IV.固 体 高分 子 お よび 固体 酸 化物 形燃料電 池 1。 改 質 ガ ス お よ び メ タ ノー ル 直接 型 固 体 高 分 子 形 燃 料 電 池 の 特 徴 と構 成 * 固体 高分子形燃 料電 池 (PEFC)は ,電 気 自動 車 (EV)用 の 高性能 で ク リー ンな駆 動 電 源 や 携帯 機 器 用電源 ばか りでな く,電 気 と熱 を同時利 用 (コ ジェネ レー シ ョン)す る家庭向 けな ど 定置用途 に向 けて 活発 に開発 が進 め られて い る I〕 E「 Cは プ ロ トン(III)の み を透過 す るイオ ン交換性 高分子膜 (PEM) を電解質 に用 い,一 般 に燃 料 には水 素,酸 化剤 に空気 中の酸素 を供給 して 60∼ 100・ 約 Cの 低温 で作 動 する この PEFCの 単 セル構 造 を図 1に 示 す。 PEMを ア ノー ド,ヵ ソー ド2枚 の 電極 で挟 み付 けた 膜 電極接 合体 (MEA:mcmbrane elcctrOde assembly)を セパ レー ター で積 層 して,所 定 の 出力 を得 る 電極触媒 IPlは ,カ ーボ ン担体 に 白金な どの貴金属電極触媒 を高分散 した もの を多孔質支持体表面 に薄層 コーテ ィン グした ものであ る。 この触媒 上 で,次 の起電反応 が こる 起 . ア ノー ド :H2 -211++2c カ ソー ド :2H.1/202+2e―― (1) H20 (2) 高分子膜 を用 い てい るため電解 質 の漏 れが な く(縦 置 き使用 も可能 ),極 間 のガ ス差 圧制 で,変 換効率約 40%で lkW′ 御 が不 要 l以 Lの 高出力密度 が得 られ る しか も,低 温作 動の ため起 動時 間 が 短 く安価 な構成材 料 も使用 可能 とな る.他 方,低 温作動 のため に,廃 熱 (温 水 )の 品位 が低 く,電 極過 電圧 を低減 す るための貴 金属電極触媒 を老、 要 とす る. また,後 述 す るよ うに使用 す る燃料 に も制約 が ある . 図 2(a)に 模 式 的 に示 す ように,用 い る燃料 に よ リシス テム構 は大 き く 成 変 わ る 純水素型 は電 池 リブ付きセパレーター MEA く00mm リブ付 きセパ レーター 図 ・渡辺政廣 MasahirO Wハ (山 梨大学工学部 ) ]Aヽ 1 リブ付 きセ パ レー ター を用 い た PEFC ABE(Ц 梨大学 ク リー ンエ ネル ギ ー研 究 セ ン ター), ●田裕 之 HirOyuki uOHDA Iヽ lAll● 高分 rお よびt」 体酸化物 形燃料電池 (b) Jξ]堕 ト ← Air ]F碑 趣FJ CH,OH+HO一 6H‐ +CC+60 C02 t J,/ -)t6l9#:lLv /-l | | t.ifretY- $ 図 2 PEFCシ ステム構成 (a)純 水素または改質ガスPEFC,(b)メ タノール直接型 か よ か ら水 しか排 出 しな いので最 もク リー ンで あ る.自 動 車会社 のデモ ンス トレー シ ョンで も明 ら な い 工場 うに,純 水素 を燃料 とした場合 , コス トは別 に してか な りの レベ ル まで高性能化 が進 んで る。 ス ン ド並 で つ くった純水素 を供給 す るか, また はメタ ノール,ガ ソ リン,天 然 ガスな どをガ ソ リン タ タ みの ステー シ ヨンで改質 して燃料 とす るかの選択 があ る。供給 イ ンフラの新 た な整備 と,車 載水素 ンク(吸 蔵合金 ,液 体 また は高圧 タ ンク)容 量 の大幅 な増加 (現 状 の 3倍 増 )が 求 め られ る メタ ノールな どの液体燃料 を車 上で改質 した ガ スを燃料 に用 いれ ば,ガ ソ リン車 並みの利便性 を有 . EVが 可能 にな る.こ の場 合 もイ ンフラ整備 が必要 で はあ るが,水 素 スタン ドよ いで発 表 され た 家庭据 置 りも容易 であろ う。 ご く最 近, この メタノール車上改質型駆動 EVが 相次 PEFCに 直接 供給 す 用 で は,天 然 ガ スや灯 油 な どを改 質 して用 い る.メ タ ノール な どの改質 ガス を す る無公害・ 高効率 しい性能 低下 る と,わ ず かに含 まれ る一酸 化炭素 (CO)に よつてア ノー ドの 白金触 媒 が 被毒 され,著 らび に耐 CO被 を きたす このた め,CO含 有率 を 10 ppm以 下 まで低減 で きる改質 器・ 変 成器 ,な も重要 な課題 で 毒性 ア ノー ド触媒 の開発 が ホ ツ トな研究 開発課題 で あ る。電解質中 の簡便 な水分管理 む ある.ス タ ック内 に,蒸 気透過性膜 を介 して一 方 に反応 ガス,他 方 に戻 り冷却水 また は生成 水 を含 カ ソー ド排 ガ スを流 す室 を設 け加湿 す る方法 が一 般 的 であ るが,電 池 サイズが大 き くな る.筆 者 らの ば 応速度 の 提案 Dを 含 め,無 加湿運転 の 方向性 も示 され つつ ある. もし,高 温作動膜 が実現 すれ ,反 ど わ めて大 促進 ,耐 CO被 毒性 の向上 ,排 熱利 用 の熱交換 システムの コンパ ク ト化,高 品位化 な ,き で 25 きな メ リッ トが得 られ る。 また,実 用化 時 の要求 コ ス トは EV用 で約 6千 円 kW l,定 置 用 約 1 改riガ スおょびメタノールri接 型 "体 万 円 kW 高分子形燃お1電 池の特徴と構│, 169 とされ るが,現 状 では電池 の積層 と各単電 池 に反応 ガス を供給 す る 目的 の セパ レー ター, 電解 質膜 コス トが大 きな比 重 を占 め,1/20程 度 に低 減 す るた めの努力 が な され て い る。他 方,燃 料 電 池 の実用化時 に占め る白金主体 の電極 触媒 コス トは 40%以 上 と推定 され,そ の使 用量 の低 減,特 に高活性 カ ソー ド触媒 の開発 が重要で ある メタノール水溶液 をア ノー ドに直接供給 す るメタ ノール 直接型燃料電池 (DMFC:dircct mcthanol fuel ccn,図 2(b))は ,改 質器 や変成器 な どが不要 で,大 幅 な電 池の小 型化 が 可能 とな る 。構 造 が 単 純 で メ ンテナ ンス も容 易 であ る ただ し,メ タノー ル の酸化 反応速度 が遅 いた め,水 素燃 料 時 の 10 倍近 い白金触媒 を必 要 とす る また,PEM中 へ の メ タ ノール の浸透 (ク ロスオー バ ー)の 抑制 め も重 要課題 で あ る。 しか し,小 型機器用電源 (パ ソコン,携 帯電話 な ど)と して,発 展 の可能性が きわ めて 高い 1.1.触 媒 材 料 1l A 改質 ガ ス型 用耐 CO被 毒 ア ノー ド触媒・ a)PEFCア ノー ドの CO被 毒 低温作動 の PEFCア ノー ドで容 易 に電気化学 的酸化 が 可能 な燃 料 ガス は水素 の みで あ る。 カナ ダ や北欧 な ど安 価 な発電 で水電解 で きる例外 を除 き,現 状 で は,メ タノール ソ ,ガ リン,灯 油 ,天 然 ガ スな どの炭化水 紫燃料 を改 質 して,水 素 リップな燃 料 ガ ス を得 こ る とにな る.改 質 [改 質反応 十シフ ト反応 ]し た ガ ス中 には COが 約 1%含 まれ る. この改質燃料 ガ スを PEFCに 直接供給 す る と,白 金 ア ノー ド触 媒 が COに よ り被毒 され,著 しい性能 lLt Fを きた す.白 金触 の CO被 媒 毒 は,白 金 か ら COへ 電子 が供与 (バ ック ドネー シ ョン)さ れ強 く吸若 す る ことに よって起 こる. 白金 の水 素酸 化活性電 流 ス の C()被 覆 率 a。 依存性 を図 3に 示 すい。CO濃 度 にかか わ らず の よ 次 うな関係 が ある.2()く 07の 被覆率 で は , くξ ヽ ポロ摯ロピ騒賠ヽ CO被 覆率 θc。 図 3 r金 1こ 極 の水 素酸化活性 電流 ム の CO被 覆 率依存性 HCK)I中 で,1転 電極 法 によ り算 出,温 lrt ■ :20 nlヽ ぉ RHE,ol、 26 C '内 田裕 之 H十 o、 uki t,Om)A(山 梨大学工 学部 ),渡 辺政晨 ー研究 セ ンター) ヽlasahiス )ヽ Al、 、ABE(1梨 大学 ク リー ンエ ネル ギ IV 同体高分子および団体酸化物形燃料電池 i=々 (1-α o) の ように,COに (3) 被覆 され ない空 きサ イ トの減 少 に比例 して水素酸 化活性 が減 少 して い る.■ 。が さ らに増大 す る と(■ 。>2/3),水 素分子 の解離吸着 に必 要 な隣接 す る 2つ の反応 サ イ トを確保 で きな く ・● な るため急激 に活 性 が低下 す る i=ら (1-α o)2 (4) COで あ って も,長 時間の接触 で ,。 =1と なって作動不能 とな る.CO濃 度 が 高 い に OH ほ ど,よ り短時 間 で平衡被覆率 ■。=1に 達 す る.い つた ん 白金 に吸着 した COは ,白 金 表 面 s RHE以 上 の高電位 まで は酸化除去 されない。 が生成 して,次 の反応 が起 こる 06V υ 室温 で は 10ppm Pt CO+H20 よって,改 質燃料型 → Pt+C02+2H・ +2c (5) PEFCに は,ま ず,CO濃 度 を 10 ppm以 下 まで低減 で きる改質器・ 変成器 の開 の COが 混入す る可 発 が必 要 で ある。 しか し,運 転条件 の急変 に よ り燃料改質系統 か ら比較的高濃度 で も高 い水素酸化活 の 能性 も考 え られ る.す なわ ち,上 記課題 と並行 して,100 ppm程 度 CO存 在 ド 性 を有 す る耐 CO被 毒性 ア ノー ド触媒 の開発 が必 要 で ある b)耐 CO被 毒 ア ノー ド触媒 の設 計 で い水素酸化活性 を有 す 深刻 な CO被 毒 を受 ける とはい うものの,100C以 下 の PEFC運 転温度 高 の あ るい る触媒 は,白 金以外 にな い。 したが って,耐 CO被 毒 ア ノー ド触媒 として は,白 金 表面修飾 は白金 と他 の金属 の 合金 に選択肢 が 限 られ る なお,DMFCア ノー ドで も,反 応 中間体 の COに よ 30. り白金 が 自己被毒 を受 けるため,同 様 な設計指針 で開発 され つつ あ る ことが試 み られ た まず,よ り低 い電位 で式 (5)に よって COを 除去 して水素酸化 サ イ トを確保 す る ヒ素 ,ア ンチモ ン,ビ スマ ス,硫 渡辺 らは白金電極 表面上 のル テニ ウム,ゲ ルマニ ウム,ス ズ,鉛 , が し く向上 す る ことを 黄 ,セ レン,テ ルル な どの ア ドア トム (1原 子層以下 )に よ り,CO酸 化活性 著 い 。 して, これ ら 見 出 した'ヽ これ に よ り,CO共 存下 での水素酸化活性 があ る程度維持 で きて る .そ bi func● onal mech 酸素親和力 の高 い ア ドア トムが隣接 す る Pt COに OH種 を供給す るいわ ゆる “ λ=ヽ 現在 まで,白 金 とル テ ニ ウム,ス ズ,オ ス ミウム,モ リ anism(二 元機能説 )"が 提案 されて きた ブデ ンな どの二元 系,三 元系合金 や共析物 が耐 CO被 毒性 を示 す こ とが 見出 され,種 々の電 気化 学的 9∼ 1リ η s′ ″′赤外分光 法 に よって反応機構 が検討 されてい る 手法 ,STM(走 査 トンネル顕微鏡 )や ′ ノー ル酸化 を 金属 で はな く,酸 化物 (Nb205,Ta205,Zr02,Ti02な ど)に よって白金表面 の メ タ い る. また,白 金 と り 促進 す るこ とも報告 され た .酸 化物 が OH種 の供給源 として働 くと考 え られ て ルテ ニ ウム酸 化物 の混 合物 で,Pt Ru合 金 と同様 の協 力効果 が現 われ る こ とが早 くか ら指摘 された の が 0,近 年,活 性 触媒 は合金相 をつ くってはな らない とい った極端 な主張 もあ る乳 しか し,最 近 この酸 わ s″ ″の XANES(X線 吸収端近傍構 造 )1● あ るい は NMR(核 磁 気共鳴)い に よる解析 で は, 化物相 も白金 との界面 で は金 属相 とな つてい るこ とが確認 され つつ ある. い る.最 近 の しか し, これ らの触煤 活性 を二 元機能説 のみで は説明 で きな い ことが指摘 され始 めて に られ る CO酸 化 の 理 論計算 に よる と,COが Pt Ru合 金表面 を移動 しや す い と考 えな けれ ば実際 得 10。 また,I)EFCの Pt Ru高 分散触媒 は 01Vい RHE以 下 の ボル タモ グラムの形 を説明 で きな い バ ル ト,ニ ッケ ほ とん ど CO酸 化 が起 こ らな い電位 で も,良 好 に作 動 す る.渡 辺 らは最 近,鉄 ,コ ル リプデ ン とビ 1金 の固溶合金 にお いて CO被 覆率 が著 し く抑制 され,優 れ た耐 CO被 毒性 を示 す ,モ ことを見出 した (図 4)r). この合金表 面 は数原子 層 の 白金被 膜 で覆 われ てお り,最 表面 には第 2成 分 l ttK rlガ スぉょびメタノール直接型同体高分子形燃料電池の特徴 と構成 120 Pls,R喝 120 Pll● 120 Pl.Ni42 “ 120 Pl・ 6NI“ 120 PtsFo,5 Pヽ ,Fo“ 120 120 Pl,ISb“ 90 Pd" 75 喝 R 30 15 02 ∞ 04 06 平衝 CO被 CO被 毒 時間 ′mn EE ヽ肛 雷 ‘ミ く ・ トロ 型興ざ 洒 熙K Pt.6Ru“ "率 ,θ c。 図 4(a)純 白金 および耐 CO被 毒合金の水素酸化活性電流 ス の時間変化 (回 転範極法)100 ppnl co/H2 バ ランスガスを飽和 した 0 1 M IIC104中 , 50nlV υ s RHE, 1 500 rpnlで CO被 毒,ス :20 mV′ s RHE,温 度 26 C O))そ の ととの平衡 CO被 覆率 CO被 覆 率 が 抑 え ら れ , しか も COが 移 動 しや す い た め ,水 素 酸 化 反 )さ サ イ トが確保 され て い る こ とがわ か った 。 耐 CO 被 毒性 に対 す る表面電 子状 態 の重 要性 に 着 日 した表 面 科 学 の新 た な発 展 と,新 規 触媒 の 開発 が 大 い に が 存在 して い な い.下 地 合金 の影響 に よって 白金 被膜 の電子 状 態 が 変 化 して平衡 期 待 され る 1`∼ r、 1lB. 改 質 ガ ス プ ロ セ ス 用触 媒 ホ 各種燃 料 電 池 の 中 で も PEFCは 約 80・ Cと 低 温 で作 動 す るた め,他 の 高温 型燃 料 電 池 とは異 な り , 安価 な材 料 が 使 用 で き コ ス トダ ウ ンの 可能性 が 高 い ,起 動 停 止 が 容 易 な どの 特 徴 が 自動車 業界 や家電 メー カー に着 目 され ,次 世代 の 自動車 用動 力源 や家庭 用小 型燃 料 電 池 として ,現 在世 界 中 で 活発 な 開 発 競争 が 繰 り広 げ られ て い る現在 最 も注 目 され て い る燃 料電 池 で あ る. 1)E「 Cは 水 素 ,メ タ ノール ,天 然 ガ ス ,ガ ソ リ ン な ど幅 広 い燃 料 を原 料 と して発電 す る シス テ ムが 考 え られ て い るが ,メ タノー ル や天然 ガ ス,ガ ソ リン な ど容 易 に人 手 可能 な炭化 水素 系 原料 を PEFC の燃 料 と して用 い る場 合 には , これ らを水 素 リッチ な 改 質 ガ スに改質 し,そ の 改 質 ガ ス を燃 料 電 池 の 燃 料 と して セル 本体 に供給 す る必 要 が あ る。 ここで は,PEFC用 の改 質 ガ ス を製造 す るた め に使 用 さ れ る各種触 媒 技術 の 技術 開発状 況 を概 括 す る a)PEFC用 改 質 シス テ ム PEFCは 水素 ,メ タ ノー ル ,天 然 ガ ス,ガ ソ リ ン な ど幅 広 い燃 料 を原料 と して発 電 す る シス テム が 考 え られ て い るが ,そ れ らの燃 料供 給 システム には 図 5に 示 す よ うにか な り大 きな違 いが あ る. 水 素 を直 接 燃 料 とす る PEFCシ ステム で は,水 素 ボ ンベ や水 素 吸 蔵 合 金 な どの水 素 吸 蔵 材 に貯 え た水 素 をそ の ま ま燃 料 ガ ス と して セル 本体 に供給 す るた め ,燃 料 ガ スに COな どの 不 純物 が 含 まれ て い な い 。 このた め,水 素燃料 型 PEFCシ ス テム は,COな どの不 純物 処理 も不 要 で 非常 に シ ンプル な システム とな る (図 5の (a)参 照 ).た だ し,高 性 能 な水 素 吸 蔵 材 の 開発 が 困難 で あ る こ と と,水 素供 給 イ ンフ ラの整 備 の点 で 問題 が 残 され て い る. ・岡 Hl 治 Osamu OKADA(大 阪 ガ ス (株 )開 発研 究部 ) IV (a)水 栞燃料型 PEFCシ ステム 同体高分子 お よび11体 酸化物形燃料電池 合 素 吸 蔵 コ 水 素 ステ ム (b)メ タ ノール燃 料 型 PEFCシ ― メタノール 85´ ‐100℃ C001∼ 1% C010 ppm以 下 (c)天 然 ガスまたはガツリン燃 IIIttPEFCシ ステム ス ツ ン亘 天 ま た は ガ リ 然ガ 脱 硫 器コh匝 質 ∃引医 約7∞ ℃ ・C010∼ 15% 図 5 各種燃 料型 PEFCシ {PEF司 卜嘔憂憂□‐ ・ 200∼ 3∞ t =憂 co o5∼ 1% ・ 80∼ 1∞ ℃ C010 ppm以 下 ステノ、の燃 料 9t給 系 の比 較 ‐ 方,メ タノー ル や天 然 ガ ス,ガ ソ リンな ど容 易 に人手 可能 な炭化水素系 原料 を PEFCの 燃 料 と して用 い る場合 には, これ らを水 素 リッチな改質 ガ スに改質 し,そ の改質 ガスを燃料電池 の燃 料 とし てセル本体 に供給 す る ことにな る 天然 ガスを燃料 とするシステムにつ いて は,す で に リン酸形燃料 電池 (I)AFC)シ ステムで長期耐久性能 も含 めて実績 が ある。PAFCの 天然 ガス改質 システム では,ま ず燃料 に含 まれ る硫黄分 を脱硫器 で除去 した後 ,約 700・ C以 卜の高温 で改質器 にお いてニ ッケ ル 系あ るい は貴 金属 系触媒 を用 い て水蒸 気改質反応 を行 な い,続 い て,約 200∼ 350C程 度 の温度 で CO変 成器 にお いて CO変 成反応 を行 な う こ とに よ り改 質 ガ ス中 の CO濃 度 を 1%以 下まで低減 して い る。 PAFCの 場 合 は この段階 で セ ル本体 に供給 して い るが,I)EFCの 場 合 は,CO濃 度 を さ らに ppmレ ベ ル に まで低減 す る必 要 が あ り,CO変 成 器 の後段 で さらに CO選 択酸化触媒 な どに よる CO除 去 を 行 な っている (図 5の (c)参 照 )ガ ソ リンの場 合 も,基 本 的 には天 然 ガ スの場 合 と同 じシステムで対 応可能 であ る。 ただ し,脱 硫 の困難 さや水 蒸気改質触媒 でのカー ボ ン析出 の防止 な どについて考慮 す る必要が あ る また,LPCや ナ フサ な どの炭化水素系燃料 も基本 的 にはガ ソ リン と同様 であ る . メタノール を燃 料 とす る場 合 は, メタノール は製造段階 ですで に脱硫 され てい るため脱硫工程 が不 要 になるほか,水 蒸気改質 に よつて改質 す る場 合 で も,ニ ッケ ル系触媒 や責 金属 系触媒 を用 い る天然 ガ スや ガ ソ リンの場 合 とは異 な り,銅 系触媒 を川Jい る ことに よ り 200∼ 250C程 度 とい う比 較 的低温 で改質反応 を行 な うことがで きる。 また,銅 系触媒 はメタノール改質反応 と CO変 性反応 の 両 方 の活 性 を有 して い るた め,改 質器 は CO変 性器 もかね てお り,非 常 に シンプル な改質 システム とな る (図 5の (b)参 照 )た だ しメタノールの場合 は毒性物 賀 で あるためハ ン ドリング と供給 イ ンフラの点 で間 題 が あ るほか,メ タ ノー ル を天然 ガ スか ら合 成 す る段 階 で天 然 ガ スの もって い るエ ネル ギ ー の約 30%を 失 って しまうため,総 合熱効 率 は本質的 に低 くな らぎるを得 ない ことも問題 として指摘 されて い る.メ タノール よ り毒性 が低 くハ ン ドリングの 容易 な ジメチル エ ー テ ル (DME)に つ い て もメ タ ノ ール と同 じシステムで容易 に改質 で きるが,イ ンフラや効率低下 の問題 は共通 であ る. b)燃 料電 池用改 質 シス テ ムに お け る触 媒 技術 開発 D 既存触媒技術の問題点 天然 ガ ス (あ るい は LI)G,ガ ソ リンな ど,軽 質 な炭化水 素類 )を 原料 とす る燃料電池 につ いては , その改質 システムは基本的 にはア ンモニ アエ 業 な どの分野 で用 い られすでに技術 的 に確立 して い る一 般化学分野 の水素製造 用水蒸気改質 プ ロセ ス技術 と共通 してお り,水 素製造用 の各種触媒 が使 用 され て きた (図 6に 水素製造 用水蒸気改質 プロセ スの フローお よび各種使用触媒 の役割 を示 す). l 改質 ガスおよびメタ ノール直接型 』体高分子形燃料電池の特徴 と構成 しか し,燃 料電池用改質 シス テム では一 般 の水素製造技術 では要 求 され な いコンパ ク ト化 ,起 動時 間短縮 ,負 荷応 答性 な どの特殊 な性 能 が 要求 され るため,従 来 の水 素製造 用の触媒 では解決困難 な問 題 が指摘 され て いた PEFC用 天然 ガス改質 シス テムは,図 5の (c)に 示 す よ うに,脱 硫 ,水 蒸気改質 ,CO変 成 ,CO除 去 の 4つ の プロセスか ら構成 され る. まず,原 料 中の硫 黄 を脱硫 す る.都 市 ガスの場合 ,付 臭 剤 として きゎ めて反応性 の い 低 有機 硫黄 を 使 用 してお り,水 添脱硫触媒 で反応性 の高 い硫化水 素 にか え,酸 化亜鉛 を用 いて吸 着除去す る この 場合,反 応温度 として 350・ C以 上必 要 で,起 動時 に脱硫器 の温度 が 350Cま で上が るの を待 つ必 要が あ り,起 動時間 を短縮 す るの は困難 であ る.ま た,現 状 の脱 硫技術 で は ppmレ ベ ル ,通 常 0 1ppm 程度 の硫 黄 がス リップ し,改 質触媒 の硫黄被毒 の原因 とな る. したが って ,改 質反応器 を コ ンパ ク ト にす ることは難 しい。 次 に,原 料 の炭化水素 をスチーム と反応 させ て,H2,coに 変 える水蒸 気改質 を行 な う。 この とき ニ ッケル 系触媒 を用 い るが,従 来 はカー ボ ンが 析出 しや す いため,こ の スチーム を反応 に必 要な量 よ りも過 剰 に使 用 して い る。 こ こで ス チー ム とカー ボ ンの比 を S/Cと ぃ うが,現 状 技 術 で は S/Cが 35以 上 必要 で あ り,燃 料電池 に望 ま しい低 S/C運 転 は困難 で あ る.PAFCで はセル でスチーム を発生 させ てお り,そ れ をで きるだ け系外 に取 り出 部 での熱 交換 し有効 に利 用で きるこ とが望 まれ る。 しか し,S/Cが 高 い とせ っか く発生 させた スチー ム を水 蒸 気改質 で消 費 して しまい,ス テーム の ま ま取 り出 せ な くな って しま う。 