上海駐在員事務所情報(27年1月)

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平成 27 年 1 月 1 日
伊予銀行 上海駐在員事務所
<経済>
「発見!四国のおいしい食の祭典 in shanghai」開催
12 月 15 日、在上海日本国総領事館公邸
において四国 4 県・東アジア輸出振興協議
会及び在上海日本国総領事館主催による
「 発 見 ! 四 国 の お い し い 食 の 祭 典 in
shanghai」が開催されました。今回、小原
雅博総領事が徳島県ご出身であることが
きっかけとなり、領事館側の全面サポート
をいただくことができました。
趣旨は、四国 4 県に拠点を置く食品関連
企業に対して中国消費市場へのビジネス
参入機会を提供するというものであり、中
<開幕式の様子(小原総領事のご挨拶)>
国ではまだまだ知名度の低い四国を 4 県
が一体となりPRすることで、効果的な訪日観光促進に繋がることが期待されています。
開催当日、四国 4 県から計 36 社の商品が出展、うち 11 社から企業担当者が訪中され来
場者に試食を促す等、熱心な様子で商品 PR に取組まれていました。また、来場者について
も、総領事館等の精力的な呼び掛けにより、120 社以上のバイヤーが来場され活況を呈しま
した。私たちも商品 PR のサポートをさせていただく中、来場バイヤーの方々からは全体的
に良好な反応を頂戴しましたが、少なからずご指摘もあり今後の課題となっています。
来場バイヤーのご意見(一部抜粋)
良好な反応
・食べたことがない味付けだが、とても美味しい。(小魚の珍味)
・ヘルシー志向の女性に受けるはず、おいしい。(こんにゃく製品)
・老若男女問わず、健康食品として支持を得られそう。
(ごま加工食品)
ご指摘等
・高価格であるため、消費者からは受け入れられない。(全般)
・低価格のため、富裕層が高級酒としては認められない。
(日本酒)
・中国のお菓子と比べて甘みが強い。(和菓子)
特に多かった指摘として「価格の高さ」が挙げられます。このことは、私たちも感じて
いることですが、例えば、「中国産の果汁 100%飲料=数百円程度」という概念を誰しもが
持っている中、「日本製の安全な美味しい果汁 100%飲料=数千円」を見れば、決して「安
い」とは感じられません。そこで、
「材料生産~加工過程」に至るまでの手間やコスト、衛
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生管理等を十分に理解していただき、相応の価値
があると感じていただくことに注力する必要が
あります。そうすることで、「いいモノ」を求め
る人達から支持を得ることができるのではない
かと考えられます。
また、「和菓子は中国のお菓子と比べて甘みが
強い」という感想についてですが、その理由とし
て、和菓子はお茶や抹茶を飲むための添え物とし
ていただくものですが、中国では一般的にそのよ
うな習慣がなく、和菓子は甘みが強いと感じるよ
<愛媛県ブースの様子(商品PR)>
うです。したがって、抹茶ベースの飲み物等との
セット販売等の手段も有効だと思われます。
近年、中国国内において食品問題が多発していることから、一般庶民の間において食に
対する価値観は大きく変化しています。従来は日本人主婦と同じようにスーパーの特売品
を求めて買物をするというのが当たり前でしたが、最近では少しでも安全性の高いモノを
買うためならば多少の出費は厭わないという、
「価格」よりも「安全性」が優先される傾向
が強くなっています。こうした外的環境の悪化は、外国企業にとっては見逃せない商機と
いえます。しかし同時に、従来に比べて消費者の目が厳しくなっていることもまた事実で
あり、日々刻々と変化し成長し続ける中国人消費者の心を掴むことは容易ではありません。
従来のように「中国の富裕層をターゲットに」と一辺倒の動機だけではもはや太刀打ちで
きない時代であるということを十分理解し、日本企業らしい極め細やかな戦略を武器に中
国市場へ挑戦することが成功の鍵であると考えます。
上海市内見本市情報(2014 年 1 月)
12 月末時点において 1 月以降の見本市情報は発表されておりません。
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★トピックスレポート(中国人スタッフ便り)★
