学生フォーミュラチームの活動について 村 田 滋 (機械システム工学部門教授) 京都工芸繊維大学の学生フォーミュラ活動を 皆さんご存じでしょうか。この活動に関わった 一教員として紙面をお借りして簡単にご紹介さ せて頂きます。 京都工芸繊維大学の学生有志が集まり、全日 本学生フォーミュラ大会に参戦する活動が始 まったのは平成 17 年の年末のことでした。機 械システム工学科に所属する 2 名の学生が研究 室に来て、大学生がレース用の自動車を製作し てその性能を競い合う競技があり、自分達も是 非それに参加したいというのです。学生の課外 活動ということで既にいろいろと大学事務職員 の方々に御指導いただいていたようでしたが、 機械システム工学科の教員スタッフもできるだ け協力しようということになりました。先ず、 学生 2 人ではとてもメンバーが足りないので チームとその活動の広報をしなければいけない がそのためにはチーム名が必要ということで、 学生達はチーム名を Grandelfino (イルカを意味 するイタリア語“Delfino” を基にした造語) と決 めてきました。そして少しずつメンバーが増え る中で、この活動は平成 18 年度学生と教員の 共同プロジェクトの一つとして大学の経済的な ご支援を戴けるようになり、学生フォーミュラ 大会に向けた実質的な活動がスタートしました。 自動車技術会が主催する全日本学生フォー ミュラ大会は例年 9 月に開催されており、その 参加登録が 2 月ということもあり、チームは平 成 18 年度に第 1 号機の試作、そして平成 19 年 に第 2 号機で参戦というスケジュールを立てま した。活動はすべて学生達が自律的に行うので すが、英語で書かれた膨大な設計規格を翻訳す る作業から始まり、シャーシフレームの加工や 動力伝達系の設定など、第 1 号機が自走するま でには相当な時間を要しました。そのため第 2 号機の製作は予定よりも 2 ヶ月以上は遅れてい ましたが、チームは大会直前ぎりぎりに第 2 号 機完成にこぎ着け、9 月 12 日∼15 日に静岡県 で開催された第 5 回全日本学生フォーミュラ大 会に無事参加することが出来ました。大会では、 最初にマシンコンセプトなどの説明を行うプレ ゼンテーション審査があり、続いて製作マシン の車検があります。車検は大変厳しく、数多く の再調整指示などありなかなか通してはくれま せん。車検が通れば、傾斜テスト・ブレーキテ スト等を経て、ようやく競技に参加することが 出来ます。競技はアクセラレーション (加速性 能競技)、スキッドパッド(旋回性能競技)、オー トクロス(走行性能競技) 、エンデュランス (耐 久性能競技) の 4 種類がありましたが、車検に 手間取ったため競技はオートクロスとエンデュ ランスにのみ出走しました。結局、22km の走 行タイムを競うエンデュランスでは半数以上の チームがリタイヤする厳しい状況でしたが、初 参加ながら無事完走することが出来ました。 大会に参加し実際に 22km を完走するマシン を製作したチームメンバーには敬意を表したい と思いますが、彼らの活躍の陰には大会前に期 せずしてチームを離れたメンバーのそれまでの 熱心な活動があったことを記しておきたいと思 います。また、活動を支援してくださった古山 副学長を始め、学生サービス課、研究協力課等 の事務職員の皆様やものづくり教育研究支援セ ンターの技術職員の皆様のご協力なしにはとて も大会参戦すら出来なかったものと心から御礼 申し上げる次第です。 最後になりましたが、チームメンバーの学生 がホームページ(http : //www.grandelfino.net/) にて活動の近況をお知らせしております。同窓 会会員の皆様には一度このページにアクセスい ただき、チームサポーターとして後輩達の活動 に厚いご支援ご指導ならびにご批判をいただけ れば有り難く存じます。 会 誌 2 5
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