また,PEFCの 場 合 はセルの 温度 が約 80'C程 度 とさらに低 く,セ ル 部 か らスチームが取 り出せ な いた め,水 蒸 気 改質 用 の スチー ム製造 は効 の 率 低 下 につ なが り ,S/C の低下 は直接効 率 向上 に結 びつ く. したが って,燃 料電 池 の場 合,先 に述 べ た よ うに低 S/Cで 水蒸 気改質がで きる こ とが 望 ましい。 また,先 に説明 した硫黄被 毒 に よ り活性が 低下 す るた め,改 質触媒 量 を減 らす ことがで きな い. さらに,硫 黄被毒 は改質触 媒 のカーボ ン 析 出 を も促進 す るため,燃 料 電 池用改質 シス テム として望 ましい低 S/C運 転や,反 応器 を コ ンパ ク トに るのは す 不可能 とな る . その後 ,COを スチー ム との反応 で H2に 変 え る CO変 成反応 を な うが 行 ,一 般 化学分野 の水 素製 造 プ ロセ スで は高濃度 の COを 処理 す る場 合,図 6の よ うに Fe Cr系 の 高温 CO変 成 触 媒 と Cu Zn 原燃 料 (ナ フサ 天然 ガ ス) (役 害1) ナフサゃ天然ガス中の 碗黄分の除去 (役 害」 ) ナフサや天然ガスと 水蒸気 を反応 させ 水素 を生成 させる (役 害1) 改質ガス中に含 まれる CO濃 度 を低減する (反 応式 :メ タンの場合) CH`+H2000+3H2 CO+H20.c02● H, 図 6 (改 質反応 (シ フ ト反応 ) ) 出ロガスIIIl成 は上記2反 応の平衡で決まる。 水 素製造 用水蒸気改質 プロセスの フロー IV 固体高分子 および同体酸化物形燃料電池 系 の低温 CO変 成触媒 を組合 わせ て対処 す るが,燃 料電 池用 としては システムが複雑 にな りす ぎるた め3、 さわ し くな い.CO変 成 を 1段 で行 な う際 に使 用 され る Ctl Zn触 媒 は耐 熱性 が 低 い た め,反 応 速度 の大 きい高温域 で は使 用で きない このた め高濃度 の COは 処理 で きず, また大量 の触媒 が必要 にな る. さ らに,一 般化 学分野 で は ppmレ ベ ル まで COを 低減 させ る必 要 はな く,CO除 去触媒 その もの が,PEFC用 の特殊 な触煤 技術 であ る とい える. これ ら この ように,燃 料電池用改質 システムの各 プ ロセ スにそれぞれ大 きな問題 をかか えていた して いた. は,す べ て触媒 が原 因 となって い るが, これ らは一般 化学用触媒技術 の技術 的 な限界 を示 ‖)燃 料電池用改質触媒技術 て きたが,燃 料 電池 燃料電池 用改質 システム について も,当 初 は一 般化学 用触媒 の技術 が導入 され に 上 させ る こ とに成功 独特 の課題 への対応 を目指 した触 媒改 良 の結果 ,そ れ ら触媒 の性能 を飛躍的 向 た つてお り, これ して い る。 この ような燃料電 池用触媒技術 は,脱 硫 ,改 質,CO変 成 それ ぞれ にわ ことがで きる. らの特徴 を生かす ことによ り,画 期的 な燃料電池用改質 システム を構成 す る に除去す る こ とが で きるき 超 高次脱 硫 は,従 来 の脱硫技術 では除去 しされな い極微 量 の硫 黄 を完全 ・ ).超 高次脱硫 触媒 は きわ めて強 わめ て強 力 な脱硫技術 で,大 阪 ガ スに よ り世界 で初 めて開発 された に除 去 す る こ とが で き 力 な硫 黄 の吸 着能力 を もって い るた め,常 温 での使 用 も可能 で,硫 黄 を完全 に短縮 で きる. また改質 る1い . このため脱硫器 の温度 が上 が るまで待 つ必 要が な く,起 動時間 を大幅 触媒 の硫 黄被毒 を完全 に防 ぐこ とがで きる. 器を さ らに,改 質触媒 の硫 黄被毒 が起 こらないた め,活 性 劣化 や カーボ ン析 出 を防 止 し,改 質反応 コンパ ク トにで きるだ けで はな く,従 来 カー ボ ン析 出 のため に不 可能 で あ った低 S/C運 転 が で きる る L よ うにな ・ シ ンタ リ また,製 造 工程 を最適化 し,銅 の安 定性 を向上 させ る ことで,従 来 の Cu Zn触 媒 よ りも 2の これ は反応 ング を抑制 した耐熱性 Cu Zn触 媒 が 開発 され,燃 料 電池 に い ち早 く適用 され てい る 速度 の大 きい高温 で使 用 で きるた め,低 S/C運 転 に よ り発生 す る高濃度 の COも 処理 で き,反 応 器 もコンパ ク トにな る . PEFCの 場合 ,COを ppmレ ベ ル まで除 去 す る必要 が あ り,そ の ため に CO選 択 酸 化 触媒 が 開発 ス 気 な どの酸 化 されて い る.CO選 択酸化法 は,COを 含 み水素 を主成分 とす るガ ス (改 質 ガ )に ,空 剤 を添加 して金属触媒 上 で COを 選択 的 に酸化除 去 す る方法 であ る. COの 除去性能 として は,適 当な条件 を選 べ ば,白 金 系 の貴 金属触媒 を用 い,改 質 ガス中 の COを lo ppm以 下 まで低減 で きる こ とが三菱電機 a)な どか ら報 告 され てい る2η 。 また,CO選 択酸 化 反応 で用 の が 行 なわれ る温度域 は主 に 100∼ 200'C前 後 で あ るた め,メ タ ノール改質器 や CO変 成器 後段 い るの に適 してい る の な ど検 しか し,CO選 択酸化 法 は, まだ開発途上 の技術 であ り,起 動停 止特性 や長期耐 久性 確認 討 す べ き点 が 多 く残 され て い る。 c)燃 料電 池 用触媒 の採 用 に よ る改 質器 の小 型化 システムの改質器 と他 の 図 7に ,燃 料電池 用 に新 しく開発 された触媒技術 を採用 した燃料電池改質 し大阪 ガ スが デモ ン 燃料電池 用改質器 のサ イズの比較 を示 した。左端 が新 しい燃料電池 用触媒 を採用 と富 士電機 が ス トレー シ ョン用 に作 製 した PA「 Cシ ステムの 50 kW試 作改質器 ,2番 目が ガス 3社 1 改質ガスおよびメタノール 直接型 体高分子形燃料電池の特徴 と構成 「 改質機 サ イズo 大阪ガス社製 改質器 kW ) 富士電機 ガス3社 共同開発 (50 kW) (50 kW) 図 7 共同開発 したオ ンサ イ ト型 50kW 175 FC Pc 25 富士電機 従来型 (200 kW) (50 kW) 各種 PA「 Cシ ステムにおける改質器の比較 PA「 Cシ ステム の改 質器 であ る。 この両者 は燃 料電 池用 に開発 さ れた各種 の新触媒技術 を使用 して い る.3番 日が IFC社 の 200 kW(PC 25型 )で ,右 端 は,富 士電 機 の従来 タイ プの もので あ る この ように新 しい燃料電池用の触 媒技術 を使 用す る ことによ り改質触媒 の必 要量 を大幅 に削減 で き,改 質器 の コンパ ク ト化 につ なが ってい る ことがわか る. d)自 動 車 用 途 に おけ る改 質技術 の 開発動 向 L,水 蒸気改質法 をベ ー ス とした燃料電池用改質技術 についての概 要 を述 べ て きた。本方法 は 効 率 が重視 され る定置型 PEFCに は最適 な プ ロセ スで ぁ る。 しか し,水 本気 改質 法 は外 部加 熱 の必 要が あ り,俊 敏 な起動 特性 や 高速 の 負荷応 答性 が 要 求 され る自動 車用 へ の適 用 は困難 で あ った。 ま た,水 蒸気改質触媒 の反応速度の面 か ら も,反 応 熱 を供給 す る伝熱l“ 積 の面 か らも反応器 サ イズ的 に 以 , (定 置型 の さらに 1/10以 上の小型 化 が2、 要 な)自 動 車へ の適 用 は困難 で あ った。 そ こで,発 熱 反応 で かつ高速反応 であ る,部 分酸化法 や ォー トサーマル法 が 自動車 用途 を中心 に開発 が進 め られてい る. 部分酸化 方式 の改質器 としては, ジ ョンソンマ ッセ イ社 が ホ ッ トスボ ッ トと呼 ばれ る小型 の メタ ノ ール改質器 を開発 してい る。 これ は,円 筒型 の反 応管 を 8つ Yll合 わせた もので あ り,容 積 6′ ,重 量 8 8kgで 6m`hlの 水素 をつ くる ことが で きる20. 最後 に,オ ー トサー マル法の例 として,ダ イム ラー クライス ラー社 が開発 して い る ATR反 応器 を 紹介す る 本反応器 は燃料 (イ ンジェクター噴霧 ),水 ,空 気 を同時 に ATR反 応器 に投入 す る構造 で あ り, ミキシングスペ ー ス,電 気 ヒー ター を経 てハニ カノ、 触媒 に達 す る構造 となって い る 燃料 とし レ ュ ては ギ ラーガ ソリン (硫 黄分 20 ppnn),デ ィー ゼル油 (20 ppm)な どの 5種 類 が テ ス トされ,す べ て改質 で きた との報告 が され ている2.Lた だ し,実 際 に実用化 す るためには, ① カーボン析出の抑制などによる長期lJl久 性能の確保 ② セルのオフガスの熱量を有効に利用できないことによる効率の低下への対応 IV 同体高分 子および同体酸化物形燃料電池 ′ ●● 00 0oO■ ●● ' . ● i O 簑 ” Кミ ゞ ヽ員 祭Oo. ∞ “ ゞ ヽ塾 興 . Oo f 賞 璽 К ヽ 0 000 00,o000° `" │■ .:= ● ●●●●。 い ヽ li潔 1: ヽ ¨“▲ F■ %︰ ロロロ ロロ│● ロロロ 。 ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ 嘔 ハ ° 。●● ●●●。 ^● ●●● “ 1" ●●● 運転時間 ′h 図 8 50kW PAFC実 機 での耐 久試験結果 (50kW実 機 での CO変 成器出「lの ガス組成 ③ 空気 中の窒素 が混入 す る ことに よるア ンモ ニ ア生成 へ の対応 ④ 空気中の窒素 が混入す る ことによる起電力 の低 Fへ の対応 ) な どの本質 的な問題 を解決 して い く必 要が あるが,そ れ らについて は まだ十分 な検討 が な されてお ら ず,今 後 の課題 が 多 く残 されて い る. e)燃 料 電 池 用改 質 シス テムの実機 に おけ る長期 耐 久性能 燃 料電池 用 に新 し く開発 された触媒 技術 を採用 した燃料電 池改質 システム は,す でに国内外 の多 く の燃料電池 開発 プ ロ ジ ェ ク トで採 用 されてお り,優 れた初期性能 のみな らず,長 期耐久性能 も実機 レ ベ ル で実証 され て い る 図 8に ,50kW PAFCシ ステム実機 での改質性能 の経時変 化 の例 を示 す。 40,000時 間以上 にわた り安 定 した改質 ガス組成 が得 られて お り,本 触媒 を採 用 した燃料電 池 用改質 システムが きわ めて良好 な長期耐久性能 を有 してい ることが実証 されて い る. 1lC. メタ ノー ル 直接 酸化 用 ア ノー ド触 媒 拿 メ タノール直 接型燃料電池 (DMFC)は 最近,Itl体 高分子膜 を電 解質 に用 い て性 能 が 向上 し注 日 を 集 め るよ うにな って きたが,メ タ ノールの電極酸化反応 自体 は古 くか ら多 くの基礎研 究 が な されて き た。固体 高分子電解質膜 と接 す る強酸性雰囲気 で メタノー ル酸化 に使 える電極触媒 は,化 学的安定性 か ら白金族 金属 が有 力候補 で,触 媒 活性 か らはば 白金 (Pt)に 限 られ て い る。 しか し,白 金 だ けで は 被 毒 が顕 著 で 実 用 的 な活 性 は得 られ な い。 白金 の 被 毒 は反 応 過 程 で生 成 す る COや HCO(ま た は COH)が 白金表面 に強吸着 して活性 サ イ トが プロ ックされ触媒活性 が砥l害 され る こ とに よる と考 え ら れ て い る この吸着被 毒物 を C02へ 酸化・ 脱離 させ るには,水 を分解 して電極表面 に生 成 した含酸 素種 (OH)か ら酸素 を供給 す る必 要 が あ る と考 え られ るが,そ れ には高 い過電 圧 が必 要 で あ る.メ タノー ル の電極酸化反応 は,メ タノールの電極触媒 へ の吸着 と炭素 を含 む中間生成物 へ の酸素付加 の '安 田和明 Kazuakiゝ ヽDハ (産 業技術総合研究所 (関 西センター)生 活環境系特別研究体 ) l 改質ガス方よびメタノール直接型川体高分子形燃料電池の特徴と構成 177 2つ の過 程 が 鍵 にな るが,DMFCの ア ノー ドで は上 記 の よ うに 白金上 の吸着 被毒物 に よる反 応 Fll害 効果が大 きいため過電 FIが 高 い と考 え られて い る。 白金 にスズ (Sn),ル テ ニ ウム (Ru), レニ ウノ、(Re),モ リプデ ン (MO),オ ス ミウム (Os),イ リジ ウム (Ir)な どの金属元素 を添加 す る とメタノール酸化 の比活性 が 向上 す ることが古 くか ら報 告 され て い る.こ れ まで調 べ られ て きた 2成 分 系触 媒 の 中 で最 も活 性 か つ実績 の あ るの は 白金 ル テ ニ ウム (Pt Ru)系 で あ る.ル テニ ウムの添加 に よる活性 向上 メカニ ズム は,耐 CO被 毒機構 と同様 ,い わ ゆ る二 元機能 (bi funcJonal)メ カニ ズム で考 え られ てい る場 合 が 多 い252り っ ま り,ル テニ ウム は 白 よ 02∼ 金 り 03V低 い電位 で水 か ら合酸素種 を生 じ,こ れ が 白金上 の被 毒物 の酸化 を助 ける。 いわ ばメタノー ル吸看 は 白金 が担 い,ル テニ ウム を被毒 物 を酸化 す るために酸素 を供給 す るプ ロモー ター として考 えて い る 一 方で,X線 吸収 や赤 外分光測定結果 か ら,ル テニ ウムが 白金 の電 子状 態 に影 響 を与 え,電 子的 な作用 で被毒物の吸着状 態 が変化 し被毒 が起 こ りに くくな るメカニ ズム も考 え られ て い る2".Pt Ruの 最適組成 に つ いて は種 々の基 礎研 究例 が あ る。 渡辺 らは,合 金,担 持 合 金,ア ドア トム電極 を用 いた一 連 の研究 で二元機能触媒作用 を提案 して きた。 それ に よる と最適組成 は,ほ ぽ Pti Ru=1:1で あ る とした252め .Casteigerら の Pt Ruパ ル ク合金 を使 った研究 に よる と,メ タ ノールが吸着 す るには隣接 す る白金原子 3つ か らな る三 角形状 のサ イ トが必要で,そ の隣 にル テニ ウ ムが存在 す る状 況 がルテニ ウム原子比 10%(Pt:Ru=9:1)近 くで幾何 学 的 に最 も確 が い こ とか 率 高 ら,25C付 近 の温度域 で最適組成 はル テ ニ ウノ 、10%程 度 と考 えて い る(図 9a)温 度 を 60・ Cに 上 げ る とルテニ ウム上 で もメ タノール吸着・ 脱水素が起 こる ようにな り,最 適組成 はル テニ ウム比 が よ り 多い ほ うに傾 くと説 明 して い る (図 9b)30.よ り電極 電位 の高 い 05Vで は lo∼ 15%が 最適値 との報 告例 もある (図 9c)3詢 。一 方,カ ーボ ンプラ ックに Pt Ru微 粒 子を高分散 担持 した実用的 な高活性 ア 103 u 一 “ R一 一 ∠ び 0 国 0 葉” 1EOくLヽ r/rd・ _ 1高 ′ ` 01 ゛ ﹄ 肝 一 0′ 0 : o Kabbabi θ′al PI Ru¨k」 !qF) r05V 60℃ ヽ b Caslet Pl‐ ■ l二 / ■ : 立 ロ lo ' Ru bui (04V ギ ロ a caste19or eral ヽ鵬tuЪ ttr 10 . 00 02 04 o6 o8 ,o X嵐 Ru原 子比 ) 図 9 Pt― Ru二 元系合金 の組成 とメタノール酸化 電流密度 との関 係 a∼ cは Pt Ruバ ル ク合金 ,dは カーボ ンプラ ックllltt Pt Ru微 粒子触媒 を電極 として使用 測定 はいず れ も硫酸水溶液中 178 1ヽ 同体高分 Fお よび同体酸化物形燃料 lI池 ノー ド触媒 の組成 とメ タノール酸化活性 の関係 を調 べ た渡辺 らの報告 による と,ル テニ ウム 50%で 活性 が最大 とな る(図 9d)2ゆ . 現在 開発中 の DMFCの ア ノー ドに使われ てい る実 用的 な電極触媒 は,公 表 され て い る限 りほ とん ど Pt Ruで あ る 組 成 で は,ル テニ ウム 50%(I)t:Ru-1:1)程 度 の ものが 多 く研究 に使 わ れ て い る。 Pt Ru触 媒 を使 って高 いセル性 能 を発表 して い る米 国 ロスア ラモ ス国立 研 究所 で は,電 極 触媒 や セ ル構造 の最適化 に よ り白金使 用量 の低減 を進 め,自 動車 用改 質型 PEFCシ ステムの 白金使 用量 lで あ るの に対 して,彼 らの DMFCで は 5gPtkW lま で 白金 を低 減 で きる とい う3わ 。 なお,DMFCで 高 い活性 を示 す種 々の 高比表面積 Pt― Ruプ ラ ックがか な りの量 の酸 素 を含有 が現状 2gl)tkW して い る こ とや8〕 ,1)t― Ru微 粒 子 IEl持 触媒 につ い て も白金 とルテ ニ ウムの間溶 の程 度 と比 活性 の関係 な ど反応機構 も含 めて解明 され るべ き要素 は多 く,DMFC 30ゃ 粒 子形態 tt Pt Ru電 極 触媒 の設引 指針 は明確 で はな い. DMFCの 実用化 のためには電極活性 の向上 と白金使 用量 の低減 が切 望 され,Pt― Ruよ りも活性 の べ 高 い電極触蝶 が求 め られ てい る.最 近 では 2成 分 系だ けで な く三 元系,四 元系触媒 の活性 も調 られ ニ て い る.Reddingtonら は コ ン ビナ トリア ル ケ ミス トリー の手 法 を導 入 して ス ク リー ング を行 な その他,自 命や い,1't,ORu50よ りも高 い活性 を もつ Pt4.Ru、 10siolr,を 見出 した と報告 して い る 35、 I't Ruに タ ングステ ン酸化物 (WOR)を 組合 わ せ た触媒 が研 究 され てお り,酸 化物 か らの酸素供給 で 鉤 被毒物 が酸化 され る機構 が 考 え られ て い る DM「 Cの ア ノー ド触媒 は実用 Lま だ活性 が低 く,電 極 に多量 の 白金 を必 要 とす る これ を改善 で きる新規 な電極触媒 の開発 と,技 術 開発 の基盤 とな る基礎研究 の深化 が必要であ る . 1.lD 酸素 還 元 カソー ド触媒 “ Nanonkな ど酸 性 電解 質 を用 いた PE「 Cの 発電効 率 は,数 百 mAcm 2の 負荷状 態 で も約 50%と しか し,こ の残 りの効 率損失 分 の 50%は ,電 気 に比 べ る と付加価値 の低 い熱 として排 出 され る。 この 中 の約 80%は ,使 われ て い る白金触媒 の カ ソー ド反応抵抗 (過 電廿:)に 起 因す る。 したが っ 高い て,高 活性 カソー ド触媒 の開発 は,電 池 発電効率 の 向 に,高 価 なピl金 触媒 の低減 の両面 か らきわ めて 重要で ある.KOHな どのア ル カ リ電解質中 で は,銀 の ような安価 な触媒 で も酸素過電 llは 比較 的低 いが,ア ノー ド,カ ソー ド反応 ガ ス中 の い ず れ に C03が 存 在 して も,溶 解度 の低 い K2C03が 析 出 し,両 電極 のllUttL内 の ガス拡 散性 ,お よび電解液 の導電性 の低 下 が起 こる。 したが つて,純 H2を 燃 料 とで きる状 況 にな い現状 では,白 金代替触媒 とはな りえな い このほか,ピ I金 代替触媒 として カー ボ ンプラ ッ ク(CB)に 中心金属 として鉄 な どを もつ 多環化合物 を焼 成 担持 した触媒 の研 究 が Yeagcr ら=η をは じめ多 くの研 究者 によつて行 なわれ て きたが,十 分 な性能 を得 るに至 っていない. ,CB上 に数 nnl以 rl金 使 斉l量 の低減 と高性 能化 に関 して は が 可能 とな り,大 きな進歩 をみた 3い Fの 微粒 子 として高分散担持 す る こ と .反 応 に関 与す る表面積 は粒子径 に反比例 す ることが期待 され る が,多 くの デー タは 3nm以 下 に な る と単位 重 量 当 た りの活 性 はか え つ て減 少 す る こ とが 示 され た39ヽ 触媒 金属 としての電子構造 の変化`0,結 晶学的活性 面 の減 少`1ヽ CB上 の粒 子間iF離 の接近 に よる反応物拡散層 の竜 な り`a,な どが その原 因 として提案 され,]l題 解決 の指針 を与 えて い る .渡 辺政廣 (山 その Masah"o WAlAヽ AH'(II梨 大学 ク リー ンエ ネル ギー研 究 セ ンター),内 口1裕 之 HIoyukiじ ぃ Hヽ 梨大学 [学 部) l 改質 7/ス およびメタノール直接型1川 体高分子形燃料電池の特徴 と構成 後 ,い ずれかの機構 を支持 した多 くの研 究が な され て きた。 しか し,い まだに長 時 FB5の 使用 に十分耐 えうるような触煤 を開発 す る まで に至 って い ない. 白金 を卑 金属 と合金化 して高活性化 す る こ とは, リン酸形燃料電池 (PAFC)の 実用化 過程 で活 発 に 研 究 された。 チ タ ン,ク ロム,鉄 ,コ パ ル ト,ニ ッケル な どと合金化 す ることによ り,最 大 で 3倍 程 度 の活性増 大 が得 られ て い る。合金化 に よ り,Pt l)t間 距離 が短縮 され,酸 素原 子の結合切 断 に有利 。 8 ∞ “ >00t FOく、ヽ 翠淑〓 , 0 274 276 272 278 200 202 最近接原子間距離lA 図 10 白金合 金電極 の 酸 素遼 元 活性 電 流 の Pt― Pt原 子『 口距 離依 Fr性 '9 。 T∵T喩ギ廿崎デT H H‐ 0 20 4o 60 80 H 1oo NI,Co.Fe atom% 図 1l Pt R合 金 な どにお け る表 面 ri金 層 の電 子 構 造 修 飾 に よる酸 素 還 7L活 性 の 増 大 機構 0 180 1V 同体高分子および同体酸化物形燃料電池 にな るためで あ る との説 が提 案 され (図 10参 照 ).3ヽ また,他 の因子 の影響 をあわせ て考 え,こ れ を 〕 高分散合 金 の活性 は時 間 とともに低下 す るが, これ は 支持 す る論文 もい くつか報告 されて い る`“ .0 卑金属成分 が溶 出す るために起 こる と考 えられた この不活性化 は詳細 に検 討 され,数 nmの 微粒 子 が い ったん溶解 し,白 金 のみが隣接 の よ り大 きな合 金粒子表面 に再析 出 して起 こる こ と,合 金粒子 ° つ を固溶合金化 す る ことで溶解 を抑 え活性 を維持 で きることが明 らか にされ て い る PAFCに 比 べ,著 し く穏和 な条件 で運転 され る PE「 Cで は,高 活性合 金触 媒 の 開発 の 口∫能 性 が残 されて い る。戸 田 らは,白 金 とニ ッケル, コバル ト,鉄 との種 々の組成 の合金 をスパ ッター法 でガラ ス基板 上 につ くり,そ の活性 ,表 而組成 を詳細 に検討 した0.そ の結果 ,Pt NL Pt Co,I)t Feの それ ぞれ の第 2成 分 が約 30,40,50%で 白金単味 の 10,15,20倍 の活性極 大 を見出 した。 これ らの 表面 は卑金属成分 が溶 出 した後 ,1∼ 3nmの 白金被膜 で被覆 され てお り,Jalanら や その他 に よつて 考 え られた Pt Pt原 子間距離 の短縮 は起 こっていな い。