教科:地理歴史 科目:世界史B 学習指導要領 (1) 自然環境と人類のかかわり、日本の歴史と世界の 世 歴史のつながり、日常生活にみる世界の歴史にかか 界 わる適切な主題を設定し考察する活動を通して、地 史 理と歴史への関心を高め、世界史学習の意義に気付 へ かせる。 作成様式 都立晴海総合高校 学力スタンダード の 扉 ア 自然環境と人類のかかわり ・世界の衣食住に関する文化を取り上げ、文化の生 自然環境と人類のかかわりについて、生業や暮 成要因としての地理的要因の重要性に気付き、そ らし、交通手段、資源、災害などから適切な歴史 の成立過程を地理的要因との関係性を含めて理解 的事例を取り上げて考察させ、世界史学習におけ できる。 る地理的視点の重要性に気付かせる。 イ 日本の歴史と世界の歴史のつながり ・中学校までの既習内容を掘り下げて、世界史との 日本と世界の諸地域の接触・交流について、人、 接点を探り、日本の歴史を取り巻く大きな流れとし もの、技術、文化、宗教、生活などから適切な歴 ての世界史の存在を把握することができる。 史的事例を取り上げて考察させ、日本の歴史と世 界の歴史のつながりに気付かせる。 ウ 日常生活にみる世界の歴史 ・生徒の日常になじみの深い文物の成立過程を調べ、 日常生活にみる世界の歴史について、衣食住、 われわれの日常が膨大な歴史の蓄積の上に成り立っ 家族、余暇、スポーツなどから適切な事例を取り ていることを理解できる。 上げて、その変遷を考察させ、日常生活からも世 界の歴史がとらえられることに気付かせる。 (2) 人類は各地の自然環境に適応しながら農耕や牧畜 諸 を基礎とする諸文明を築き上げ、やがてそれらを基 地 により大きな地域世界を形成したことを把握させ 域 る。 世 形 ・略奪経済から獲得経済への移行を考える際に、身 西アジアと地中海一帯の地理的特質、オリエン 分・貧富の差の出現や神権政治の出現過程を理解で ト文明、イラン人の活動、ギリシア・ローマ文明 きる。 成 に触れ、西アジア世界と地中海世界の形成過程を ・古代オリエント世界の諸国家興亡をメソポタミア 界 の ア 西アジア世界・地中海世界 把握させる。 とエジプトの共通点と相違点を明確にしながら理解 し、オリエント統一国家出現までの過程を概括する。 ・オリエントの統一王朝であるアッシリアとアケメ ネス朝ペルシャの統一過程とその政治思想の相違を 異民族支配の側面から読み解く。 教科:地理歴史 科目:世界史B 作成様式 学習指導要領 都立晴海総合高校 学力スタンダード ・ポリス以前のエーゲ文明について学び、ギリシャ 周辺の文化の特徴を理解する。 ・ポリスの成立過程と民主制の発達についてアテネ を通じて学び、古代ギリシャにおける政治的特徴を 理解する。 ギリシャ文化を概括し、ルネサンスを経て西欧文明 の根幹を成すギリシャ文化の特性を理解する。 ・マケドニア帝国の拡大をアレクサンドロス大王の 東方遠征から理解し、ヘレニズム文化の成立過程を 概括する。 ・ディアドコイ戦争を経て、ササン朝が成立するま での諸国家の興亡過程を民族構成に着目しながら理 解する。 ・ローマの政体の変遷とその過程に着目し、ローマ 史を概括する。 ・キリスト教の成立過程並びにローマにおける迫害 と受容の歴史を理解し。中世においてキリスト教が 広くヨーロッパ全域を勢力下においた経緯を考察す る。 ・アーリヤ人以前のインドの古代文明を概括し、イ 南アジアと東南アジアの地理的特質、インダス ンドにおける文明の広がりを理解する。 イ 南アジア世界・東南アジア世界 文明、アーリヤ人の進入以後の南アジアの文化、 ・アーリヤ人侵入後のインド諸王朝の特徴と変遷を 社会、国家の発展、東南アジアの国家形成に触れ、 概括し、インドの王朝と仏教政策について理解する。 南アジア世界と東南アジア世界の形成過程を把握 ・南インドを中心とした他地域との交易に着目し、 させる。 インドを経由した商業・交易ルートの存在を理解す る。 ・仏教の成立とその発展について概括し、大乗仏教 と上座部仏教成立の過程を理解する。 ・大乗系の北伝仏教と上座部系の南伝仏教の差異を 明確にするとともに、その伝播ルートを理解し、以 てアジア諸国における仏教の際について理解を深め る。 ・ヒンドゥー教の成立過程とその性格について理解 し、ヴァルナ制・ジャーティー制との関係を考察し、 カースト制度との関係を理解するとともに、インド における文化基盤としての性質を概括する。 教科:地理歴史 科目:世界史B 学習指導要領 作成様式 都立晴海総合高校 学力スタンダード ・東南アジアの半島部の諸王朝の興亡を隣接する他 地域との関係から読み解き、その民族的特徴・宗教 的特徴について理解する。 ・島嶼部における諸王朝の興亡を、隣接する他地域 との交易から読み解き、その民族的特徴・宗教的特 徴について理解する。 ウ 東アジア世界・内陸アジア世界 ・中国の先史時代の文化を概括し、黄河・長江両文 東アジアと内陸アジアの地理的特質、中華文明 明の差異を理解する。 の起源と秦・漢帝国、遊牧国家の動向、唐帝国と 殷・周の古代王朝に着目し、政治体制の変化ととも 東アジア諸民族の活動に触れ、日本を含む東アジ に、後代に影響する中国の王朝の特徴を理解する。 ア世界と内陸アジア世界の形成過程を把握させ ・殷王朝の青銅器文化と甲骨文字を理解し、その政 る。 治思想と神権政治としての性格を理解する。 ・周の青銅器文化と、その政治思想に着目し、後に 孔子が理想の政治とした、封建政治体制を理解する。 ・春秋戦国時代の諸国家の興亡を理解し、その中で 現れた諸子百家の思想を考察し、当時の社会情勢を 概括する。 ・春秋戦国時代における諸国家の富国強兵策が貨幣 経済の浸透と農業技術の発展をもたらしたことを、 理解する。 ・秦による統一と始皇帝の政策について理解し、周 の封建制と郡県制の相違点を明確にする。 ・秦の滅亡と漢の成立過程を理解し、郡県制と郡国 制の相違点について理解する。 ・漢の対外政策を概括し、匈奴に対する対外遠征や 中央アジア方面への進出などを理解する。 ・新による王位簒奪と後漢の建国について理解し、 対外関係の一部として日本との関係についても理解 する。 ・後漢の滅亡と魏晋南北朝時代を概括し、北朝と南 朝の王朝、それぞれの王朝の社会・政治・経済・文 化などについて理解する。 ・魏晋南北朝から土地制度を受け継いで発展させた 隋・唐王朝の政治体制について概括する。 教科:地理歴史 科目:世界史B 学習指導要領 作成様式 都立晴海総合高校 学力スタンダード ・隋・唐で完成された律令政治の実際を理解し、国 際国家として発展した隋・唐を概括する。 ・匈奴・鮮卑・突厥など、中国とかかわりの深い遊 牧騎馬民座区の変遷を中国史と並列で概括する。 エ 時間軸からみる諸地域世界 ・既習内容について年代順に理解し、同時代史をま 主題を設定し、それに関連する事項を年代順に とめる。 並べたり、因果関係で結び付けたり、地域世界ご ・交易や戦争など、他地域・他文化との交流を概括 とに比較したりするなどの活動を通して、世界史 し、同時代史の理解を深める。 を時間的なつながりに着目して整理し、表現する 技能を習得させる。 (3) ユーラシアの海域及び内陸のネットワークを背景 諸 に、諸地域世界の交流が一段と活発化し、新たな地 地 域世界の形成や再編を促したことを把握させる。 域 の ・アブラハムの宗教の中で最も遅く成立したイスラ アラブ人とイスラーム帝国の発展、トルコ系民族 ームの特徴について、既存のユダヤ教・キリスト教 の活動、アフリカ・南アジアのイスラーム化に触 と比較してその共通点・相違点から理解する。 交 れ、イスラーム世界の形成と拡大の過程を把握さ ・イスラームの成立と発展の過程を正統カリフ時代 流 せる。 世 界 ア イスラーム世界の形成と拡大 と を概括することで理解する。 ・アラブ=イスラーム帝国の成立をウマイヤ朝の成 再 立過程とその政治体制から理解する。 編 ・アラブ=イスラーム帝国の変容をアッバス朝の成 立過程とその政治体制から理解する。 ・イスラーム世界の拡大過程を後ウマイヤ朝の成立 から理解する。 ・アッバス朝の衰退とエジプト系イスラーム王朝の 台頭を概括し、イスラーム国家内でのヘゲモニー国 家の変遷を理解する。 ・トルコ系イスラーム国家の台頭と、東方へのイス ラーム世界拡大を概括し、イスラーム世界の拡大と 多様化について理解する。 ・インドやアフリカのイスラーム国家について理解 し、イスラーム世界の急速な発展を理解する。 ・イスラームの文化を概括し、その特徴や、他文化 との交流を理解し、他文化の受容と否定の実際につ いて考察する。 教科:地理歴史 科目:世界史B 学習指導要領 作成様式 都立晴海総合高校 学力スタンダード ・ブワイフ朝・セルジューク朝のバクダード入城を 理解し、イスラーム国家の混乱を概括する。 イ ヨーロッパ世界の形成と展開 ・ローマ国家としての東ローマがギリシャ化してい ビザンツ帝国と東ヨーロッパの動向、西ヨーロ く過程を、ユスティニアヌス帝の治世と業績を通じ ッパの封建社会の成立と変動に触れ、キリスト教 て概括する。 とヨーロッパ世界の形成と展開の過程を把握させ ・スラブ人諸国家の成立と地域性による文化と宗教 る。 の受容を概括し、スラブ世界の多様性を理解する。 ・中世暗黒時代について概括し、国家の分立による 混乱の時代を理解する。 ・フランク王国とカトリック権力の蜜月についてシ ャルルマーニュの戴冠を通じて理解し、中世におけ るカトリック勢力との提携がいかに重要であったか を理解する。 ・中世における封建制を概括し、東洋(特に中国)に おける封建制との比較を通じて、ヨーロッパの封建 制の双務的主従関係について理解する。 ・十字軍の活動を概括し、西洋と他地域との国際関 係を理解し、トゥール・ポワティエ間の戦いから十 字軍までの対イスラーム関係を理解することでキリ スト教世界としての西洋の国際関係を理解する。 ・十字軍の失敗による教皇権の衰退を理解し、シャ ルルマーニュの戴冠からカノッサの屈辱を経て十字 軍の失敗に至るまでの、教皇権の推移を概括する。 ・キリスト教の影響下におけるスコラ哲学の発達を 理解し、同時に神学以外の学問の発展遅滞について も理解し、中世の文化・芸術に対してキリスト教が 及ぼした影響を概括する。 ウ 内陸アジアの動向と諸地域世界 ・シルクロードを中心とした中央アジアのオアシス 内陸アジア諸民族と宋の抗争、モンゴル帝国の 都市に勢力を張った交易民族の活動を理解する。 興亡とユーラシアの諸地域世界や日本の変動に触 ・中央アジアのトルコ系遊牧民のイスラーム化の過 れ、内陸アジア諸民族が諸地域世界の交流と再編 程をカラ・ハン朝の歴史を理解することで概括する。 に果たした役割を把握させる。 ・遼・金の中原進出と、その政治体制である南面・ 北面を併用した二重統治体制について理解し、周辺 異民族が中国の王朝にもたらした影響を理解する。 教科:地理歴史 科目:世界史B 作成様式 学習指導要領 都立晴海総合高校 学力スタンダード ・宋の成立と、官僚機構の完成・異民族との関係に ついて概括し、王安石の改革が必要になった経緯に ついて理解する。 ・北宋の滅亡と南宋の成立について理解し、南宋に おける経済・文化の発展と、金との対外関係の理解 を通じて、中原を異民族に明け渡した王朝の姿を概 括する。 ・宋代の文化について概括し、陶磁器生産の発達を 官窯の出現から理解する。 ・モンゴルにおける諸部族の統一が、ハン国の成立・ モンゴル帝国の成立につながっていることを理解す る。 ・ハン国の分裂と、モンゴル帝国の中国化・元の成 立について理解する。 ・元の中国支配の特徴を、それまでの異民族王朝と の比較から理解する。 ・元代の文化を概括し、異民族王朝支配下における 中国文化の発達と変容を理解する。 ・既習内容である中国史を通史で確認し、各時代ご 同時代性に着目して主題を設定し、諸地域世界 とにおける日本とのかかわりを再確認し、同時代史 エ 空間軸からみる諸地域世界 の接触や交流などを地図上に表したり、世紀ごと として中学校既習内容である日本史と比較対象を行 に比較したりするなどの活動を通して、世界史を い、総合的に理解する。 