『血管外来』と『バスキュラーラボ(Vascular Lab. / 血管検査室) 』について Ⅰ.ご挨拶 Ⅲ.バスキュラーラボ(Vascular Lab / 血管検査室)のご紹介 近年、食生活の欧米化やストレスの増加、肥満の増大、 運動不足などによる生活習慣病の増加に伴い、動脈硬化 な検査を行うことができます。 当院には、今回ご紹介するバスキュラーラボ以外にも、 バスキュラーラボは、外来棟の2階「生理検査室」内 バスキュラーラボでは、この他にも「上腕下肢血圧比 に設置されています。生活習慣病の増加により血管病変 (ABI)検査」や「皮膚潅流圧 (SPP)測定」といった各血 や末梢動脈疾患などの動脈硬化疾患の増加、ビジネスの カテーテルによる血管内治療を行う循環器内科、脳神経 が増加しており、特に近年は「頸動脈超音波検査」や 管関連検査にも対応しており、循環器センターを中心に、 グローバル化や海外旅行ブームなどによる長時間の移動 外科、脳血管内科などや、血管手術や経皮的大動脈ステ 「下肢動脈超音波検査」といった、超音波検査での全身 脳神経センターや生活習慣病を扱う診療科からの検査 や、下肢の手術などによる長時間の安静が原因となり、 ントなどを行う心臓血管外科、血管疾患により発生した 血管検索の需要が高まっています。 オーダーも日々増加傾向にあります。 深部静脈血栓症なども増加しています。このような疾患 皮膚潰瘍などに対応する形成外科、皮膚科、整形外科、 バスキュラーラボのスタッフ(生理検査技師)は心臓 の増加に対応するため、当院では「血管外来」および 動脈硬化自体の進行を予防するための糖尿病内科、腎臓 カテーテル治療チームの一員でもあり、以前より循環器 「バスキュラーラボ」を開設しています。 内科、睡眠時無呼吸外来、フットケア外来があり、血管 センターとの連携は強固です。このバスキュラーラボの バスキュラーラボ(Vascular lab.)とは、血管分野の 疾患に対応するためのほぼすべての診療科と外来が揃っ 本格稼働を契機に、これまで以上に正確かつ迅速な検査 様々な検査装置を集約した血管に特化した専門診断施設 ています。また、MRIや360列CTなど高度な画像診断機 体制を構築し、院内だけでなく地域の先生方、そして地 です。診断装置には、四肢血圧脈 器や侵襲的な血管治療を行うための血管造影室や、高圧 域住民の皆さまのお役にたてる病院を目指します。 波測定装置や超音波診断装置(エ 酸素療法室などの重症虚血肢の治療に必要な施設も院内 コー)などがありますが、検査装置 に揃っています。 循環器内科診療部長 田代 英樹 はすべて無侵襲的方法で行ってい 聖マリア病院は、血管疾患に対応するためのすべての ます。一箇所に多種の診断装置を 診療科や施設が整った全国でも数少ない施設です。血管 設置しているため、短時間で必要 外来は、これらのすべてと緊密に連携をとり、患者さん なデータを収集することができ、 や地域の先生方のために充実した診療を行っていこうと 初診時・経過観察時・治療後など 考えています。 ▷バスキュラーラボのスタッフ プラーク 様々な状況に応じて正確かつ迅速 Ⅱ.血管外来とバスキュラーラボの運用イメージ 専門診療科による 血管疾患治療体制 かかりつけの先生方 血管疾患の窓口 紹介・逆紹介 循環器センター 血管外来 診療科を指定しての 血管疾患の症状・重症度に応じた ご紹介も可能です 適切な診療科で治療を行います バスキュラーラボと 連携し血管疾患の診 断や重症度の評価を 行い、症状に応じた 診療科に治療を繋ぎ ます。 ・循環器内科 ・心臓血管外科 ・糖尿病内科 ・脳血管内科 ・脳神経外科 ・形成外科(フットケア外来) ・整形外科 症状に応じた ・皮膚科 等 診療科へ転科 バスキュラーラボ(血管検査室) ABI・TBI (上腕下肢血圧比)検査,PWV(脈波伝播速 度)検査 ,SPP(皮膚潅流圧)測定、超音波検査(頸動脈, 心臓,腹部,下肢動静脈) 等 閉塞性動脈硬化症に対する「血管内 治療」や「血行再建術」 フットケア外来による下肢慢性創傷 の治療 難治性潰瘍に対する高気圧酸素療法 やVAC療法(陰圧閉鎖療法) 等 バスキュラーラボで行う検査(一部) ◆足関節上腕血圧比(ABI)検査と脈波伝播速度(PWV)検査 手と足の血圧の比較や脈波の伝わり方を調べることで、動脈硬化の程度を数値化して表します。この検査を行う ことにより、動脈硬化の度合を測り早期血管障害を検出することが可能です。バスキュラーラボでは、ABIとPWV を同時に測定し、その結果をコンピューターで数値化します。検査時間は5分程度で、痛みを伴わない検査です。 ○ABI検査(足関節上腕血圧比) 動脈の狭窄や閉塞は、主に下肢の動脈に多く生じます。上腕と足首の血圧の比によってその狭窄や閉塞の程度がわかります。 ○PWV検査(脈波伝播速度) 心臓の拍動(脈波)が動脈を通じて手や足にまで届く速度のことで、検査で得られた数値で動脈硬化の進行度を判断します。 ◆皮膚灌流圧(SPP)測定 ABI検査やPWV検査で異常値があった時に、皮膚灌流圧検査(SPP検査)を行う事があります。皮膚灌流圧測定 は、皮膚微小循環血流を指標とした灌流圧のことであり、皮膚レベルの血流を評価する際に行います。 ◆頸動脈超音波検査 超音波検査は腹部や心臓、妊娠時の検査として一般的ですが、頸動脈検査としても簡便で、視覚的に動脈硬化の 診断が出来る検査です。動脈硬化を起こすと、血管壁が厚くなったり硬くなったりします。血管壁が隆起するプ ラークの有無や血流を確認する検査であり、非侵襲的で検査時間もさほど長くはかかりません。 Ⅳ.ご予約について 連携登録医(かかりつけ医)の先生方からのご紹介にて予約を承ります。患者さんのご紹介の際 には「紹介患者予約コールセンター(0120-78-1035)」をご利用ください。
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