戸 日│ら は, この 白金被膜 の 4d,4f軌 道 の電 子 の結合 エ ネル ギーが,単 味 の ri金 のそれ に比 べ著 し く正 に シフ トして い るこ とに注 目 し,内 部 に合 金 の存在 しない純 白金 と異 な り価電 子帯 の 5d電 子 に欠陥が生 じて いて, これが活性増 大 の原 因 とな る と考 えた.す なわ ち,Yea"rら が提 案 す る反応 式 の律 速 段 階 (解 離吸 着過 程)`9を (解 離 +1電 子 バル ト,鉄 移行 )段 階 であ る との修正 を加 え,図 11に 示す新 たな触媒機構 を提案 した.ニ ッケル,コ の添加 に よって起 こる d電 子欠陥 ,す なわ ち 白金 フェル ミレベ ルが低下 す る結果 ,02分 子 の 2π 電 子の 白金 へ の供 与が増大 して 0-0結 合 を弱 め,律 速段階 で あ る白金 か らの電子逆りt与 時 の O-0結 合 の切 断が促進 され,そ の結果,活 性 の増大が起 こる もの と説明 した。 また,添 加量 が 多す ぎる と,自 金 フ ェル ミレベ ルがlLk下 しす ぎて Pt Oの 強 固な結合 が生 じ, また還元 に必要 な電 子 の逆供 与が抑制 されて活性低下 を起 こし,活 性極大 が現われ る と考 えた. この新 しい触媒活性増大機構 は,新 触媒 の 設計指針 として も, また実用触媒 の劣化 機構 を考 える うえで も重要 と考 えられ る. 1.2.電 極 触 媒 構 造 * 1.2.A 膜/電 極接合体 の製法 い 電極 は燃 料極 ,酸 素極 (ま た は空気極 )と もに,貴 金属担持 カー ボ ン触媒粉 木 な どを用 て薄膜 に成 型 した触媒層 と, この触媒 層 を支持 す る多fL質 の カー ボ ンペ ーパ ー (あ るいは カー ボ ン布 )か らな る. また,電 極 をその触媒 層 が電 解質膜 と接 す るように して膜 の両面 に配 し, これ らを熱圧着 で一体化 し た もの は,膜 /電 極 接 合体 と呼 ばれ る 英語 で は mcmbrane/electrOdc assomblyで あ るが,単 に MEAと 呼 ばれ る こ とも多 い . とし 膜 /電 極接合体 の作製方法 は種 々あ るが,電 極 と電 解 質膜 を ホ ッ トプ レスで一 体 化 す る代 表例 てLX1 12の ような方 法 が ある。触媒粉末 ,ポ リテ トラフルオ ロエ チ レン(P′ 「 FE)懸 濁 液 (結 着 剤兼撥 水 剤 )お よび有 機溶剤 を混合 して,ペ ー ス ト状 あ るいは ス ラ リー状 にす る. これ を用 いて,予 め I)TFE い プ レー法 な どで 懸濁液 で撥水処理 した カー ボンペ ー パ ーの上 にス ク リー ン印刷法,沈 積 法あ る はス に電 解 質 を溶 液 μnlの 厚 さに触媒 層 を形成 し,熱 処 理 を行 な って電 極 をつ くる 次 に,触 媒 層 化 した膜溶液 (例 :5、 t%ヽ anOn溶 液 ,AldHch社 )を アル コールで薄 めて塗 布含浸 す る。膜溶 液 は 数 l ・小 関和 雄 Kazuo Koヽ ドKl((財 )」 1ン ジ=ニ ア リング振興 協会 WEヽ ET FbrJt室 ) 1 改Flガ スおよびメタノール直接型団体高分子形燃料1電 池の特徴 と構成 船 体 ―ストまたはスラリ→ カーボ ンペーパー上に触颯層形成 熱処理 電極完成 膜溶液 をアル コール で希釈 じ 1極 および酸素極 電解■膜 を電極 (燃 オ で狭みホ ッ トブレス 図 図 13 12 膜 /電 極接 合体 の作製方法 . 膜 /電 極接合体 の断面 SEM写 真 ― 100μ m 図 14 電 解 質膜 Lに 形成 された触媒 │ロ ) 182 1ヽ 「川 い体高分rお よび 体酸化物形燃料電池 触媒 と電解質膜 との接触 :面 積 を二次元化 して広 げ る役割 を して お り,こ れ によ り特 ‖:が 向上 す る.次 いで電極 2枚 (燃 料極 と酸素極 )で ,電 極 の触媒脚 1が 電解質膜 と接 す るように して電解質膜 をサ ン ド イ ッチ し,ブ レス機 に挟 んでホ ッ トプ レスす る ことで電極 と膜 を接合す る。 ホ ッ トフ レスの際 に有機 溶媒 を添加 して膜 を軟化 させ,接 合 を強 める方法 もあるが50,ホ ッ トプ レスの温度 とlt力 を適 当 に選 定 す る こ とで も,接 合 は可能 で あ る;ヽ 図 13は L述 の 方法 で つ くられた膜 /電 極 接合体 の断面 SEM (走 査電子顕微鏡 )写 真 であ る また別 の製法 として,触媒 層 を カー ボンペ ー パー トではな く,電 解質膜 の表而 に形成 す る方法 もあ る 膜上 に形成 された触媒 層 の SEM写 真 をLk1 14に 示 す 触媒 層 の厚 さは この写 真 の場 合 20″ nl程 度 であ るが, さらに薄 くす ることで触媒量 を減 らす ことが可能 であ る 最近 の 向金使ナ H量 は燃 料極 で 電極面積 l cn12当 た り 01∼ 0 12B 4mg,酸 素極 で 02∼ 0 7mgま で低減 して い る5り . 電極構 造 と電極 性能 触媒層 と電解質膜 との接合部 を模 式的 に示 す と,図 15の よ うにな る。触媒粒 子 は凝集 してア グロ マ レー ト(集 塊物 の意味 )を 形成 し,そ れが二 次的 に集 まって触媒層 を構成 してい る る P′ I` また混在 してい FEは ,ア グ ロマ レー トどう しを結着 させ て い る ア グロマ レー トの 一部 はホ ッ トプ レス によ り電 解質膜 内 に埋 没 し,強 固 に接合 して い る。 ア グ ロマ レー ト間 の隙間 は反応 ガスや水蒸気 の拡散通 路,あ るい は生成水 の排出i]路 として働 く. また,電 極 と電解 頃膜 を接合 す る際 に膜溶液 を触媒 層面 に塗布 す ることで,触媒 と電解質膜 との接 触面積 が増 えるだ けでな く,触 媒粒 子 との接触界面 に薄膜状 の電解質 (ス ーパ ー メニ スカス)が 形成 さ れ る.電 極反応 はア グ ロマ レー ト間 の隙間 を拡散 して きた ガスが電解質 内 に溶 け込 み,触 媒表面 に到 達 して起 こるが,ス ーパ ー メニ スカスの部分 は電 解質 が薄 くて触媒表面 へ のガス供 給 が容易 なた め , 電極 反応の多 くは この部位 で進 行す る. したが って,膜 溶液 を適度 に塗布含浸す る こ とに よ り電極性 能 が向上 す る また,膜 溶液 は酸 素 を溶解 す る力が水溶液 よ り大 き く,こ の こと も性能 向 卜に効果 が ある と考 え られて い る'3L 電極 反応 の起 こる領域 は,電 解 質膜 と電極 の接合面 の近傍 ,す なわ ち膜 の表面 か ら 10μ m程 度 の 薄 い部分 に限 定 され る。 したが って,こ の薄 い領域 内 にで きるだ け広 い触媒 表面積 を形成 す る こ と が,電 極性 能 を高 め るための必要条件 とな る 高性能 でかつ貴 金属触媒使 用量 の少 な い電極 を得 るに は,貴 金llFI担 持 密度 の高 い触媒 を用 い て 10 μm程 度 の薄 い電極 をつ くる ことが技術上 の ポ イ ン トで あ る541 また,触 媒 層 内 の PT「 Eは ,結 着 剤 としてだ けで はな く撥水剤 としての働 き もあ り,ア グ ロマ レ ア クロ マ レ ー ト 図 15 電 質模 と解媒 層 の接 合部 の模 式図 tF・ 1 改質 ガスおよびメタノール直接型同体 _j分 子形燃料電池の特徴 と構成 ― 卜間 の隙間 が生成水 や凝縮水 でふ さが リガスの拡散 が妨 げ られ るの を防 いで い る. しか し,PTFE は非導電 性 なので,多 量 に混合 す る と電極 の抵抗 が 大 き くな る.し たが って,PTFE量 の性 能 に及 ぼす影響 は大 き く,最 適 含有量 が存在 す るS".ま た,1)1` FEは カーボ ンペ ーパ ーの撥水付与剤 として も用 い られ,そ の添加量 も電極性能 に影響 を与 える50. 1.3.電 解 質 高 分 子 材 料 1.3A.パ ー フル オ ロス ルホ ン酸 ,そ の他 の新 型電 解 質・ PEFCは 宇 宙 用 として 実 用化 され た デ ュポ ン社 が化 学 的 に きわ め て安 定 なパ ー フル オ ロ系膜 (NanOn“ 膜 )を 開 発 し,バ イ オ サ テ ラ イ ト衛 星 に使 用 され た が,同 時 に 開 発 され た ア ル カ リ型 (AFC)が 宇宙 用 と して は優 れ て い た た め,そ の後 は AFCが 使 用 され て い る PEFCの 見直 しは 1980年 代 の後半 にバ ラー ド社 が ダ ウケ ミカル社 の短側 鎖型膜 を用 いた PEFCス タ ックに よ り自動車 用電源 としての 可能性 を 1981)年 代 の後半 に示 したつ こ とに よる.多 くの 自動車会社 に よ り燃 料電 池 車 の試作,開 発 が進 め られているが,普 及 までには多 くの技術的課題 を克服 す る必 要 が ある .作 動時 間 は数千時 間 と比 較 的短 いが,10年 間 の寿命 が 求 め られ る。 また,膜 に対 して は現状 の 1/100程 度 までの コス ト低減 とともに,100∼ 120・ C以 上 の耐 熱性 を求 め る声 も出 て い る .一 方,住 宅 用 コ ジ ェ ネ レー シ ョンシステム に は,5年 か ら 10年 とい う長 期 間 の ラ イフが想定 され て い る また 。 ,自 動 車 用 DMFC用 には低 メタノール透過性 ,高 耐熱性膜 の開発 が必 要 で あ る これ らの要求 に対 して現状 膜 の欠点 を補 うべ く,新 規 なパ ー フル オ ロ膜 ,種 々の複 合膜 ,補 強膜 や部 分 フ ッ素 化膜 ,炭 化水素 系 膜 な どが提 案 されて い る。 以下,パ ー フル オ ロスルホ ン酸系膜 の燃料電池用 としての特性 に加 え,新 規開発 中 の膜 の特徴 ,開 発課題 な どについて述 べ る. a)固 体 高分 子形燃 料 電池 に おけ る膜 材料 の役 害」 燃料電池用膜に求められる特性としては,① 高い化学的・電気化学的安定性,② 高いプロ トン導 電性,③ 低い燃料透過性,④ 高い機械的強度,寸 法安定性,⑤ 高い水移動性,⑥ 耐熱性,お よび ⑦ 電極接合性であり,実 用化を考慮すると,さ らに③ 低 コス ト化,⑨ ハ ンドリング性,⑩ リサイ 表 1 電流密度 各種 PEFCに おける想定作動 条件 および膜 開発rn‖ セル作動 温度 寿命 /Acm 2 ktjfl 0 1-(i.3 自動車用 03∼ 05以 上 携帯 用小 型 Dヽ I「 C a)白 17j車 ′ (出 70^-85C 60∼ 10rrC tt L 1{ 力,主 要膜 開発項 目 ) 4万 ∼ 9万 時間 05ヽ 数 kW級 ,信 頼性確保 作動 :5,Oα )時 間 10∼ 数十 保存 :10年 間 ど kW級 ,低 コス ト化 ,な 01∼ o5 室温∼ 80・ C程 度 数 W∼ 数 百 W級 0 1∼ 03 室 温 ∼ 100・ C以 上 低 メ タノール透過性 ,高 耐熱性 " 1,機 器川には必ず しもF・ 耐熱性 は要求 されていな い) "(携 'rr 備考 }lasaru Yosrrllrxe (,t{iiti (l*)+*fff) 184 1V lll体 高分子および回体酸イし物形燃料電池 クル性 な ども要求 されて い る.表 1に 示 す よ うに,用 途 ご とに作動 条件 ,開 発 要求項 目は異 な って い る.現 状 で は食塩電解事業 で実績 を積 んで きたパ ー フルオ ロスル ホ ン酸系膜 が開発 の主流 になってい るが,自 動車用途 で は,性 能 的 に もコス ト的 に も目標 が厳 し く,部 分 フ ッ素化膜 ,炭 化 水素系膜 ,無 機 。有機 ハ イプ リッ ド系膜 な ど,種 々の新規材料 が研 究・ 提案 されてい る b)バ ー フルオ ロスル ホ ン酸 図 16に ,各 社 のパ ー フルオ ロスル ホ ン酸樹脂 の化学構 造 式 を示 す パー フル オ ロア ル キ レ ン基 を 主鎖骨格 とし,一 部 にパ ー フルオ ロ ビニルエー テ ルの側鎖 の末端 にスル ホ ン酸基 を有 して い る.ダ ウ 膜 はf_‐ 側鎖型 であ ることが特徴 であ り,高 イオ ン交換容量 の膜 が得 やす い とされ るが,特 殊 な中間体 原料 を必要 とし,現 在 は供給 が停 1卜 されて い る.イ オ ン交換基濃度 を高 くすれ ば導電性 を上 げ られ る が,骨 格 が非架橋構造 で あるた め, イオ ン交換容量 を Lげ す ぎる と機械 的強度 が低下 しや す い。 その た め,非 補 強 膜 と し て は,膜 厚 50∼ 175 μm程 度 ,イ オ ン 交 換 容 量 091∼ 1 l mcqg l(EW= 900∼ 1,100)程 度 の ものが 用 い られ る。図 17は ,代 表的 な膜 の 1ヽ 硫酸 中での交 流比抵抗 を示す. 樹 脂 の形状 はパ ー フルオ ロアル キ レン鎖 に よ り保 たれてい るが ,非 架橋構造 のた め側鎖部 にあ るイオ ン交換基 は架橋 された炭化水素 系イオ ン交換樹脂 に比較 し,自 由 に動 くことがで きる.こ のため,イ オ ン化 した状態 で は疎水性 の きわ めて強 いit鎖 部分 と親水性 の交換 基 が共存 す る.小 角 X線 散乱測 モ ルが 定や透過型電子顕微 鏡 で その構造 が 解析 され てお り,図 18に 示 す よ うな イオ ンクラスター デ 提唱 され ている`“ 交換基 は フルオ ロカー ボ ンマ トリックス中 で数 nm程 度 の球状 クラスター を形成 し,こ れ が lnm パ 程度 の間隔 で狭 いチ ャ ンネル に よって つ なが ってい る。 この構造 は,交 換基 の静電反発力 と,水 と ¨‐(CF2CF2),一 (CF,CF)r― │ (OCF,CF)´ 0(CF2).SO,H │ CF` 図 16 バ ー フル オ ロ型膜 の化 学構 造 式 ′ ? -0, 1: ,7‐ J=1.0()(). Flclnion又 : ′ 15∼ 14 DOヾ 膜 :lll-0,″ 2 91 文 献 T ¨ ¨ 疑 ﹄ ¨ ﹁ 岬 υ ´ ︲0 00﹂﹂0 一 ヽ に0一 E Oこ , o ・ 。 T ¨ ¨ 苺 の ´ ﹁ ¨ 一 パー ツル オ ロ型膜 の交流比抵抗 ∈ マ 3o0 一 に ヽ 300 一 卜r一 LOこ‘Z O 17 ,=2-5, χ― Aciplc、 ■ : ,l1 0, 3: ′ 0 00﹂ ・ EoOヽ ヽ単〓案0 ´ 図 Nanonk l17:′ ″'1,″ =2,χ =5∼ 135, 1-5 よ り算出 1 改質ガスおよびメタノール直接型川体高分子形燃料電池の特徴 と構成 5nm 図 18 ― パ ー フル オ ロ イォ ン交換膜 中の イオ ン タラ スター構造模 式 図 膜処理条件A〈 湿潤) ① 3%過 酸化水素水中煮沸 ② 蒸留水中煮沸 膜処理条件B(乾 燥) (11寺 問) 110℃ 真空乾 燥 (16時 間 ) (11寺 間) ③ lM硫 酸中煮沸 (1時 間) ④ 蒸留水中煮沸 (1時 間) 図 19 NEI)O PE「 CR&Dプ ロジ ェ ク トにお ける標準膜処理 条件 ― フル オ ロ骨 格 との疎 水 性 相 互 作 用 の バ ラ ンス に よ り決 定 され る。 また,ク ラス タ ー構 造 解 ,7に A「 Mを 適用 す る試 み も行 なわれ るよ うになって きた。 この ような構造 的特徴 を有 す るパ ー フル オ ロ 系 の膜 は取 り扱 いの履歴 の影響 を受 けやす い。 その ため,I_t礎 研究 では再現性 のあ る膜 デー タを取得 す べ く,過 酸化水素 ,硝 酸 ,硫 酸 な どでの煮沸 を含 む前処理 が行 なわ れ る.図 19は NEDO(新 エ ネ ルギー産業技術開発機構)の PEFC開 発プロジ_Eク トで提案された標準膜処理条件であり,① は有機 成分,③ は金属イオンの除去を目的とする . パ ー フル ォ ロ膜 が プ ロ トン導電性 を示すためには膜 が 含水 してい る必 要が あ り ,通 常 は力Π湿 して使 片lさ れ る. しか し,加 湿器 お よび その制御 装岡 は装 置 の大型化 , コス トア ップ を招 くた め,無 加湿 で 使 用 で きる膜 が提案 され てい る。 た とえば,キ ャ ス ト法 な どに よる 20∼ 30μ m程 度 の薄膜 を用 い て カ ソー ドで41成 す る水 を利用 す る方法 制ヽ 触媒 を膜 中 に分散 し両極 か らクロス リー クす る水 素 と酸素 を触媒 Lで 反応 させ,水 を膜 内部 で生成 す る方法`り ,ゼ オ ライ トな どの多孔質無機粒子 を膜 中 に分散 りな どで あ る 実用機 で は改質 ガ ス に させ る方法δ 中 容 易 に水 を含 ませ る ことがで きる こ と もあ り 30∼ 40″ lη 程度 の膜 を用 い て空 気側 を無加 湿 また は低加湿 で運 転 す る システム設計 もみ られ る. こ , れ は薄膜 の製造・ 使用技術 や膜補強技術 の進歩 に よる.現 在検討 され てい る補強 方法 を表 2に まとめ る.① は多孔体化 PTFEシ ー トにイオン交換樹脂溶液を含浸後,溶 媒を除去して作製される.平 滑 な表niを 有する20∼ 30/m程 度の薄膜が得 られ,ハ ン ドリング性 も良好である。②の手法は食塩電 解では実績のある方法であり,非 常に高い補強効果が得 られる.50 μnl未 満の薄膜を得るためには 表 2 パ ー フル オ ロ型補強膜 の例 補強材 添 加 111 ① PlFE多 イL体 ② I'TFE布 ③ l'1「 Eフ ィプリル ∼ 3)% ∼ 10% ∼数% 膜 lr//″ nl 10∼ 120∼ mヽ 20 薄膜化容易,ゴ アセ レク ト(│ 50 高強度 25 薄膜化容易,少 量 補強材 IV 司体 高分イ お よび 日体 酸 化物 形燃 料 電 池 膜厚 30∼ 50μ m イオ ン交換樹脂 PTFEフ ィプ リル 図 _oo℃ 20 フ ィプ リル補強膜模式図 > ヽ日牌ミ ツ nmOn R12(MD) ―‐-90℃ Fl‐on R Na6on l17 -90℃ ゝ ヽ \ │ セル温 度 :80℃ 利用率 :H2′ Ai「 =70/40% │ 40 6C1 100 80 21 PTFE 22 1 15 電流密度 ′Acm フ ィプ リル 補 強膜 2 (「 lemiOn` Rf2)の 特性 例 芦入 図 │ 05 120 経過時間 ′h 図 ヽ │ ― =蔦 " パ ー フル オ ロスルホ ン酸膜 の 熱分解―― スルホ ン酸 基の脱離 M I M I (CF2‐ CF) │ O― (CF2♀ FO)κ F,CF2S02[NS02(Cら )だ 0』 Z NS02R, CF, x=011 ノ=2,4.6.8,othor z=0,1,2,M=alkal meta othor RI=C.F2_、 図 23 スル ホ ンイ ミ ド系 新 型 パ ー フル オ ロ膜 合成 用 モ ノマ ー きわ めて細 い糸 が必 要 であ るが,現 状 では高 コス トにな る。③ は最近開発が進 め られ てい る方法 で , 図 20に 模式的 に示す ように PTFE細 繊維 をイオ ン交換樹脂 に分散 させて得 られ,薄 膜 化 も可能 で あ る。図 21に ,フ ィプ リル補強膜 (FlemiOn Rf2:50″ m,PTFE 2%)の 特性例 を示 す。 わず かな量 の PTFE添 加 で きわ めて高 い補強効果 が得 られ,無 補強膜 (「 lcmion R:50 μnn)と 同等 のセル特性 が発 表 され て い る パ ー フル オ ロ膜 の熱分解 は,側 鎖 の 末端 に あ る スル ホ ン酸 基 の脱 離 に始 まる (lK1 22)Na6onXな どで は,200Cで 003%hr l程 度 の分解速 度 が報 告 され て い が 1ヽ Desヽ lartcauら は, メ123に 示 す ようなスルホ ン イ ミ ドビニ ルエー テルモ ノマー とテ トラ フル オ ロエ チ レンの共重合膜 を発表 した.熱 分解温度 は従来 のパ ー フルオ ロ膜 に比 べ約 100・ C上 昇 してい る6" c)そ の他 の新 型電解 質 低 コス ト化,耐 熱性 向上 を目的 として種 々の膜 開発 が進 め られ て い る 1つ の方 向 は,基 材lltと し て FEP,ETFEの ような フ ッ素系樹脂 シー トに電子線 な い しは放射線 を照射 して ラジカル を発 生 さ l 改質ガスおよびメタノール直接型1引 体高分子形燃料電池の特徴と構成 187 せ,ス チ レン,ジ ビニ ルベ ンゼ ン, トリフル オ ロ ステ レンな どをグラフ ト重合 させ,ス ル ホ ン化 させ る もので,50∼ 80Cで 数千時間 のセル ライ フが報 告 され て い る6● 67、 パ _フ ル オ ロ系膜 に比較 して, 化学的 な安 定性 は劣 るが コス ト的 には有利 であ る また, トリフル オ ロステ レン誘導体 の共重合樹脂 り.ス テ レ ンの α位 を フ ッ素化 しア タ ックされ に く くした もの で を用 い る方法 も提案 され てい る° , EW=400台 の膜 で数千時間以上 のセル ラ イ フが特 許 に記載 され て い る。原料 モ ノマ ーの低 コス ト化 や重合時 の環化抑制 な どが実用化上 の課題 といえる。 ホス ホ ン酸型膜 も試作・ 評価 され てい るが,現 状 で はスル ホ ン酸型 と顕著 な差 は示 され てい ない 膜 開発 の い ま 1つ の 方向 は,炭 化水素 系 の耐 熱性樹脂 を活用 す る もので あ る.PBI(ポ リベ ンゾイ ミダ ゾー ル)に リン酸 を含浸す る方法6"は 伝導度 の向上, リン酸 の飛散 低減 が課題 で あ る PBIを ア ル キル スル ホ ン化 した膜 につ い ては,10 3scm l程 度 の プロ トン伝導度 が報 告 されて い る'0'2ヽ 同様 に耐熱性 高 分 子であ る PEEK(ポ リエー テル エー テル ケ トン)を スル ホ ン化 した膜 7● はか な り高 い電 導度 が得 られ,50・ Cで 数千時 間 の セル ライ フが報 告 され て い る.膜 が剛直 で あ るため電極 は接 合 し に くい また,低 コス トをうたってい る力ヽ ベー ス となる耐熱性 高分子 の価格 は現状 で はそれ ほ ど低 い もので はな い.PE()(ポ リエ チ レンオキサ イ ド),PPO(ポ リプ ロ ピレ ンオキサ イ ド),PTMO(ポ リ テ トラメチ レンオキサ イ ド)な どの末端 を トリエ トキ シシランな どで修 飾 し, これ を酸触 媒 中 ゾル ゲ ル 市合 した無機有機 ハ イプ リッ ド系 の膜 も試作 され てい る。 プ ロ トン電導性供 与剤 としては,モ ノ ド デ シル ホス フェー ト,12タ ングス トリン酸 を ドー プ してお り,10`∼ 10 3Scm〕 オー ダ ーの プ ロ ト ン電導性 が報告 されてい る また,シ リカ71、 ゼォ ライ ト'勢 ,ジ ル コニ ウム塩 な どの イオ ン電 導性無 機物 と樹脂 またはイオ ン交換樹脂 との混 合物 も検討 され て い る 手法 として は予 め無 機微粒子 を調製 し,そ れ と樹脂 を混 合 して成膜 す る方法や,NanonR中 にゾルゲル法 を用 い て シ リカ微粒子 を形成 さ せ る方法 な どが ある Srinivasanら は 130∼ 140・ Cで Nanon` ょ りは高 いセル特性 が得 られ る こ とを 発表 して い る'■ 一 方,シ リカ リン酸 系 の 多孔質 ガ ラス7oで ,103∼ 10 2scln l程 度 の電 導性 が得 ら れ る ことが報 告 され てお り,燃 料 電池 へ の適 用 も検 討 され てい る DMFC用 膜 にはメ タノー ル透 過 量の低減が必 須 であ り,ロ スア ラモス国立研究所 が厚手の膜 を用 いた気 相反応 で olWcm 2程 度 の 出力密度 を発表 した こ とで,世 界 的 に開発 が活発化 した 膜 として は,PTFE多 子L体 にア ク リル酸 な どをグ ラフ ト重合 させ なが らポア を充填 す るな ど,メ タノール含有時の膨潤 を抑制 す る構造 が提案 され てい る。 