空間的なつながりに着目して整理し、表現する技 能を習得させる。 (4) アジアの繁栄とヨーロッパの拡大を背景に、諸地 諸 域世界の結合が一層進展したこととともに、主権国 地 家体制を整え工業化を達成したヨーロッパの進出に 域 より、世界の構造化が進み、社会の変容が促された 世 ことを理解させる。 界 の 結 合 と 変 容 教科:地理歴史 科目:世界史B 作成様式 学習指導要領 ア アジア諸地域の繁栄と日本 都立晴海総合高校 学力スタンダード ・トルコ=イスラーム国家の変遷をティムール帝国 西アジア・南アジアのイスラーム諸帝国や東南 を通じて理解する。 アジア海域の動向、明・清帝国と日本や朝鮮など ・オスマン帝国の成立過程を理解し、その統治体制 との関係を扱い、16 世紀から 18 世紀までのアジ を通じて異民族統治に対するイスラームの姿勢を理 ア諸地域の特質とその中での日本の位置付けを理 解する。 解させる。 ・オスマン帝国の拡大過程を概括し、アラブ=イス ラーム国家とトルコ=イスラーム国家の対比を行 い、ヨーロッパとの関係を理解する。 ・ムガル帝国の成立過程と、その統治機構を概括し、 インドにおけるイスラーム勢力の統治を理解する。 ・ムガル帝国における、非イスラーム教徒に対する 寛容政策とその反動の過程とを概括し、多民族・多 宗教国家におけるイスラームを理解する。 ・ムガル帝国の文化・芸術を概括し、イスラームの 文化とインド文化の融合による文化の性質を概括す る。 ・インド洋を支配したムスリム商人と大航海時代の 中で進出してきたヨーロッパ勢力の関係を、ディウ 沖の海戦を通じて理解する。 ・明・清の対外政策と、その影響を概括し、東アジ ア圏における国際交流を理解する。 イ ヨーロッパの拡大と大西洋世界 ・ルネサンスにおける教皇権力衰退の意味を考察し、 ルネサンス、宗教改革、主権国家体制の成立、 ルネサンスが持つ「再生・復興」の意味を理解する。 世界各地への進出と大西洋世界の形成を扱い、16 ・ルネサンス期の人文学者の足跡を概括し、ギリシ 世紀から 18 世紀までのヨーロッパ世界の特質と ャ・ローマ以来の「西洋文明」の歴史の中に位置づ アメリカ・アフリカとの関係を理解させる。 ける。 ・宗教改革を生んだ宗教的・社会的背景について概 括し、対抗宗教改革を行ったカトリック勢力との比 較対象を通じて、これらの運動が、キリスト教の改 革、という同じ根を持つ異なる運動であったことを 理解する。 ・三十年戦争を概括し、主権国家の登場と、主権国 家における宗教の立ち位置を理解する。 ・インドとの香辛料貿易を理解し、オスマン・トル コの影響を含めたうえで、大航海時代の背景を概括 する。 ・アフリカ周りインド航路開拓による商業革命と、 コロンブスの「新大陸」到着による価格革命につい て理解する。 教科:地理歴史 科目:世界史B 作成様式 学習指導要領 都立晴海総合高校 学力スタンダード ・大航海時代の中でのヘゲモニー競争について、ス ペイン・オランダ・イギリス・フランスの各国の歴 史を比較対照しつつ、時間軸に沿って理解する。 ・アメリカにおける英仏の競争を理解する。 ・アメリカにおけるインディオの強制労働と、黒人 奴隷の流入についてラス・カサスの書簡を通じて理 解する。 ウ 産業社会と国民国家の形成 ・産業革命の背景を社会・産業構造・社会情勢など 産業革命、フランス革命、アメリカ諸国の独立 から多面的に理解し、その嚆矢がイギリスであった など、18 世紀後半から 19 世紀までのヨーロッパ・ 理由を理解する。 アメリカの経済的、政治的変革を扱い、産業社会 ・産業革命の経緯を概括し、そこから新たに発生し と国民国家の形成を理解させる。 た社会問題や労働問題を理解する。 ・イギリスの 13 植民地から独立戦争を経てアメリ カが独立する過程を概括し、 「王無き土地」アメリカ の特色を合衆国憲法の条文から理解する。 ・フランス革命に至るまでの経緯を、絶対王政の成 立時から概括する。 ・市民革命としてのフランス革命の流れを概括し、 市民階級の成長について理解するとともに、民主制 の発展について理解する。 ・革命後のフランスの混乱を理解し、ナポレオンの 出現にどのような影響を与えたかを考察する。 ・ナポレオン体制下のフランスの国内政策について 理解する。 ・ナポレオン時代のフランスを対外交渉から概括し、 ナポレオン体制期のヨーロッパについて理解する。 ・ラテンアメリカ諸国の独立の過程について、ヨー ロッパの動きと連動させながら理解する。 ・ウィーン体制の成立から崩壊までを概括し、ヨー ロッパにおけるウィーン体制の意味を理解する。 ・ロシアの南下政策と東方問題を基軸として、この 間時期のヨーロッパの国際問題を理解する。 ・イタリアとドイツの統一運動を概括し、その相違 点と共通点を理解する。 ・アメリカの西進とマニフェストディスティニーを 関連付け、フロンティア開拓の背景と家庭を理解す る。 エ 世界市場の形成と日本 世界市場の形成、ヨーロッパ諸国のアジア進出、 教科:地理歴史 科目:世界史B 作成様式 学習指導要領 都立晴海総合高校 学力スタンダード オスマン、ムガル、清帝国及び日本などアジア諸 ・産業革命の進展によってもたらされた世界規模の 国の動揺と改革を扱い、19 世紀のアジアの特質と 分業体制の中で、アジア諸国が果たした役割を理解 その中での日本の位置付けを理解させる。 する。 ・オスマン帝国が内部腐敗の度を強め、列強に蚕食 されていく中で現れたイスラームの改革運動を概括 し、それに対するオスマン・トルコ側や列強の対応 を見ることで欧米列強の海外進出を理解する。 ・インドの植民地化の過程で、東インド会社が行政 機関としての性格を兼ね備えてきたことを理解し、 後のインド併合の端緒を理解する。 ・東南アジア島嶼部におけるプランテーション経営 をオランダのクーン商会の事例から概括し、植民地 における経済政策について理解する。 ・イギリス・インド・中国の三角貿易が行われた経 緯について、イギリスの対外貿易収支と、産業革命 による新規市場の需要の問題から理解する。 ・アヘン戦争の経緯について概括し、清朝の対外的 評価の変遷について理解する。 ・南京条約・北京条約締結による列強の中国進出と 利権の蚕食について理解し、それに対して起きた太 平天国の乱と洋務運動を通じて、欧米列強と中国の 関係について理解する。 ・明治維新によってすばやく近代化を推進した日本 の成長過程と対外関係を概括し、国際情勢の中での 日本の立ち位置を理解する。 オ 資料からよみとく歴史の世界 ・南蛮貿易の時代から鎖国を経てペリーの来航から 主題を設定し、その時代の資料を選択して、資 開国に至り、近代化を行った日本の通史を世界史の 料の内容をまとめたり、その意図やねらいを推測 中に位置づけ、世界と日本のかかわりについて概括 したり、資料への疑問を提起したりするなどの活 する。 動を通して、資料を多面的・多角的に考察し、よ みとく技能を習得させる。 教科:地理歴史 科目:世界史B 作成様式 学習指導要領 (5) 科学技術の発達や生産力の著しい発展を背景に、 地 世界は地球規模で一体化し、二度の世界大戦や冷戦 球 を経て相互依存を一層強めたことを理解させる。ま 世 た、今日の人類が直面する課題を歴史的観点から考 界 察させ、21 世紀の世界について展望させる。 都立晴海総合高校 学力スタンダード の 到 来 ア 帝国主義と社会の変容 ・軽工業から始まった産業革命が重化学工業のフェ 科学技術の発達、企業・国家の巨大化、国民統 ーズに移行し、発展した資本主義の中で独占・寡占 合の進展、帝国主義諸国の抗争とアジア・アフリ 傾向を強めていったことをトラストやコンツェルン カの対応、国際的な移民の増加などを理解させ、 の発生を通じて理解する。 19 世紀後期から 20 世紀初期までの世界の動向と ・欧米列強の帝国主義政策の発生を概括し、列強諸 社会の特質について考察させる。 国による世界分割の過程を理解する。 ・世界分割の結果抑圧された植民地における民族運 動を総括し、後に言う民族自決の概念をこれらの運 動の中に読み取る。 ・日清戦争と日露戦争を通じて、日本の列強入りの 過程を理解するとともに、先発の列強諸国との関係 を概括し、国際社会の中における日本の立ち位置を 理解する。 ・日露戦争における日本の勝利が後に言う「第三世 界」へ与えた影響を概括し、アジア唯一の「列強」 となった日本の国際的意義を考察する。 ・世界が一体化する中で、 「先進国」への移民が増加 し、それによって、移民と「先住民」の間に起きた 様々な軋轢をアメリカの移民政策を通じて理解す る。 イ 二つの世界大戦と大衆社会の出現 ・第一次世界大戦のきっかけについて理解し、戦火 総力戦としての二つの世界大戦、ロシア革命と を止めえなかった当時の国際情勢について理解す ソヴィエト連邦の成立、大衆社会の出現とファシ る。 ズム、世界恐慌と資本主義の変容、アジア・アフ ・それまでの戦争と異なり、戦時経済によって統制 リカの民族運動などを理解させ、20 世紀前半の世 された総力戦である第一次世界大戦の特徴をそれま 界の動向と社会の特質について考察させる。 での戦争と比較対照し、戦時下の国民生活から理解 する。 教科:地理歴史 科目:世界史B 学習指導要領 作成様式 都立晴海総合高校 学力スタンダード ・ロシア革命の原因をロシアの国力の面から考察し、 その経緯を概括する。 ・ヴェルサイユ体制の確立と、その中で行われた国 際協調と平和維持の努力について概括する。 ・大恐慌までアメリカが謳歌した繁栄を国際経済の 枠組みから概括し、フィッツジェラルドの著作から その実情を理解する。 ・イタリアの経済的衰退とムッソリーニの政権獲得 に至る過程をナチスドイツ成立のプロトタイプとし て概括し、第一次世界大戦の敗戦国が陥った状況を 理解する。 ・ソヴィエトにおけるレーニン死後の世界同時革命 論と一国社会主義論を概括し、スターリンとトロツ キーの抗争を経てスターリンが独裁体制を確立した 経緯を理解する。 ・ 「第三世界」における戦間期の民族運動を概括し、 宗教・思想上の対立が国家を分断し、独立を遅滞さ せた例があることを理解する。 ・世界恐慌の経緯について、ケインズ経済学の効用 と限界について考察し、起きるべくして起きたカタ ストロフの仕組みについて理解する。 ・ 「持てる国」の恐慌対策について概括し、その有効 性を検証するとともに。その政策が世界経済に与え た影響を理解する。 ・ 「持たざる国」の経済政策について概括し、枢軸国 がファシズム的色合いを強めていった過程をナチス の政権掌握を通じて理解する。 ・恐慌時におけるソ連の経済成長とスターリンの独 裁政治をソ連内外から概括し、ソ連の外交政策につ いて理解する。 ・世界恐慌からスペイン内戦を経てナチスドイツの ポーランド侵攻に至る過程を概括し、第二次世界大 戦を前にして高まる緊張と、その緊張を緩和しよう とした宥和政策について理解する。 ・第二次世界大戦における、ヨーロッパ戦線・太平 洋戦線それぞれの戦況の変化を概括し、世紀の戦争 がどのように推移して至ったのかを理解する。 ・第二次世界大戦中の英米首脳を中心とした会談を、 時系列準に追い、その会談内容を概括して第二次世 界大戦の国際的枠組みを理解する。 教科:地理歴史 科目:世界史B 作成様式 学習指導要領 ウ 米ソ冷戦と第三世界 都立晴海総合高校 学力スタンダード ・国際連盟から国際連合への移行を通じて前者の問 米ソ両陣営による冷戦の展開、戦後の復興と経 題点が後者においてどのように解決されたのかを考 済発展、アジア・アフリカ諸国の独立とその後の 察し、第二次世界大戦後の新たな国際協力体制につ 課題、平和共存の模索などを理解させ、第二次世 いて理解する。 界大戦後から 1960 年代までの世界の動向につい ・戦後の東西陣営分裂をマーシャルプランやトルー て考察させる。 マンドクトリンから考察し、冷戦体制の萌芽につい て理解する。 ・冷戦の中で国家が分断された地域を概括し、冷戦 が世界各地における代理戦争の形をとり、時に戦火 を交える戦いになっていた事実を通じて、冷戦構造 を理解する。 ・西ヨーロッパ世界をアメリカが資本主義のショー ウィンドウ化する過程で西ヨーロッパ世界の統合が 起きた事実を確認する。 ・日本が朝鮮特需によって、急速に復興し、ソ連と の国交回復によって国際社会に復帰する一方、アメ リカとソ連の間に立って、第三世界的立ち位置にあ ったことを理解する。 ・第二次世界大戦による宗主国の疲弊を受けてアフ リカにおける独立運動が活発化したことを理解し、 アフリカの年の大量独立を概括する。 ・第三世界が冷戦構造を批判し、AA 会議を主催し たことが国際関係にもたらした影響を考察し、そう した国際社会の枠組みの中における日本の立ち位置 を理解する。 ・第二次世界大戦以降独立した多くのアジア・アフ リカ地域の国々が植民地時代の影響であるインフラ 整備の遅れや基幹産業の育成不足、識字率の低迷な どの様々な要因により、経済的に困窮し、先進各国 や国際機関の援助に頼らなければならなかった一 方、そうした政情不安の中で政権が安定せず、内戦 や内乱が引き起こされていった経緯について理解す る。 ・キューバ危機を通じて、雪解けのムードが到来し、 東西両陣営が核軍縮の方向にかじを切ったことを当 時の社会で核と核兵器がどのように描かれていたか を考察することで理解する。 ・雪解けムードの中であらわれてきたソ連衛星諸国 家の変化に着目し、東側陣営の変容を理解する。 教科:地理歴史 科目:世界史B 学習指導要領 作成様式 都立晴海総合高校 学力スタンダード ・中国のソ連傾倒が中ソ対立に至る過程を冷戦の枠 組みの中の領土問題と関連付けて考察し、ソ連型の 社会主義と中国型の社会主義の相違について理解 し、文革について概括する。 ・西側陣営のリーダーを担い続けたアメリカが冷戦 市場経済のグローバル化とアジア経済の成長、 の負債によって赤字転落する過程をベトナム争を基 冷戦の終結とソヴィエト連邦の解体、地域統合の 軸に理解し、アメリカの凋落が資本主義陣営に与え エ グローバル化した世界と日本 進展、知識基盤社会への移行、地域紛争の頻発、 た影響を為替相場から理解する。 環境や資源・エネルギーをめぐる問題などを理解 ・中東問題を概括し、世界経済を左右する戦略物資 させ、1970 年代以降の世界と日本の動向及び社会 となった石油の重要性を中東戦争と石油危機を通じ の特質について考察させる。 て理解する。 ・石油危機に端を発する世界的な経済活動の収縮に 対して、日本の対外貿易が貿易摩擦を引き起こし、 外圧を呼びこんだ経緯を、オレンジ・米・牛肉を軸 として理解する。 ・中国における改革・開放路線と、天安門事件を二 極として、自由主義と社会主義のはざまで揺れる中 国の政治体制を考察する。 ・ペレストロイカとグラスノスチに代表されるソ連 の改革を概括し、ソ連自体の変容と、その変容が衛 星諸国家に与えた影響を、衛星諸国家の民主化、自 由革命から理解する。 冷戦構造の終焉をマルタ会談とソ連解体、ベルリン の壁崩壊を通じて理解し、国際構造の劇的変化を考 察する。 ・ベネルクス同盟に範をとって始まった EC が拡大 EC を経て EU へと拡大統合される過程を概括し、 欧州連合の性質と経済的意義について考察する。 オ 資料を活用して探究する地球世界の課題 地球世界の課題に関する適切な主題を設定さ ・冷戦終結後もやまない民族紛争を、ボスニア・ヘ ルツェゴビナ、東ティモール、バスク地方、タミル せ、歴史的観点から資料を活用して探究し、その 人などから考察し、世界平和のあり方や、国際的民 成果を論述したり討論したりするなどの活動を通 族自決の方策について考察する。 して、資料を活用し表現する技能を習得させると ・2001 年の同時多発テロから始まる一連のイラク戦 ともに、これからの世界と日本の在り方や世界の 争について概括し、争いのなくならない世界の問題 人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現に を考察し、平和と友愛に基づいた全人類の未来につ ついて展望させる。 いて将来を展望する。
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