すきな町」の発展的学習
「身体の不自由な人たちのことを知ろう」
(2)この単元のねらい
1.障がいのある人がどのように暮らしているかを知り、社会にある様々な工夫に目を向ける。
2.社会の中で、自分たちはどのようなことができるのかを考える。
【
単元観 】
本校では、以前より、生活科の「大すきな町」の発展的学習として「身体の不自由な人たちのこ
とを知ろう」という単元を設けている。
「大すきな町」の単元の活動例には、地域のお年寄りや福祉施設の人たちとの交流があげられて
いるが、児童が様々な地域から通学する本校にとって、実地するのはなかなか難しいという現状が
ある。しかし、町のお年寄りや、障がいを持つ人たちとの交流は、「他者と共に生きる」という考
えを身につけるためには、本来なくてはならない学習である。直接交流を持つことは難しいとして
も、本校の児童にも、「共に生きる」という考えは、ぜひとも身に着けてほしい価値観である。そ
こで、
「自分とは異なる他者の視点に立ち、相手の立場から物事を考える」
「様々な素地を持つ人た
ちと共に生きる」ことを考えるために設定されたのが、この発展的学習なのではないだろうか。
2020年のパラリンピック開催に向けて、日本でもインフラ整備をはじめとした様々な取組み
が始まり、「ユニバーサルデザイン」という考え方も浸透しつつある。今後は、世界的にもそのよ
うな考えが進んでいくと思われる。
また、「自分と異なる他者」というのは必ずしもお年寄りや障がいを持つ人たちに限ったことで
はない。クラスの友だちもまた「他者」である。相手の立場を考えることは、決して特別な場合に
限られたことではなく、我々が社会で生きていく上で、ごくあたりまえのこととして身につけてほ
しい考え方である。
以上のことを踏まえ、社会には様々なひとがいること、そして、人々がお互いに助け合って生き
ていくための工夫を伝えながら、
「よりよい社会とはどういうものか」、そして「社会の中で、自分
はどうすれば人の役に立てるようになるか」ということを子どもたちに考えてほしい。
【 児童観 】
男子が多いこともあって、明るく元気のよいクラスである。また、賢い子が多く、図工や理科工
作の作品作りでも、アイディア豊かで個性的な作品が多くみられる。一方、子どもらしい反面、精
神的に幼い部分もあり、結果や相手の気持ちを考えず、自分の感情を優先して動いてしまう様子が
よく見られる。そのため、ひとりひとりの仲は決して悪くはないのだが、相手を傷つけるような不
用意な発言をしたり、ほんのすれ違いからケンカに発展してしまうことがよくある。
そこで、「相手の気持ちを考える」「自分が言いたいことを言うだけではなく、相手の話も聞く」
ということを一学期から繰り返し伝えてきた。
今回の単元の重要な要素である「相手の立場に立って物事を考える」ということは、今の彼らに
足りない力であり、まさに育てていかなければいけない力である。
この単元の第二時で、「耳の聞こえないお友だちがクラスに転校して来たら、学校でどんなこと
に困ると思う?」という質問をしたところ、その答えが書けない子が多くいた。そこで質問を変え、
「もしも自分が耳が聞こえなかったら、学校でどんなことに困ると思う?」と聞き直したところ、
ようやく子どもたちの鉛筆が動き始めた。まだまだ、他者の立場というものをはっきりと考えられ
ない子どもたちの実態が浮かび上がった一瞬であった。
そこで、これまでの時間では、耳の聞こえない人がどんな生活をしているのか、ということや、
どんな時に困るのか、ということを伝えてより具体的にイメージできるよう努め、自分とは異なる
他者の存在を知ることに時間をかけてきた。
本時では、さらに一歩進め、「もし身体の不自由な仲間がいたら、その子と一緒に過ごすために
はどうしたらいいのか」ということをテーマとして設定した。自分のこととして真剣に考えてほし