また,携 帯機器 用 には室温 での作動 も想定 され てい るが,自 動車用 には効率確保 の点 か ら 100C以 上 の耐熱性 が 要求 され て い る . 以上 ,実 用化 に向 けて開発 が進行 してい る燃料電池用 イオ ン交換膜 について説明 した 当面,パ ー フル オ ロスルホ ン酸膜 を用 いた実 セルでの信頼性評価 を進 めなが ら住宅 用 システムの実用化が図 られ る と思 われ る。 一 方,自 動車 用 に は 100∼ 120^C以 上 の耐 熱性 ,現 状 の 1/100程 度 の コス ト低減 が 長 期 日標 として掲 げ られ ている。 パ ー フル オ ロ系膜 の コス ト低減 に対 しては単 に量産規模 の拡大 だ けで は到達不可能 であ り,モ ノマ ー合成 ステ ップの見直 しが不 可欠 と思 われ る.ま た,MEAの 高性能化 を目的 とした電極触媒被覆専 用 イオ ン交換樹脂 のFTR発 や,膜 中物 質移動 の理 論的解明 が待 たれ る 電 池性能 評価用基本 セル の開発 が計 画 され て い るが,膜 評価技術 の標準 化 も今後 の燃料電池開発加速 に 不‖ ∫欠 と考 える IV 1.3B 同体 分 子およびI司 体酸化物形燃料電池 r・ 高分 子 電解 質 の構 造 と導 電性 挙動 “ 固体 高分 子形燃料電池 あ るいは直接型 メタノール燃料電池 にお い て用 い られ る電解質 は,含 水のイ オ ン伝 導性 ポ リマ ー であ る.高 性能 ダ ウ(Do、 )膜 の 開発 が今 日の燃料電池 開発 の引 き金 にな った こ とを思 い起 こす まで もな く,電 池 の高出力密度 を可能 とす るために,高 分子電解質 の高 い イオ ン伝導 性 (10 1S cm〕 ォー ダー)は 必須 で あ る. 表 3は ,同 体 高分子形燃料電池 で用 い られ る全 フ ッ素型 スルホ ン酸 カチオ ン交換膜 の性 質 を,ス チ レンビニ ルベ ンゼ ン系 カチオ ン交換膜 の それ と比 較 した もので あ る。後者 の膜 において は,重 要 な特 EOQ 、. ■曖着 , 0 。 ● 2 ︲ , “ “ “ ψ I a a 0 Dow Membrane C Nation 117 5 10 15 20 25 30 含水率 λ=lLO/hO. 図 24 全 フ ッ素 型 イオ ン交換 膜 に おけ る含水 率 λ と導電 率 χの 関 係 (文 献 95)よ り弓1用 表 3 パ ー フルオ ロスル ホ ン酸系 カチオ ン交換膜 と架橋 型 カチオ ン交換膜 CR61 AZL 386 NanOn l17 製造 メー カー 膜組成 ) Du Pont Ionics Inc. 架橋型 スルホ ン化 ビニ ル化 合物 の共 役重 合体 を補強材 とともに シー ト トにキ ャ ス 全 フッ素型 ポ リエチ レン骨格 スルホ ン酸基 を末端 に もつ フルメ ロエー テ ル側 鎖 ト 膜密度 膜厚 パ dry)=202 〃(dry)-087 ″(wet)=164 〃(、 ct)‐ l 14 0 211nm ll,mm 破裂強度 0 15 kgcn,ぜ 含水率 33%(d,reS n) 1(3% (dry resin) え-22H20/S(). λ=19H20/SO. イオ ン交換容量 導電率 水輸送係 数 応用 J l5 0 91 meqg(dry reSぃ 2 ) II H― klrm:12X101Scm l(、 et) kg cnr 14 mcq ' g '(dry resin) form : 2.0xl0'?Scm'(wet) t cm r(""et) K■ o「 m:30X10 2Scnl l(wcl) K fornr ‖ fo「 nl:26(、 et) K form:53(wet) K-lori■ 膜分離,食 塩電解,燃 料電池,セ ンサーなど 膜分離,電 気透析.脱 塩.食 品加工など ・ 岡田達 弘 Tatsuhio OKAIIヽ (独 ヽ 1行 政 法 人庁業技術総 合研究所 : 1.2 10 3 S H form:25(wet) ) :113(ヽ .et) 1 改賞ガスおよびメタ/― ル●接型 体高分子形燃料電池の特徴と構成 1同 189 性 で あ るカチ オ ン交換 基容 量 (密 度 ),含 水 率 が 前者 の膜 に比 べ 高 い値 を示 す に もか かわ らず ,イ オ ン 伝 導性 は 1オ ー ダ ー 劣 る もの とな って い る.そ の 原 因 は膜 内 にお け るイオ ンの 伝 導機 構 の 違 いに あ る こ とが 推 察 で きる 図 24に ,こ の よ うな全 フ ッ素 型 スル ホ ン酸 カチ オ ン交 換膜 に お け る導電 率 χ と含 水 率 λ(ス ル ホ ン酸基 1個 当 た りの水分 子 数 )と の 関係 を示 す 。 導電 率 は,イ オ ン交換 基容量 (乾 燥 ポ リマー 単 位 重 量 当た りの イオ ン交換 基 モル 数 )と 含水 率 に強 く依 存 す る。 これ は,膜 内 に お い て カ チ オ ンの 輸 送 が 行 なわれ るた め に ,こ れ らの パ ラ メー タ ー で特 徴 づ け られ る イオ ン伝 導経路 (チ ャ ン ネ ル構 造 )が 必 須 条 件 とな るか らで あ る . 図 25(a)に は その よ うな膜 を特徴 づ け る相分 離構 造 の 形 成 ス キ ー ム を通 常 の 架橋 性 ポ リマ ー の それ と比 べ た もの を,ま た図 25(b)に はその よ うに して で きた膜 の ミク ロ構 造 と して 考 え られ る 3相 構 造 モ デ ル を示 す 。膜 の構 造 rJ体 は疎 水性 を示 す企 フ ッ素型 主鎖 (テ フ ロ ン)の 結 品性 領域 に よ り維持 され て お り (A領 域 ),主 鎖 か ら伸 び る側 鎖 の 末端 に あ るス ル ホ ン酸 基 と対 イ オ ン で あ るカ チ オ ン,お よ び それ らに水和 す る水 分 子 か らな るイ オ ン クラスター 領 域 (C領 域 ),そ して それ らの 中間 に 存 在 す る 側 鎖 エ ー テ ル 基部 分 (B領 域 ),の 3領 域 か ら構成 され る。 この よ うな小 H分 離構 造 は 架橋 型 イオ ン交換 膜 にはみ られ な い もの で ,高 イオ ン伝 導性 を 考 え る うえで重 要 な構造 とな る。 図 25(c)に は,実 際 に小 角 X線 散 乱 分析 か ら見積 も られ た Gierkeモ デ ル と呼 ばれ る膜 の 輸 送 構 造 モ デ ル を示 す 。 図 25(b)に お い て示 され た イオ ン ク ラス ター領 域 が互 い に 阻路 で 接 続 され た 親 水 性 チ ′ R:,()` → 」 渠 た高分子電解貿 ツ ケルイしした高分子電解賃 ミセル化 した高分子電解質 (高 イオン電導性 ボ リマー 5 0nm ' 図 25(a)イ オン伝 導性 ポ リマー の形成 スキーノ、(文 献 78)よ り弓1用 ),(b)膜 の 3相 構造 モデル (文 献 85)よ り 引用),(c)Cierkcの クラスター ネ ッ トワー クモ デル (文 献 77)よ り引 ) '日 190 1V 同体高分子および固体酸化物形燃料電池 ャンネルが形成 され,イ オ ン クラスター内 で はスルホ ン酸基 が内側 を向 いた配 置 を と り,中 心部分 は 水分子 が満 た されて い る。 この ような構造 は,イ オ ンが輸送 され る うえで最 も最適化 された もの と考 え られ る。 すなわ ち,高 分子電解質 においてイオ ンの伝 導経路 を確保 す るうえで,ス ル ホ ン酸基 の運 動性 (柔 軟性 )と 高密度 での凝 集構 造 を実現 す る ことが 必要 とな る.予 想 され る ように,対 イオ ン(カ チオ ン)と して交換 され るイオ ンの種類 によって膜 の含水率 λは大 き く異 な る。 この よ うな こ とは架 橋 型 イオ ン交換膜 で は観 察 され な い. イオ ン伝導性 を考 える うえで,図 24か ら も想像 され るよ うに,水 の輸 送挙 動 が重 要 なポ イ ン トと な る。 よ く知 られ て い る ことで あ るが,膜 内 にお いてイオ ンが輸送 され る ときに水分子 も同時 に輸送 され る とい う現 象 が起 こる(電 気浸透現象 ). この とき重要 なパ ラメーター とな るのが水輸送係 数 ■20 (イ オ ンの単位電荷 当た りに随伴 す る水分子の数 )で あ り,次 式 で定義 され る. (6) ここで,ブ ‖ 2oは 膜 を透過 す る水 の フ ラ ックス,Fは フ ァラデ ー定 数,れ ま膜 を透 過す る電流 で あ る. 一般 的 に,大 きな ′ H20を 与 えるイオ ンの膜 内伝 導性 はか さ高 さが増 す結果小 さい傾 向 にあ る . スル ホ ン酸基 との親和性 もイオ ンの輸送 に大 き く影響 す る。 すなわ ち,周 期律表 で同 じ族 の アル カ リ,ア ル カ リ土類 金属 イオ ンで比 べ る と,原 子番号 の高 い イオ ンほ どスル ホン酸 基 と強 く結合 す るの で イオ ン対 をつ くりや す くな り,ま た膜 の含水 率 も低 下す る。一 方,水 輸 送係 数 ん,。 は小 さ くな る 結 果 ,相 殺 効 果 も働 き,イ オ ン の 易 動 度 は Li'く Na・ >KI>Rb+>Cs+あ る い は Mg2・ >Ca2・ > sr2->Ba2+の 順 にな る, とい う結果 が得 られて いる . なお,H‐ イオ ンの伝導 については,易 動度 が他 の イオ ンの 4倍 以上高 い こ と,′ H′ 。=26と 低 い こ と, また混 合 カチオ ン系 において水和構造 の違 う相手 イオ ンの性 質 によ り易動度 が強 く影響 を受 ける こ とか ら,水 溶液 中 でみ られ るの と同 じ CrOtthus機 構 で輸送 され る と考 え られ る.導 電率 の温度依 存性 か ら見積 もられた活性化 エ ネル ギー は約 17 kJ mol lと 小 さい こ とも,同 輸送機構 を支持 す る と 思われ る . 燃料電池 の運転 中 に不純物 イオ ンが膜 中 に浸入 し H+イ オ ン と置 き換 わ った場 合,種 々の悪影響 が 0 02 04 06 膜組成 χHM 00 io 0 ′ , こ ︱ヽ 斗 ヽ “ Eo● 、 ■●着 , , ″ ” ︲f ξ 1も /"// 〆` / / /9/ /▲ ノ́ ´イ 夕 oo- o: o, 層組成 oo o.B 1 χHM 図 26 種 々の カチオ ンを含む膜 の (a)含 水率 λ (b)導 電率 χ と膜 内 カチオ ン組成 χJ、 (全 カチオ ンサ イ トの う ち,H‐ の 占 める等 景分率)の 関係 (と もに文献 99) よ り弓用 )日 H・ /Fee系 ,△ H・ /NF 系 ,CH/Cu2系 混 合 カチオ ン膜 , 191 1 改質ガスおよびメタノール直接型‖体高分子形燃料電池の特徴と構成 懸 念 され る.た とえば Fc3-,Ni′ +,Cu2+イ オ ンの場 合 ,H+イ オ ン との置換 の割 合 に応 じて合水 率 λお よび導電 率 χは図 26(a),(b)の よ うに変化す る結果,膜 抵抗 が増 大 す る また,膜 内 H イオ ンの輸 率 が低下 す るため,カ ソー ドで進行 す る酸素還元反応 に必要 な H+イ オ ン量 の不足 が生 じ,濃 度勾配 が 発生 す る結果,電 圧 ロスの原因 とな る.さ らに,電 気浸透現 象 によってアノー ド側 か ら膜 の 乾燥 が起 こるが,不 純物 イオ ン存在下 では水輸送係 数 が増大 し水拡散係数が減少す るのが一般 であ る か ら,こ の傾 向が い っそ う進 む ことになる.ゆ えに,燃 料電池 の運転 においては不純物 イオ ンの浸入 を極力避 ける とともに,適 切 な水分管理 を行 な う ことが必須 とな る. 最後 に,高 分子電解質 にお ける構造 ,導 電性 ,水 輸送挙動 を計測 あ るい は解析 した文献 を章木 にい くつか紹介す る77‐ ° t興 味 の ある読者 は原著 にあた られ る ことをお勧 め した い 1.4.セ パ レー タ ー 材 料 と流 路 形 状・ PEFCで は,空 気 と燃料 ガスを分離 す る とい う意味 で「セパ レー ターJと 呼 ばれてい る しか し, リチ ウム電池 な どで は,陽 極 と陰極 を分離 する電解質多子L質 膜 に「セパ レー ター」 とい う用語 が用 い られてお り,注 意 が必要 である。 その ほか に も,ガ ス分離板 ,パ イポー ラー板 や イ ンターコ ネ クター な どと呼 ばオtる こ とが あ る 1。 5 0つ . PEFCセ パ レー ターの主な機能 としては,以 下 の 4つ が あげ られ る . ① 空気 と(隣 のセルの)燃 料 ガスを分離する(ガ スセパ レーター,ガ スシール) ② 表裏間 および面内で電子を伝導する(抵 抗が きわめて小 さい ) ③ 燃料 ガス,空 気 や冷却水の流路 を確保する(ク リープ しない) 生成水 (液 体 )を 反応ガス流路 から速やかに排出する セパレーターヘの具体的な要求特性 としては,水 素透過量 が lo ml min l m 2(o l MPa)1以 下で ある こと,体 積抵抗率が 10 mΩ cm以 ドであること,10 kgfcm 2程 度 の面lEで もク リープしないこ ④ となどがあげられる。 流路溝の溝幅 や ピッチ については,細 くなるほど電極 へのガ ス拡散性 が改善 されるが,工 作精度 の 面から lmm前 後 が選ばれている また,満 の深 さについては,常 圧で動作 させるものでは,圧 力損 失を小 さく抑 える必要があ りl mnl程 l■ ,燃 料自動車用のように コンパ ク ト性が重視 され加圧で動作 させるものでは 0 5 mm TFF度 の値 が用い られている . 水 を排 出 す る とい う機 能 は,運 転 温 度 が 80C程 度 で,水 蒸 気 よ りもむ しろ水 滴 と して排 出 さ `L成 れ る PEFCに 特 有 の 機 能 で あ る.反 応 ガ ス 流路 に 水 滴 が 滞 留 す る と,反 応 ガ ス を均 一 に 供 給 す る こ この た め に,流 路 を長 くして 流速 を速 めた り,反 応 ガ スが 重 力 にで きるだ け逆 ら わ ず に ,上 か ら下 へ 流れ る よ うに セ パ レー ター を立 て て用 い た りす るな どの工 夫 が な され る. とが で きな くな る 流路 形 状 と して は,サ ーペ ン タ イ ン流路 (蛇 行状 流路 )が いる 10卜 H0 PEFCの セ パ レー タ ー に広 く用 い られ て 図 27は ,複 数 の 流路 を束 ね た サー ペ ン タ イ ン流路 形 状 で あ る Ю9.サ ー ペ ンタ イ ン流 路 は 流路 長 を 長 くで きるの で,反 応 ガ スの 流速 を速 め て 水滴 の 排 出 を容 易 にで きる. 'ittflfiE8 Kenro trlr'r'sL ur( ,{EE[ (#*) flffi$ffi#ftW+jft) Iヽ Pl体 高分 子お よび同体酸化物形燃料電池 空気出口 空気出ロ 図 27 Юい° 複数 流路 に よるサーベ ンタ インFt路 形状 " 図 28 m, 分割流路 に よるサーベ ンタイ ン流路形状 然 IIIガ ス 入 ロ 図 29 燃料ガス出口 リター ンマニホール ドを,日 いたス トレー ト流路形状 '1・ 図 28は ,人 │]を 分散 させ たサ ー ペ ンタ イ ン流路形 状 で あ る 110.面 内 に反応 ガ ス を分 配 して供給 す る方法 として適 して い る。 また ,温 度 を均― にす る と い う目的 で ,人 口側 に反応 が 集 中 して 発 熱 す る 空気側 の 流路板 として も有 効 で あ る 11・ ,ス タ ッ クの端 部 にあ る リター ンマニ ホー ル ドで折 り返 して流 す フ ロー 方 式 で あ る .反 応 ガ スの 流速 を速 め て上 か ら下 に流 す とと もに ,反 応 ガ スが 面 内 で 利 用 され る確 率 を高 め る効 果 が 得 lX1 29は られ る.燃 料 欠乏対 策 として 有効 なの で ,燃 料 ガ ス側 に適 して い る . ‖勾な どが 検 討 この ほか に も,ス トレー トの流路 を仕切 っ て,折 り返 して流 す リタ ー ン フ ロ ー 方式 され て い るが ,セ パ レー タ ー の形状 に つ い て は, まだ さ まざ まな ア イデ アが 試 され て い る段 階 で あ り,今 後 の 開発 に よって , これ まで にな い 斬 新 な形状 が 出 て くる可 能性 が あ る. 一 方 ,セ パ レー ター 材 料 として は,金 属 セ パ レー ター とカー ボ ンセ パ レー ター に三 分 され る. 131門 をilい る場 合 に は,電 解 質膜 が 直 接 セ バ レー タ ー に 触 れ な い よ うな 工 夫 金 属 セ パ レー ター を した り,耐 食性 の表 面処理 が な され る.こ れ は ,電 解 質膜 が スー パ ー ア シ ツ ド(超 酸 )で あ り, しか もセ パ レ ー タ ー は酸化 雰 囲気 と還 元雰 囲気 の 両方 の 環境 に置 かれ るの で腐 食 されや す い た め で あ る 資 金 属 メ ッキ は高 ='ス トに つ なが る。 しか し,金 属 セ パ レー ター は カー ボ ンセ パ レー タ ー に比 べ て, 薄 くす る こ とが で き,折 り曲 げが容易 で ,表 裏 の ■凸 をその まま表 裏 の反 応 ガ ス流路 や 冷却 水流 路 と 1 改4″ スおよびメタ/― ル直接型 体 ら分子形ll・ 料電池の特徴 と構成 「 して用 い る ことがで きるので,コ ンパ ク ト化 に有利 であ る. 一 方,カ ー ボ ンセパ レー ターで は,高 温 で処理 したカー ボ ン材 をスライス して使用 した場 合 に きわ めて小 さな電 気抵抗 が保 たれ るが,表 裏 の反応 ガス流路 を機械 11:で 形成 す る必 要 があ り,低 コス ト l」 化 が難 しい。 しか し,サ ン ドプラス トや ウォー ター ジエッ トな どで低 コス トにカロTす る試 み も行 なわ れて い る。 また,モ ー ル ド加 工 であれ ば,表 裏の反応 ガス流路 を低 コス トに形成 す る ことが可能 であ るが,カ ーボ ン粒 子を結着 させ るた めの樹脂 が絶縁材 であ るた めに, どの ような樹脂 を選 ぶかが重要 にな る1■ また,柔 らか い膨 張黒 鉛材 を ブ レス して セバ レー ター を製作 す る方 法 が 用 い られ て お り '0,薄 肉化 が容易 で軽量化 が図 れ るが, もろ くて 多孔質 なので,ク リー プ対策 とガ スシー ル が課 題 であ る。 い まの ところ,カ ーボ ンセパ レー ターの使 用例 が 多 いが,金 属 ,カ ー ボン材 の双 方 に長短 が あるの で どち らが実用化 され るか は,今 後 の開発 にかか って い る 金属 セパ レー ター とカーボ ンセパ レー , ターの開発 は, しば ら くは並行 して進 め られ る と予想 され る。 文 献 1)ヽ 1 ヽ:atanabc H じchida,Y Seki and P Stonehart′ E々 r′ ,7,`坊 ′〃 Sθ (1996) 2)II C′ ]θ Uchida Y NIizuno and ηι M Emo「 i, ` 1433847 ヽ Vata1labe ヽ1 `″ Vatanabe′ 3)II Igarashi T Fujino,and M ヽ ″た″,η α α′Cル ぐ 391 H9(1995) ヽogel J Lundquist l)Ross and l' Stone 1)ヽ V 「 ,″ 2079(1975) И `″ ′ ″ ″α′ 5)R ParsOns and I ヽanderNootノ ″′ `′ “ θ71 257 9(1988) hH■ ′ L ll″ η `71″ Cル 115(1997) ryrl、 0)A IIamnlett 6■ ″4ヽ お ηり 〃″′ ル 7)ヽ 1 ヽ atanabe and S Mot()o “ノ メ `′ て (1,,2 60 2,5 (1975): 69 120 (1976): 111 26] 'ル Vatanabc NI J ヽ (1980): 194 275 (1985): 卜 Shibata a:ld S ヽ10too ノ 五ソピ η″l.″ ′Cソ ?r′″ 7 rl″ `わ 18' 161(1985) め 渡辺政度 ,本 尾 哲 ,電 気化学 ,44a2(1976) 9)K ヽVang II A (〕 astoiHor N Nl ヽlarkOvic and I)ヽ Ross Jr F々 (わ aル ル″ Hび ´. 41 2578 ど′ ,(乃 ″ふ′ l■ ′ εルマ “ Y T Fujino I] lgarashi, and l 67 ■91(1999):H 「 Zhu H Uchida and Watanabe″ ぃ Cル (2001) C/2′ ″ `は ujinO, lgarashi P/11、 卜1 31烙 18)T Horiuti 0 0kada,そ ind Y Hisazunli lst lnt Cokenlaking Congr 2(1)1(1987) 19)ヽ 1 ヽlasuda S Takan■ i T Tabata and O Okada PrOc Or 1989 1nt Cas Rewarch COnf lokvo 1989 20)0 0kada T Tabata,S Takami K Hirao M ヽ isuda and II「 ui ta,PrOC Of 1992 int Cas 1そ Research Conf Orland 1992 21)言 上 佳 秀 ,光 田憲 朗 ,産 業 と電 気 ,54719(1998) 22)ヽ l Echi● o r′ ″′ 2000 Fucl Cc〕 l Scnぅ i1lar Abstract I〕 98 1ヽ rtland USA 2(メ X) 23)S Coヽ lI,sk,ブ ラチ ナ・ メ タル ズ・ レ ビュー 42 (1997) 1 `larkO、 ic and I' (〕 rgttr(; Zhuang ヽ ヽ お 101391()(1997) り,Sこ ん ヽ Ross Jr′ ′ 1())Bヽ ('′ ,′ 11)R IJu ll lddr Q Fan,G Hotl A Bo KL Ley ES S11〕 otkin ヽ ―E Sung II Ki11, S Thomas and Aヽ 'iekoヽ sk ′ P7● SCル ′711 P (1) 2 (1998) 21)A Doctcr t7 α′ 2000「 uel Cell Scminar Abstract l1 538 1'ortland USA 2000 25)渡 辺 政 度 ,鈴 木 喬 ,本 尾 哲 ,電 気 化 学 ,38 927 (1970) Vatanabe and S 26)ヽ I ヽ 104 3518 (2(00) 12)村 (1999) ヽ 17)ヽ 1 ヽ 'at● llabc 1268(200()) ,′ 2996 (1999) 16)HTM K()pcr JJ Lukkicn A PJル tllSen and RA 、an Santen′ ′ツいヽ Gピ 〃 β 1035522 弘 毅,第 セ ミナー,1983928(横 浜 ). 