みちのく杜の湖畔公園 北地区みちのく自然共生園 自然再生活動報告 平成 27 年 7 月 みちのく自然共生園の自然再生ボランティア活動では、東北地方らしい自然豊かな里地の自然を再 生する活動を展開しています。この場所にわずかに自生していたサクラソウを殖やしたり、人と自然 との係り合いで生まれた、かつての広大な花野の草原をつくる活動に取り組んでいます。 ●定例モニタリング 花野再生塾(7 月 5 日) ・会員活動を兼ねたモニタリングです。コナラ林のオオバギボウシ、ソバナ、チダケサシ、展望野草 園のカセンソウ、オカトラノオ、ホタルブクロ、コオニユリ、湿生花園のエゾミソハギ、クサレダ マ、ヌマトラノオ、ヤマアワ等、初夏の花を観察しました。展望野草園や湿生花園の一部で、ツル マメ、ヤブマメ、ヤブツルアズキが野草を覆い始めていたので、急いで除草することにしました。 絡んだ蔓を取り除くのは大変なので、根元を探して根を引き抜き枯らします。また、以前クローバ ーを除去した箇所でクローバーの再生を確認し、これも除去することにしました。 写真 展望野草園の状況確認 写真 湿性花園のモニタリング ●展望野草園、サクラソウ園・湿性花園・崖線樹林除草(7 月 6、12 日) ・サクラソウ園のカセンソウにヤブマメが絡み、湿生花園や展望野草園にツルマメやクローバーが発 芽していたので、これらの除草をしました。崖線樹林のヤマユリ生育地のニワウルシ、タケニグサ、 ノイバラ、タラノキ、ヨウシュヤマゴボウ、ヒメジョオン等の刈り取りや引き抜きを行いました。 ヒメジョオンが発芽しやすい裸地には、ノシバを張りつけ、雑草の発生を抑えるようにしました。 写真 ヤブマメ等の除去 写真 崖線樹林の除草 ●サワアザミ苗の植付け(7 月 12 日) ・崖線樹林の小川近くに、苗圃で育てたサワアザミを植え付けました。厚く堆積したササの葉、その 下を厚く覆う腐朽菌の菌糸の塊を除去し、アズマネザサの根茎も掘り取りました。 写真 ササの地下茎を掘り取ります 写真 苗を踏まないよう後ずさりで植え付けます ●ホタル観察会(7 月 4 日) ・家族向けの会員活動として、ホタル観察会を行いました。今年は、池や湿地に生息するヘイケボタ ルはまだ早く、水中で幼虫が光っていました。流れに生息するゲンジボタルは見頃でした。 写真 暗くなるのを待ちます 写真 ヘイケボタルの幼虫が水中で光っていました ●ナデシコタネコバンゾウムシ異常発生対策(7 月 13、19、20、26、27 日) ・今年はカワラナデシコがきれいに開かないので、よく見たら、小さなゾウムシが開き始めたナデシ コの花にとまって、汁を吸っていることに気づきました。数が異常に多く、毎年このような状態が 続くと、個体群の繁殖や鑑賞の面で大きな課題となるので、捕殺することにしました。ナデシコの 子房に産卵し、幼虫はタネを食べながら育つので、全ての花、実、蕾を摘み取って、新たな成虫が 羽化しないようにしました。具合が悪くなるような炎天下の作業が続き、本当にお疲れさまでした。 写真 ナデシコタネコバンゾウムシのため開花できない 写真 花や蕾を全て採って回収します 写真 タネを食害する幼虫 写真 酷暑の炎天下の作業 ●笹巻づくり(7 月 4 日花野再生塾) ・東北地方の保存の知恵を学ぶことを目的に、会員活動で笹巻をつくりました。もち米をチマキザサ で包んでゆでます。南庄内に伝わる灰汁で煮た笹巻もつくりました。黄色でプルンとした変わった 食感に皆びっくり。 写真 チマキザサの採集 写真 灰汁でゆでます
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