いと思う。
この単元を学ぶことによって、子どもたちが少しでも「相手の立場に立つ」ことを考えるように
なり、誰かのために役に立つことを喜びと感じるようなひとに育ってほしいと思っている。
【 協働的な学びについて 】
今年度の研究テーマである「主体的・協働的な学び」についてだが、このクラスでは、隣同士で
の話合いをすることからスタートした。四月当初は、隣同士での話合いすらままならない状況だっ
たが、二学期にはいり、少しずつ班での話合いができるようになってきた。担任の勉強不足もあり、
それ以上はなかなか進まなかったのだが、11 月に入り、ようやくホワイトボードを使用しはじめ
た。今回の授業で、ホワイトボードを使用しての話合いは、5~6回目程度である。
今回の授業では、ドッジボールの「オトちゃんルール」を考える際、ホワイトボードを使いなが
ら班での話し合いをすすめる予定である。班で話し合い、一番良いルールを選択する活動を通して、
「オトちゃんもみんなも楽しめるルール」を、より客観的な視点で考えられるとよいと思う。
2.指導計画
(1)本時までの流れ
1時間目・・・耳の聞こえない人のことを知ろう
・耳の聞こえない人が、普段の生活で困ることってどんなことだろう?
2時間目・・・耳の聞こえない人のことを知ろう
・もしも、耳の聞こえない人に、道をたずねられたら?
3時間目・・・耳の聞こえないお友だちと なかよくするには
・もしもクラスに転校してきたら?
・手話について
⒋時間目・・・手話をやってみよう
・あいさつ・動物・手話クイズなど
5時間目・・・身体の不自由な人について
(本時)
・乙武さんについて
・オトちゃんルールを考えよう
6時間目・・・身体の不自由な人について
・乙武さんは、こんなこともできる!
・車いすについて
7時間目・・・目の不自由な人について
・点字ブロック
・点字新聞
8時間目・・・目の不自由な人について
・身の回りにも 点字がいっぱい!
・ユニバーサルデザインについて
(2)本時のめあて
・乙武 洋匡さんについて知り、身体の不自由なひとの存在を知る。
・乙武さんの学校生活と、クラスの友達との関わりを知る。
・乙武さんのクラスメイトになったつもりで、一緒に過ごすにはどうしたらいいのか
考える。
(3)本時の評価
・乙武さんを通し、様々な人がいることがわかったか。
・乙武さんの立場になって、オトちゃんルールを考えることができたか。
・身体の不自由な人との関わりを、自分のこととしてとらえ、考えることができたか。
(4)本時案
時
導
入
3
5
展
12
学
習
活
動
● 乙武 洋匡さんについて知る。
・電子黒板で、乙武さんの写真を見る。
・どんな小学校に行っていたのかを知る。
指導上の留意点
・電子黒板使用
● 乙武さんが、学校に入ったら、どんなことで困ると思うか
考える。
・電子黒板に映し出された選択肢を見ながら、乙武さん
ができたことは何か、困ったことはどんなことかを考える。
・障がいのある子が一番困るのは、
「休み時間」だというこ
とを知る。
・「五体不満足」の、休み時間の場面を聞く。
・本を用意
本時の主な活動
乙武さんと一緒に遊べるルールを考える
15
17
・班の形にし、ホワ
イトボードを配布
主発問
「では、ドッジボールのオトちゃんルールはどんなものだった
と思いますか。オトちゃんもみんなも楽しめるルールを、班で
考えましょう。」
開
27
33
ま
と
め
・電子黒板で、サッカー・野球のオトちゃんルールを確認
する。
37
・ホワイトボードに書く。
・班のホワイトボードを持ってくる。黒板に掲示。
・班で考えたルールをそれぞれ発表する。
・各班の発表の中から、これはいいな、と思ったルールを ・ワークシート配布
選びワークシートに記入。
●まとめ・・・工夫をすれば、障がいのある人と一緒に遊ぶこと
もできることを知る。