21可 燃 料 電池 研 究懇 談 会基 礎 部 会 13)I)R Rolison Pl_ Hagans K E S、 lder and J ヽ V Long ια〃ρ,I″ ル 15 7,1(1999) C IIsiao J― R Chang a1ld A S 11)SI)I_in l ― I力 n /′ ″ りヽCル ″ β 103`)7(1999) Viec 15)Y Y Tong C Belrose ヽ CodЬ ()tlt A ヽ ,1ヽだ 121 ko■ ski and E 01dheldノ ■〃 C′ ′ ,′ 7ご r‐ 7で `lotoo ノ EIC`7f3(■ ,7“ ′ /11 60267(1975) 27)S Moは x)andヽ 1 Cソ :c〃 ′ ヽ atanabe ノ E′ 69 129 (1976) ′ ″α″″′ “ 28)ヽ 1 ヽヽatanabe ヽl Uchida a[ld S ヽlotoo ノ ′ ′ ′ ιルι〃′229 195(1986) E々 ,″ ′ ィ ′ ″′ ′ 29)A llamnett C‐・″′ ■,″り 38415(1997) 3())H A CaSteiger N 卜Iarkovic Pヽ Ross Jr and EJ CairnS ノ ′りlヽ Cル『 ″′ 97 12(,20 194 同体高分子 お よび同体酸化ll形 燃料電池 Iヽ (1993)│′ 141 1795(1994) Eit`ル 7ィ ル(′ η ゞθ こ IIahn J ヽl Lcg(ヽ r alld C Lanlyノ ′ J`llη ″″″′ 444 11 (1998) Cん θ ,″ 32)X Ren P Zelena, S lhOmas J l)avey alld S GottesFeld′ ′ ヤ川り ヽ″″″ 1ll(2000) 33)D R RdisOn,P L Hagans K ^86 E Swider and J ヽ V Long i″ ″ρ ″ 15 7,1(1999) 34)高 須 方雄 ,藤 原 ■ ,杉 本 渉 ,村 L 泰,触媒 '′ , 42 67 (2000) 35)E Reddingt(,n A SapieI〕 za B (,ura u R ltlla l S sara1lgal)alli E S S11lotk 11 a]ld I E ヽlaliOuk ドc′ て りた 280 1735 (1998) “ 36)PK shc・ nand ACC l%un“ ノ EI(`(′ ″′ ,H,そ ,′ `71`′ 3)( 141 3082 (1991) 37)D A SchersOl〕 S Yao E Yeager J Eldridgc ヽl Iく 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予稿 集 .226(1995) 52)(,A Hards T R Ralph D Pヽ A Callll,be11 1996 Ftt(ヽ 511(1996) ,ヾ ヽ()shida an(1 1 1shisaki p′ ′ ″′κ 7ル `,64727(1966) “ 60)ヽ Yosllida l ls1lisaki A ヽ Vatakabc andヽ 1 “ ヽ〔 )shitake じlt`′ ′ 7,`ル ′ ,″ ■ ″ 43 3749 (1997) `′ 61)II I)Dhar 29th IECじ C COnfcrcncc Procc(ヽ d ヽ(,1 2 p 865 (1(,91) 62)ヽ 1 ヽ Vatanabe ll Uchida alld 卜l Emori 2:ld IF(,(, KObe 313(1996) 63)P StOnehart l'「 Ogranl alld Abstracts of 1996 US Fuci Cell Senl nar Orlando 591(1996) 64)旭 硝 r株 式 会社 ,燃 料 電 池 発電 技術 開 発 固体 高 分子 型燃 料電 池 の研 究 開 発 要 素研 究 開 発 平 成 8 年度 委 .t業 務 成 果報 告 書 ,第 2章 and J ヽ lcClellan l)rOcccdings()fthe 3rd IFCC er″ 々て′′,(ル カ′ ′ スで″ 40315(1995) 67)S )ヾ ezu lI Scko ヽ1(〕 Ondo a1ld N Ito l'「 () granl and Abstracts Of 1996 Fuel Cell Seminar 68)US l'atent 5 498(お 9(Banard P。 、er S、 stenlド 11lc : l rinu。「。styrene and substittltcd trinuo rost、「ctlc VilkinsOn ar〕 dS l Celi Senlinar Abstract COpOIゝ nl(.ric iOn exchange llenl bra 11(:5) 69)JS II ,あ ′ ど々てルて (1999) 58)TI)(herke C rう ヽlunlm alld「 C Wilson′ わ│ツ 載 え 191687(1981) ′ Orland0 17(1996) Eヽ1-1553 EPIRI,Pak)Al“ )cA(1980) 17)ヽ 1 ヽ atanabe ` 1373770 66)「 N Buchi B Cul)ta O Hat■ s and(〕 ('Scher ユミ θ,7 /ツ Sυ (199()) A13 Nagoya(1999) .1113(]986) 15)S Mtlke● cc and s s「 inivasan′ E々 Srini、 (1996) 57)ヽ 1ヽ 'ヽ erbruHHc′ E々 ″,7,`ん ど〃O 65)1)L) Dcsヽ Iarteau S E Creagcr B ThOn]ll s `′ Cル (り 7 陽 ,金 子 実 ,松 林 孝 呂,中 岡 透 ,二 宅 泰 夫 ,西 尾 晃 治,榎 並正 雄 ,Il須 和 彦 ,第 3,回 電 池 討 論 会 請 演 要 旨 集 .263 ings ヽ10ntre, `″ ″′ s″ l・ r''77219(978): ヽlI´ Sattter and I)N “ Ross r7′ /rf″ ″ ´ 41)K KinOshita 務 ,太 Frl洋 州 ,第 34回 電 池 討 論会 講 演 要 旨 59)ヽ 1 ヽ(,shitake ヽl ranlu「 a Cル 87 932 (198`) 55)関 集 ,107(1998) 56)磯 野 隆 博 ,浜 1 ,′ Vis、 53)森 ll 亮 ,稲 葉 稔 ,安 部 武 志 ,小 久 見善 八 第 41「 1電 池討論 会講 演 要 旨tl,104(20“ ) 54)河 津 成 之 ,岩 瀬 IT(,第 36回 電 池 討 論 会講 演 要 旨集 ,241(1995) , 31)A Kabbabi R Fatlrc R Durand l, Beden「 ヽ ヽainrigh、 Sa、 lndl ヽ Vang J T and M I」 tt/″ ′ I) ヽ Veng ″〃 R F 142 Sっ て “"η `ル L121(1●・95) 7())J l ヽ`ang R F Savinell J ヽ Vainright M Litt and II Yu じ■ 71ル ″ ■(″ cr′ ″び 41 193 (191)6) 71)陸 川 政 弘 ,村 川 誠 ,本 間 格 ,平 成 8年 Fk・ 独 創 的 産 業 技 術 研 究 開 発 促 進 事 業 プ ロ ジ ェ ク ト成 果報 告 (8H省 15) 72)本 問 格 ,第 3● │セ パ レ ー シ ョ ン ズ サ イ エ ン ス&テ クノ ロ ジーlJl究 会 講 座 講 演 要 旨集 ,1高 分 子膜 燃 料 電 池 の 基礎 と応 用 J,p17(1999) ,3)liS I)atcnt 5 362 886 (IIocchst Aktiengcsol ヽhaft :Pol、 mer electrOlytes a1ld thcir prcp 2trati()n) an s」 ee s srini、 asan I M '4)K(Dgden T Adienヽ al〕 d A 13 130carsly I)rOceedings of t1le I´ 1 改質 ,ス およびメタノール 接型l川 体 ■分子形 7料 it池 の1キ 徴 L l・ IVl成 “ 197thヽ leethlg of I]CS Abs 95 Tor()nto(20(11) PI■卜 s Cル ′ ′ β 1023129(1998) 98)T Okada(: Xie,O Corscth S Kielstrul),N (′ ,5)ヽ 1 lakan■ l and ヽ ヽal1lazaki l'l(,ceedings()F the 196thヽ 1“ ting of ECS Abs 105 1lonolulu ヽakarnura aI〕 d T Arinlura Elccr/J`々 ′ lllス で ″ (1999) 43 3741 (1998) 1 ヽ ヽlatsusita l Kasuga and T `)gaml II '6)ヽHaゝ akawa r′ ゎ7,で 力″″ι',7,″ S″ ′ ′ ι″′ 2 “ 115 (1999) 77)A Eiscnberg an`1 1lI´ ヽea● (r(ecls) 1'erllt10 rinated loI〕 omcr ヽlenll)ra:lcヾ ACS S,1111)() ヽ ヽashh sitlm Series 180 A]1lcrican Chcnl SOc gton l)C (1982) ‐ Structural 78)K A Mauritz an(l A I IIophnger Opcrties()rヽ ic l]brallc lonom(rs '″ I ()ヽ I BOckris a1ld B I〕 COn、 そ 1、 (eds) ヽ1()d(ヽ 1 Aspccts Of Elcct「 Ochcnlistr, N0 1l PleI〕 um l'「 r〕 New York(1982) 79) ヽl I'i:leri and A Eis(ヽ ber“ (eds) Structure and Propertics Of 10nonlers' ヽAT()ASI l〕 Series C D Reidcl Publ Co I)ordrcchl(198(,) 80)C J IIeitncrヽ .rgu ll ′ J/1,〃 ル: ド″ 120 1 (1996) 81)S C Veo and A Eisenbc"′ ■″″′′わみ″υ ■ 21 875 (1977) ' 82)ID(,ierkc C E ヽIunn and FC ヽ1ls(メ lノ ′うな′ 〃r′ ,′ ′々″r′ 〃″′/Ⅲ ヽ 191687(1981) 83)ヽ ヽY Hsuandl l)(Hcrke l物 ど′ ″ ′ハ 15 `ノ `で 1()1(1982) 81)Z Porat 」 Fl、 r `l IItl、 hal1l an〔 lI Rubin stein′ I'It、 ドr71α ′ ″ 99 166,(1995) 85)lIし ヽ.eagcr and A Stcck ノ===(イ ′ ′ η ご′ ′ 7 ヽり て `ル 128 1880 (1981) 86)ヽ 1ヽ ヽerbrugge and R「 Ilill ′ L7fで ′ ,り ll `71(,′ で 137 886. 893 (1990) 87)ヽ'′l Cappad(,nia Jヽ V Erning and t, Stinlining ′ α4Cん (',η 376,189(1991) ノ ″々l・ ′,α ′ ,′ Iく r′ t・ 88)Z San〕 ec A T「 (lanek and E Sanlco、 こ ′ Elビ ,そ ,θ 〃α′ こ責α71 389 1(1995) Sone l' じkdungc and I) Sinlo:1、 On ′ `′ 89)ヽ E″ ィl.ル θ″Sr,こ ,143.1254(1996) 90)SR LO、 r,alld K A ヽlautttzノ H′ ′′C71θ ″ ヽつご 102 1665 (1980) 91)P C Ricke andヽ 、anderbOrghノ Jル ′ル1,1 `′ ,′ 32311,(1987) 92)IA Za、 odziski Jr ヽ1 、eeman L O Siner ud .nnd S(:Ottesfeld ′ ′ソo卜 (力 cll1 95 6010 (1991) 93)T「 I'uller and J Ncwn]an ` ′ ″々kわ 7′ 「 `ん ″ 139 1332 (1992) ,1) rA Za、 o(レ inski Jr C Dcroui1l S Rad∠ ins ki RJ Shcrma[l ヽ T snlith ´ IE SI,ringcr `'′ and S Cottcsfcldノ r″ ″/1(ヵ ′ 71・ ,,で 1401011 (1993) 95)T A Zawodzinski Jr T I:Springcr J Daヽ c、 ‐ R JCstel C L01)c/ J `alcriO and s Gotte、 fCldノ L7tイ ツ ″′ び んび″,,■ 1401981(1993) 96) lく ヽ I()sdalc (,(icbel and ヽl Pineri ノl′ r′ ′ ′ わた 技 ′ H8260(1996) 97)ヽ I ヽ Vatanal)e ll じchida を lnd ヽI Enl。 i ′ 「 ()kada Y A,ato ヽ1 ヽuasa a1ld I Sckine ヽ Cん c″ ′ 1033315(1999) ′′ ■ν 100)B ヽlacヽ linan AR Sharp and RI´ Arnl strong ノ々 ,な り ″″, 40 24'1 218](11)99) 101)ヽ 1 lap()rta ヽ1 1)c● orarO a1ld L Zandcrighi 乃 vド εれッ Cれ ll′ 勿 、 11619(1999 11)2)S Srini、 asa:l DJ ヽlanko II KOch ヽlA Enayctullah and A」 Applcby ′ ′レ:"′ S(,″ ′ て で、 29 86,(19tl(') 「他 ,PEFCの す べ て,燃 料 電 池 開 発情 103)小 関 和 ‖ 報 セ ン ター (1996) 101)本 間琢 也 他 ,日 1体 高 分 子型 燃 料 電 池 の 開 発 と突 用化,技 術情 報 協会 (1999) 105)竹 原 善 一 部 監 修 ,“ 燃 料 電 池 技 術 とそ の 応 用1", テ クノシ ステノ、(200()) 99) 「 106)佐 藤 登 監 修 ,“ 電 気 自動 にの 開 発 と材 料 ",ン ー こノ、シー 社 (1901)) 107)渡 政 贋 他 ,` 団体 II分 子型 燃 料 電 池 の 開 発 と実 ‐ ,技 御 報 協会 (1999) 108)[1本 国特 F公 報 ,特 公昭 508777号 ,II I開 4110 j」 用化 ,γ 311696'」 109)日 本 国 十キ許 公 報 ,特 許 第 1502617号 ,特 許 第 1“ )1048号 ,特 開 平 33,5763号 110)日 本 Jllul:公 報 ,特 許 第 1758726号 ,特 開 ` F7 263m3ぢ ,特 fl●r lo 223238 1ナ 111)日 本 国 lr許 公 報,特 開 2α m 1′ . 11233126号 ,特 開 12051号 ,特 開 200082182号 ,特 開 2000 100158'チ 112)日 本 国特 許公 報 ,特 公 I召 6223131号 ,キ キ開 2011, l ll)158号 l13)卜 1 ヽ Vaidhas, l he Second international「 Ccll ヽ VOrkshol) Yanlanashi uel l'rOceedings p 103(1998) 111)ヽ 1 ヽ ヽaidhas II Landes and Rヽ Helm()it intcrnatiOnal SymI,0、 iun, on Ne、 Battery i echn010g, f。 ヽ 「 じ App ications Se:ldai Ab stracts, 1, 17 (1998) 115)=ヽ E Han,nlerschn〕 idt a1ld ヽ1 ヽ ヽaidhas The 3rd intcrnatioIぅ al Fttcl Ccn C01ference, Pr0 cccdings I),9 (1999) 116)Nl tichida J N10rita H ohara J ヽiikura and II C,Oten lhe 31d I:ltcmatiO1la〕 Fuel Ce‖ 〈 じollrcre lcc I,rOcccdi:lgs p 509 (191)9) 117)(: ヽicを t]1(l i1 0kazaki Thc:,rd lntcrnational Ftlcl C()1l COllferellce PrOccedi]lgs I)499 (1999) ■8)11本 J tti許 公 報 ,特 開 2“ 201,239806:; 119)本 Jキ 与,キ 公報 ,特 l1lo0154号 ,特 開 開 2“ Ю 9o911号 ,特 開 a tlo 2131(,9 :l lム ))日 本 ]特 許 公報 ,特 ク珈1召 1517,1号 号 ,特 開 2tlm 5822866号 ,特 開 1召 59- 21,22号 ,特 許 第 3029119 2。 高 温 お よび 低 温 作 動 型 固 体 酸 化 物 形 燃料 電 池 の 特 徴 と構 成 * ,高 温 であ るこ とを生か した火力代 替 高 同体酸化物形 燃 料 電池 (solld oxide fuel cells,SOFC)は 効率商 用発電 を目指 して開発 され て きた。 この面 では,開 発 はすでにプ ラ ン ト化 か らフ ィー ル ドテス トの段 階 に進 んで い る.こ れ に対 し小 規模 コ ジ ェ ネ レー シ ョンや電 気 自動 車 を志 向 した 「低 温 型 SOFCJが ,プ ロジエク ト研究 として取 り上 げ られ始 めて い る ここで強調 して お きた い ことは,燃 的 な発電装置 で ある こと,お よ 料電 池 は燃料改質 工 程,ボ トミン グサ イ クル と切 り離 せな い システ′、 び,エ ネル ギー システム としては起動停 止や 負荷変動 な ど作動特性 を含 めて取 り扱 う必要 があ る とい うこ とで あ る。 また,燃 料電池 と SOFCの 説 明 は,紙 而 の都 合 もあ り,切 り詰 め ざ るを得 なか った ・ 2を 参照願 いたい. ので,IV章 1節 や SOFCに 関 す る各論 あ るいは他 の文献 〈 SOFCの 燃料電池 としての特徴〉 燃料電 池 では,燃 料 の酸化反応 の ギプズエ ネル ギーが電 気 に変 え られ る.電 気 に変 える仕掛 け とし て 解質膜 を挟 んで燃 料 用電極 と空気用電極 をつ け学セル を構成 す る。酸化反応 しよう とい う起電 ,電 力 (化 学 ポテ ンシ ャル差 )が ,電 解質 中 のイオ ンの流 れ をひ き起 こし,外 部 回路 で は電 子の流 れ となっ て発電 され る。第 1の 問題 は,単 セ ル の電圧 が 06∼ 08Vし か とれ な いので,外 部 に電 気 を出力 す るにあた リイ ンター コネ ク ト(他 の燃 料電池 で はセパ レー ター と呼 』→を介 して,燃 料 と空気 を隔離 し て直列接続 せ ざるを得 な い 本章 24節 のlX 10(a)(p211)の ように,燃 料極 /電 解 質膜 /空 気極 /セ パ レー ター/燃 料極 /― と lLべ た構成 で,内 部 抵抗 を小 さ くす るため, また電解質膜 には普通液体 を含 ル コニ ア (ytい a むの で,平 板 を積層 す る構造 を とる.SOFCの 場 合,電 解 質 に イ ッ トリア安 定 化 ジ stabilizcd ziconid, YSZ), 燃料極 にニ ッケル メタル, 空気極 に しaMn03, イ ンター コネ ク トに LaCr03と すべ て同体 を用 い るの で,必 ず し も平板 を積 層 す る構 造 で あ る必 要 はな く,24節 の F/」 10(b)の よ うな円筒 を束 に した円筒 バ ン ドル型 も可能 である . しか し,こ の違 いはさほ ど重要 な違 いで はな く,最 も重 要 な SOFCの 特徴 ,ス か つ 長所 は高温 '所 的 な高発電効率 ,高 容量効率 に関係 して くる 作動 で あ る こ とにあ る.こ の こ とが SOFCの システノ、 か らであ る。一例 として,Sielncns Westinghouse社 円筒型 セル (24節 の 図 10(b))の セル ス タ ック の発電効率 は, リン酸形 や 高分 子形 の 40,35%よ り高 い約 45%(対 メタ ン LHV・・ )で あ る。 お よそ 09Vの 理論起電力 に対 し,03Acm 2の 定格電 流 を取 り出す とき 065V程 度 の 出力 で あ る.025 Vの 損失 の 90%は aMn00窄 気極 の 円周方 向抵 抗 で あ る.YSZ電 解質 (厚 さ 30μ m)の イオ ン伝 導 は H2, 抵抗 と電極 の過電圧 ともに,高 温 であるため非常 に小 さいか らで あ る。高温作 動 の SOFCで 1′ ・ 十器 屋 iに 之 ヽlasa、 uki DoKハ A(横 浜 日 立大学 大学 院 環境情 報研 究院 ) ・・ I´ o、 cr IIeそ lting ヽalue 198 1ヽ 司体高分 rお よび同体酸化物形燃卜1電 池 料 を金属材料 で代替 した い, とい うことに起 因 して い る。 しか し,SOFCの 特徴 であ る高温作動 に比 べ,低 温型 のエ ネル ギー システム面 での意義 は これ まで必 ず しも明確 ではなか った。 しか し最近 ,米 国 DOE(エ ネル ギー省 )に よる SECA(Sond state Encrgy ConversiOn AHiancc)の ような 5kWユ ニ ッ トを標準 モ ジュール として,電 気 自動車用補助 電源,小 規模民生用 ,軍 事用 を志向す るプ ロ ジェク トが 発足 し,低 温化 の イメー ジが やや明確 化 し始 めている 規格 品の大量生産 による超低廉化 が 1つ の キー ワー ドで あ ろ う。 これ までの技術 開発 の蓄積 か ら,700C作 動 は十分可能 な範 囲 で あ ろ う さ らに低温化 を進 め る こ べ とも,以 下 の 各節 に述 られ る よ うに可 能 で あ ろ う.し か し,低 温 型 開発 に あ た っ て考慮 す べ き SOFC特 有 の問題点 として,内 部改質 を どう位置 づ けるかの「月題 が ある もし低温化 を 700C以 ドに 進 め るな らば,前 記 した 内部改質 の特典 は失われ,装 置 の コ ンパ ク ト化 や コス ト面 で の不利 益 とな る。 しか も,SO「 Cで あ るか らこそ可能 な天然 ガスや メタノール以 外 の燃料 へ の 多様化 の利点 も失わ れかね な い. また,起 動停 止問題 も深刻 で あ る。 高温型 SOFCで は,負 荷 変動 は 定温度 作動 で 出力 を絞 る こ とで行 な うことがで きた 低温型 で は暖機待機 にす るか,冷 機起動 にす るか,温 度変動型 負荷変動 に す るか,そ の シナ リオに よって材料 ,セ ル スタ ック設計, シス テム設計 が大幅 に変わ って くるであろ う。低温型 SO「 C開 発 の困難 と魅力 の一端 であ る. 2.1.電 解 質 材 料 LA」 * 体 中 を溶液 中 の ように自由にイオ ンが移動 で きる材料 を総称 して同体電解 質 と呼 び,高 分子 系材 料 と無 機系材料 に分類で きる 燃料電池の電 trr質 として興味 あ る固体電解質 は,プ ロ トン伝 導性 の高 分 子系材料 と,酸 化物 イオ ン また はプ ロ トンを伝 導す る酸化物 系材料 であ る。従来 ,高 分 子電 解質 は 安定性 の向上 に課題 が あ ったが, ここ lo年 ,か な り優 れた性 質 を示 す材 料 が 開発 され,燃 料電 池 へ の応用が加速 してい る. 一 方 ,高 温 (1,000∼ 800C)お よび中低温度域 (■ )0∼ 400C)の l■」体酸化物形燃 料電池 で,主 に電解質 へ応用 され てい るの は酸化物 イオ ン伝導体 であ る 燃料電池 へ応用可能 な 固体電解質 としては,高 い イオン伝導を示すのみでな く,以 ドの点が要求される.① イえン輸率が高く(09以 L),高 い発電効 率が得られること。