冬の火鍋
寒さの厳しい冬の日に、家族や友人達と温かい料理を囲みながら団欒を楽しむひと時は、
皆の心と体を温め幸せな気分にさせてくれます。
中国において冬を代表する料理といえば、不動の人気ナンバーワンは「火鍋」です。火
鍋と聞くと、燃え盛る火を想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではなく
日本でいうところの「鍋料理」のことです。中国では、「民以食為天(民は食を以って天と
為す)」という言葉がある程、食は人々の生活において非常に重要な地位を占め豊富な種類
がありますが、中でも火鍋は中国に昔から伝わる伝統的料理として長い歴史を誇っていま
す。
年譜(西暦)
三国時代
(220 年~280 年)
南北朝時代
(420 年~589 年)
清朝時代
(1636 年~1912 年)
内容
・銅で作られた「鼎(ding)」が「火鍋」の原形として登場。
・重い銅製の鍋であるため、持ち運びが不便であるうえ、調味料が
少ない当時は、美味しいとはいえず、庶民からの人気は低い。
・比較的軽い鉄製の鍋が登場。
・庶民の間でも気軽な料理として、特に中国の寒い北方地域から流
行し始める。
・乾隆皇帝の好物であったため、宮廷料理として広く認知され、火
鍋人気は次第に全国レベルへ。
現在、火鍋の種類は少なくとも数十種類はあると言われており、四川省や重慶市等の内
陸部で好まれる辛い味付けものや、辛い味付けが苦手な人の多い広東省等の沿岸部で食さ
れる海鮮出汁ベースのもの等があります。
なお、広東省では、火鍋ではなく「打辺爐
(da bian lu)」という名称で親しまれて
います。
火鍋において最も重要な役割を担うの
はスープです。スープの種類は、白湯(白
色、海鮮・肉等の出汁ベース)と紅湯(赤
色、唐辛子・山椒等の香辛料ベース)の大
きく 2 種類に分けられます。最近では一度
<鴛鴦(おしどり)火鍋>
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にどちらの味も楽しみたいという人向けに、一つの鍋に 2 種類のスープが入っている「鴛
鴦(おしどり)火鍋」も非常に人気です。
このような美味しい火鍋を提供する店は全国各地に無数にありますが、最も庶民から親
しまれている有名店の代表格は「小肥羊(xiao fei yang)」と「海底捞(hai di lao)」で
す。
小肥羊(xiao fei yang)
海底捞(hai di lao)
・1999 年設立、美味しい羊肉を提供するこ
・1994 年設立、サービスの良さが定評とな
とで人気を集める。
・2008 年、香港市場上場。火鍋料理店の先
駆け等と呼ばれる。
・2010 年、第二位の食品会社ペプシコグル
ープに買収され、世界進出を開始。
・現在、日本・アメリカ・カナダ等に進出
し年間売上高は約 58 億人民元。
り人気を集める。
・現在、年間売上高は約 30 億人民元。
<サービス内容(一例)>
・無料果物・お菓子・飲み物の提供。
・マニキュアサービス、髪留めの提供。
・子供が遊べるエリアの設置。
<その他のエピソード>
・客が「無料で提供されたスイカが美味し
い」と褒めたら、店からスイカ丸ごと 1
つをプレゼントされた。
また、火鍋はお店だけでなく家でも簡単に作れる便利な料理です。ここで、我が家の火
鍋をご紹介しますと、まずスープは市販の「海底捞」(いわゆる鍋の素)を使います。これ
があれば、お店の味が再現できます。もちろん、自分で肉や魚の出汁を取って作ることも
できますが、多大な労力と時間がかかるため、私はいつもこれを愛用しています。そして
具材は、緑野菜・豆腐・エノキ・各種団子(豚・魚・エビ・カニ等)
・スパム・しゃぶしゃ
ぶ用牛肉と羊肉を順に投入していきます。最後に川湘ブランドのタレでいただきます。
<我が家のお手軽スープ>
<我が家の火鍋具材>
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準備や片付けが簡単にできる料理「火鍋」(インスタントスープを使えば料理とはいえな
いかもしれませんが)で、家族皆の心と体が温まり幸せな気分になるならば、作る私もな
んだか得した気分になります。
皆様も、ぜひ冬の中国に旅行に来られた際は、一度「火鍋」をご賞味下さい。
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