② 広い酸素分l■ ドで優れた化学的な安定性を有すること。③ セパ レーターや電 極 をはじめ,多 くの材料 との適合性,す なわら低い反応性 と熱膨張率の整合性.④ 望ましくは安価 であること 本節 で は,高 温お よび中低温lt● 域 での使 用が検討 されて い る電解質 に着 日 して,そ の性 質 と燃 料電 池 への応用の現状 を紹 介す る。 21A 高 温燃 料 電池 用 固体 電 解 質 現在 まで,高 温 J体 酸化物形 燃料電 池 (SOFC)に 応用 が期待 され て い る固体 電 解 質 は,Zr02系 , Cc02系 ,LaCaO.系 をは じめ とす るい くつかの酸 化物 イオ ン導電体 と,Bacc01系 な どの プ ロ トン ・ 石原 達 己 i atsuni IЧ JllARA(人 分 大学 工 学 部9 197 2 高温および低温 動型い体酸化物形燃料電池の特徴七猜成 14・ COの 酸化反応 のギ ブズエ ネル ギーが大 き く(絶 対値 で小 さ く)な るので,高 温 ほ ど起電力 が下 が り不 利 であ る とされ て い る. しか し,高 温化 に よる効 果 がそれ を上 回 って い る といえる. さらに,高 温 であ る ことの利点 は,内 部 改質 による燃料消費率 の 向上 ,ボ トミングサ イクル に よる 排熱 回収 な ど,シ ステム的特徴 に最 も顕著 に現わ れ る く SOFCの 燃料電池 システムとしての特徴 〉 一般 の燃料電 池 で は H2の みが燃 料 で ある ことか ら,燃 料電 池 の前段 階 として,燃 料改質 と COの H2へ の変性 が必要 とな る 改質 プ ロセ スにつ いては,IVl l B項 を参照願 う と して,改 質 反応 は 吸熱反応 で あ るか ら,原 燃 料 の約 25%相 当 を改質反 応 の燃料 に回す必要 が 出 て くる.SOFCで は高 温作動 であ るか ら,こ の改質 を燃料 電池 内部 で行 な う ことに よ り電 池 の廃熱 で まか な う こ とが で き る しか も,高 温 のため COも 燃料 にな るか ら,CO変 成 ■1程 は不要 とな る 図式的 には , 燃料一――→ 改質―― CO変 成―一燃料電池 (一 般) ^ `← (排 燃料 25%)← ←― ,低 温排熱 +電 気 │ 燃料 '日 体酸化物形燃料電池 +内 部改質―― 排燃料 (15%)「 高温排熱 +電 気 一般 の燃料電池 で は電 気 と低温排熱 が/1産 物 であるの に対 し,SOFCで は電気 と高温排熱 の ほか に い 排燃料 が 物 とな る。 さて燃料電 池 では,電 池内 の燃料消費率 を 100%に す る こ とはで きな .な `L産 ぜ な ら,起 電力 は前記 の ように入燃 料 /排 燃 料 の化学 ボ テ ンシ ャル で決 ま り,ま た燃 料濃度 が薄 くな る と燃料極 の性能 が落 ちるか ら,あ る限度以 上に燃 料 消費率 を上げ る ことはで きない.一 般 の燃 料電 池 で は,燃 料 の 25%程 度 を改質反応 の熱源燃料 に回 す こ とで この 限度 内 でバ ラ ンス させ る こ とが で きる. これ に対 し,SOFCで は,内 部改質 によ り装置 とシステム を単純化 で きるかわ りに,高 温排 熱 に加 え排燃 料 が 出て こざるを得 な い そのため,排 燃料 と高温排熱 をガ スター ビンな どの ボ トミング サ イ クル に活用す る ことで, システム として はさ らに発電効率 を上 げ,65%以 上 を獲得 で きる とい う ことになる あるい は, コジェネ レー シ ョン用 には大量 の高温排熱 が得 られ る く 高温型 SOFCの 開発状況〉 火力代替 商 用発電 を日的 とした高温 型 に 100 kWコ ジエ ネレー シ ョン用,250 SOFCは ,Siemcns Wcsinghousc社 の縦縞 円筒 型 はす で kWガ スター ビン複合 高効 率発電 型 な どが フ ィール ドテ ス ト が 段 階 で あ る.わ が 国 で も,NEDO(新 エ ネル ギー産 業技術 開発機構 )や 電 力各 社 の支 援 に よ る開発 に よる横縞 円筒型,同 じ く同社神戸 :高 進 め られ て い る.´ 「 0′ FOに よる縦 縞 円筒型 ,三 菱 市工 長崎 砂 に よる平板型 な どは,セ ル スタ ック開発 か らプ ラン ト設計開発 の段 階 に入 りつつ あ る. 材料 工 学 的 には, これ らの高温 型 セ ルで は,基 本 的 か つ大幅 な技術 シナ リオ変 更は当面考 えに く い。 プ ラン ト開発 に まで至 る と,材 料 や製造工程 に未成熟 の技術 を使 用 す ることは開発戦略的 に危険 で あ るか らで ある。 当面 の課題 は,信 頼ILσ )実 証 とコス トであ ろ う。 Sicmcnsヽ Vestinghouse社 の セ ル はSl,800kW lの コス トを 目標 として い る。 コ ス ト見通 しで は,941味 あ る こ とに,ジ ル コニ アで はな く酸化 ランタンの コス トが材料費 の 9割 をごiめ る とされ てい る。 これ に対 し,わ が国 での開発 の に変 特徴 は,設 備費 の高 い Electrochcnilcal Vapor Depo● ●on(EVl))法 を安価 とされ る湿式製造 法 えた と ころにあ る。 く 低温型 SOFCの 動向〉 低温型 SOFC研 究 は,お そ ら く技術 的 チ ャ レ ンジ意欲 や I´ aMn03や LaCrO=な どの コス ト高 の材 2 高温および低温作動型日体酸化物形燃料電池の特徴と構成 199 導電性 酸化物 であ る。 a)酸 化 物 イオ ン伝 導 性金属 酸 化物 酸化物 イオ ン伝 導体 で は,酸 化物 イオ ンは主 に金属酸化物 の欠 陥 を介 して移動 す るので,結 晶構造 と欠陥生成 が高 い酸化物 イオ ン伝導 を得 るうえで重要 な因子 であ る.図 1に 示 す ように,酸 化物 に低 原子価 カチオ ンを添加 す る と,欠 陥 (酸 素空孔 )が 生 じて酸化物 イオ ン伝導が発現 す る. しか し,欠 陥 濃度 が大 き くな りす ぎる と欠陥 の会 合 による秩 序化 を生 じ,導 電率 は逆 に低 ドす る.各 材料 で,最 大 の イオ ン導電率 が得 られ る最適 の 添加物 と,そ の添加 量 が あ るコ.図 2に 在 まで に よ く知 られ て ,現 い る主 な酸化物 イオ ン導電体 の導電率 のア レニ ウスプ ロ ッ トを示 す。導電 率 は添加物 (ド ーパ ン ト )に よって も変 化 す るが,Bi2oO系 >LaCa03系 >Ce02系 >Zr02系 >Th02系 >Hf02系 の順 に低 酸化物 イオン伝導 o● ● ↑ 低原子価カチオン 図 1 ○ ↑ ↑ 金属カチオン 酸素 酸素空孔の生成 とイオン伝 導 温度 ′℃ 1.000 900 oo0 700 2 3 ・ ・ 一︲Fo で 3 8 一 -40,… 600 し … … “ 五 τ 1= ‐ ‐¬ お =1 “ Tぢ ‐ … ■ t 1,400′ 77K 1 図 2 現 在 まで に よ く知 られ て い る酸 化物 イ オ ン伝 導体 の ア レニ ウス プ ロ ッ ト. くな Iヽ 同体高分 ′および川体酸化物形燃料電池 る。酸化物 中での電荷担体 には電子 ,ホ ー ル,酸 化物 イオ ンが あ り,SOFC用 電解質 で は広 い酸素分 圧下 で酸化物 イオ ン伝導 が支配的 で あ る必要 が あ る。 図 2に 示す ように B1203系 や Ce02系 酸化 物 で は高 い酸化物 イオ ン導電率 を示 すが,還 元雰囲気で電子伝 導 が発現 し,電 解質 として使 用可能 な酸素 分圧 が狭 い。特 に ビスマス系酸化物 は,高 い酸化物 イオ ン導電率 を示 すに もか かわ らず,燃 料電池 の 電解質 へ の応用 は困難 であ る.LaCa03系 酸化物 を除 くと,い ずれの系 も螢石 また は疑似螢石型構造 に属 す る 1)安 定化 ジルコニア (stab‖ ized ZrOリ ZrC12は 高温 で立方 品 であ るが,温 度低下 とともに,正 方晶 ,単 斜 品体 へ と相変化 す る.こ の系 で は,酸 素空孔導入 のた めに添加 され るアル カ リ:L類 または希土類元素 によ り,高 温 の立方晶構造 が低 温 まで安 定化 す る そ こで,酸 化物 イオ ン伝 導 を示す Zro2系 材料 は安定化 ジル コニ ア と呼 ばれ るわ Zr02系 材料 は,本 来,構 造 用 セ ラ ミック材 料 として もl■4れ た強度 (曲 げ強度 400 MPa程 度 )と 硬度 を有 し,A1203と ともにセ ラ ミック材料 の スーパ ー スターで あ る。 そ こで,図 2に 示 す よ うにイオ ン導電 率 は中程 度 で あ るが,高 温 SOFCの 電解質 として,商 用化 が検討 され てい る大型 セ ル に使用 されて い る. イオ ン伝導度 は用 い る ドー バ ン トに よ り変化 し,伝 導度 は Sc>Yb>Gd>Y> Ca>Sm>Ndの 順 に低 くな る(L特 に, スカ ンジウノ、を添力Πした Zr02は 優 れ た イオ ン伝 導 を有 し けで あ る , 動 高温 型 セルの電解 質 のみでな く,中 低温型 セルの電解 質 として も期待 され てい る 。一 方,比 較 的安 価 な Y200を 添加 した Zro2(イ ッ トリア安 定化 ジル コニ ア,YSZ)は ,比 較的高 い イ オ ン伝 導 を示 す ので,現 在最 も一般 的 な材料 であ る 実際 に燃料電池 へ の応 用で はイオ ン伝導 の不足 を補 うために , 電解質 の薄膜化 が必 要 で,Elcctrochcmical Vap()r Dcposldon(EVI))法 ,溶 射 法,お よび スラ リー コー ト法 な どを利 用 して数 μm∼ 数 十 ″mの 薄膜 化 が行 なわ れ る.YSZは 薄膜 化 に よ り作 動 温度 600C以 下 の 中低温 セルヘの応用 も可能 であ る ことが報告 され てい るが,数 ″m程 度 とい う極度 に薄 kWク ラスの モ ジュー ル化 に成功 して い る Siennens Wesinghouse社 のセルの構造 お よび発電特性 を示 す 1000・ Cで 最大 出力密度 は 2駅 )mW い薄膜 が必 要 となるので現実性 は低 い。 図 3に 現在 ,200 cn1 2程 度 で ある。. >ヽ日贈卜暇 0600 インターコネクター 0400 YSZ 0200 La(Sr)Mnos NI― YS2 カ ツー ド ア ノー ド 0000 1∞ 200 300 400 500 600 mAcm 2 電流密度′ 図 3 Y20,安 定化 Zro2を 電解 質 とす る高温作動 型燃料電池 の セルの構造 お よび常 圧 での 発電 ′ 特性 (Stn]ens Westinghou健 社製 200kヽ モ ジ ェー ル)燃 料 :CHl水 蒸 気改質 ガス,酸 化剤 空気 ,ア ノー ド :Ni V203 Zr02,カ ツ ド :I_a(Sr)MnO, : じ │ヽ 温および低温1動 型 体酸化物形燃料電池の特徴 l l・ /O Ho 0 10 o l1 >01■ミ ヽHや ︼興 ` “ ¨ 崚 ∈ o o● こ P 〓■ 歯 攀 へ や ヽ ” ” “ ︵ γ Dy。 lVlk 0 12 ドー′ヽン トのイォ ン半径′ nm 図 4 Cc()`に お け る 1000Cの 酸 イ ヒ物 イォ ン導 電 率 お ギー と添 ly lさ れ たイ上類 カ チョ ンの イオ ン半径 の 対係 1び 伝 ■ 1ビ z、 要 な ,こ か けの 活性 化 Lネ ル ‖)低 原子価金属酸化物 ドープセ リア (doped Ceo2) セ リア は本来 ,螢 石型構造 を有 し,ア ル カ リ L類 また は希 li類 元 素 の ような低原子価 カチオ ンの添 加 に よ り酸化物 イオ ン伝 導 が 発現 す る.図 4に は,イ オ ン導電率 と添加 物 の イオ ン 半径 の 関係 を示 す■ 添加 物 の イオン半径 が Cel'の イオン半径 に近 い ほ どィォ ン伝 導 は高 くな り ,Sm3+に お いて導 電率 は最 も高 くな る。 この Ce()2系 酸化物 は Zro2系 よ り高 い酸化物 イオ ン導電 を示 すので 率 ,高 出 力 なセ ルの開 発 が期待 され た。 しか し,遺 ラ 亡雰 囲 気 で Ccl― が 容 易 に Ce'・ へ と選 元 され,電 子伝 導 が 発現 す る この1[子 伝導 に よ り,セ ル の起電 力 は 0 8VIF度 と 低下 す る=ヽ しか し,電 池 の 内部llt 抗 が小 さいた め,比 較 的大 きな電 流密度 に到達 で きる。 そ こで,ccl‐ の 還元 が進行 しに くい中低 温 セル の電 解質 へ の応用が期待 されてい る9ヽ 現状 で は ,811,C程 度 での作動 が主 に検討 され て い る. b)高 温 プ ロ トン導 電体 比較的近 年,酸 化物 中で も高温,加 湿雰 囲 気 で,Srzr()8や 化 物 が プ ロ トン伝 導 を示 す こ とが 見出 され,燃 BaCeOt系 な どの ベ ロ プスカ ィ ト系酸 料 電 池 へ の応 用 も検 討 され て い る0.LK1 2に は, SrCeO,系 酸化物 の導電 率 のア レニ ウスプ Elッ トを示 した.伝 導度 その もの は BaCe01系 の ほ うが 高 く,BaCco3の F[解 賀 へ の応 用が検 討 されて い るが,SrCc(),系 酸化物 のほ が高 い うが C02に 対 す る安 定性 Srce01系 で もセ リウムサ イ トヘ添加 す る添方II物 に応 じて伝 導度 は変 化 し イッテル ビ , ウム 添加 にお いて導電 率 は最 も高 くなる111 これ らの酸化物 高温 プ ロ トン 伝 導体 は,燃 料電池 の作動条件 卜で は純粋 な プ ロ トン導電体 ではな く,フ ロ トン と酸化物 イオ ンの llt合 導電体 である。 そ こで 電池 へ応用 す る とカ ソー ド,ァ ノー ド両電極 で水 が発 41し ,電 極 の濃度過電圧 が 低 く抑 え られ ,燃 料 る と期 待 され てい る 2.1.B 中低 温燃料 電 池 用電解 質 高温作動型 セルで は現在 ,商 リ ロ化 を [1指 した大型化 が進 め られ てい るが,高 温作動 に う多 伴 くの間 題点 が あ り,特 に,す べ ての部 品 をセ ラ ミックで作 製 す るZ、 要が あ る こ とが 最 も大 きな1問 題 点 であ そ こで,セ ル の作 IIJ温 度 を 5111)C IF度 まで大 き く低減 し,安 価 な金 属材料の使 用 を視野 に入 れた 中低温 作動型燃 料電池 の1711発 が進 め られ てい る.セ ルの作動温度 の 低下 によ り,高 温 セルの材料構成 をその まま用 い る とセル効率 の低下 を招 くので,効 率 をllt下 させ ることな く作動 温度 を低減 させ るに る IV 固体 .j分 子および回体酸化物形燃料電池 12 さ0100 mm→ 20 ≧一 出︺中服 EOこヽ晏日R■ , 10 00 06 04 02 00 o12345 電流密度ハ cm 2 としたセルの発電特性 ア ノー ド :ヽ ■ カツー ド 図 5 Laぃ Sr。 2Ca。 ハlg。 ,1,Co。 。 =,0`を 電解質 :07 Lk」 中,温 度 は作動温度 を表わす 0▲ 端 :H2-3v(1%Hせ 0,酸 化剤 Sm。 ,Sra.C00.,燃 料 子電Fバ 電流密度, △ 出力密度 バ 電流密度 : は,さ らに優 れ た新 しい材料 の 開 発 が必 要 で あ る。 中低 温 作動 用 セル の電解 質 として は,先 に紹 介 し た Ce02系 材 料 の ほ か に ,筆 者 らの グ ル ー プで 見 出 した ペ ロ プ ス カ イ ト型 構 造 の LaCa03系 酸 化 物 が注 目 されて い る. a)ラ ンタ ンガ レー ト系酸 化 物 (lanthanum gallate,LaGa08) LaCa03系 酸化物 が優 れた酸化物 イオ ン導電率 を有 す る ことが,近 年見出 され,中 低温用燃料 電池 へ の応用 が検 討 され て い るla この LaCa06は 菱面品 系ペ ロプス カ イ ト型構 造 を有 し,主 に螢 石利 ヘ ス トロンチウム,ガ リウム 構造 を有す る従来 の材料 とは異 な る。 LaCa03系 では,ラ ンタンサ イ ト 々の サ イ トヘマ グネ シウム を添加 す る ことで,酸 素空孔 を導入 し,酸 化物 イオ ン伝 導 が発現 す る.種 な る こ とが わ か つた。図 2に 組 成 を検 討 し,La03Sr。 2Caα 3Mg。 203と い う組 成 で導電 率 が 最 も高 く ぼ な酸化物 示 す よ うに,こ の系 の イオ ン導電率 は きわ めて高 く,ま た 02中 か ら H2中 まで,ほ 純粋 イ オ ン導電体 で あ る とい う特徴 が あ る そ こで,燃 料 電池 へ の応 用 が検討 され,800Cで ,4001■ W cm 2と い う比較 的大 きな出力 と安 定 な発電 が行 なえる ことが実証 された 1鉤 . LaCa03に お いて,ガ リウムサ イ トヘ添加 す る Mg2+は イオ ン半径 が Ga3+に 比 べ る とわずか に大 い Fe2● ,c。 2., き く,格 子 中 で局 所 的 にポ テ ンシ ャル の歪 み を生 じる。 そ こで,イ オ ン半 径 の近 .ま た は Co2+の 添 加 に よ り導電 NF+な どの遷 移金属 カチオ ンでの一 部 置換 が検 討 され,Fe2.,N′ る ヽ これ は の Lに 有効 で あ・ 率 は向上 す る こ とが明 らか にな った。特 に,C02+の 添加 は導電率 向 が ン Co2+の イオ ンサイズが Ga3'に 近 い ため,格 子 中 の局所 歪 み を除 けるので,酸 化物 イオ の移動度 , 向上 す るた め と推定 され る . Co2+を 添加 した LaCa03系 酸化物 の SOFC電 解質 へ の応用 も検 討 され,図 5に 示 す よ うに,Co2. が られ る こ とが示 され 添加 LaCa03系 酸化物 を電 解 質 とす るセルで は きわ め て大 きな電 力密 度 得 いて 15Wcm 2,6(X)Cに たにヽ このセ ルで は厚 さ 0 18 mmの 電解 質 を用 い る こ とで,800・ Cに お も お い て も 0 5 W cn12以 上 の 出力 密 度 が 得 られ,エ ネ ル ギ ー 変 換 効 率 の 高 い端 子 電 圧 07Vで い 0 35Wcm 2以 上 の出力密度 が得 られて い る.商 用化 の検討 されてい る YSZに 比 べ て も十 分 高 出 で きる可能性 を示す 力密度 で あ り,600C程 度 の低温で も効率 を低下 させ ることな く燃料電 池が作動 結果 で あ る。 ' b)そ の 他 の新 規電 解 質 材料 き なわれ てい 今後 ,燃 料電池 へ応用 の可能性 のあ る新 しい高酸化物 イオ ン伝 導体 の探索 は引 き続 行 2 高温お よび低温作動型回体酸化物形燃料電池の特徴 と構成 る。近 年,六 方晶系 アパ タイ ト構造 を有 す る Ln!OSi30271° や LnPO`構 造 を有 す る La2Mo209r)が 比 較的良好 な酸化物 イオ ン伝導性 を有 す る ことが報告 された いずれ も単斜晶系 の結晶構造 で あ り,わ ず かに乱 れた異方性 の大 きい結晶構造 の酸 化物 において,優 れた酸素 イオ ン伝導体 が新 た に発見 され る可能 性 が ある。今後 の展 開 が期待 され る . 現状 で は高温型 セルの電解質 には Zr02系 酸化物 の使用 がほぼ固定 された ようで あ るが,中 低温型 セルに,は た して どの ような電解 質材料 が使 われ,効 率 を低下 させ る ことな く作動温度が どこまで低 減 で きるか は,興 味 ある課題 であ る。 中低 温作動型 セル は燃 料電池 の新 しい領域 を切 り開 い て い く存 在 であ り,む しろ高温型 セル とは異 な る燃 料電池 と考 えるほ うが妥 当 と思われ る.今 後 の新 しい高酸 化物 イオ ン伝 導体 の開発 と,電 池 の作動温度 の低温化 を期 待 した い. 2.2. ア /― ドの 材 料 と構 造・ 2.2A. SOFCの ア ノー ド反応 SOFCの ア ノー ド(燃 料極 )で は,燃 料 に水素 を用 いた場 合 ,式 (1)に 示 す電気化学 的酸化 反応 が起 こる H2(g)+02-― →I120(g)+2e SOFCア (1) ノー ド材料 には次の ような特性 が要求 され る。 ① 電子導電性が高いこと ② アノード触媒活性が高いこと ③ 燃料改質触媒能 をもつこと(燃 料の内部改質反応を伴 う場合 ④ 燃料ガスおよび反応生成ガスの拡散が容易な多fL質 構造であること ) ⑤ 還元雰囲気で安定であり,同 体電解質 と固相反応 しないこと ⑥ 同体電解質 と良好 に接合 し,熱 膨張率が近いこと ⑦ 資源的に豊富で価格が安いこと ①から④ は SOFCの 電流 電圧特性 を支配する因子であり,⑤ ∼⑦ は寿命,信 頼性 およびコス トに 関わる因子である。電極反応は,イ オン(酸 化物団体電解質)電 子 (電 極)ガ スが会合す る3相 界面 (TPB)近 傍で起 こるため,電 極の高性能化には有効反応面積の増大,す なわち多孔賀構造の設計が きわめて菫要である。 2.2B 高 温型 SOFC用 ア ノー ド SOFCの ア ノー ドに は,現 在,μ mサ イズの YSZ粉 末 と ヽ 0ま た はニ ックル粉 末 の混 合物 を YSZ電 解質 表面 に,1,200∼ 1,400・ Cで 焼結 した多孔質 サー メ ッ ト(cCrmet)が 一般 的 に用 い られ て い る この タイプのア ノー ドは,1.000Cで は かな り良好 な初期性能 を示 す 電 解質 へ の取 り付 け方法 としては,ス ラ リー コー ト法や プラズマ溶射 イ ッ トリア安定化 ジル コニ ア (YSZ)電 解 質 を用 いた 高温型 法 な どが採用 され て い る Siemens Wes● nghousc社 の縦 縞 円筒型 で は,ス ラ リー コー ト後 ,EVD ・ 内 IH裕 之 Hll o,uki uCHH"、 「 学割り (山 梨大学 204 1v (電 気化学気相析 出)に 同体高分子および同体酸化物形│IA料 電池 よる YSZ粒 子析 出が採 用 され て きたが,製 造 コ ス トの安 いス ラ リー コー ト法 へ移行 しつつ あ る. サ ー メ ッ ト中の NiOは ,セ ル 中 で 燃料 ガ ス に よって ニ ッケ ル に還 元 され る.YSZの 添 加 は NiO 還元時 の収縮 な らび にニ ックル粒子 どうしの焼結 を抑制 して多子L質 構造 を長期間維持 す る とともに , ア ノー ドの熱膨 張率 を YSZ電 解質 の それ に接近 させ るためであ る.さ らに,YSZ粒 子はア ノー ド中 にイオ ン導電 ネ ッ トワー クを形成 して有効反応面積 を増大 させ る機能 を もつ (図 6).サ ー メ ッ ト中 の ニ ッケル含有量 が約 31)vol%を 超 える と,ニ ッケル に よる電子 導電性 が優勢 になって水素 中でのサ ー メ ッ ト全体 の導電 率 が 3桁 以上増 加 す る (図 7)の でい,通 常 は 40∼ 50 vol%ニ ツケ ルが用 い られ て い る。 しか し,ニ ッケル 含有量 が あ ま り多 くな る と,熱 膨 張率 が YSZと マ ッチ しな くな りりヽ ニ ッケ ル の焼 結 も進行 しやす くな る.比 較 的大 きな YSZ粒 子 (20∼ 30″ m)と lμ m程 度 の微細 YSZを 混 合 使用 す る と長期運転 でのニ ッケルの焼結 が抑■1さ れ るこ とも報告 され てい る2o. 最近 ,ジ ル コニ ア電解質 の イオ ン導電 率が 高 いほ ど電極 自体 の性能 が 向上 す るこ とが見出 され,反 応場 へ の効率的 02 イオ ン供給 の重要性 が示 された21Lサ ー メ ッ ト内の イオ ン導電 の効 果 に関 して , プ 量 (0∼ 8 mol%)の ジル コニ ア とニ ッケル のサー メ ッ トを 3Y部 分安 定化 ジル コニ ア電 解 質 に取 り付 け て 1.000・ Cで ア ノー ド性 能 を比 較 す る と,イ オ ン導電 率 が 最 も高 い 8 mol% YSZを 用 い た ときが最 も高性能 にな ることが報告 され て い る22Lす なわ ち,サ ー メ ッ ト内 の YSZ粒 種 々 の Y203ド 子が イオ ン導電 ネ ッ トワー ク(イ ゴ効反応面積 )を 三 次元的 に拡 張 す る重要 な機能 を担 って い る ことが実 験 に よ り明確 に証明 された. 運 転温度 が 高 い SO「 Cの 大 きな特徴 の 1つ は,天 然 ガ スや 石炭 ガ ス化 ガスな どの種 々の燃 料 を利 一 ▲ T I I 0 r・ 。 図 6 SOFCtt Ni YSZサ 62 0 ー メッ トでの ア ノー ド反応 (フ ヽッチ ング部 分 が有効 反 ,さ 領 域 ) ♂ EaO■怒燿憲 ず 7´ d ぴ EoO■”贄 T ・‐ °´ 10 10 020406080 Nivd% ・SZサ ー メッ トの導電 率 (● 図 7 水素中 にお ける ヽ ヽ ,1000C)“ と熱膨 張率 (△ )い の ヽi含 有量依存性 i 2 iJ温 および低温作動型階体酸化物形燃料電池の特徴 と構成 用 で きる こ とにあ る.H2S以 外 は燃料 中 の 不純物 の 影響 はほ とん どない。高分子形燃 料電 池 で電極 触媒 を被毒 す る COも ,次 の反応 によ り燃料 として利用 で きる CO(g)+02-C02(g)+2e . 式 (2)の 反応速度 は式 (1)の それ よ りも遅 い と考 え られ て いたが 平衡酸 素分圧 によって支配 され る とい う報 告 もある 24、 23、 (2) 燃料 の種類 に関係 な くア ノー ドの 燃料 の利 用率 や電極 の微細構造 によって結果 が異 な った もの と考 え られ る . メタ ンの水蒸 気改 質反 応 (CH`+2H20--4H2+C02)は 吸熱 反 応 で あ るので,SOFCで 発生 す る 廃熱 を改質器 に供給 す る.他 方,SOFCア ノー ドに天然 ガス と水蒸気 を供給 して,内 部 で改質反応 を 行 な う ことも検討 された。 しか し,燃 料 ガ ス人 口 と排 ガ ス出 口で温度勾配 が大 き くな りす ぎ, また水 蒸気が過剰 に な る と Niが 酸化 されて改質活性 が 急激 に低下 す る問題 が あ る2]. したが って ,燃 料 の 大部分 をセル外部 で改質 され るように設計 され た ものが 多 い.CH4の 水蒸 気改質反応 を採用 す る と , 正 味 の エ ネ ル ギ ー変換効 率 が低下 す るため,CH4の 直接酸 化や部分酸化 をア ノー は きわめて魅力的 ではあ る。 これ を実現 す るため,高 い燃料利用 率で長時 ド反応 とす る こ と 間運転 して も炭素析 出 をIIl 止 で き, しか も分極 の小 さな電極 の研 究開発 が各国 で進 行 中であ る。 22.C 低 温 型 SOFC用 ア ノー ド SOFCの 低 温作動 に は,既 存 の YSZの 薄膜 化 や,高 イオ ン導電性 電 解 質 (ス カ ンジ ア安 定 化 ジル コニ ア,LaCa03[LSGM]系 ,セ リア系)に よるオー ム の 損 低減 が必 要 で あ る。 それ に加 えて,電 極 の分極 が温度低下 とともに顕著 に増加 す るた め,高 性能電極 の開発 が必要不可欠であ る。実験室 レベ ルで は,低 温型 SOFCで も lWcm 2を 超 えるような きわめて い 高 出力性能 が報告 され てい る262η . ただ し,大 電流 によ り発熱す るた め,セ ル温度が観』1点 (電 気炉 の温度 )よ りも高 くな ってい る 可能性 や,薄 膜電解質 を用 い る際 に生 じる参 照電極電位 の ずれの影響 が 懸念 され る.発 すれ ば 熱 電解質 の オ ーム抵抗 は減 少 す るので,こ れ をモニ ター しなが ら実際 の運転 温度 での特性 を評 す るべ 価 きで あ ろ う。 Ni YSZサ ー メ ッ ト基板 の上 に約 10″ mの YSZ薄 膜 電解質 を取 り付 けたアノー ド支持膜 式 セル で は,ガ ス供給能 と機械 的強度 を担 う大 部分の層 と電解 質近 傍の層 の微細 構造 を別 々に 最適化 す る こ と が有効 であ る。 この場 合,サ ーメ ッ ト細 子L内 に YSZ電 解質 が侵 入 して有効反応面 が 積 大幅 に増大 す ることが性能 向上 を もた らしてい る。 単 一 の材 料 中で酸化物 イオ ン と電子 の 両方が 導電 にあず か る混合導電体 を電極材 料 に用 いれ ば ,図 8に 示 す よ うに有効反応 面積 は電極 表面 ガ ス 2相 界面 に まで広 が る2帥 .希 土類 や ア ル カ リ上 類 酸化 物 を ドー プ した セ リア FAl溶 体 (Cc02)1.(R015)、 (RDC, R=La, Y, Snl, Gd, Ca, Srな ど , I= 01∼ 04)は ,還 元雰囲気 で高 い電子 導電 率 と YSZよ りも高 い イォ ン導電 率 をあわせ もつ.た だ し , RDC単 独では低温特性が不十分であるので,① YSZ電 解質/RDC薄 膜中間層/Ni YSZ29,② Ni RDCサ ーメット ③ 貴金属触媒を極微量高分散した RDC3の がアノー ド材 に用い られ,優 れた低 24ヽ 温作動特性が報告されている.RI)Cは 還元時 に結晶格子が膨張する問題がある.低 温ほど還元膨張 率は小さくなるが,電 解質からの剣離を防ぐため ドープ量の制御や傾斜組成の適用などが今後の課題 である . 先 に述 べ た電極 性 能 に及ぼ す電解質 導電 率の効 果 は,温 度 低 下 と と もに大 き くな る'ヽ したが っ IV 図 8 固体高分子お よび同体酸化物形燃料電池 し領域) 混合導電体ア ノー ドの反応 (電 極表面全体のハ ッチ ング部分が有効反′ て ,高 性 能 な 低 温 作 動 SOFCの 実現 に は,高 イ オ ン導電 性 電 解 質 と高 性 能 電 極 (ア ノー ドとカ ソー ド)の 組 合 わせ が きわ めて重 要 で あ る。 今後 の研 究 開発 の 加速 が 望 まれ る. 2.3.カ ソ ー ドの 材 料 と構 造・ 2.3.A 要 概 い る 固体酸化物 燃料電池 (SOFC)の カ ソー ドには,高 い電子導電性 を示 す酸化物 が用 られ 。 固体 高 い 分子形 な どの低 温作動 の燃料電池 で 白金 を電極 に用 い るの は,ほ か にかわ る ものが な ためで,低 温 ー に 用す 作動燃料 電池 の大 きな欠点 であ る。 SOFC開 発 で は,貴 金属 で はな く酸化物 をカ ソ ド材料 利 る ことが前提 にな って い る . 基幹 発電 や オ ンサ イ ト発電 用 に SOFCを 実用化 す るた めの技術 的 な課題 は,カ ソー ドに関 して は ほ とん ど解決 され てい る。 しか し,さ らな る高効率化 ,10年 くらい をめ どに した長期 安 定性 ,可 搬 31∼ 用 SOFCの た めの低温作動化 な どを 目指 し,さ まざ まな研究 が展開 中 で あ る 34L sOFCの 構 成材 料 の組合 わせ は電解質 に何 を使 用 す るか,電 池 の形状 を どの ようにす るかで変 わ る。 1年 以 にの長期 連続運転 が行 なわれ てい る実用 化試験装置や,数 十秒 で起 動 す る小型 セ ル はいずれ も電 解質 に安 定化 mol%Y203固 溶 Zro2)を 使用 した ものであ る。 この ときの カ ソー ドはほ とん どの 場 合 ,マ ンガ ン系 ペ ロプ スカ イ ト型 酸 化物 (La:方 Srκ )1.MnO`(κ は 01程 度 ,"は 005程 度 以下 の多孔体 で あ る.一 方,酸 化 セ リウム Ce02を 主成 分 とす る螢 石 型 Ffl溶 体 ((Cc02)。 3(GdO15)。 2な Sr01Ga正 RMga20235)を ど)や LaCa03を 主成分 とす るペ ロプ スカイ ト型 同溶体 (代 表 的 な組成 は La。 。 電解質 に用 い る場 合 ,カ ソー ドには コバ ル トを Bサ イ トに もつペ ロプス カイ ト型 酸化物 が利 用 され ジル コニ ア (8∼ 10 ) る ことが多 い . 2.3B. 反応経 路 の 素過程 一般 に考 えられ て い るカ ソー ド反応 の経路 を図 9に 35, また,そ れ ぞれの素過程 の速度論 的特徴 を 表 1に 示 す。本節 で は,こ の図表 に入れて い ない最近 の重要 な知 見 を 2つ 補足 しよう 1つ は,図 表 中② ∼④ の素過程 に対 す る水蒸気 の影響 で あ る。気相 に水蒸気 が顕著 に含 まれて い る と,そ れが 吸着 ・ 水崎純 一 郎 Junthir()Mレ じSAⅢ (東 北大学 多元物質科学研 究所 ) 2 高温 および低 温作動型同体酸化物形燃料電池の特徴 と構成 図 9 SOFCカ ソー ドの反応機構 の概念 P (a)3 1rl界 面近傍 の拡大模 式図 レ !iの 導電性酸化物粒 子の高 さが 約 lμ m程 度 (b)よ り広 い範囲 を示 した模式 図 図 の 高 さが約 10 μnl程 l■ 表 素過程 1 各素過程 の特徴 速度論的特徴 ① 酸素 の気小 HttiVx 温 ② 酸 素の解離吸着 速度 は P(02)と (1-θ )2に 比例 存小 ,― 定 温度 で は気利 酸 紫 分圧 P(0:)に 比 例 '1依 は気相 の ノ '(02)と 電極 表面近 傍 の ′ '(02)の 差 拡 散 の駆 動 力 θは電 構表 mi酸 紫吸若 サ ィ トの うちの 確素が吸着 して い るリ イ トの割 合 酸 紫活 it“ に依 存 しな い θく 1の とき,(1-θ )は 電極 表 iの θヽ1の と き,(― θ)は 4, に比 例 速 “度 定数 は電極材料 (結 品構造 ,胤 1成 )に よ り決 まる 速度定数 の活‖化 丁ネ ル ギ ー は数 │∼ ll l)kJ mll'程 度 反 応 の 駆 動 力 は ′(02)と ●2の 違 ,' ③ 吸着酸素の電極表面拡散 拡散係 数 は θ(1-´ )に 比 例 kJ nlol l程 度 ④ 3相 界面でのイオン移行 表面拡 散定 数 の 活 14:化 Jiネ ル ギー は数 電極材料 (結 〃i構 造,胤 1成 )に 依存 │ ,が 小 さい ときお よび高温で は ,に 比例 し,低 温,語 i′ '“ ):)こ は逆 に“ 4,1に 1ヒ 例 拡散 “界 lul近 傍 と電極 衣面の の駆動 力 は 3相 外 差 )の “ 電極 表面の吸 着酸素 が電解 rt表 面 に移動 するス ビルオー バー過利 とほぼ 同じ nnlレ ベルの間 での 表面拡散現 象 に準 じたjl l程 他 の過 程 に比 べ て きわめて容易 ⑤ 電極 酸化物 内の酸化物 イオ ン の拡 散 DD 電 極 /電 解 質 界 面の酸化 物 イ オ ンの移行 拡散係数 は酸素空Ft濃 度 に比例 酸化物 の不 定比的 な酸 素欠損 itに よっ て欠陥濃度 が決 まるため酸 素化物 内 の ′ 々 ,が lltド す るは ど人 駆動 力 は 電極酸化物表 面 と電極 /電 解質界面の間 の a)の 勾配 酸 素空子しの移動度 のれ1性 イ ヒエ ネル ギー 1ま 50∼ 70 kJ nxl'程 度 子 が接 した部分 での ll体 内 の イオ ン移 動 に準 したIIDtt nnlレ ベ `格 ル間 でのllf散 過 rlで あ るため,他 の過程 に比 べ て きわめて容易 結‖ . 解 離過 穆 を促 進 す る効 果 を もつ こ とが 指摘 され た ・ 6ヽ この 効 果 は電極 だ けで な く,電 解 質 表 面 で も顕 に て 著 現 わ れ ,実 効 的 に 3相 界 面 を電 解質 表面 に 広 げ る効 果 を もつ 。 他 の 1つ は,電 極材 料 の酸 素 不 定比性 の 変 化 が ,表 面拡 散 の起 こ りや す さに影響 を 与え る とい う指 摘 で あ る この 現 象 は,酸 素過剰 の 不定 比 組 成 を示 す Laiミ Srχ Mn00“ 系 で 指摘 され た 。酸 素過 剰 胤l成 で は ,お り文の ず れ が 金属 空孔 の 生 成 に よ っ て 補 償 され る こ と,酸 素 過 乗1せ の 増 加 (金 属 空 孔 の 増 加うに よ っ て 電 極 反 応速度が P(02)・ 2へ の 比 例 関係 か ら遅 い ほ うに ず れ る こ とな どか ら,金 属 空 孔 が 表 面酸 素拡 散 を阻 害すると 推 定 され て い る3■ . 次 に ,上 記 反応 モ デル に対 して よ く提 起 され る 2つ の 問題 に触 れ て お こ う 1つ は,電 極 表 Hl拡 散 過 程 で 移 動 す るの は酸 化 物 イ ォ ン 02.d,0-.4,酸 素 原 子 Oa.の うち い ず れ な の か と い う問 題 で あ Iヽ る . ヒ物形燃料電池 同体 11分 子 および同体酸イ この答 は,化 学結合 とその時間的 な変動 (振 動 ),を 若千量子論的 に考 えれ ばほぼ 自明 であ る。酸 素原 子が吸 着 す る とき,酸 素原子 は下地酸化物 の い くつかの金属 イオ ン との間 で電子の共有・ 授受 を す る.強 く吸着 した状態 で は限 りな く02に 近 い 一方,そ の吸着酸素 が表 面 を介 して隣 の表 面 空 き吸 着 サ イ トに移動 す る過程 では,一 度結合 が緩 い結合 の状態,す なわ ち電子 を比較的放 した状態 に な り,安 定位置 に落 ち着 けば,ま た 02状 態 に近 くな る。 その とき,酸 素 が電 子 を運 んで い くのか 電子 を放 して移動 す るのか とい う議論 は,下 地酸 化物 が電子導電体 であ り,イ オ ンに電子 が伴 つて 自 由 に移動 で きるので,ほ とん ど意味 が ない.重 要 なの は, この拡散が電極表面 と 3相 界面 との間 での 電場 や イオ ンの濃度 勾配 で起 こる もので はな く ),す なわ ち酸 素活量 の勾配 に よつて起 こる ことで “ あ る. これ は,表 面拡散過程 が,電 子 とイオ ンが 同時 に移動 して中性 原 子が移動 したの と等価 にな る 化学 拡散現象 で ある ことを意味 し,し たが って表 面拡散過程 で は中性 の Ondが 移 動 す る と考 え るの が適 当であ る‐39. この こ とは,⑤ の体積拡散過程 を考 えれ ば よ り鮮 明 であ る.同 体 内 の拡散 で は原 子 が イオ ン と電子 に分 かれて移動 す る。 しか し,電 極 酸化物 内 を移動 す る ときの駆動 力 は る の勾配 であ るこ とと,酸 化物 自体 が電 子伝 導体 で あ る こ とか ら,酸 素原子 が化学拡散 によ り電極酸化物 内 を ・り. 透過す る もう 1つ は,3相 界面 での電荷 移動 過程 を反応 の律速段階 に機械 的 に割 り付 け る ことが なぜ間違 つ て い るの か とい う問題提起 であ る。上述 の よ うに,酸 素原子 へ の電荷移動 は電 極表面 へ酸素 が解離吸 着 す る過程で起 こる この解離吸着過程 が律速 となる例 は少 な くない.し か し,そ の過程 は電 池反応 の立場 でみれ ば,単 な る化学 反応過程 で ある.3相 界面 や電解質 と電極 が 密着 した界面 で は,移 行 の 前後 で酸 化物 イオ ンの電 子状 態 は変 化 しない.カ ソー ド過電圧 ηは電極 /電 解質 界面 の α)と 気相 の r'(02)の 差 で 与え られ る39 η={″ 7/(2F)}ln(● 0ぃ /P(02)12) (3) ここで,● .)は カ ソー ド/電 解質 界面 の酸素 活 量 で あ る。 た とえば,1,000Kの 酸素 1気 圧雰 囲気 (ι で作動 して い る SOFCの カ ソー ドで過電 圧 が 200 mVあ った とす る と,式 (3)か ら計 算 され る電 極 / 電 解質界面 での 後)は 102, これ を平衡酸 素分 ltで 表 わす と P(02)=10 4 atmに な る。 つ ま り,酸 素 分圧 1気 FLの も とで運転 を して も,電 極 材料 は実効 的 に低酸 素圧 に置 か れた状 況 にな り,気 相 と電 極 /電 解質 界面 の大 きな酸素 ポテ ンシ ャル勾配 に曝 され る`の 電極 /電 解質界 rnで の電荷移動律速 に関 す る議論 は,む しろ「なぜ極性 溶媒 中 の イオ ンが電 極反 応 を起 こす ときに電荷移動過程 が律速 にな るか PJと 考 え直 す べ きで あ る 極性溶媒 中で はイオ ンは溶 媒分 子 に円 まれ る。 その結 合 を解 いて電極表面 に到達・ 電 子を授受す るためには,大 きな ポテ ンシ ャ ルの 山 を越 えなけれ ばな らな い この過程 が律速 にな り,そ の反応場 が電 極/電 解 質界面 で あ るた め, その界面 に大 きな静電 ポテ ンシ ャルが かか る.そ のた め,極 性 溶媒 系 で は,電 極 反応 が電 極 /電 解 質 界面 での電荷 移動 に律速 され る ことが起 こる 2.3C. 反応経 路 は どの よ うに決 まるか 反応経路 の素過程 の組合 わせ は次の ような要因 で決 まる. : 酸来分 lt,共 存 ガ スな ど(素 過稗Cに 関係 ) ○ 気相 の状 態 ① 電極材料表面 の物性 : 酸素 をいか に吸着解離 させやす いか (素 過程② に関係 ),酸 素 の表面拡 散 が どの程度容易 に起 こるか (素 過程③ に関係 ) 2 1ち 温および低温作動型 ‖体酸化物形燃料1彗 池υ ,特 徴 と構成 〇 電極バルク物性 : 酸化物イオンの体積拡散がどの程度起 こりやすいか(素 過程⑤ に関係 ① 電極の微構造 : 3相 界面の長さ(素 過程④に関係),電 極と電解質が接した面の面積(素 過程 ) ⑥に関係),多 イL性 電極/電 解質界面での電極粒子の大きさ,気 孔の幾何学構造など(素 過程④ と ⑥のいずれが相対的に起 こりやすいかを決める ) どの よ うな場 合 に どの素過程 が律速 にな るか,典 型例 を用 いて述 べ てみ よう . 例 1 気相拡 散 が律速 にな る場 合 : ガス拡 散 の活性 化 エ ネ ル ギ ー は国体 の関 与す る② ∼⑥ の 素 過程 の活'll化 エ ネル ギー よ りはるか に小 さい また,そ の速度 は酸素分圧 に上ヒ例 す る。 そのた め,酸 素分圧 が低 い とき,あ るいは温度 が高 い ときには,気 本 H拡 散が律速 になる.空 気 中で は,電 流密度約 2 A cn1 2以 上 で はガス拡散 が律速 にな る ・ L これ は大雑把 な SOFCの 最大可能 出力 を与 える 例2 電極 が緻密 な場 合 : 3相 界 面 が ほ とん どな い きわめて緻密 な電極 を形成 すれ ば,反 応経路 は必 然的 に①② Э⑥ の組 合 わ せ にな る 電解 Frt上 に電極 酸化物 の緻 密膜 を 05∼ lμ m程 度 の厚 さつ けた ときの 600∼ 9111,Cで のJU定 結果 に よれ ば,酸 素 欠損 量が少 な い Lal χ In03系 ペ ロ ブスカ イ Srズ ヽ ト型酸化物 を用 いた場 合,反 応 はおお むね電極 酸化物 内 の 酸 素 の 化学拡 散過 frに 律速 され る38ヽ 一 方,酸 素空 孔が 多 く,酸 化物 イオ ンが容易 に拡 散す る La。 .Sr。 .C00,系 を電極 に用 いた場合 は,表 面 .2L での酸素 の吸着解離 過程 が律速段 階 にな る 例 3 多了L性 電極 : Lal iSr,Mn03系 電極 の場 合 ,電 極 反応 速度 が 3本 国界面長 さに比 例 す る こ とが知 られ てお り,反 応 経路 は④ を経 由す る.` 4● .反 応 経路 は①②③④ で,表 面拡 散過程 が律速 にな る とい う報告 が ある‐ 1´ al_Srγ CoO`系 を多イL性 電極 として用 いた場 合,表 面 の微 構造 が 反応 に強 く影響 す る反面 ,電 極 /電 解質界面 の 3相 界 面長 さは影響 しない つ ま り,② が律速 で,そ の後 の反 応経路 はCOと ⑤ の が ll列 的 に速 やか に続 く .21 23.D 酸化物電極材料が満たすべ き条件・ 材料選択 と電極構造の設計/作 製 SO「 Cの カ ツー ド材料 を上 述 した 電 気化 学的 特性 だ けで決 め る こ とはで きな い。 それ は,SOFCが セ ラ ミックスの 多層 構造 で構 成 され ,高 温 で 作 製 ・ 作動 す る もの で あ る こ と,界 面の 特性 が 電 池 特性 を決 め る こ と,冷 起 動 や 作動 温度 変 化 な どの 熱 履 歴 や雰 囲気変 化 に耐 えな けれ ばな らな い こ と,な ど に よ る.カ ソー ド材料 に要求 され る条 件 を列挙 す る.1)高 い 電 子導電 性 を有 す る こ と 2)作 動 時 の 酸 素 ボ テ ンシ ャ ル の 変 化 や ,そ の ときの 酸化物 電極 内 で の ポ テ ンシ ャル 勾 配 ドで 性 能 を劣化 させ る よ うな体 積 変 化 ,相 分 離 を起 こ さな い こ と.3)電 極 焼 き付 け温 度 で ,電 解 質 や単 セ ル を直 並 列 に 接 続 す る イ ン ター コ ネ クター 材 料 との 間 で 電 池性能 に有 害 な ■溶 反 応 や界 面 で の 第 2本 日の /1成 が 起 こ らな い こ と.4)電 極作 」 HJ温 度 で数万 1「l間 保 持 /発 電 した 際 ,電 解 質 や イ ン タ ー コ ネ クター 材料 との FBHで , 電 池性 能 に 有害 な L・ 溶 反応 を起 こ さな い こ と.5)電 解 質 の 熱膨 張 率 と整 合 し,熱 履 歴 に よ る破 壊 を 起 こさないこと.6)R9の 素過程②③が速やかに起 こること.素 過程⑤が速やかであればさらに望 ましい。 カ ソー ド材料 が マ ンガ ン,コ バ ル ト,鉄 な どの選 移 金属 が Bリ イ トを占 め るペ ロプ スカ ィ ト型複 酸化物 にはぼ限定 され て きたの は,上 記 1)∼ 6)の 条件 を満 たす材料 が きわ めて限 られ て い るか らで ある SOFCが 作動 す る高温 の酸 素雰 囲気 で 100Scm l程 度以 │:の 高 い rLi子 導電性 を示す酸化 物 は , 3d遷 移金属 を含むス ピネル型 やペ ロプスカ イ ト型 の酸化物 にはぽ限定 され る 多イL性 電 極 の作 製 法 は 多様 で あ るが, tヽ ず れ も電 極 材 料 を YSZに 焼 き付 け る温 度 (約 1,200∼ 210 1、 1,300'C)以 Lの 温 度 を要 す る 同体高分子および 体酸化物形燃料市池 「 国分 離 を起 こす 系 は使 用 牢温 か らこの 温度 まで の 間 で大 きな 相転 移 や 本 で きな い スピ ネル 型 や バ ナ ジ ウム 系 ,ニ ッ ケル 系 の ベ ロ プス カ イ ト型酸化 物 は この 制約 に よつて除 外 され る 残 され た ペ ロ プ ス ヵ イ ト型 の 系 で も,多 くの もの は 約 1,000 C tt Lで 起 こ し,電 解質 との界面 に第 2層 を形 成 す る YSZと 同相 反 応 を 1` 1〕 . ,1,200∼ 1,300・ Cで は YSZと 反 応 して パ イ ロ ク ロ ア 型 の La2Zr20,を 生 成 す る。 ま た ,Lal,Sr、 M■ 03(κ >03)は その 条件 ドで YSZと 反応 して ペ ロ プ ス カ イ ト型 の SrZrO.を 生成 す Laヽ In03は る いずれ の′ L成 物 も酸 化物 イオ ン導 電 性 ,電 子導 電 性 と もに YSZや も との電 極 材 料 に比 べ て 劣 り,電 極 性能 をIFlな う 量 ズを 01∼ 02程 度 に選 び,ラ ンタ ン活 量 を下 げ しか し,ス トロ ン チ ウノ、 るた め ,金 属 サ イ トの不 定比 組成 領 域 の 限度 (ス ン 瞳を減 らす と,反 応 層 の 生成 は 抑 え られ る は 01程 度 ,"は 005程 度 )と トロ ンチ ウム 量が 増 え るほ ど狭 い )の 近 くまで ラ ン タ そ の た め ,23A項 い う組 成 が 広 く使 用 され て い る れて い る も う 1つ の 点 は ,熱 膨 張 率 が で 述 べ た (Lai,Sr、 Laヽ InO.系 YSZ,Gd201添 加 Cc02,La09Sr。 )l.MnOl(I の カ ソー ド材 料 と して 優 !Ga。 Mg。 20285な ど と整 合 、 す る こ とで あ る Lal tSr、 Co01な ど,コ バ ル ト系 の ペ ロ プ ス カ ィ ト型 酸 化 物 は,YSZと は La2Zr20,や SrZrORを /1成 す る 熱膨 張 率 も電解 質 よ り 15倍 とは反応 しな い。 また ,I´ aMn03系 よ り 1桁 高 い 1()00Cで 反 応 し , ほ ど大 き い。 しか し,Ce02系 電 解 質 1.000Scm l以 _卜 の 導電 率 を示 し,κ >03で は酸 雌敵 す る大 き さに な 素 欠 損 量 も顕 著 に大 き くな るた め ,酸 化物 イオ ン導電 率 も安 定化 ジ ル コ ニ ア に ソ る.い .酸 素 吸着解 離 に 関 わ る表面 反応 速 度 も,酸 化物 イオ ン導電 率 と同 様 に他 の ペ ロ プ ス カ イ ト型 酸 。 9ヽ 化物 よ り大 き い この 系 の この ような 優 れ た特 徴 を どの よ うに生 か すか が ,最 近 の カ ソー ド研 究 の 大 きな方向 で あ る 2.4. イ ン タ ー コ ネ ク タ ー 材 料 お よ び セ パ レ ー タ ー 材 料・ 2.4.A.固 体 酸 化 物 形燃 料 電 池 に お け る イ ン ター コ ネ ク ター (セ パ レー タ ー )の 重 要 性 イ ン ター コ ネ クター (セ パ レ ー ター )は 燃 料 電 池 の 積 層 化 にお い て ,シ ン グ ル セ ル (PEN)を 直 列 に 接続 (イ ンター コ ネ ク ト)し ,同 時 に燃 料 と酸紫 の ク ロ ス リー クを防 ぐ (セ パ レー ト)働 きを もつ 。 固体 ,構 成材 料 にセ ラ ミック ス を用 い て い るた め, シ ン グル セ ル を大 面 積 化 す る こ とは プ ロセ ス ト難 し く,比 較 的小 型 の セル を多 数積 層 す る こ とに よ り大容 量を得 る こ とが必 要 酸化 物 型燃 料 電 池 (SOFC)は にな る SOFCの イ ン ター コ ネク ター は次 の よ うなヤL質 をあわせ もつ こ とが必 要 で あ る . ① 電子伝導率 (電 子あるいはホールによる導電率)が 高い ② SOFCII転 条件で化学的に安定であり,他 の電池材料や シール材料 と反応しない ③ 他の電池材料 (特 に電解質)と 熱膨張挙動が適合する ④ 機械的強度に ●れる ⑤ 熱伝導率が高い l・ 図 10(a),(b)に ,一 般的な平板型および円筒型 SOFCの 積層構造 を模式的に示す 平板型 SOFC K」 '酒 井夏 「 Natsuko Sヽ 術研究所 ) ノ、 llr業 技術総 合研 究,0,7/II (独 立行政 炒く 勇 Isanlu Yヽ ヽ D‐ ヽ(東 京 ガ ス(株 )基 礎技 ゼ IJ温 お よび低ル11・ lll型 け体酸化物形燃 lt"4● I・ は,出 力密 度 が大 きい デ ザ インで あ るが ,そ の 構 造 る ヤ徴 L‖ lk ン ター コ ネ クター の 的illlも 大 きい こ とが わ か を果 た して い るため に,あ る程度 の厚 みや 機械 的強度 が 必 また ,セ パ レー ター として重 要 な役 要 とな る iイ ,キ =」 側 前iシ ー ル が ,必 要で あ るた め,熱 伝導 ・ 熱膨 張 II性 や化学 的安 定 円:に つ い て ,シ ー ル 用材 料 や電 解質 材料 との l・l合 円:も 問題 とな る 一 方 ,円 筒 7F lに お い て イ ン ター コ ネ クター は,カ ツー ドで あ る 基体 管 の一 部 を覆 うにす ぎな い の で ,セ バ レー ター と して の 役割 は さほ ど [要 で は な い また ,電 解 質 や 燃 料 極 に 薄膜 llボ │を 使 うた め , イ ン ター 」 ネ クター も,I膜 化 して,1い る こ とが一般 的 で あ る 低 コ ス トて製膜 す る技術 を確 立 す れ ば,電 子伝 4率 や 機 械 的強度 な どは,平 板 型 ほ どに は 問題 にな らな い い ずれ にせ よ, イ ン ター ● ネ ク ター は S()FC運 転ullに での 急峻 な酸 索分lt勾 配 に 月に わ た って ‖ liに llさ イン ター コ ネ ク ター 材お│は この ような 条件 で も数 千 か ら数万 時 れる あ げ た① ∼ ⑤ の 特 ,高 温 で空 気 か ら,含 水素 (燃 料 )雰 囲 気 ま VIを 保 たね ばな らな い これ は材料 の 要求 として は非 常 に厳 しい もの で あ り, したが つて現 在 にお い て も, イ ンター コ ネ クター として決定 的 な ll料 とい う もの は存 在 (a) __ _ . _^¨ 集電板 (F膜 )´ 二dd ´/́ Niフ ェ イ ン タ ー コネ クタ ー 多孔 質基 体 管 図 10 14板 1'に 0お 1び │∫ 「 型 Q"S()IiC tll‐ 式 渕 iヽ ` 同体高分子 お よび同体酸化物形燃料電池 せ ず,セ ル デザ イ ンや用途 ,運 転 条件 (温 度 ,燃 料 の種類 )に よって最 良 の選 択 を考慮 せ ざ る を得 な い 現在検討 され て い る材料 は酸化物 セ ラ ミックスと耐熱合金 の 2種 に大別 され るが,以 下 それ ぞれ の特徴 について述 べ る。 24B. セ ラ ミックス材料 イ ンター コネクター に用 い られ る酸化物 セ ラ ミックス としては,ラ ンタ ンク ロマ イ ト(LaCr03)系 お よびカル シウム チ タネー ト(CaTi03)系 な どが報 告 されて い る。 これ らはいずれ もペ ロ プス カィ ト (AB03)型 構造 を もつ安定性 に優 れた酸化物 で あ る.SOFCの 高効率発電 や,コ ンバ イ ン ドサ イ クル としての総合効率 向 卜には,運 転 温度 を 900∼ 1,000・ Cに 設 定 す る こ とが必 要 であ り,こ の よ うな高 温 で はセ ラ ミック ス材料 しか耐 え られ な い。 セ ラ ミックス イ ン ター コネ クター は,ま ず原 料粉末 を調 製 してか ら圧縮成型 ―焼結 に よる緻 密化 を 経 て成型 され るため,前 項 の① ∼⑤ に加 えて,粉 末調製 が容 易 で ある こと,お よび空 気 ││、 で きるだ け低温 で緻密化す るこ とも求 め られ る. LaCrO`系 は,1960年 代 か ら注 L」 されて きた材料 で,当 初焼結性 が悪 く緻密化 しに くい欠点 があっ たが,そ の後,厳 密 な組成制御 に よ り空気 中焼締 で も十分 に緻密体 を得 られ る ことがわか って い る . また,置 換 する金属 の種類 と量 を選ぶ ことに よ り,電 子伝導 率,機 械 的強度,熱 膨張係 数 な どを制御 で きる。一般 的 に,電 子伝導率 は ス トロンチウム,カ ル シウム な どのアルカ リ土類金属 を置換 す るこ とで増加 す る。 これ は La` の か わ りに Sr2+や Ca2・ が格 子 内 に入 る と,電 気 的 中性 条件 を満 たす た めに Cr8+の 一部 が Cr4‐ に酸化 され,こ れが ホール (正 子L)の キ ャ リヤー としてホ ッピング伝導 を起 こ すためであ る.熱 膨張係数 の置換 による変化 はよ り複雑 で あ る。例 として,置 換 金属量 に よって どの ように変化 す るか を図 11に 示 す;O 5'. この ようにペ ロプスカ ィ ト化合物 は,置 換 す る金属種 と量 によ り多彩 な物性 を示 すが,SOFCイ ン ター コネクターヘ の適 合性 を考 えた場 合,1つ の金属 を置換 す る と,あ る物性 は向 卜す るが,別 の物 性 は低下 す る相反効 果 を もつ こ とが 多 い。 た とえば,機 械的強度 はカル シウム,ス トロンチ ウム を多 Q こ 千YE O 薇墜怒凛感 00 01 スy● 02 o3 (■ 1,MDICr,_川 'y103 図 11 1.aCrO,系 ペ ロプスカ ィ トの鵜 張率 と置換 金属量 の関係 「]La,,SrkCr。 ,,Zn。 ,,0,3m, CI´ at ,Sr,crO.Sヽ A Lal、 Ca,Cr。 ,Co.10H‐ , こI La〕 xCa、 CrO`・ ●, ◆ LaCrl_Co,01=', ▼ LaCら 、 Ni,OF;ヽ 日 LaCrl,MgJO「 a, ☆ LamSr。 lCr。 ,xCo。 .20,引 │ 2 i温 および低温作動型同体酸化物形燃料電池の特徴と構成 213 量 に 置換 す る と低 下 す る こ とが 多 く,強 度 を上 げ るため にア ル ミニ ウム な どを少 堤置換 す る と,今 度 は電 子伝 導率 が 低下 す る.実 用 にお い て は,2種 以 Lの 金属 を置 換 して ,セ ル デザ イ ンか ら来 る要 求 を満 た しうる最 良の組 成 を選 択 す る LaCr03系 化 合 物 に つ い て は,関 連 文 献 50,物 性 値 の デ ー タベ ー ス化 が 進 め られ て お り'ヽ 材料 設計 の一 助 をな して い る。 LaCr03系 で 問題 とな るの は,重 金属 (ラ ン タ ン)が 含 まれ てい る同溶体 なの で 熱伝 導 率 の 向 Lが 望 めな い こ と と,還 元雰 囲 気 で は,Cr‐ が 再 び cr3 に 還 元 され る こ とに よ り酸 素 サ イ トに空 FLが 4iじ て ,電 子伝 導率 が 下 が る こ とな どが あげ られ る.酸 素空孔 の 生成 に よ り熱膨 張率 が 変 化 して板 にそ り を生 じた り,酸 素空 孔 の 拡 散 に よ り完 全緻 密体 で あ って も酸 素漏 れ が 生 じる ことが あ り,特 に平 板 型 の イ ン タ ー コネ クタ ー で は酸 素空 FL量 の 制 御 に注 意 が 必 要 で あ る。 CaTi01系 は ほ とん ど物 性 の 報 告 が され て い な い が ,Ca2・ の一 部 を La3・ な どの 3価 イオ ンで 置換 す る こ とに よ り,Ti4.が 111-に 選 元 され て 電 子の キ ャ リヤー とな り電 子伝 導性 を得 て い る. した が って,酸 素雰 囲 気 よ りも還 元 雰 囲気 で 伝 導率 が 高 くな るのが 特 徴 で あ る.I´ aCr03に 比 べ る と酸 素 空 孔 の生 成 量 が 少 な く,還 元膨脹 や 酸 素漏 れ の 影 響 が 少 な い とされ る これ は,Cr3+よ りも Trtの ほ うが よ り安 定 で ,酸 化・ 還 元 さ れ に く い こ と を 示 唆 し て い る.一 方 ,CaTi03系 の 伝 導 率 は , LaCr03系 に比 べ て小 さ く,1,00o cで 還 元 雰 囲 気 に お い て も LaCr03系 の 約 1/3,空 気 中 で は,1/ 10∼ 1/50程 度 とされ て い る.Ti`'の 電 子構 造 が 非 常 に安 定 で あ るた め TFが 生 じて も,ホ ッ ピン グ の 障壁 が 高 く,電 荷 移 動 が抑 え られ て い る こ とが示 唆 され る. 24C 金 属 材料 SOFC川 イ ン ター コ ネ ク ター 合 金 は,Crヽ 系 ,cr R系 な どが 検 討 され て い る.合 金 は電 子 伝 導率 や 機械 的 強度 の 点 で セ ラ ミックス よ りも格 段 に優 れ , また ク ロ ム 量が 多 けれ ば 熱膨 張率 も電解 質 の それ に 近 づ け る こ とが 可能 で あ る。 しか し,合 金 の 問題 点 は そ の 安 定 性 に あ り,高 温 で は表 が 面 徐 々 に酸 化 され て Cr203な どの 絶 縁 被膜 を生 じる.Cr20.被 膜 は電 子伝 導 率 を下 げ るだ けで な く , Cr03(気 体 )と な って 空 気極 近 傍 へ 移 動 し,電 極/電 解 質 界 面 に 再 び Cr201と して析 出 す る こ とに よ り,電 極 反 応 を 著 し くl■ 害 す る こ とが 報 告 され て い る.Cr り, さらに Fe系 の ほ うが比 較 的 耐 熱 性 に優 れ て お Y203微 粒 子 をメカ ニ カル ア ロ イ ングで 分散 させ た り,表 fliを ラ ン タン ク ロマ イ トな どで 被 覆 した り して cr203層 の 成 長 速 度 を抑 え る工 夫 が 試 み られ て い るが ,製 造 コ ス トの 増 大 に 直 結 す る SOFCの 実 証 試験 が 数千 ∼ 数 万 時間 にわ た る安 定性 を求 め られ て い る こ とを考慮 す る と,合 金 材 料 を 例,OC以 上 で実用 に供 す る こ とはか な り難 しい と考 え られ る. しか し,金 属 の もつ 優 れ た 特性 は モ ジ ュー ル 開 発 にお い て は非 常 に 魅 力的 であ るの で ,近 年 は 合金 あ るい はス テ ン レスス テ ール の使 用可能 温度 (約 αЮ C)ま で SOFCの 運転 温度 を低 減 す る試 み が 随 所 で検 討 され て い る.特 に可 搬 型 の 燃 料 電 池 パ ッケー ジの 開 発 にお い て は,安 価 か つ 加 工 しや す い 金属 を用 い る こ とカリト常 に重 要 な要 素 とな ろ う しか しそ の た め に は,セ ル (1)EN)本 体 の 特性 を さ らに 向上 す る こ とが 必 須 条件 であ ろ う。 2 4 frlで 使用 した熱膨張係数の一部 は,通 商産業省工 業技術 院 ニ ュー サンシャイン 計画iド の SO∝ FTH発 プロジ ェク トにおいて東京 ガス株式会社 による受託研究開発 (NEDO委 託)に より得 られた ものである 関係者各位に 感 謝 いた します 211 川体 高分 お よび 司体酸化物形燃料電池 「 Iヽ 文 1 献 川 博章,“ 体 酸 化 物 燃 料 電 池 と地 球 環境 ",ア グネ承風社「(1998) 電 気 学 会燃 料 電 池 ,■ 転 性 調 ● I問 委 ;t会 編 ,“ 燃 ‐ 料電 池 発電 ,コ ロナ社 (1991) [日 2) 1) 治,'ヒ 気 化学 ,63698(1995) 山本 3) l echnology of Zirconia ll ,Aincrican Ccramic Colunlbus(1981)I1 555 ヽl Kaヽ ai and O ″ S′′′ d 々,″ 々、 72 271(1994) Yaranloto SO′ ′ Societゝ 5) Y Mizutan T Tamura ghal “So id()ヽ ide rtlcl cc11 ヽ1 1'roc 6) S C Sil〕 7) ヽo1 99 19 Elcctroche]]Soc (11)()9) p 39 ″ ヽ′ ″ 11 ヽahirO K Egtlchi and il Arai ヽ ′ " / 〃ル、 21 37 (1986) ,′ 8) | l'l' Iluilrsmans. F P F van llcrkel, / Chnstie. 9) ll.Cll 11,"(/' .txr,lts, ?1, Stccte. 10) H Iwahara, he, II and (i \l ふι | tlchida. K Onrr,:rnd K Ogaki 1 ヽ Vatanabe 3a″ ′ 26 119(1991) `〃 26)S Sotza SJ ヽ'ヽ C(l a,d l´ C I)e Joi〕 ghc ノ E7r2`′ ,o(71′ ′ ″ Sο ( 144 1´ 35(1997) lAヽ Virial K Ftulg K ヽlchta and S 。(フ ′ 146 69(1999) て C Singhal ′ ε々″′ ',″ ,ィ 28)高 橋 武 彦 ,岩 原 ヴ、育,伊 藤 勲 ,電 気 化 学 ,38, I〕 509 (197()) 29)T Tsai and S A 13arnctt Sθ 207(1997) 93 ′ ′ ″ S′ ″′ ら ,″ `ド “ 30)ヽ I ヽ ヽatanabe II tichida ヽI Shiba:a N ヽlochi ′ り Eん イ′ zuki and K An■ k tlra′ d′ ″ ',`t141 `ル 312 (1994) 31)田 川 II章 ,“ 同体 酸 化 物 燃 料 電 池 と地 球 環境 ",ア グ ネ承 l■l社 (1998) 32)5oHd Oxidc Fucl Cells IV V VI(Procecdings 107 (1998) (1991). Stln1.nts. 19 /. l\nur :ド 27)J Iく “Scicnce and J F 13atlnlard alld P Abclard 25)ヽ lJ Saeki li tjchida andヽ / of thc lntcrnational S,nlposiuin on Solid Oxide FueI CcHs)´ 「 hc Electrocheil、 Soぐ l'r()c ヽol 12) T 95 1(1995) 97-10 (1997) 99 19 (1999) ElcCtr() chenl Soc, Inc 33)F01lrth Etiropcan Solid O、 idc Fucl Cen「 ()rum Proccedilgs iヽ J ヽlCEヽ ■ (ed) Eι trol〕 ean Fuel I:l) Cell「 orulll(2000) 31)SOFC研 究 発 表 会 要 旨 集 (第 1口 F)t&tr ll) II -Six.. 1:}.', 529 (lgtJtJ) T lisaka ll I\rahara, .t)/// \laeda. Shtt( Llchicla, ancl N ht)ti,\.3rJ 3ir9 (l9lll) Ishihara, Il llalsuda, and \' 'l'akita. /. .4r, Ch nt 9x .116. 3ll0l (1991). A Khandkar. S Fllangrrvan. and J Ilartrigsen ''SOFC Vl , l'roc \!l 99 19 Elcctrochen Soc (1999), p 88 lJ) 'l' lshihara. ll. Furutani \I Iloncla, 'l' Yamada. -l' Shibalama,'I Akba-\'. N. Sakai, H Yokoka\\a,zrnd Y ]'akita. C/rorr ,rltrl 1l !08] (t999) 15) 'l' lshihara, T Shibal'ama. N'l Ilonda, H Nishi guchi and Y.'lakita. 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K 139, Flgrchi. arrcl II. 287; (1992). ヽ11' Phillipps ″々て ,7太 ′ ・ ′ 〔′ 4 68 199(2()00) `力 37)Kヽ at■lln01oヽ ヽlori Jヽ 1lzusakL H Tagaヽ a l″ andヽ l Dokiya Solid Oxidc Fuel Cclis(SO「 C ヽ1)S C Singhal andヽ l DOkiya(cd).ElectrO ヽ'o1 99 19 I'roc 1 he Elcctro cheln Soc lnc 335(1999) 38)J ヽliZusaki T Saito, al]d H Tagawa ルζ,″ Sο ( 143(1()) 3065 (191)6) ノ E=`(′ ,7,て 39)」 ヽhZusaki K Amano S Yamauchi and K ′ ルド 22313(1987) Fueki Sθ ′ ″ S″ ″ ん′ 40)Jヽ liZIISaki II Narita Nヽ loriゝ 1 1)oki、 a and H laga、 a,7ん でκθィαれ′ ″″々ド 6(2)177 “ (2(){)()) Claar. and I l. Flandenne\'(r, /. (1992)第 9回 (2(,0())) chenlical Soc 1227. 17) )、 41)K Tsuneyoshi K Mor,A Sawata Jヽ and II TaHaTa S″ 77〃 liZusaki S″ /1,7(,〃 た、1薔 (3/1)263 (1989) 12)T Kawada K Masuda J Suzuki A Kそ l nlai K Ka、 anlura Y Nigara J MiZllSaki H Yugalni n Arashi ヽ Sakai alld I{ Yoko ″ ルllル 、 121271(1999) kawa',′ '″ '″ n Tagawa K Tsuneloshi and A r,)J ヽ1%tlsaki Sa、 、 ata / ど″″′7,`ル ,7 SP` 138(7) 1867 ,′ (1`,`)1) 11)l HOrita K Yamaii,N Sakai H Yokokawa T Ka、 ada and F)t`′ ,そ ,`"ピ 7′ l,り ヽl lshikaヾ a 句 Kato ノ 115311)6(1998) `、 45)H Kamata A Hosak′ i J ヽliZtlSaki and II 2 Tagawa,Sa71Z Sratt ra"ぉ 高温および低温作動型固体酸化物形麻料電池の特徴 と構成 ,lo6.237(1998) 46)H Yokokawa,N Sakal,T Kawada,and M ウム講演予稿集,p165(1999) 52)R Koc and H U Anderson,′ ″ 轟 、ル ″ Dokiva,′ E睦 hι =蹴 "Sr,138,2719(1991) 11,1191(1992) 47)横 り II晴 美,ま てりあ,35,1345(1996)お よびその 53)N Sakai,T Kawada,H Yokokawa,M Do‐ 引用文献. kiva,and T Iwata,鋤 ″ Sra"ra"`“ ,40/41,394 48)水 崎純一郎,触媒,31,227(1989) (1990) 49)J A Kilner,R A De Souza,and I C Funarton, 54)B Cilbu,H FJe1lvig,and A Klekshus,ス ″ Sο ″ ″ S″ ″ ん″′ o,86‐ 88,703(1996) 0あ ,48,37(1994) " S""′ W F Kock,′ [ν´σl″ ″´″ めε 50)S Hayashi,K Fukaya,Y Kajima,and H 55)H E HOferand Sato,′ α ″″ 防 ,101(12),1409(1993) 140(10),2889(1993) `Jpη 51)菱 沼祐 一,矢 加 部 久孝 ,荻 原 崇,安 田 勇, 56)ラ ンタンクロマイ トに関す る文献デー タベース, 一 SOFC研 究会 (1996). 佐 々木 博,中 山稔夫,第 6回 燃料電池 シンポジ , ,
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